新年が明けました。本年もよろしくお願いします。
2017年最初のサカナLOCKS!は、生放送教室より"緊急学級会"を開催します。

山口「生徒の皆さん、年末年始はどう過ごしていましたか？僕は31日に東京の恵比寿 LIQUID ROOMというクラブで石野卓球さんと過ごしまして、朝9時くらいまでベロベロに酔っ払って(笑)。2日から仕事を始めました。最高でしたよ。
年末は、サカナクションはフェスがありまして、いろいろやっていましたけど、とりあえず新年1発目！先生は今日……見てこれ！シャツにセットアップですよ。」





「そしてなんと、皆さんからサカナLOCKS! 山口一郎先生宛に年賀状が届いています。本当にありがとう！人生でこんなに年賀状をもらった事は、かつてない！これ……お母さんに報告するわ(笑)。全部読みましたよ。今年もサカナクション、そしてサカナLOCKS!を宜しくお願いします。」





「サカナクション、2017年はメジャーデビュー10周年イヤーになります。ということで、新年最初の授業は、10周年の目標をたくさん書き初めしていきたいと思います。これ……いっぱいあるんだよ。でも、僕ね、よく考えたら人生で10年間ひとつのことを続けたというのはすごくよかったなと思いますね。僕ね、音楽と釣りくらいしかないんですよ、10年続けたこと。習慣になったんだなと思います。……先生、今日は白いシャツだから墨がちょっと……(笑)。じゃあ書くよ。まずは10周年のメインテーマを書くぞ。」





「サカナクション、10周年のメインテーマは"赤ちゃん返り"！10年続けて、1回初心ってことだね、初心に戻ろうと。つまり、いろいろビクターの悪巧みとかあったんですよ。去年大殺界だったディレクターがいて(笑)、今年大殺界を抜けて後厄になるらしいんだけど、そのディレクターがチクチクチクチク……両A面シングル、両A面シングル…って言われ続けてきて、なかなかアルバムを出させてもらえなかったのよ。だから仕事としての音楽を浴びせられ続けてきたから、10周年を機に赤ちゃん返りをして、もう1回……1から、ファーストアルバムくらいの気持ちでやっていきたいと思う。これをサカナクションのメインテーマにするぞ。もう何年前に出したかわからない「グッドバイ」はまだアルバムに入っていないからな(笑)。」

「じゃあ、次いくよ。次は年内に出す予定のアルバムのコンセプトを書くわ。」







「いろいろ考えたよ年末年始……まあずっと考え続けてるんだけど。これはどういうことかというと、先生が聞いた話によると、人生の半分の記憶は18歳までに構築されると。おじさん方はいろんな若い頃の記憶があるのよ。だけどそれは大抵18歳までの記憶なんだと。それが60歳とか70歳のおじいちゃんになっても自分の記憶の半分は18歳までに作られちゃっているんだと。先生18歳×2の年齢……36なのよ。多分人生は第4期まであると思うの。で、先生は第3期に突入しているの、今(笑)。だから、18。……「青春」「郷愁」もここに含まれてくるんじゃないかと。みんなは18歳で大学に行くか就職をするか専門学校に行くか、ここで人生が動くわけじゃん。だからみんなも18歳までの記憶を大事に噛み締めてほしいし、18歳の人はこれからの記憶をよく噛んで過ごしてほしいなと思う。先生もこれからしっかり噛んでよく味わって音楽にしていきたいと思う。」

「じゃあ、次。次は、今年から始まる全国ツアーの抱負を書くぞ。」







「ははは！(笑)。これはなぜかっていうと、今演出の話をしているんですよ。これはZeppツアーから始まってホールツアーになって続いていくんですけど、Zeppツアーの演出がすごいのよ。どうすごいかっていうとうまく言えないんだけど、ひとつ言えるのは、ステージも客席もひとつになる感じ。そういうライブをしたいって言った。日本っていろいろ法律があるのよ。ステージの上以外に照明を吊ってはいけないとか。客席の上にとかに吊ってはいけないのよ……海外はいいんだけどね。あと、レーザーも人に当てちゃいけないとかね。海外はバンバン当てているんだけど、日本はダメなの。だけど、客席とステージを一体化させるっていう事を考えてる。それもすごい事になると思う。だから是非来てもらいたいと思う。」

「じゃあ次。音楽シーンとどう向き合っていくかを書くぞ。」





「これはどういうことかというと、先生方はもう10年やってきているの。紅白にも出たし、去年は日本アカデミー賞の音楽賞も受賞した。パリ・コレクションにも行った。あと、オリコン1位もとったのよ。ある程度の事をやって経験できたから、次どうしたらいいんだろうって悩んで試行錯誤しているけど、先生はデビューしたのが遅かったの。26とか27だったから……苦労したの。音楽をやるのにお母さんからお金を借りたり、おばあちゃんにお金をせびったりね。でも、なんでそんな恥をかいてまで音楽を続けてこられたのかと思うと、音楽をやりたいって思いでやってきたの。それをもって先生はここにいるなって。これから先音楽をやっていく上で、やっぱり大義が必要だと思う。大義があるから恥をかけるし失敗できるなって思う。先生の今年の大義は、"音楽が好きな人たちにしっかりと音楽の楽しさを伝える。"そのために音楽をやる。この大義を持って、大志を抱き、周りの人たちにたくさん迷惑をかけてやっていきたいと思う。これが大義。」

「じゃあ、次。次は山口一郎の個人的な目標を書くよ。」





「先生な……人生で1番大きい魚は91センチの鯉なんだよ。それをモラトリアム時代に釣り上げたの。それをまだ超えていない。これを今年は超えたい。チャンスがあるとしたら……秋だな。秋のシーバスだな。一番大きなのが釣れる季節だ。これが山口一郎の個人的な目標だ。」



「そして、みんなにも聞きたい。……みんなが10年間続けたいこと。教えてください。僕の考え方を話してもいいかな？これね、ある本で読んだんだけど、習慣……1時間でも30分でもひとつのことを10年間続けた10年後の自分と、やらなかった自分の10年後って全く違うわけじゃん。それってすごいことだから。習慣として何かを10年やるって人生ですごく大事なことなんだって。そこから僕はいろんな習慣を持って音楽を続けられているんだけど……本を読むとかね。」

この問いかけに対して［ サカナ掲示板 ］に届いた、10代の生徒の皆さんが考える、10年続けたい事についてとは───

---

★初書き込み！
サカナ掲示板初書き込みです！
あけましておめでとうございます(*???*).:*?
今年も楽しい授業楽しみにしています( ^^ )
そして、私が10年間続けたいことは｢絵を描くこと｣です。
私の唯一大好きなことは絵を描くことなんです。
私の10年後は24歳。
大人になっても描き続けていきたいです。

---

「素晴らしいね。いいね。10年間毎日絵を描き続けたら10年後にどんな絵が出来上がっているか……それってすごいことだしね。いろんな絵に出会うだろうし、いろんな自分に向き合う事……それは素晴らしい事ですね。是非続けてほしいと思う。」

---

★10年続けたいこと
約5年やってるダンスと、2年やってるヒューマンビートボックスを10年後もバカみたいに続けていきたいです。

---

「ほー。すごいね。今もう5年もやっているから、10年後は15年間やっていることになるんだね。ヒューマンビートボックスってみんな知ってるか？口でドン、ツッ、ドン、ツッ……ってやるやつだぞ。それも是非続けてほしい。新しいものが見えるかもしれないね。」

「みんなもいっぱい抱負をくれて嬉しいね。」

---

★10年間続けたいこと
私は、小学6年生から一郎先生に憧れてギターを始めたので、今で4年間なので10年間続けたいです！それに一郎先生を見てて釣りが楽しそうなので始めたいです！

---

「お、じゃあ後6年！いいねー。小学校6年生からやっているってすごいね。僕は小学校4年生からでしたよ。それはアコースティックギターだったけど、いるか先生の「なごり雪」とかを弾いていました。釣りも楽しいよ。やってみたらいいと思う。すぐできる！」

---

★身につけたいこと!!!
せっかく高校で被服の基礎をしっかり学んだので、1年に最低でも1着は作っていきたいなと思っています!!!!

---

「おー。服を作るっていいね。さっきサカナLOCKS!の職員と話をしていたんだけど、年を取ってもオシャレでいたいよねって。年を取ってファッションを頑張りすぎているのも恥ずかしいって思われたりするでしょう？でもそのバランスをとっていかないといけないんだと思うよ。18歳のなぽちが服を作っているのは、自分を知るっていう事になっていくと思うんでね。こういう人はあまり今いないから頑張ってほしいと思います。」

---

★10年間継続したいこと
私は、今、付き合ってる彼氏を10年間、いや、それ以上、好きでい続けたいです。
彼を10年間幸せにし続けること。です。
10年間継続したいことは、彼をずっと好きでいることと幸せにすることです！

---

「おー、幸せにしてもらうことじゃなくて、幸せにすることなんだね。すごいね。僕が最も尊敬するインテリアデザイナーの方は、高校時代に出会った人と結婚したんですよ。そういう人もたくさんいるしね。それってすごいことだなと思うよ。ずっと好きな人と一緒にいるって。僕はね……10年後は結婚していないね、多分。やっぱりリアリティないもんね。僕ね、不思議なんだけど……恋愛のマイノリティっているじゃないですか。LGBTの人たちとか。そういう人たちに対して僕は普通の事だし素晴らしい事だと思うけど、マイノリティじゃないけどマイノリティな人たちっているじゃん。男性で女性が好きっていうストレートの人たちの中でのマイノリティ……付き合っているけど結婚しないとか、子供を作らないとか。それに対する理解力ってあんまりないなって。僕はいろんな愛の形があっていいと思うし、結婚の形があっていいなと思うんですよね。同性愛とかそういう事だけじゃなくて。日本人って保守的な人が多いって僕個人的には思うのね。だから愛の形ももっといろんな理解がこれからの未来にされていくと思うし、それに期待したいと思う。自分が10年後に結婚しているかは分からないけど、もっと自分らしくいたいと思うけどね。」



新年一回目の授業も終了の時間になりました。

「今日はたくさん書き初めをしたんですけど、サカナクションは10周年にいろんなことをやっていきたいと思っています。目標もいろいろあるので、それはサカナLOCKS!で随時発表していきたいし、サカナLOCKS!でもっとマニアックな授業をやっていきたいと思う。"大義"として、伝えるべき事があると思うので。」