SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY

#5「講義テーマ」第2回目

「生徒諸君、今週水曜日、5月1日午前0時。新しい時代を日本は迎えた。
生徒諸君、4月30日上皇様の言葉を聞いたか?
聞いてない人もいるかもしれない。
だけど、私は思っている。

我々は、平和を繋がなくてはいけない。
新しい時代、その中心になるのはどの世代か。
僕たちの世代か、君たちの世代か?
いいや、全世代だ!

よし、みんなでいい時代を作っていこう。」


M 初夏凛々 / singer songer


「平成19年2月2日の夜、僕はお姉ちゃんと住んでたんだけどお母さんから電話がきて「お父さんが倒れた」と。2月3日に日付が変わり朝、お母さんから電話がきて「お父さんが死にました」と。その時に「家族が3人になりました」というような言い方をしたのをよく覚えてます。
その数年後、家で飼ってたラブラドールのロンちゃんが死んだ時お母さんから電話かかってきて「家族が3人になりました」と。
あれ、なんか数が合ってねえぞ…?お父さん死んだ時ロンは家族に入ってなかったのかな…?死んでから家族扱いになったのかな…。みたいな。俺はもうそれが引っかかっちゃって…ずっと(笑)
そのロンちゃんとお父さんが本当に仲良くて、僕は天国で遊んでいると勝手に思っているわけですが、その時にかかっている曲がsinger songerの「初夏凛々」です。
この曲を聴くと、お父さんとロンが先に向こうで遊んで待っててくれている。
そういうふうに思うと僕は何か自分にあった時も安心できるそんな楽曲です。」


「SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY、教授のマンボウやしろだ。さあということでね、令和一発目!
“平成最後”だの“令和最初”だのとかあんまり言いたくないですが、一応、形式上言っておきましょうということで。
僕はよく思うけど、年末年始とか春の訪れとか、それこそ時代が大きく変わるとかもそうだけど、雨が強く降るでも何でもいいので、人生を良くするためのきっかけにして、何か目標を決意したりそういうものにしちゃいましょ。まだ5月3日なんで何か目標を立てちゃってもいいですよ。立てなくてもいいし。」

「答えのない問いに向き合う場所ということで1ヶ月やってまいりましたけども、先週はみんなから「どういう講義をしたらいいか」を募集しました。たくさん送ってくれて、紹介し切れてないものもあるので今日も引き続き紹介しながら、もしかしたら紹介しながらそのまま講義に入るかもよ〜。ワイルドだろう〜?(スギちゃんに似せて) 酔ってんのかな…。ちょっとごめんな。1日から飲みっぱなしだから…(笑)色々あるんだよ。大人になるとこういうタイミングは。」

「前回までは『自分より大切な存在』それから『お金』そして『性』の話。そして『夢と責任』『人生の空白期間、空白とは何だ?』みたいな、送ってくれたのものを紹介したね。じゃあ今日も行こう。」


やしろ教頭こんにちは。
講義テーマなんですが、「空気」なんてどうですか?
場の空気を読むことがいいことなのか、空気を読まないことは悪なのか、
めちゃくちゃ気になっています。
 

楽園ベイベー
福岡県 男性 38歳


「38歳の方もまだそういうことが気になっている。確かに難しいですよね。空気を読むみたいなことが日本では“良し”とされてますが、本当に空気を読むことが良いのか。
意図的に、古舘伊知郎さんなんかは、“水を差す”をセットにしなきゃダメだと言っていて、僕もそう思います。
空気を読む風潮が強ければその時は水を差さなければいけないし、水を差す人ばかりであれば逆に空気を読みながら丸くバランスを取らなければいけない、なんてことがありますが。
『空気を読む、読まない』これもやりましょうかね。
基本的には僕も読むけども、読めるほうじゃないのかもしれないし。仕事でもプライベートでもちゃんとコミュニケーション取りながらそれが正しい、自分が正しいことをやっていると思っていれば、そんなに空気を読む必要のないことのほうが多いと思いますけどね。それで発言して違うのであれば、あとでまた何でそこが違うのかを調整する。空気を読む…世の中そんな空気読んでるのかな?サワカレー助手は、会議とかで空気読みます?」

サワカレー助教授「むちゃくちゃ読みます。」

やしろ教授「むちゃくちゃ読む!?それは空気を読んでバランスをとって発言するのか、空気を読んであまり会議が長引かなようにしているのか、どういう空気の読み方ですか?」

サワカレー助教授「自分の歳もだんだん上がってきて、なるべくいろんな人が喋りやすいようになればいいかなと思ってます。」

やしろ教授「なるほど。若い人がね、それは空気を読むってことの1つなのかな?言葉自体はいい意味で空気読んでる人もたくさんいるから、悪い意味の空気読むが最近ちょっと前に出すぎてるかもな。じゃあ、やりましょう」。


「優しさ」について講義をして欲しいです。 

横パスいのうえ


「いやこれは無理だよ。バキバキの時の南こうせつだって答え出せてないんだからそりゃ無理だよ……ちょっと例え変えようか?(笑) バキバキの時の野田洋次郎だって答え出せてないみたいな。『やさしさ』はおもしろいかもしれないのは、歌とともにやさしさを紐解くというか、この曲が歌っているやさしさはこういうやさしさだ。この曲の歌っているやさしさはこういうことかもしれないみたいな。やさしさってすごい難しいよな。
僕、SCHOOL OF LOCK!をやってる時に、やっぱりやさしさも大事だし友達同士のやさしさも大事だなって思ったけど、世の中もそうだしたまに「SCHOOL OF LOCK!危ないな」ってやってて思ったのは、隣の人が転んだのをすぐ手貸すやさしさが前面に出ちゃう時があって。僕もそうだけど。それってどうなのかね。
そのやさしさっていうのはあんまり強くない気がするんだよな。
隣の人が転んだら、言い方悪いけど大笑いして立ち上がるのを待つことが大事だと思うんだよな。そしてまた一緒に歩いて自分が転んだら隣のやつが笑って立ち上がるのを待っててくれる。命に関わるくらいでようやく助ける。それ以外はそんなに助け合わなくていいんじゃないかなと。その人が起き上がるまで、痛みが収まるまで、笑って待っているくらい。
そういう強さとやさしさみたいなものがないと、転んだらすぐ手を貸すみたいなやさしさは、自分がやると今度相手にも「なんで私が今つまづいたのに優しくしてくれないの?前に優しくしたのに」みたいなやさしさの悪い積み重ねが生活の中でできる時があって。もっと雑でいいんじゃないかなって思うんだよな。
やさしさの定義が少し下がってきてるような気がしてて。怖いことだなって思うことがあるんですけど、このやさしさとはなんぞやという。

自分が夕方やっているラジオ番組でも話しますけど、

僕が駅の方に行ったら子供が転んで倒れてた。
その横でお父さんが見ている。手を貸さない。
そんな中、通りかかったサラリーマンが子供を助ける。
「何であなたは親なのに助けないんですか」と言っている。
僕はそれを見ている。

これ、本当に難しいと思うのは、子供が勝手に起き上がるまで手を貸さないって決めてる親かもしれない。それに対して第三者が本当に手を貸していいのか?と」

「なに?やさしさって。優しいって何?
みなさん、自分が優しいって胸張って言える?
これすごい嫌な質問ですね。言える人は優しくないのかもしれないし。
あれ?世界中に自分のこと優しいなんて言える人いないんじゃないかな。優しいって言葉ってなんだ?

僕はね、優しいよ。」


M ひとりごと/BUMP OF CHICKEN


「藤くん(藤原基央先生)例えば、自分が思うように生活してて、それを誰かは優しいと言うかもしれないし、こっちが何か優しくしたいとか優しくしないとか決めて行動することではなくて、“自分が優しい”とかを行動基準に入れない方がいいのかもしれないな。相手が決めることなのかもしれませんね。優しくなんかなりたくねえけどな。」

「でも本当に好きな人、例えば恋人がいる人で喧嘩したり、恋人に優しくできないときなんかにジレンマ感じることがあるじゃないですか。
でももし今、聴いてる人で「恋人に優しくできてないな」って思う人がいたらいいますが、「好きな人に優しくなれなかったら一体誰に優しくなれんだい?」と。そしてその「好きな人以外にするやさしさって何だい?」と。おかしくなりそうだ。おかしくなりそうだって藤くんも言ってるよ。変になりそうだよ(笑)」


M 濡れない雨 / 中納良恵


「素敵な曲を聴いていい気持ちになっているんですが、いい気持ちになっている自分に「いい気持ちになって流場合じゃねえだろ」と。「何をしに僕はここにきているんだ」と考えたら、やはりみなさんが考える種を落とすことであり、でも種を落とすためには、準備してくる種もあり、いい曲を聴いたときにふつふつと湧いてくる種もあり。
今、僕が思ったのはやっぱり優しい人だと思われたいとか嫌われないために優しくしようっていうのは、生きていく上で本当にやばい落とし穴かもしれない。人が自分にしてくれて、これはよかったなとかあれで助かったなということを覚えておいて、それをするぐらいのことであって。
あとは相手の立場に立って、何をして欲しいかなという。自分が優しいと思われたら…これは危ないな。それを上手くやれる人なんかいるのかな。
人に優しい人だと思われたくて動いている人で、実際あの人って優しいよねって言われてる人ってどれくらいいるんだろう。でもそれは本当に優しいのかな。
僕は別に優しい人だと思われたくはないけど、優しくしたい。誰かに…。
だんだんやさしさを掘っていくとちょっと愛情とか愛と重なっている部分が少しだけある。
愛の土地があったとしてそのちょっと違うところに優しいって土地があるのかもしれないけど、どこか重なっている部分がある気がするな。」

「教授は優しくされたいなんて思わない。もう思わない。年だから!やさしさをもてあましとる!やさしくしたい!誰かに!(笑)」

「来週は『やさしさ』でいってみようか。今日掘ったっちゃ掘ったんだけどね。でもまだ甘掘りか。『やさしさ』はやらなきゃかもね。みんながこれから大事な人と出会うに当たって、これの使い方というのがすごい大事になっているかもしれない。
そして、『やさしさと歌』。歌から見てみようと。この曲は優しいよね。この曲を聴くと優しい気持ちになるよねみたいな。この曲ってそもそもやさしさを歌っているよねとか。なんでもいいです。やさしさにまつわる楽曲を教えてくれ。
俺もう南こうせつさんの「神田川」しか出てこないから(笑)」


次回の講義テーマ『やさしさ』

“冷たい” “厳しい”に隠れている“やさしさ”もあるかもしれない。
“やさしい”の裏に、黒い感情が潜んでいることもあるだろう。

 “やさしい人”ってどんな人なのか。そもそも、“やさしさ”って何なのか。
君はどう考える?

今回は、『やさしさと歌』をテーマにしたレポートも募集します。

「この曲で歌われていることはまさに、やさしさだと思います」
「これを聞くとやさしい気持ちになれるんです」

君が“やさしさ”を感じる曲、“やさしさ”が歌われていると思う曲。
自由な考察を待っています。


※提出はTwitter(#solu)もしくは【 メール 】から。
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