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今夜の授業は「古着が好き!」

『 古着 』
こもり校長「今夜はファッションの『古着』に関する授業をお届け。SCHOOL OF LOCK! 今週も開校です」
♪ 冬夜のマジック / Indigo la End
SCHOOL OF LOCK! 今晩の授業は!
『古着が好き』
こもり校長「実は、今ファッションで古着がトレンドになってるんだけど、教頭、知ってた?」
COCO教頭「いやこれがね、知らなんだ。全然知らない」
こもり校長「下北沢とかね、今めちゃくちゃ古着屋さん増えてるし、メルカリとかでも簡単に古着手に入るでしょ?」
COCO教頭「まあね。うん」
こもり校長「だから今夜は、普段のファッションに古着を取り入れている生徒、古着好きの生徒、さらにヴィンテージ好きの生徒のみんなに、古着の魅力を教えて欲しいと思っている」
COCO教頭「たしかにさ、古着って安くて個性的な服を買いたいって人にはいいかもね」
こもり校長「間違いない。そうよ。そうなんだけども、古着には安くておしゃれで他と被らない服っていう1面も、もちろんあるんだけど、それだけじゃないんだよ。今、生徒のみんなが生まれるちょっと前、1990年代のTシャツが、実はすごいことになってるのよ」
COCO教頭「すごいこと…?」
こもり校長「その当時、2,000円とか3,000円で売ってたTシャツが、物によっては、今や、20万円、30万円になってるの」
COCO教頭「うわっ…Tシャツ…?」
こもり校長「そうそう」
COCO教頭「いやいや。えぇ~」
こもり校長「で、もちろんね。もちろんだよ。なんでもそんなすごい値段になってるわけじゃなくて、ある特定のTシャツがすごい値段になってる、と」
COCO教頭「特定のTシャツ?」
こもり校長「そう。例えば、1990年代のNIRVANA(ニルヴァーナ)のTシャツ、20万円。アニメの『AKIRA(アキラ)』Tシャツ、20万円。みんなも知ってるかな? ジブリ『もののけ姫』のTシャツ、20万円」
COCO教頭「全部20万円やん」
こもり校長「あとはまあ、他にも、アニメの『NARUTO』のTシャツとかも、今すごい値段になってるし、あとは洋楽のバンドTシャツとか、映画のムービーTシャツ、『タイタニック』のTシャツとかもすごいのよ」
COCO教頭「ジャック! 私たちの顔がTシャツになってるわ!」
こもり校長「ロ~ズ! 『タイタニック』Tシャツだよ~」
COCO教頭「このTシャツ、いくら~?」
こもり校長「8万円~!」
COCO教頭「いや、なんで?」
こもり校長「8万円~」
COCO教頭「なんで?」
こもり校長「最後、ジャックは、これを言い残して、海の中に沈んで行った…」

COCO教頭「いやいや。あらすじ変えないでくれる?」
こもり校長「8万円」
COCO教頭「急に現実味なくなるからやめて。え? この『タイタニック』のTシャツって、ジャック、ローズみたいな…」
こもり校長「後ろ、『タイタニック』、ド~ン! みたいな」
COCO教頭「だよね? それ、お洒落なんすか?」
こもり校長「う~ん、どうなんだろうね?」
COCO教頭「着こなせる人いるの?」
こもり校長「いやいや。そういうことじゃないのよ。もちろんお洒落で着てるんだけど、古着のTシャツ、特にそういうムービーTとかっていうのは、ある種、アイデンティティを示すものでもあるわけよ」
COCO教頭「ほう。自分の?」
こもり校長「そうそう。だから要は、その『タイタニック』のやつ、ド~ンと着てる、“俺、お洒落でしょ?”っていうよりかは、“この『タイタニック』のTシャツを纏っている自分のその奥のバックボーンには、たぶん『タイタニック』になにか関わるものがあるんだよ”とか、おそらく“ムービーが好きなんだよ”とか、“こういうグラフィックが好きなんだよ”とか、“『タイタニック』という、このグラフィックスが好き”とか、なんか、そういうアイデンティティ的なものを見せるものでもある」
COCO教頭「アイデンティティ~?」
こもり校長「それが古着だったりする。俺も、この『タイタニック』のTシャツ、持ってたぞ」
COCO教頭「えっ? 8万の?」
こもり校長「俺、その当時ね、たぶん9,000円ぐらいで買ってんの。ちゃんとコピーライトっていう“オフィシャルから出てるよ”って入ってるやつが」
COCO教頭「本物ね」
こもり校長「で、持ってたんだけど」
COCO教頭「はい。どうしちゃったんですか? それ」
こもり校長「手放しちゃった…」
COCO教頭「なんでだよ! ジャ~ック!」
こもり校長「やっぱね、結び付かなかった。ジャックはどんどん落ちて行った」
COCO教頭「ジャ~ック!(笑)」
こもり校長「ごめんね。観たことある生徒だけしかわかんないけど、あのハートの青色のダイヤモンドは、もう海の中に沈んで行った(笑)」
COCO教頭「奥底に」
こもり校長「奥底に(笑)」
COCO教頭「海底にございますか?」
こもり校長「今は海底にある」
COCO教頭「き~、もったいねぇ~。そうか~」
こもり校長「そう。で、今とかだと、あんまそこまでバカ高ではないんだけど、Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)のTシャツとかも人気だよね」
COCO教頭「バイク乗ってないヤツがハーレーTを着ちゃダメよ」
こもり校長「でも、あれよ。最近、永野芽郁ちゃんがハーレー、“私の愛車来ました”みたいな上げてたばっかよ。だから若者にもガツガツ来てんのよ。今」
COCO教頭「人気なんだな?」
こもり校長「ハーレーが」
COCO教頭「ハーレー様が?」
こもり校長「まあTシャツはまだいい方なんですよ」
COCO教頭「なんですか?」
こもり校長「極端な例よ。これはまあ極端な例なんだけど、今から80年前のジーンズやGジャンの中には、1,000万円するのがある」
COCO教頭「もうわからん。土地か? 1,000万の、その布は着るの?」
こもり校長「もはや着ない。それは博物館級のものだから」
COCO教頭「着ないんだ?」
こもり校長「着ない」
COCO教頭「わからん。その世界」
こもり校長「うん、すごいよ」
COCO教頭「1,000万、桁がちょっと超えてるわ。いろいろ。規格外」
こもり校長「頭はもう、わかんなくなっちゃってるでしょ?(笑)」
COCO教頭「チャリンチャリン言ってるけど、わかんない。もう」
こもり校長「そう。だから、とにかく今ね、古着って、ライトにファッションに取り入れてる層から、ゴリゴリのマニアまで、もう世界中ですごいことになってんの」
COCO教頭「ワールドワイドなんだ?」
こもり校長「そう」
COCO教頭「まあでも、今日はそのライトな方のね、古着の楽しみ方でいいんですよね?」
こもり校長「それはもう、もちろん。ただね、1個気づいたのよ」
COCO教頭「なんですか?」
こもり校長「この1990年代のTシャツとか、今すごい値段になってるっていうことじゃない?」
COCO教頭「ビックリしてた」
こもり校長「だからもうウォンテッド企画も、今日はちょっと進めたいわけですよ(笑)」
COCO教頭「ウォンテッド企画にまで?」
こもり校長「そう。ということは、生徒のみんなのお父さん、お母さんが、昔着てたTシャツ。で、今パジャマ代わりに着てるそのTシャツが、とんでもないお宝の可能性があるわけよ」
COCO教頭「お宝発見だ?」
こもり校長「そうなの。だから、もしよ。もし、1990年代の映画のTシャツ、“お母さん、『もののけ姫』のTシャツ着てた!”とかね」
COCO教頭「可能性あるか?」
こもり校長「“洋楽バンドのTシャツ、私、英語読めないけど、たしかにNIRVANAっぽいの着てた!”とかさ」
COCO教頭「おとっちゃんが着てた、とかね」
こもり校長「“アニメのTシャツ、『NARUTO』あるわ”みたいな」
COCO教頭「はいはいない」
こもり校長「“『AKIRA』って誰? って思ってた!”とかさ。そういうのよ」
COCO教頭「そういうのをね」
こもり校長「もし、生徒の君のお父さんとお母さんが持ってたら、ぜひ、その写真を送って欲しい」

さあ、SCHOOL OF LOCK! 今晩の授業は!
『古着が好き』
こもり校長「僕は“古着”と言いましたらですね、もうChampion。リバースウィーブ®のカレッジパーカー or トレーナーがすごく好きなんです。カレッジトレーナーっていうのは、大学の名前が入っているトレーナーとかパーカーのことを言うんだ」
COCO教頭「なるほど」
こもり校長「で、みんな知ってるかな? Championってブランドがあるんだけど、そのChampionってブランドが、トレーナーとかいっぱいいろんなウェアを作っている中で、そのトレーナー、パーカー、ウェアの部門で、リバースウィーブっていう規格を出してるわけ」
COCO教頭「リバースウィーブという規格とは?」
こもり校長「Championのリバースウィーブっていう規格。で、この、リバースウィーブっていうのは、まあ言えば製法ね」
COCO教頭「作り方?」
こもり校長「“トレーナーを作る製法が他のやつとは違いますよ”、“リバースウィーブっていう製法ですよ”っていうのを言ってるわけ」
COCO教頭「はいはい」
こもり校長「本来ならば、普通トレーナーとかなんかを作る時に縦に編んで作っていくんだけど、この製法だと、洗濯機で乾燥機とかかけたら、めっちゃ縮んじゃうわけ」
COCO教頭「え~、やだ」
こもり校長「それを防ぎましょうよ、っていうことで、縦編みじゃなくて横から編んで行きましょう、と。そうすることによって乾燥機にかけたら縦縮みがなくなりますよね、っていう規格がリバースウィーブって規格なのね」
COCO教頭「初めて聞いたな…」
こもり校長「で、これをすることによって長持ちする、と。特にアメリカっていうのは、乾燥機大国だから」
COCO教頭「それはそうだね」
こもり校長「そう。だから、それこそ何年も遡ること、諸説ありだけど、1950年代とかそれぐらいの頃から、大学とかのユニフォーム、だから大学の学生が着るようなトレーナーとか、そういうのに採用されたのが、Championのリバースウィーブ」
COCO教頭「へぇ~」
こもり校長「だから、カレッジパーカーっていうのは物凄い歴史を持ってるわけ。で、俺はそれがもうものすごく大好きなの。もうどこの大学か知らんけど」
COCO教頭「知らんけど、それはいいんだ?(笑)」
こもり校長「知らないっていう、めちゃくちゃ持ってる。家にたぶん、30着近く持ってんのかな?」
COCO教頭「めっちゃあるな」
こもり校長「そう。なんだけど、正直もう“どこの大学ですか?”っていうのもあるよ」
COCO教頭「聞いたことないですよ、みたいのもあるよ」
こもり校長「だけど、その大学の持つデザインとか、文字の配列とか、あと、その時代によって違うプリントの感じとか、かすれ具合とか、誰がどういう風に着て来たのか? っていうのが、そのトレーナーにはもう沁み出てるわけ」
COCO教頭「ちなみに、何大学が好きなんですか?」
こもり校長「私ですか? いい質問するね~。いい質問だよ」
COCO教頭「そんなにいろいろあるんだったらさ」
こもり校長「いや、めちゃくちゃあるわけ。その軍物の学校、やっぱ、陸軍とか空軍とか海軍とか、言えば、この軍の物の大学のトレーナーはやっぱりすごく価値があるわけ。『NAVY』って書いてあるやつね。とか、『USAFA』…航空学校とかのやつね。とかっていうのが、いろいろある中で、やっぱ『エール大学』ってすごく有名なところがあるんだけど、『エール』は見たことあるんじゃないかな? 『YELL』って書いてあるやつ。っていうのは、これもうすごく有名。…あ、ごめん。持ってるんだけど」
COCO教頭「感じ悪いな(笑) おいおい」
こもり校長「っていうのもあるんだけど、俺の中では『MIT』が、やっぱ1番好きかも」
COCO教頭「マサチューセッツ工科大学というめちゃめちゃ賢いところじゃん」
こもり校長「素晴らしい」
COCO教頭「『MIT』」
こもり校長「『MIT』。ただ、『MIT』は、なかなかサイズが出ないんですよ。僕、XLが着たいんですけど、やっぱ『MIT』自体も年代によってすごくプリントが違うわけ。例えば、ほんとに『MIT』っていう2文字のロゴがボンって入ってるだけのものもあるし、『MIT』っていうその下に学校のロゴみたいなのが入っているパターンもあるわけ。
で、『MIT』のロゴの横に、創立の年数が入ってるのとかのもあるわけ。あと、『MIT』の縁に紺色でちゃんと縁取られているパターンとかもあったりとかして、めちゃくちゃ種類があるから、その時期によって、サイズっていうのは全部が作られてるわけではないから、少ないわけよ。“じゃあその紺色で線引かれてる『MIT』のXLが欲しい”って思うと、その年代にしか作られてないから数が少ないわけよ」
COCO教頭「ごめん…、全部一緒! 聞いてたら、全部一緒や…」
こもり校長「と、思うじゃん? 俺もそう思うんだけど、よく見て欲しい」
一同笑い
COCO教頭「回しもんですか?」
こもり校長「違う。年代によっても違うのよ」
COCO教頭「タグとは?」
こもり校長「そう。80年代とか、その後期とかによって、カラータグで淡色タグって呼ばれるものがあって、ただのその赤だけの1色の文字で『Champion REVERSE WEAVE®○○』って書かれてる年代のものがあれば、後半になってくると、それこそちゃんとタグにも色を付けるようになって、トリコタグっていう白いタグに…」
COCO教頭「その“トリコ”ってのは何?」
こもり校長「トリコロール柄。Championってさ、紺色でChampionって書いてあってさ、中が赤で塗られてるじゃない? 白いタグにそれが入ってるから3色入って、トリコロールタグ。ただ、これも80年代後期までは、タグがちょっと短いんですね」
COCO教頭「めっちゃ知識あんな(笑)」
こもり校長「そう。でも90年代後半になるとタグが長くなるんですね。教頭、何年生まれですか?」
COCO教頭「教頭はね、1986年生まれです」
こもり校長「86年生まれだったら、まだトリコタグの短い時だね」
COCO教頭「短いの?」
こもり校長「まだ短い。でも、短いのはいいんです」
COCO教頭「よかった」
こもり校長「長くなってくると…。何故、長くなるのか? ChampionというのはUSAで作られてるわけです。Made In USA、なんだけど、大量生産に伴ってメキシコの工場で作られるようになるわけ」
COCO教頭「これ歴史の授業?」
こもり校長「そう。ってなって来ると、タグを長くすることによって、“Made In ○○”を入れるようになる。“これはUSA産ですよ”とか、“これはメキシコ産ですよ”とか。っていうのが変わってくるわけ。で、このメキシコ産になると何故かタグとかプリントの文字がちょっと細くなるんですね~」
COCO教頭「ねぇ…電話しよ…」
こもり校長「楽し~、楽し~。古着の話、楽し~」
COCO教頭「いやいや。生徒待ってるから電話しよ」
こもり校長「いやいや。たぶん生徒もそうだよね? 話したいことがあるはずだよね?(笑)」
COCO教頭「いっぱいあるから」

こもり校長「もしも~し」
天空猫 埼玉県 17歳
こもり校長「17歳。学年は?」
天空猫「高校3年生です」
こもり校長「天空猫って何年生まれなの?」
天空猫「2005年」
こもり校長「2005年のタグは、もう今めちゃくちゃ新しい。もう刺繍で入ってる。Championで言ったらそんなもん。ごめんな。天空猫。ちょっとだけ話さしてくんない?」
天空猫「(笑)」
こもり校長「Championの話ですると、今までさ…。さっきの“トリコタグになったよ”みたいな話聞いてくれた? 短いような。あれっていうのは、今まではプリントだったわけですよ。ただ、2000年代に入ってくると、その生産技術というのがグッと上がって、今は刺繍になっています。天空猫は、刺繍、長いトリコタグです」
COCO教頭「いやいや(笑)」
天空猫「おぉ~」
COCO教頭「もうさ、人をタグで表現すなよ」
天空猫「(笑)」
こもり校長「めちゃめちゃクオリティ高いです」
COCO教頭「ならよかった。結果オーライだ」
こもり校長「楽しい。ごめんな。天空猫」
天空猫「(笑)」
COCO教頭「付き合ってくれてありがとうね。天空猫」
こもり校長「楽しい(笑) 天空猫はどうなの? 古着はどんなふうに取り入れてるのよ?」
天空猫「私は、この前古着で買ったGジャンがたまたまLevi's(リーバイス)のGジャンで、かっこよくて気に入ってます」
COCO教頭「素晴らしい」
こもり校長「Levi'sといえば、もう古着の中では王様のようなブランドですからね。たまたま古着屋さんで、“あ、いいな。このGジャン”って見たのがLevi'sだったの?」
天空猫「そうです」
こもり校長「ちなみにだけど、そのLevi'sってさ、いくらぐらいで買った?」
天空猫「5,000円ちょっと」
こもり校長「5,000円ちょっとか。冒頭で言った、80年前に作られたジーンズとかGジャンとかが1,000万円になる、みたいな話したじゃん。あれっていうのは、だから、言えば、Levi'sとかもそうなのよ」
COCO教頭「へぇ~」
こもり校長「そう。だから年代によってはものすごく価値がついたんだけど。それはそもそも何で古着を買いに行こうと思ったの?」
天空猫「普通にフラって入って、なんかかっこいいって思ったんですけど、全然服に対して知識がないから、とりあえず買っちゃえって思ったら、たまたまそれで、“やったぁ~”みたいな」
こもり校長「“あ、これ、Levi'sだったじゃん”みたいな?」
天空猫「そうです」
こもり校長「ちなみになんだけどさ、そのLevi'sのちょっと首元のあたりにさ、パッチみたいなの付いてなかった?」
天空猫「はい」
こもり校長「そこに、数字書いてなかった?」
天空猫「今、見に行きます」
こもり校長「待って。もうワクワク。これロットって言うんだけど、生産ロットって言うのがあんのね」
COCO教頭「聞いたことあるよ」
こもり校長「生産ロット。それは、“いつ、どこどこで作られたよ”っていうのを示すための数字なの。これによって全てわかる」
天空猫「えっと…、行きます。“71557”」
こもり校長「“71557”(笑) いい型、持ってる」
COCO教頭「教えて。それ生徒に教えて」
こもり校長「“71557”。そもそもなんだけど、そのLevi'sのGジャンには、年代によって型があるわけ。1番最初に作られた1stモデル。そして次に作られた2ndモデル。で、次に作られた3rdモデル。で、今、その次に作られた4thモデルみたいなので、Gジャンにはいろいろな型があるわけ。
で、その1st、2ndってある中で、3rdって呼ばれる3番目に作られた型。これのロット数が“557”なの。そう。で、もうおわかりの通り、天空猫が持ってるのは、3rdの型なの。3番目に作られた型なの。ただ、この“557”っていう前に“71”っていうのが付いてるでしょ?」
天空猫「はい」
こもり校長「これは、“復刻”を表すロット数なの。で、元々、3rdっていうのは1960年代に作られたものなのね。なんだけど、この“71”って付いてると、“その後またこの型を復刻で作りましたよ”っていうための“71”っていうのは教えてくれてるから、“71557”っていうのは、“3rdの復刻モデルですよ”っていうことです」
天空猫「おぉ~」
こもり校長「めちゃくちゃいい型です」
COCO教頭「いい型なんですか?」
こもり校長「もう“完成された型”と言われたのが3rd」
COCO教頭「へぇ~。じゃあ、天空猫が手に取ったこれはとてもセンスがいいものなんだ?」
こもり校長「むちゃくちゃいい」
天空猫「イェ~! やったぁ~」
COCO教頭「天空猫、よかったじゃん」
こもり校長「しかもこれ、1990年ぐらいすよね? 90年ぐらいに復刻されたもの。だから天空猫より年上。下手したら、俺とタメぐらい」
天空猫「(笑)」
COCO教頭「同じ? えっ? 天空猫はさ、もちろん、今の校長が話してくれた知識とかって、全然知らなかったわけだよね?」
天空猫「知らなかったです」
COCO教頭「だよね? 普段から古着買うの? 着るの?」
天空猫「買うけど、見た目と安さで買ってるだけで、知識はほんとにゼロです」
こもり校長「いや、でも、やっぱそれも本来の古着との出会い方なわけじゃない。本来だったらすごい高いものだけど、古着になることによってお手軽に自分のファッションのレパートリーとして取り入れることが出来る、っていうのが、やっぱ古着の1個の良さでもあるから、今、天空猫がそれで手に取って、たまたまいいなと思ったものがLevi'sだった」
COCO教頭「なるほどね。出会ったんだね。でもね、私はちょっと校長と違ってさ、古着全然わかんないのよ。ってなった時に、この天空猫が買った古着のデニムジャケットだったりっていうのを、自分でもし買ったとしたら、ちょっと着こなし方ムズそうやなって思うんだけど。どうなの?」

こもり校長「いや。逆に、今まず、天空猫。これはどうやって着てあげてるの?」
天空猫「ベージュのカーゴパンツみたいなやつ持ってて」
こもり校長「ベージュのカーゴパンツね。いい」
天空猫「それと一緒に着たりとか、中に青いストライプ柄のシャツ着て、で、下になんかキャミソールみたいなやつ着て、キャミソール、シャツ、Gジャンで、下もジーンズで着たりしてます」
こもり校長「あ~、なるほどね」
COCO教頭「この天空猫のどうですか? 校長」
こもり校長「いい。カーゴパンツと合わせる感じも、俺、好き」
天空猫「やったぁ~(笑)」
COCO教頭「“好き”、いただいてる。天空猫。これは自分でちょっと合わせてみようかなっていう感じだったの? インスタとかなんか参考にしたのあるの?」
天空猫「いや、特に。なんか合うなって思って合わせてるだけで」
COCO教頭「センス抜群じゃない?」
こもり校長「そう。だからセンスもいいし、今後、たぶん、このLevi'sの“71557”って調べるだけでいろんな画像が出てくると思うのよ。インスタとかでも、“Levi's71557”で調べたら、たぶん検索で写真上げてる人、引っかかると思うんだよね」
COCO教頭「今そういうことになってるんだ?」
こもり校長「ってなってくると、自分の中でやっぱそれもいいわけよ。その自分が持ってる服を、“他の人は、あ、こんな着方するんだ?”とか」
COCO教頭「参考に出来るのか?」
こもり校長「その広がりもあるから、天空猫、これ5,000円はいい買い物したよ」
天空猫「やったぁ(笑) ありがとうございます」
こもり校長「いや、相当いい買い物よ」
COCO教頭「よかったね。マジで。じゃあこれからも、今の校長の話とか聞いて古着にまたちょっと興味が湧いてきた感じ?」
天空猫「はい」
COCO教頭「いいじゃない。校長のレクチャーのおかげと言うか、なんと言うか」
こもり校長「いやいや。これで広がればいいのよ。どんどん自分の好きなスタイルで着てくんだよ。Gジャンなんて、着てなんぼだからね」
天空猫「はい(笑)」
こもり校長「自分色に染めちゃってよ」
天空猫「はい」
こもり校長「ありがとな。俺の話に付き合ってくれて」
天空猫「ありがとうございました(笑)」
COCO教頭「そこな(笑)」
こもり校長「ビックリした。俺も気付いたらいっぱい喋っちゃってた。ありがとうね」
天空猫「はい。ありがとうございました」
こもり校長「楽しんでよ。Gジャン」
天空猫「はい」
♪ FRESH feat. Ryohu / TENDRE
COCO教頭「古着って奥深いんだね」
こもり校長「特にGジャンなんてね」
COCO教頭「Gジャンすごいね」
こもり校長「Gジャンはね、世界史なんだよね」
COCO教頭「え? 授業?(笑)」
こもり校長「ごめんなさいね。ここでちょっとだけ時間もらっていい?」
COCO教頭「また?(笑)」
こもり校長「さっき言ってた3rdが“557”って言うんだけど、1stが“506”。2ndが“507”って言うので、これで型が変わってくるんだけど、もう全然違うわけ。1番初めに作られた1stっていうのは、元々、鉱山とかそういう働く人たちのために作られたワークウェアなのよ」
COCO教頭「そうなんだ?」
こもり校長「だから、ジーンズなのよ。で、元々ジーンズをワークウェアとして商標登録して、“これがジーンズですよ”っていうのを最初に取ったのがLevi's」
COCO教頭「はぁ~」
こもり校長「そう。で、この1stっていうのは、片方の胸にしかポケットがなくて、とか」
COCO教頭「ほう」
こもり校長「で、後ろには、キュッとタイトにこう…」
COCO教頭「絞れるような?」
こもり校長「絞れるように、シンチバッチって、針で締めれるようなものになって、2ndになると、2つ…」
COCO教頭「ポッケが?」
こもり校長「ポッケ。胸に2つポケット。そして横にボタンになるわけ。そのシンチがなくなるわけ。で、3rdになると、もう今のファッションウェアにどんどん変わってくから、形のディテールが変わってく、みたいな」
COCO教頭「ほうほう」
こもり校長「そういう違いもあるわけですね。だから、第2次世界大戦とかの話にもなってくるわけ。1stが、第2次世界大戦が入った時に、世界的に“物流とか物を、使うものを削減しましょう”って言った時に、元々5つあったこの前の閉じるボタンが4つになったりとか。で、胸ポケットの物が落ちないように、この上にフラップって言ってね」
COCO教頭「蓋みたいなね」
こもり校長「ポッケに蓋みたいなのあるじゃん。あれもなくしましょう、っつって、フラップがなくなる。それを“大戦モデル”と言います」
COCO教頭「“大戦モデル”と来た?」
こもり校長「大戦時中に作られたものが“大戦モデル”ってものであるんだけど」
職員「1番高いんだよな」
こもり校長「そう。あれが1番高いの」
職員「“S506”ね」

こもり校長「そう!」
COCO教頭「ごめん。さっきから、誰と喋ってんの?」
こもり校長「それでね、やっぱアメリカのでかい人のために、後ろ、2枚布で作ったものをティーバッグと呼ばれるものがね、これがまたすごいよね」
職員「ティーバックの大戦、1番高いね」
こもり校長「あれ、今いくらぐらいすんだろ?」
職員「あのね、色濃いとね、1,000万するって」
こもり校長「そうね」
COCO教頭「え? 誰? さっきから後ろにいるの」
こもり校長「これぐらい来るわけ。で、今はもう2ndとかっていうのもどんどん数が少なくなってて、2ndも、今はもう高くなって来てるね」
職員「まっこんで100万、行っちゃうね」
こもり校長「100万、行くよね。まっこんで100よ」
COCO教頭「まっこん?」
こもり校長「俺はこの2ndが欲しいの。でも2ndっていうのはね、丈が短いわけ。1st…」
こもり校長の古着話はまだまだ尽きない…。
こもり校長「ということで、今夜は普段のファッションに古着を取り入れてる生徒、古着好きの生徒に古着の魅力を教えてもらいたいと思う。今日の授業はもう楽しい」
COCO教頭「なんなの?」
こもり校長「非常に楽しいけど、どうなんだろう? 生徒のみんなは付いて来れてるかね?」
COCO教頭「あのですね、掲示板、ちょっと確認しまして…」
こもり校長「ありがとう」
COCO教頭「静かです。とっても静かです」
こもり校長「なんで…?」
COCO教頭「なんだけど…」
こもり校長「歴史の授業とかやっちゃったからかな…?」
COCO教頭「結構情報量多かったよ。けどね。聞いてください。まあXは…“廊下”はね、盛り上がってるんですよ」
こもり校長「廊下が? ありがたい」
COCO教頭「しかも、これすごいよ」
こもり校長「なに?」
COCO教頭「Xネーム miya。“小森校長がLevi'sに詳しくてびっくり😆 元Levi's社員より笑”」
こもり校長「元Levi'sの社員生徒が来た?」
COCO教頭「もうお墨付きです」
こもり校長「もう元だから、ちょっと離れちゃったからあれかもしんないけど、Levi's150周年おめでとうございます、ということで。なんかあれば、ぜひ、元の勤務先にもちょっと、こんなすごい校長がいたよ、みたいなこと話して貰いたいね」
COCO教頭「いやもう、これは盛り上がってたよ」
こもり校長「多いよ。廊下を遡ってくとさ、“マイリバースウィーブ”なんて届けてくれる生徒がいたりとか。“僕のリバースウィーブはこちらです”みたいな写真を届けてくれてるわけ」
COCO教頭「すごいね」
こもり校長「3着届けてくれてますわ。これは、PROVIDENCE COLLEGE(プロビデンスカレッジ)、っていうのと、これはなんて読むんだろう?」
COCO教頭「これはね、CATHOLIC UNUVERSITY(カトリックユニバーシティ)ですね」
こもり校長「あ~、いいですね」
COCO教頭「はいはい。とか?」
こもり校長「あと、これは? INDIANA(インディアナ)。あ~ いいですね。バスケットボール。そうなんですよ。リバースウィーブっていうのは、カレッジトレーナーは、やっぱ突き進めて行くと、学校だけでなくその部活のトレーナーにまで行くわけよ」
COCO教頭「ほう」
こもり校長「だからさ、バスケットボール部のユニフォーム。ユニフォームって言うか、まあ練習着みたいな。チームのやつとか、あと…」
COCO教頭「じゃあ、バレーボールだったらバレーボールがあるし、みたいなこと?」
こもり校長「あるある。アイスホッケー部だったらアイスホッケーがあるし、とか、アメフトだったアメフトがあるし、みたいな」
COCO教頭「あ、そうなんだ」
こもり校長「あとみんなね、これね、せっかく生徒がこういう風にマイリバースウィーブって上げてくれてるからタグを見て欲しい。タグが全然違うのよ」
COCO教頭「それどこに? あの、何? 首の後ろとかにあるタグ?」
こもり校長「そうそう。普通のタグ見て。このプロヴィデンスは、恐らく90年代後期ぐらい。まあ、前…90年代だね。とにかく90年代後期ぐらいのタグになってる。トリコロールタグのちょっと長いやつ。Made In USAって入ってるやつで、あのChampionの“C”の上に®が入ってんのね」
COCO教頭「®? あの…」
こもり校長「そうそうそう。商標登録とかよくね、Rが入ってんだけど、あとの2枚のやつは刺繍になっている上にChampionって1番最後の右下に®が入ってんの。だから、これは2000年入ってからか、後期かのやつだね」
COCO教頭「ちょっと、Championの社員の方、もし聞いてらっしゃったら、こんな素晴らしい人がいるということを、社内で言っていただきたいと思います」
こもり校長「ぜひぜひ、タグの違いとか、もしよかったら、俺は生徒みんなに話して行きたいなと思っている」
COCO教頭「そうだよね(笑) すごいね」
こもり校長「行こうか? もしも~し!」
ボウズ 熊本県 16歳
こもり校長「16歳。学年は?」
ボウズ「高校2年です」
COCO教頭「中2、高2は、Do what you want!」
ボウズ「OK~」
COCO教頭「Good boy」
こもり校長「ボウズは、古着、どんなアイテムを持ってるんだろうか?」
ボウズ「母方の祖母からもらったライダースジャケットです」
こもり校長「おばあちゃんからライダースジャケットもらったの?」
ボウズ「はい」
COCO教頭「え? どういうこと?」
こもり校長「あのね、ちょっとごめんな。どういうことって言うのも聞きたいんだけど、やっぱライダースをもらい受けるってすごいことだから」
COCO教頭「そうなんだ」
こもり校長「なんで貰ったか? っていう経緯、聞いていい?」
ボウズ「16になってバイクの免許取ったんですけど」
こもり校長「あ、ボウズが?」
ボウズ「はい」
COCO教頭「おめでとう」
ボウズ「その時に、おばあちゃんが元々ハーレーに乗ってて」
こもり校長「かっこいい。最高やな」
COCO教頭「スーパーかっこいいやん」

こもり校長「ばあちゃん、乗ってたんか?」
ボウズ「昔着てた、今使ってないライダースをカスタムしてプレゼントしてくれました」
COCO教頭「うわ。おしゃれ」
こもり校長「えっ? 当時、おばあちゃんがハーレー乗ってた時に着てたライダース?」
ボウズ「今も乗ってるんですけど、今は使ってない、昔、使ってたやつです」
COCO教頭「ちょっと待って。ボウズのおばあちゃん、今もハーレー乗ってんの?」
ボウズ「乗ってます。はい」
こもり校長「大ベテランだな」
COCO教頭「激シブ。かっこいい」
こもり校長「え、でも、そのおばあちゃんが、ほんとにハーレー乗ってる時に来てたライダースを、ボウズが免許取ったから“あんたにあげるわ”っつってくれたの?」
ボウズ「はい」
こもり校長「激熱」
COCO教頭「これすげぇじゃん。めちゃめちゃいいロマンとストーリーがすごいね」
こもり校長「それさ、どうなの? タグとか見てさ、どこのブランドのとかわかる?」
ボウズ「もうだいぶ古くて擦り切れて見えないです(笑)」
こもり校長「そうか。じゃあ、何のものなのか? っていうのはわかんないけど、おばあちゃんが着てたライダースだ?」
ボウズ「はい」
こもり校長「これは何? ダブルかな? シングル?」
ボウズ「一応、ダブルですね」
こもり校長「かっこいい。俺もダブル憧れた」
COCO教頭「なんか違いあるんですか? 例えば、ダブル、シングルもそうだけどさ、ライダースの種類みたいな」
こもり校長「何言ってんの? ダブルとシングルの違いなんて、全然違うよ。校長と教頭ぐらい違う」
COCO教頭「全然違うな」
こもり校長「ダブルとシングルなんて全然違う。聞くのがもうビックリ」
COCO教頭「とかさ、ライダースにもなんかいろいろ種類あるじゃん」
こもり校長「アメリカンとかヨーロッパのやつとか。これどっち? アメリカン? それともヨーロッパのやつかな?」
ボウズ「どうなんすかね? ばあちゃんの後輩の人がだいぶカスタムしちゃってて、原型が残ってないんですけど」
こもり校長「でも、カスタムされても、今、なおも、こうやって受け継がれてるやつってことだもんね」
ボウズ「はい」
こもり校長「で、ダブルで。すごいや。まあもちろん、古着はやっぱ何年もののものがいい、とかあるよ。ブランドもいっぱいあるわ。やっぱルイスレザーとかショットとかそういうのもあるし、それの古いものなんて言えば、ヴィンテージですごいいいものっていうのは出てくるんだけど、もちろんそれは、物としてはいい。でもこういうのって、どうやって自分が着てるか? っていうものが大事だから。さっき言ったでしょ? 古着を着てる。さっきの『タイタニック』と一緒。着てるものっていうのはアイデンティティだから」
COCO教頭「なるほどね。自分のね。ボウズはこれ、ちゃんと着こなしてんの?」
ボウズ「バイク乗る時に着てます」
こもり校長「何と合わせんの?」
ボウズ「一応、ジーパンと、あと、父方のじいちゃんからもらったシャツですね」
こもり校長「じいちゃんからも、シャツもらったの?」
ボウズ「はい」
こもり校長「じいちゃんは? バイク乗んの?」
ボウズ「じいちゃんは普通2輪に乗ってます。機動力があるやつが好きなんで」
こもり校長「機動力?(笑) いやいや大事大事。やっぱ渋いゴリゴリのエンジンのね。燃費悪いやつが好きなおばあちゃんと、ものすごい燃費のいい小回りの利く2輪が好きなおじいちゃんと」
ボウズ「はい」
こもり校長「お互い補ってやってるから。それはすごいね。じゃあそっから、おじいちゃんからも貰った。それは何を貰ったの?」
ボウズ「ペルシャ絨毯みたいな柄のシャツです」
COCO教頭「おしゃれやな」
こもり校長「だいぶ派手なシャツだね」
ボウズ「はい」
こもり校長「そのシャツと、おばあちゃんのライダース」
ボウズ「はい」
こもり校長「最高だよ。どうなの? おばあちゃんってさ、アクセサリーとか着けてる?」
ボウズ「着けてます」
こもり校長「なんかさ、羽みたいなの着けてない?」
ボウズ「あ、着けてますね」
こもり校長「あ~、これやっぱそうよ。これはもしかしたらgoro’s(ゴローズ)の可能性もあります」
COCO教頭「ちょっと共有して。生徒たちに共有して」
こもり校長「これは共有しだしらね、ちょっと明日まで持ってっちゃうかもな~」
COCO教頭「羽?」
こもり校長「そう。goro’sっていう、もうほんとに、裏原…裏原宿を代表するスーパーブランドがあるんだけど。これはインディアンジュエリーなんだけど」
COCO教頭「はい」
こもり校長「これはもうね、吾郎さんという方が作ったから、goro’sと言われているもので」
COCO教頭「マジで?」
こもり校長「もう著名人もたくさん着けていますし、やっぱ当時のアメカジ、裏原を知ってる人はもう全員着けてると言っても過言ではない。今なお引き継がれる代表的なインディアンジュエリーです。ボウズには、どう? わかる? もしかしたらgoro’sかもなみたいな?」
ボウズ「今、初めて聞きました」
こもり校長「そうか。おばあちゃんが着けてるアクセサリーに、もし羽みたいなネックレスがあったとしたら、裏側見て、なんかマルぽちで鷹が飛んでるような刻印が押してあったらgoro’sかも」
COCO教頭「それ、見分け方なんだ?」
ボウズ「丸ポチ…結構擦り切れてますけど…」
こもり校長「まあ長いとね。それか、もうおばあちゃんに聞いてみて。“これって、goro’s?”って」
ボウズ「はい」
COCO教頭「ばあちゃんビックリするだろうな。“おい。どうした? どうした?”みたいな」
こもり校長「“そうだけど”、みたいな。だとしたら、それは高い値段になります」
COCO教頭・ボウズ「え~」
こもり校長「もう、やばいやばい。それは持っといた方がいい。だとしたら、それもいつか受け継げるようにしといた方がいいかもしんない(笑)」
ボウズ「あ、わかりました」
こもり校長「いや、いい。でもね、ほんとに、これはまあ、物ももちろん大事なんだけど、この“なぜ貰ったか?”」
COCO教頭「ストーリーがね」
こもり校長「そう。バイク乗りの血がボウズにも受け継がれてるっていうので、おばあちゃん“これ着なよ”って渡してもらってるわけだから」
ボウズ「はい」
COCO教頭「しかも、それを、ちゃんと着てるっていうボウズが素敵だよね」
こもり校長「素晴らしい」
COCO教頭「ほんとに」
こもり校長「逆に今度はこのライダーズを自分の型にしなきゃ」
ボウズ「はい」
こもり校長「どんどん変わってくるだろうからね。たぶんこのバイクのハンドルの持つ感じによっての、この肘んところの皺が全然変わってくるだろうし」
ボウズ「はい」
COCO教頭「テイストっていうか、見た目、変わって来るんだ? 味が出て来るってことか?」
こもり校長「そうだよ。安全運転でね」
COCO教頭「それはそうだ」
ボウズ「はい」
こもり校長「じゃあ、これからも素敵なバイクライフ、楽しんで」
ボウズ「わかりました」
こもり校長「あと、おばあちゃんのアクセサリー調査だけね。よろしく頼むよ」
COCO教頭「たしかに。goro’sかどうか」
ボウズ「はい」
こもり校長「じゃあね」
ボウズ「はい。ありがとうございます」
COCO教頭「バイバイ」
♪ アイデンティティ / サカナクション
こもり校長「いや、すごいね。こんだけ話してたらさ、やっぱ、おじいちゃん、おばあちゃんの話も出てきたし、お父さん、お母さんのさっきのウォンテッド企画もあるんだろうかな? どうなんだろう?」

COCO教頭「あのね、パジャマとかっていうのじゃないんだけど、ヴィンテージTシャツ」
こもり校長「あ、いい!」
COCO教頭「いや、何が、どういんですか?」
こもり校長「いいTシャツです。Grateful Deadの、80年代と90年代のパンTですね。バンドTシャツでございます」
COCO教頭「バンドTシャツって、バンTか?」
こもり校長「Grateful Deadっていうアメリカのロックバンドだね。1960年代がね…。RN マカロニペンシル、千葉県、13歳、男の子」
COCO教頭「マカロニペンシル、ありがとう」
こもり校長「これを、マカロニペンシルが自分で選んで着てるんだとすれば、相当センスいいよ。しかも、このGrateful Deadの80年代の方の。この赤い方のGrateful Deadのタグを見せてくれてるんだけど、これは、マカロニペンシルはわかって見せてくれてんのか? フルーツタグなんですね」
COCO教頭「フルーツタグ?」
こもり校長「はい。あのですね、ヴィンテージTシャツっていうのは、“タグは嘘をつかない”と言います」
COCO教頭「名言」
こもり校長「偽者のものがいっぱいあるんですけど、当時、もうほとんどのバンドの型…やっぱこういうものってTシャツの型にプリントしてるものだから。ってなった時に、このフルーツタグっていうのが、80年代、90年代当時では流通が多かったの。だから、このフルーツタグを見るだけで、…あ、この下の方にもね、ちょっとかすれでアメリカ国旗みたいなのもなんとなく見えてると思うんだけど」
COCO教頭「はいはい。ちょっとね」
こもり校長「でも、なんとな~く、この古~いフルーツタグがいい」
COCO教頭「やっぱ、フルーツタグがいい?」
こもり校長「うん。めちゃくちゃいい」
COCO教頭「いやでもね、おもしろいもんで、ついに廊下にね、“こもり校長にタグを見て欲しいです”っていう生徒が現れたよ」
こもり校長「いよいよね」
COCO教頭「もう、専門家です」
こもり校長「どれ? あ~、これはロングの方になってるね。このXネーム はちが上げてくれてるリバースウィーブのタグのやつは、もう長くなってるトリコロールのやつだから。これはもう90年代後期よ。長くなった方ですね」
COCO教頭「短いじゃなくて、長い方ね」
こもり校長「そう。90年代頃の製造。だからMade In USA。ほら、入ってるね」
COCO教頭「LARGEって書いてあるやつね?」
こもり校長「そう。これね。LARGEって。90年代後期ですね」
COCO教頭「ちゃんとこうやって、REVERSE WEAVE(リバースウィーブ)って入ってんだ。これ見ただけでわかるってすごいな」
こもり校長「そうですよ。調べればこれ出て来るよ。だから、®が右側にあるでしょ?」
COCO教頭「はい。あります」
こもり校長「っていうことです」
COCO教頭「でもなんか、上と下2個ある。あ、これ、ChampionのRと…」
こもり校長「そう。ChampionのRと、リバースウィーブっていうののR。®」
COCO教頭「はち、送ってくれてありがとう。これ、今実際に初めて見れたわ」
こもり校長「ちょっと、まだもらっていい?」
COCO教頭「行きましょう。気になる。行こう」
こもり校長「さあ、行きましょうか? もしもし」
星詠みの剣士 福岡県 17歳
こもり校長「17歳。学年は?」
星詠みの剣士「高校2年生です」
COCO教頭「中2、高2は、Do what you want!」
星詠みの剣士「OK」
COCO教頭「Very good! Thank you」
こもり校長「星詠みの剣士は、どんなアイテム持ってんの?」
星詠みの剣士「Levi'sの502、レギュラーストレートです」
こもり校長「お~、Levi's502ですね。いいですね。ジーンズですね」
星詠みの剣士「はい」
こもり校長「これは、どこでゲットしたの?」
星詠みの剣士「これはですね、あの、西海岸っていう… 買いに行きまして」
こもり校長「古着屋?」
星詠みの剣士「はい」
COCO教頭「西海岸」
こもり校長「いくらぐらいで買ったの?」
星詠みの剣士「3,000円ぐらいでした」
こもり校長「何でこれを手にしたの?」
星詠みの剣士「元々、Levi's見つけてやろうっていうつもりで古着屋さんに出かけて」
COCO教頭「意気込みだ」

こもり校長「いいねいいね」
星詠みの剣士「探してたら、タグを見つけて。後ろのとこのポケットの。で、“Levi'sだ”と思って見つけて、で、パッチ見て、502。で、履いてみて、ウェストの感じもピッタリだったので、もう、即決で買いました」
こもり校長「それはいい。Levi'sはなかなかウェスト合う、合わないってあるからね」
星詠みの剣士「ありますもんね」
こもり校長「なんかその感じ、星詠みの剣士、ちょっとLevi'sに詳しくなって来てるね」
星詠みの剣士「ファッションめっちゃ好きで」
こもり校長「あ~、そうなんだ」
星詠みの剣士「はい。だから校長が話してる内容を聞いてて、ラジオの前で、うんうん頷いてました」
こもり校長「マジで、あなた、素晴らしい」
COCO教頭「いやいや(笑)」
こもり校長「じゃあさ、これたぶんだけど、Levi'sの502のレギュラーストレートっていうタイプのやつだったらさ、たぶん新しいやつじゃない?」
星詠みの剣士「そうですね。新しいタイプ」
こもり校長「そうだよね。オリジナルのものじゃないじゃない?」
星詠みの剣士「はい」
こもり校長「欲しくなるんじゃないの?」
星詠みの剣士「そうです。めっちゃ欲しくなります」
こもり校長「何が欲しい?」
星詠みの剣士「ビッグe(BIG E)」
こもり校長「うわ! 素晴らしい。やっぱり502がいい?」
星詠みの剣士「501の」
こもり校長「501の方がな。501の方がビッグeが欲しい?」
星詠みの剣士「はい」
こもり校長「501もいいよな。502と501だったら、やっぱ501?」
星詠みの剣士「そうっすね。501かな? って感じ」
こもり校長「これも世界史になって来るんだけどいい?」
COCO教頭「(笑)」
星詠みの剣士「あ、お願いします」
COCO教頭「いやいや。どうぞどうぞ。教えてください」
こもり校長「そもそも、Levi'sっていうのは、501っていうデニムから始まってるわけよ。これはもうGジャンじゃない。デニム。で、501っていうのは、もうボタンフライとしか言いようがないんだけど、この前の…まあ今一般的なのは、チャックと呼ばれる部分。そこがボタンで留めるものをボタンフライって言うのね」
COCO教頭「ほう。ボタンフライね」
こもり校長「で、501っていうのは、真っすぐストレートに太ももから足首にかけて太いものを501。これがもう1番初め。もう、定番中の定番のデニムの形」
COCO教頭「それが501?」
こもり校長「が、501のボタンフライね」
COCO教頭「ボタンフライね。OK」
こもり校長「で、今、星詠みの剣士が持ってる502っていうのはそのボタンフライのところがジップフライなってる。だから、これがジップの始まりと言ってもいいんじゃないか? 過言ではないんじゃないか? っていうぐらい」
COCO教頭「ほう」
こもり校長「で、502の方が形がテーパードになってるわけよ」
COCO教頭「ほうほう」
こもり校長「ごめんね。テーパードっていうのは、太ももの部分はゆったりしてるんだけど、足首にかけてちょっと細くなってってくわけ」
COCO教頭「は~、逆三角形みたいな?」
こもり校長「そう。だから、501っていうのは、ベルトループっていう、ベルトを通すものが元々はなかったわけよ」
COCO教頭「なんで?」
こもり校長「だから元々は、鉱山とか働く人用のやつだから。サスペンダーのボタンしかなかったわけですね。でも、それが502になるにつれて、ファッションとか、よりいろんな人たちに楽しんでもらうためにテーパード型になって、ベルトループがついて、とかっていう歴史があるわけ。だから、これは人によって好みは全然違う」
COCO教頭「そうか」
こもり校長「しかも、それのまたビッグeが欲しいんだ?」
星詠みの剣士「はい」
COCO教頭「これ、さっきからビッグeって何?」
こもり校長「逆にビッグeって何だと思う?」
COCO教頭「ビッグダディ的なことでしょ? ビッグe(笑)」
こもり校長「ビッグeさんっていう紳士がいたと思ってるってこと?」
COCO教頭「そういうことでしょ? 違うの? じゃあ、その“ビッグ”があるってことは、違う意味もあるんですか?」
こもり校長「あ、あなた、センスいいね」

COCO教頭「あれ? なに? 教えて」
こもり校長「何eがあると思う(笑)」
COCO教頭「え~と…、ミドルe」
こもり校長「あ~、違う」
COCO教頭「スモールe」
こもり校長「正解」
COCO教頭「イェイ! やった、正解した。嬉しい」
こもり校長「ごめんな。星詠みの剣士、めちゃくちゃ置いてっちゃった」
星詠みの剣士「(笑)」
COCO教頭「ごめんごめん」
星詠みの剣士「いえいえ(笑)」
こもり校長「501と502の違いはそれなんだけど、これ、俺が説明していい? Levi'sのビッグeの話」
星詠みの剣士「お願いします」
こもり校長「星詠み行く? 俺、行っていい?」
星詠みの剣士「僕、行きますか?」
こもり校長「あ、じゃあ星詠み、行こうか。ビッグeとは?」
星詠みの剣士「ビッグe、ちょっと説明不足かもしれないんすけど…」
こもり校長「いや。いいんだよ」
星詠みの剣士「ほんとに昔のモデルは、このお尻のポケットのところに、『Levi's』っていう赤いタグがついてるんですけど、ここのLevi'sの、スペルの“e”が、大文字で“E”だった時代があるんですよね」
こもり校長「そうなんだよ」
星詠みの剣士「これが、誠に希少価値が高い」
COCO教頭「誠に希少価値が高いんだ?」
星詠みの剣士「これを、Levi'sファンは求めてるんです」
COCO教頭「今は小文字なの?」
こもり校長「そう」
星詠みの剣士「そうです。1960年代ぐらいまでは、たしかビッグeだったと思うんですけど」
職員「73年まで」
星詠みの剣士「それ以降は変わりまして」
COCO教頭「ほう」
職員「501が73年の、66前期の初期がビッグeで、Gジャンだとね、71年ぐらい…73年だな。66前期のビッグeぐらいまでですね」

COCO教頭「急に誰が入って来てんの? 古着屋? 何?」
こもり校長「ジーンズの妖精です」
星詠みの剣士「ジーンズの妖精(笑)」
こもり校長「今のはジーンズの妖精です(笑) そうなんだよね。だから、元々ね、今、星詠みの剣士が言ってくれたのは、マジでちゃんと合ってんのよ。今のLevi's、元々の初期のLevi'sの、Levi'sの“e”っていうのは小文字なわけ。なんだけど、今妖精さんが言ってくれた年代の時には、Levi'sっていうのは全大文字だったのよ」
COCO教頭「そうなんだ」
こもり校長「そうそうそう」
COCO教頭「それがもうレアなものなんだ?」
こもり校長「それはレア。年代、その作られた年数が決まってるから、その年代のものっていう。年代ものなの」
COCO教頭「その1文字違うだけで、そんなに希少価値上がるものなの?」
こもり校長「全然違うよ。あんたもう何言ってんのよ。」
COCO教頭「わかんね。難しい…」
こもり校長「だって、昔の、19◯0年代っていうその決められた時期にしか生産されてないものだから。それ以降はないのよ」
COCO教頭「そっか」
こもり校長「その、そのビッグeが、星詠みの剣士は欲しい?」
星詠みの剣士「はい。好きです」
こもり校長「いい。これはいつか絶対に手にしてもらいたいね。たぶん今持ってるその502のレギュラーストレートのやつも、擦れとか、ちょっと薄くなってる部分とかあるでしょ?」
星詠みの剣士「はい」
こもり校長「本物みたい。やべぇぞ」
星詠みの剣士「ですよね? なんか雑誌とか見てても声出るぐらいもう、なんて言うんだろう? 感動級…」
COCO教頭「声も出ちゃうか?(笑) ポテンシャルあるか」
こもり校長「間違いない。だから、ぜひとも、これは好きになったら手にしてもらいたい」
星詠みの剣士「はい」
こもり校長「この入り口、大事にして」
星詠みの剣士「はい。ありがとうございます」
こもり校長「将来、手にすることを、俺願ってるから。これからも、デニム楽しんでこうな」
星詠みの剣士「はい。楽しみます」
こもり校長「ありがとな」
星詠みの剣士「はい」
こもり校長「じゃあな」
COCO教頭「バイバイ」
星詠みの剣士「バイバ~イ」
こもり校長「バイバイ」
今日の黒板

『 今→未来 』
こもり校長「何が言いたいかって、今行われているものは、やっぱ未来に繋がるものなのよ。で、古着を通して何が言いたいかって、当時、それこそLevi'sを作った人たちは、今作られているものが80年後、100年後にこんなことになるとは、もちろん思ってないわけ。でも、今作られているものが、自分たちが価値があると信じて未来に託したものがしっかり未来で評価されているわけ。
だから、これは何事においてもそう。生徒のみんなが今やってること、もしかしたら“無駄なんじゃないかな?”とか、“未来に繋がんじゃないかな?”とか、“価値なんて出ないんじゃないかな?”って思うことってあると思うけど、これを自分が価値があると信じたことはやり抜いて欲しい。今評価されなくても、時が経てば必ず評価してくれるから。君だけの自分史を俺は作ってもらいたい」
♪ ビンテージ / Official髭男dism
こもり校長「いろいろ話してたけど、いやちょっと、妖精、今それ着てるのは…?」
ジーンズの妖精?「これ、Wrangler(ラングラー)の11MJZっていう、ジップの、これ、1960年代の」

こもり校長「それ、60年代なの?」
ジーンズの妖精?「60年代」
こもり校長「色、めちゃくちゃバキバキじゃないすか?」
ジーンズの妖精「Wranglerの2ndって言われてるやつだよね」
こもり校長「そうか。そうなって来んのか?」
ジーンズの妖精「Wranglerも、これ奥深いのよ」
こもり校長「Wranglerもやっぱね。Wranglerは、ファッションの中では、その時代からしっかり取ってるからね」
ジーンズの妖精「デザイナーが入ったからね」

こもり校長「そう。時間ある? ないよね?」
COCO教頭「ないよ」
こもり校長「デザイナーが入ってるか、入ってないか、っていうのがまた、ジーンズの歴史の中でも、ちょっと分かれて来るわけよ。だから言えば、Wranglerは、もう…時間ない…」
COCO教頭「時間ないんだよ」
こもり校長「ラングラーはモダンなの」
COCO教頭「モダン?」
こもり校長「当時の。時間ない?」
COCO教頭「時間ない」
こもり校長「これ、ほんとにどっか…。また、これ別日に話します」
COCO教頭「そうしましょう」
こもり校長「SCHOOL OF LOCK! は、明日夜10時に再び開校!」
COCO教頭「起立!」
こもり校長「さあ、生徒のみんな立って!」
COCO教頭「礼!」
こもり校長・COCO教頭「また明日~~~~~!!!!」
こもり校長の放送後記
ラングラーの話はもっと生徒に話すべきだった。俺のミス。
COCO教頭の放送後記
古着ってロマンティックやな
配信期間は終了しました
Music 2023.11.27 PLAYLIST
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「これお母さんのニットなんだよね」相手の服装を「ダサい」と思っても口に出すのは要注意!
ラジオの中の学校、TOKYO FMの番組「SCHOOL OF LOCK!」(月曜~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55)。11月27日(月)の放送では、番組冒頭で季節と洋服が話題になりました。パーソナリティのこもり校長(小森隼/GENERATIONS from EXILE TRIBE)とCOCO教頭(CRAZY COCO)の私服の話と、校長の失敗談を紹介します。