
今夜の授業を職員のジャンクションが振り返り!
今夜のSCHOOL OF LOCK!は、昨日発表になった新型コロナウイルス感染拡大の影響で、インターハイ中止決定を受けて、
「インターハイ中止に思うこと」という授業をおこないました。
インターハイを目指していた生徒、目標がなくなってしまった生徒の今の正直な気持ちを直接届けてもらいました。
まず気持ちを聞かせてくれた生徒はRN:やるせないチキン
カヌーで去年インターハイに出場していて、今年引退試合となるインターハイに3年生全員でいって、8位入賞をすることを目標に1年間努力してきたのに…
終わりがちゃんと来ていない引退に対して気持ちが切り替えられないと話してくれました。
最後に「コロナ早く消えろ!」と思いの丈を叫んでくれました。
続いて気持ちを聞かせてくれた生徒はRN:よぺりんご
ソフトボールで全国制覇をするために強豪校に入ったのに目標が無くなってしまった。
同時に10年間やってきたソフトボール人生が終わってしまった。という生徒。
最後に「みんなでソフトやりたーい!」と叫んでくれました。
最後に気持ちを聞かせてくれた生徒はRN:KENSHI坂道。
KENSHI坂道。もインターハイに出場するために今の学校に進学。
友達との遊びも趣味の時間も全てを捧げて部活に打ち込んできたのにその大会が無くなってしまった。
大人や有名人が「この先、絶対にいいことがある」って言うけど、自分にとっては「今」が全てで、目の前の事に必死だから言ってることは分かるけど、受け止められないと素直に話してくれました。
最後に「夏を、普通の日常を返してほしい!」と想いを届けてくれました。
今日は、インターハイが中止になってしまった生徒の話を聞かせてもらったけど、他にもコンクール、文化祭、体育祭、修学旅行など、このコロナウイルスによって色んなモノを奪われた生徒がいっぱいいると思います。
気持ちの整理がつかない生徒、どこに気持ちをぶつけたらいいのか分からない生徒もいっぱいいると思います。
今夜のさかた校長みたいに花粉症が辛くて我慢できなくなったら、わが校の[ 学校掲示板 ]に書き込みをください。
SCHOOL OF LOCK!はいつでも、どんな内容でも、君からの書き込みを待っています。
そして、大人の生徒のみなさん
今日の放送をぜひ聞いてみてください。
「今」を大事に生きている10代の想いが詰まっています。
聞いてあげてください。
『インターハイ中止に思うこと』生徒の率直な気持ちを届けてもらいました。
『まだまだ!』
さかた校長「昨日はね、
『あつまれ学校の森』ということで、超激レアな生徒たちを、WANTEDしたんだけど、うちの学校はスゴイ生徒がたくさんいるね!」
こもり教頭「確かに。昨日話を聞いたのは…
『これまでに賞状を30枚以上もらっています!』という
RN サカナカサ。
『世界20ヵ国以上に行ったことがあります!』という
RN 1は素数じゃない。
『外出自粛なのに彼氏・彼女が出来ちゃった!』という
RN Y.ura。
探せばいるもんなんですね」
さかた校長「しかもね、惜しい生徒もめちゃめちゃいたしね」
こもり教頭「条件に“あと1歩”って生徒も」
さかた校長「10人兄弟の生徒探したけど、“8人兄弟なんですけど”って人も、けっこういたしな」
こもり教頭「あと、『6カ国語じゃないけど、4カ国語しゃべれます。私、もっとがんばります』みたいな。いやいやいや、スゴイ、スゴイ、スゴイ!」
さかた校長「十分、十分スゴイからね!」
こもり教頭「ハードルが相当高い募集の中で選ばれたこの3人ですが、まだまだ激レア生徒、募集したいですね」
さかた校長「いや〜、まだまだいると思うからね。
しかもね、俺がWANTEDした“セロリ農家の次男”っていうのと、こもり教頭が募集した“村出身の金髪”、これはね、いると思うんだよね」
こもり教頭「ふたつ合わせてもいると思うんですよね。
“セロリ農家で村出身の金髪の次男”っていうのも」
さかた校長「だいぶトガっているよ(笑)
まだまだね、随時募集中だから、どしどし書き込んでほしい!」
こもり教頭「さあ、生徒が集まってきました! SCHOOL OF LOCK!
今夜も開校です。起立!」
こもり教頭「礼!」
さかた校長・こもり教頭「叫べ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
♪ emerald city / Sano ibuki
こもり教頭「Sano ibuki先生とは、個人的にちょっとお友達で、『ご飯に行こう』なんて言っていまして。この生放送教室にも来てほしいな〜なんて」
さかた校長「ぜひ来てほしい! いろんな先生たちとね、早く直接会ってしゃべりたいですよね」
さかた校長「今日のSCHOOL OF LOCK!なんだけど…。
昨日発表になったんだけど、
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、今年のインターハイが中止されることになりました」
こもり教頭「“インターハイ”というのは、いわば、高校の部活動の集大成の場所で、1963年に始まってから、中止となるのは初めてということで」
さかた校長「もちろん、みんなの健康、命を最優先に考えての決定だと思うけども、まあ、当事者のみんなは、絶対辛いと思うんだよ」
こもり教頭「SCHOOL OF LOCK!の生徒の中にも、もちろん夏のインターハイを目指して頑張ってきた生徒、たくさんいると思うんですよ。
書き込みもきています」
■
インハイ
インハイ中止。悲しいすぎ。でもこのご時世しょうがないよね。
でもやっぱりコロナ終わってからでもいいから
替わりになるような大会して欲しいデス
y.m 46
女性/15歳/群馬県
2020-04-27 21:45
こもり教頭「SCHOOL OF LOCK!は毎週金曜日の
【応援部】でも、部活に入ってる生徒を応援しているじゃないですか?
もちろんその中には運動部の生徒もいて、休校が続くことで、部活が出来ないフラストレーションだとか、コミュニケーションがとれない辛さだったりとか、直接生徒から聞くこともあるんでよね。
それでいて、さらにここに来てインターハイ中止というのは、正直、今、生徒たちがどんなことを思っているのかなって、心配になりますね」
さかた校長「
【応援部】でも、水泳部の子が『九州大会なくなっちゃいました』って子も、受け止めるにはまだ時間が少なすぎるというか。
ということでね、今夜はこの授業をお届けしたいと思う」
『インターハイ中止に思うこと』
さかた校長「インハイを目指していた生徒、目標がなくなってしまった生徒、今までの努力を発揮する場所が奪われてしまった。
しかし自分のせいではないし、誰のせいでもない。
今の君たちの正直な気持ちを、少しでもいいので話を聞かせてほしい」
こもり教頭「“しかたない”と、そんなに簡単に気持ちの整理はつかないと思うので、ほんとに少しでもいいから、君が今思っている事を、教えて下さい」
♪ カエルノウタ / 森七菜
それではさっそく、最初の生徒に話を聞いてみよう。
やるせないチキン 福井県 17歳 女性
さかた校長「17歳ってことは?」
やるせないチキン「高3です」
さかた校長「部活は何をやってるの?」
やるせないチキン「部活はカヌーをやっています」
さかた校長「カヌー! カヌーってすごいな! カヌーって団体? 個人?」
やるせないチキン「団体も個人もあります。私は個人のほうをやっています」
さかた校長「インターハイは目指していた?」
やるせないチキン「はい」
さかた校長「カヌーはいつから始めたの?」
やるせないチキン「高校2年生から始めました」
さかた校長「まだ2年ぐらいで、インハイ目指しているってすごいな。これまでの成績はどうだったの?」
やるせないチキン「去年のインターハイの本戦に出て、予選落ちでした」
さかた校長「すごくない!? 本戦に出るなんて!
今年は、最終目標は、どこに決めていたの?」
やるせないチキン「今年は、8位入賞を目指していました」
こもり教頭「僕は運動部の部活に所属していたことがないので、インターハイの大切さとか、重さとかって直に経験したことがないんだけど。
それこそ、校長とかは部活やっていたんで、本戦出場とかの厳しさっていうのは、知っているんですか?」
さかた校長「やるせないチキン、あのね、俺もね、小1から高3まで剣道部だったんだよね。高校もスポーツ推薦みたいので行って、それこそ毎日、インターハイ全国大会を目指して練習していたんだよね。
結局俺は、最後の大会にレギュラーになれなかったから、それはそれで俺は終わったけれども、諦めはつけたんだよな。レギュラー争奪戦みたいのがあったからさ。でも、やっぱ、最後の大会が、こんな形になってな…。
ほかの3年生は? 3年生は何人くらいいるの?」
やるせないチキン「自分を合わせて9人です」
さかた校長「ほかの3年生とはどんな話した?」
やるせないチキン「中止になったのは『残念だね』って言ってて。『なにか区切りとなるものがあったらいいね』って話をしていました」
さかた校長「3年生のみんなは同じ気持ちだった?」
やるせないチキン「みんな同じ気持ちでした」
こもり教頭「3年生のみんなと話して、9人で『区切りがないね』って話した時、
“もしかしたら、そのまま引退かもね”って思った時に、率直に言って、寂しい?
悲しい?」
やるせないチキン「悲しいです」
こもり教頭「俺、やったことないからわからないけど、冬とかって、カヌーって、
水の上でしょう?」
やるせないチキン「はい。ウェイトとかもやります」
さかた校長「そうか。夏に向けてな、筋トレとかも頑張ってきたもんな」
やるせないチキン「はい」
さかた校長「しかたないんだけど、しかたないじゃ、すまないよな」
やるせないチキン「はい」
さかた校長「インターハイ中止は、先生から部室で聞いたの?」
やるせないチキン「いえ、まだそんなのもなくて」
こもり教頭「インターハイ中止って聞いて、やるせないチキンは、諦めはついた?」
やるせないチキン「いや、まだついてないです」
こもり教頭「今、やるせないチキンが持っている一番強い感情というと?」
やるせないチキン「3年生全員でインターハイに行って、結果を残したかった。
悲しい思いが強いです」
さかた校長「進路はどうなの?」
やるせないチキン「大学でもカヌーができたらいいかなって、思っています」
さかた校長によれば、高校3年生は夏の大きな大会に向けて頑張って、大会後、やりきった達成感を胸に、進学に向けて勉強をやっていくんだそう。
“インターハイ中止”の事実は、進学へのモチベーションにも影響しそう…。
さかた校長「でも、その悲しいって気持ちは、これまでやるせないチキンが頑張ってきたからこその感情だからな。
だからすげー、頑張ったんだよ。
悲しいし、ムカつくと思うんだけどな。
同じ気持ちで聞いている子たちも、大勢いると思うんだよな。
こうやって電話で勇気を出して話してくれたのは、マジ、嬉しいよ。ありがとな」
やるせないチキン「ありがとうございます」
さかた校長「叫んでいいぞ。やるせないチキン。ムカついているんだったらさ。
みんな思っていると思うから」
やるせないチキン「じゃあ、叫びます!」
さかた校長・こもり教頭「おっ!!」
やるせないチキン「
コロナ早く消えろーーー!!!」
こもり教頭「間違いないな!」
さかた校長「ぶっとばしてぇな、ほんとな。
でもやるせないチキンのおかげで、少しでも気が晴れたり、すっきりした生徒がいるよ。
代表して言ってくれてありがとう。
“しかたない”じゃすまねーよな〜…。
その“頑張った日々”をお前が送ってきたことは、本当に素晴らしいことだからな。
ぜんぜん、ぜんぜん、スゴイよ。
なんか、うまいこと言えないけど。
でもぜんぜん、胸張っていいから!
叫びたくなったら、叫べよ。
いつも鼓膜はお前のほうに向けとくわ。ありがとな!」
♪ 闇夜 / Eve
さかた校長「やるせないチキン、どうしていいかわかんない状況で、叫んでくれたことが、強いなと思ったな」
■
がんばれーーーーーーーーーー。
僕たちはみなさんのことを応援してます!がんばってください!
いくまるがんばります
男性/16歳/香川県
2020-04-28 22:31
こもり教頭「すごく突然のことで、どうすればいいかわからない、何に頑張ればいいかわからない。そういう日々だと思うんですけど。こうして掲示板に書き込まれた“頑張ってほしいです”“応援しています”っていう気持ちが、届けばいいなって思いますね」
よぺりんご 長崎県 17歳 男性
さかた校長「電話ありがとうなー。学年は? 部活は何してんの?」
よぺりんご「高3で、ソフトボールをしています」
さかた校長「ソフトボールか。高3は、もう(インターハイが)最後の大会だったか?」
よぺりんご「はい」
さかた校長「ソフトボールはいつごろからやっていたの?」
よぺりんご「小2からです」
さかた校長「小2からかーーー! 18までな〜。部活は、強豪校?」
よぺりんご「進学校なんですけど、小学校、中学校で地元で活躍していた選手が集まって、けっこうインターハイとか日本代表とかに入っている、強豪校です」
こもり教頭「すごい! じゃあ、日々、みんなと切磋琢磨しながらって感じだ?」
さかた校長「めちゃくちゃ強いだろう? じゃあ、トレーニングも大変だろ?」
よぺりんご「キツイです」
さかた校長「よぺりんごのポジションは?」
よぺりんご「キャッチャーです」
さかた校長「キャッチャー! うわー大事なところだな〜」
こもり教頭「レギュラー?」
よぺりんご「はい」
さかた校長「マジですごいやん。
俺も強豪校で、インターハイ目指すとか言っていたけど、ぜんぜんなれんかった、レギュラー。レギュラーってだけで尊敬するわ。
強豪校でよく勝ち取ったね」
こもり教頭「部員全員、もう、インターハイは“優勝目指して”って感じ?」
よぺりんご「はい」
さかた校長「3年生は何人? インターハイ中止について話した?」
よぺりんご「8人です。中止がわかってから電話したんですけど、“もう終わりかー”とか、“いつ引退するかー”って、みんな落ち込んでいました」
こもり教頭「よぺりんごは、どう思った?」
よぺりんご「休校期間が長くて、ずっと部活できてなかったので、インターハイ出たかったっていうのはもちろんなんですけど、みんなと、もっと長くソフトボール、やりたかったなぁって思いのほうが強いです」
こもり教頭「教頭が行っていた学校の女子ソフトボール部が、めちゃくちゃ強い部だったのよ。で、すごい体育会系でさ、先輩とかに廊下で会うと、ビシッと止まって、『こんにちわー!』みたいな感じだったんだ。
俺、見てたんだよね。授業終わって、すぐ練習して、泥だらけになって。
よぺりんごが、仲間と最後まで試合がしたかったって思い、やるせないよな」
さかた校長「よぺりんご、進路は決まってるの?」
よぺりんご「最後の大会で、いろんな大学とか企業の人たちが毎年見にきてるんですけど、それがなくなったので、もう勉強で大学で進もうかなって思ってます」
さかた校長「大会で結果残していたら、大学や社会人チームとか、ソフトボールで行く道もあったってことだもんな?」
よぺりんご「はい」
こもり教頭「そうか〜〜〜〜…。
それって“切り替える”っていうか、どうなんだろう? 実際、勉強とか?」
よぺりんご「正直、まだ、インターハイがなくなったって実感がなくて。
先輩たちを見てたら、最後の大会が“最後”ってわかっていて、そのあと勉強に切り替えているので、最後がいつなのかわからないから、まだちょっと勉強に切り替えられていません」
さかた校長「そりゃそうだよ。できねーよ、勉強なんかな…」
こもり教頭「もしインターハイがあったとしたら、その先のソフトボールの道って、思い描いていたのかな?」
よぺりんご「うまくいけば、まだ大学や大人になっても、ソフトボールを続けたいなって思っていました」
さかた校長「よぺりんごがソフトボールが好きなら、どんな形でも続けてほしいな。
もう10年以上ソフトボールやってて、もうソフトボールがおまえの人生だもんな。
これで嫌いになる必要は、1個もないからな」
よぺりんご「はい」
さかた校長「まだ昨日決まったことで、仲間や監督とも会えてないしな。
実感わかないのは、当たり前だよ」
こもり教頭「3年生たちとさ、会えてないっていうのも、正直辛いよなー。
連絡は取りあっているの? やるせない感じ?」
よぺりんご「まだ引退が決まってないから、いつになるかわからないけど、『1度みんなでソフトボールやりたいよな』って話しました」
さかた校長「10年もやっていると、家族の応援もないとできないよな。
そんな家族とか仲間にも、本音のところはね、絶対にキレイな気持ちだけじゃないからさ。悪い感情だったり、汚い気持ちが出てさ、あふれることもあるかもしれないけど、それぜんぜん、当たり前だから。
それで1ミリも自分のこと、イヤにならんでいいからな。
俺と教頭にぶつけてもらってもいいし。
よぺりんごも、叫んどくか?」
よぺりんご「はい。
みんなでソフトやりたーーい!!!」
さかた校長「やりたいな。やれると思うよ。やるんだよ。やろう!」
♪ Baby Baby / 世武裕子
さかた校長「やっぱりね、この10代のみんなが、本当に理不尽な、どうしようもできない状況で。そんな中でも勇気を出して、電話してくれて声を聞かせてくれたことが、ほんと、すごく嬉しいんで」
こもり教頭「今日は、『インターハイが中止になった今の気持ちを聞かせてほしい』って授業テーマで話させてもらっているんですけど、“中止”って言葉が、世の中にあふれすぎちゃっていて。“中止”って言葉の重さとかがすごく考えづらくなっている、伝わりづらくなってきているなって感じていて。
でも、生徒と話させてもらうと、その言葉を超えてしまうくらいの“辛さ”だったり、“悔しさ”だったりとか、どこにもぶつけることができない気持ちを抱えている中、なんか、話を聞いてあげることしかできないっていうのも、悔しいところではあるんですけど、今だからこそ、そういう話を聞かせてもらうっていうのが、とても大切なことだなって思いますね」
さかた校長「インターハイだけじゃなく、他のいろんな目標にしていたことも、突然奪われた子たちもいっぱいいると思うし。
できるだけね、少しでも、みんなの力になれたらなと思う」
こもり教頭「ソフトボールをやっていて、“もし大会があったら違う人生があったのかもしれない”とか、“インターハイに向けて個人カヌーを1人がんばってきた”とか、やるせないっすよね、悔しいっすよね。
聞いてる自分も悔しいのに、本人はもっと悔しい。
でもそれが今のリアルな言葉だと思うので。
その“言葉にする”ってことに、意味があるってこともあると思うので。
今の本当の思っていることを、言葉にしてもらえればなって思う」
さかた校長「うん。だからな、生徒のみんな、全部! 全部出していいからな!
思い切って、今の気持ち、ぶつけてほしい」
KENSHI 坂道。 徳島県 17歳 男性
さかた校長「KENSHI 坂道。ありがとうな、電話。何年生? 部活は?」
KENSHI 坂道。「高3です。剣道部です」
さかた校長「おっ! 俺も、ずっと剣道部だったよ」
KENSHI 坂道。「しかも(さかた校長と)一緒で、小学校1年生からずっと今まで剣道、やってきてます」
さかた校長「一緒だね〜。学校はどれくらいの感じ? 強さ的には?」
KENSHI 坂道。「いわゆる“強豪校”って言われるところで、中学校の時から強かった子たちが集まって、インターハイ目指すみたいなチームで。
練習も、正月の休みが1日だけで、2日から練習始めるみたいな」
さかた校長「初稽古な。OBとかくるっしょ? めちゃくちゃしんどいよな〜」
KENSHI 坂道。「来ます。キツイっす」
こもり教頭「じゃあ、もう休むことなく、この3年間は」
KENSHI 坂道。「ほぼ休みなく。土日も練習試合とかで」
さかた校長「もちろん、インターハイは優勝を目指してたんだよな?」
KENSHI 坂道。「1年生のころから、同学年で、絶対にインターハイでベスト8以上に行けるように目指してきてて、去年は、1個上の代でインターハイに出られて。
けど、その時は自分はメンバーに入れず、今、入れるか入れないかのあたりだったんで、悔しいっていうか」
さかた校長「やっとな、自分たちの代になって」
こもり教頭「先輩たちは行ったわけじゃん。近い分、悔しいよな。どこかしら、心の中では、“俺が来年は行ってやるんだ”って思ってたと思うんだ。
ずっと頑張ってきたと思うけど、何が大変だった?」
KENSHI 坂道。「友達とかに、USJとか、遊びに誘われても部活優先で。
坂道のファンなんですけど、そのライブにもまったく行けなかったり」
こもり教頭「ぶつけどころがな〜」
KENSHI 坂道。「結果をちゃんと出して、今まで応援してくれた人とか支えてくれた人に、しっかり恩返しっていうか、そういうのができなかったのが、よけい悔しい」
さかた校長「剣道、お金もかかるしな。親御さんとかにも、せめて大会で活躍しているところを見てほしかったよな。
俺もお前とほぼ同じ人生なんだけど、俺はスポーツ推薦で行ったけど、最後やっぱり、レギュラーになれなかったから、“親に見せられなかった”っていうのは、ずっと思っているんだよな。
辛いよな…。
他の3年生とは話した?」
KENSHI 坂道。「今日が登校日で、集まって、試合がないってことで『区切りがつかん』って、みんな悔しがっていました。
まだ、これから県大会がどうなるかっていうのが、5月1日に決まって、そこで発表なんで、まだなんとも言えないんですけど。それもどうなるか。
この自粛中も、ほかの子たちも、トレーニングとか、走ったりとか、各自していたみたいで、その分、思いがあります」
さかた校長「やりたいことも我慢して、すべて捧げてきたわけだからな」
こもり教頭「本来なら 、この時期だったら、後輩も増える時期じゃん。自分が当たり前のように経験してきたことがないっていうのは、キツイよな」
KENSHI 坂道。「1年生とも、ほぼ関わりのないまま終わってしまって。
いろいろ繋いでいければいいなって思ってたんですけど」
さかた校長「KENSHI 坂道。が思っている、どうしようもない気持ちとか、あったら」
KENSHI 坂道。「今、有名人の方とかが、大人の人たちが、“これから先絶対いいことある”とか、言われているじゃないですか。けど、そんな将来のこととか、正直まだわからんし、今のことに、今、目の前のことに必死で、いっぱいいっぱいだし。
僕たちにとっては、今がすべてなんです。だから。
(“これから先絶対いいことある”って言われても)受け止められないし、納得ができないです」
さかた校長「あのな、ぜんぜんわかんなくていいと思うよ。
いや、お前が言った通り、“今”なんだよな、お前たちは。
大人になるとね、俺も大人っちゃ大人だからさ、精神面わかんないけどさ、絶対そうなんだよ、今の感情が絶対、正しいし。
いいことが、これからあるかもしれないし、ないかもしれないし、もっと悪いことも起こる。長く生きていくと。
だからね、その日その日をね、今をね、どんな感情でもいいけど、まっすぐにとらえて、その感情を出していくのはいいことだから。
“ふざけんなよ”っていう、KENSHI 坂道。の気持ちは、ぜんぜんいいんだよ。
まだ誰もわかんないしさ、どうなるかとか。
でもきっとたぶん、戦っていかなきゃいけないし、日々ね、お前はめちゃくちゃ頑張って戦ってきたと思うし。
実感わかなくていいと思うよ。
なんかな〜、ムカつくな。切り替えなんてな〜!」
KENSHI 坂道。「できないし」
さかた校長「でもな、今、思っているおまえの気持ちが“青春”で、“今”がすべてだろうからね。
唯一言えることはね、大人になって、おまえが戦ってきた、頑張ってきた日々はね、絶対力になってるからな。
俺もおまえと同じ小1から高3まで剣道やってきたからわかるけど、すげー力になってるわ。
ま、大人にならなくても、今、おまえは十分強いけどな。
言いたいこととか、仲間とか親とか、みんなに言えないこととか、俺と教頭、全国のみんなが聞いてくれているから。おまえと同じように思っている子とかね。
なんかあったら、ぶつけてくれ!」
KENSHI 坂道。「
やっぱり、今のメンバーで、きつかったことも乗り越えてきたし、全国大会の舞台に行きたかったと思っています。
夏を返してほしい。普通の日常を早く返してほしい」
♪ 応答するまで / さよならポエジー
■
あたりまえのない日々
みんなでした何気ない会話、真剣に練習したこと、お泊り会したこと、恋愛したこと、ふざけてドッキリしかけたこと全部が遠い存在に感じる。
ほんとに引退したくない、大会で結果残したかった、
腐ったパンダのカップケーキ
女性/17歳/愛知県
2020-04-28 23:41
こもり教頭「“今”なんすよね」
さかた校長「“今”なんだよな、それがすべてなんだよな」
こもり教頭「かけがえのない日々の積み重ねで“今”があるから。
僕も、結果として何を残したとか、まだ見つかってないかもしれないけど、今のみんなの思いが言葉になって、どこか遠いところに飛んでいけばいいなと」
今日の黒板
『くそったれ』
さかた校長「誰も悪くないし、だからこそぶつけようのない怒りがあると思うんだよ。
ムカつくよ!ムカつくな!ふざけんなよ!って。
そうなんだよ、絶対。だって、たまんねぇよな、毎日毎日。頑張って懸けてたもんな。
だから綺麗事じゃなくて、周りの人たちが『仕方ない』って。
それはそう言うしかないから『仕方ない』って言うかも知れないけど、今を生きる君たちからしたら『仕方ない』じゃ無いんだよ。全然。ふざけんなよ、『仕方ない』じゃねぇよな。
でもね、ムカついてもいいし、怒ってもいいし、君の周りが何を言っても君が今思う気持ちが、素直に思ったその気持ちが絶対に正しいから全然怒っていいし、ムカついていいし、切り替えなんてしなくていいからな。
それが当たり前なんだよ。ムカつくよ!めちゃめちゃムカつくよ、俺も!
でもね、今そのムカつく気持ちだったり、怒りはマジでパワーになるんだよ!君を強くしている!それは絶対にそうだ!だから今の気持ちは大事にしろ!それが絶対に正しい!」
♪ 一縷 / 上白石萌音
こもり教頭「いや〜、しょうがないんですよね。しょうがないんです、今って。
だから悔しいんですよね。
未来の話なんてわかんない。もちろんどうなるかわからないけど、でも、俺は、今日話したみんなの言葉と、書き込みに書いてくれた生徒の言葉と一緒に、明日に繋ぎたいと思っている。
明日は、“今日の続き”じゃないんですよ。
明日は、“明日”なんですよ。
みんなの言うこともわかる。今しかないのもわかるんだけど。
でも来ちゃうから。
ちょっと世の中、暗いことが多すぎる。
多すぎて辛いから、少しでも、明るいものを、明日に持っているように、俺はまた、生徒のみんなと、ここで会いたいと思っている。
今日は、みんなと向き合えてほんとに嬉しかった、ありがとう!」
さかた校長「俺もさ、つらいんだよ、花粉症が」
こもり教頭「花粉症だったのか、そのグズグズは。
あれ? 雨降ったりしてたから、そんなに花粉はなかったと思うけどな?」
さかた校長「まあまあ、そうなんだよ。仕方ねぇとかじゃないけど、笑い飛ばしていこう。
SCHOOL OF LOCK!は、笑い飛ばしていくからな、笑うんだよ。
休んだらね、また、戦っていこう!」
こもり教頭「SCHOOL OF LOCK!は、明日夜10時にふたたび開校!」
こもり教頭「起立! 礼!」
さかた校長・こもり教頭「また明日〜〜〜〜〜〜!!!!」
Music
2020.04.28 PLAYLIST
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インターハイ中止に「夏を返してほしい」10代の声
ラジオの中の学校、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」。4月28日(火)の放送では、先日発表された今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止を取り上げました。この大会への出場を目指し、日々練習に励んできた3人のリスナーと電話を繋ぎ、今の気持ちを聞きました。その中から、パーソナリティのさかた校長、こもり教頭と、高3の男性リスナーとのやり取りを紹介します。