2009年03月15日
湯川秀樹『旅 人』

湯川秀樹博士がどんな文章を書くのかにも興味があるところ。実際に「旅人」を読んでみると、そこに綴られている言葉はとても素直で、また物理学者でありながら文学的な美しさにも満ち溢れています。「旅人」というタイトルも、こんな想いから付けられています。「未知の世界を探究する人々は、地図を持たない旅行者である。地図は探究の結果として、できるのである。」自らを「旅人」と考え、研究という地図のない世界を追求していった湯川博士。彼は知と美をあわせ持ったロマンの人なのではないでしょうか?「旅人」という自叙伝を読み終わったあと、あなたの中にも、あらたな博士像が見えてくるはずです。

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