女性誌などに「この人のライフスタイルを真似したい」といった特集で、度々登場する向田邦子さん。私もそのセンスに憧れて彼女の特集があると必ずその雑誌を手にとってしまうのですが、作品をじっくり味わったのは実は初めてでした。何気ない日常に潜む小さな可笑しさやふとした恐怖、そして小さな悲しみを、鮮やかにすくいあげる向田作品。もっともっと沢山の作品、そして彼女の感性に触れたかった・・・亡くなってから四半世紀以上経った今でも、やはり51年の人生は残念すぎます。(アシスタント:藤丸由華)
SAINTS AND SINNERS / Jocelyn Pook 「向田さんほど一人の人間がもつ聖なる部分と罪なる部分を平等に書いた作家はいない」と小川さん。ジョセリン・プークはキューブリックの「アイズワイドシャット」で注目された作曲家です。
スプリングイズヒア / ミリー・バーノン かごしま近代文学館には向田さんのレコード300枚が収められています。これは、向田さんが「水羊羹にあう曲」とエッセイで書いたお気に入りのジャズ・シンガー。
つらい別れ / アン・マレー おなじくかごしま近代文学館から教えていただいた1曲。向田さんが、「思い出トランプ」で直木賞を受賞したころ執筆していたドラマ「幸福」のテーマでもあります。