山口「はい、講義を始めますから席についてください。Twitterを開いている人はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。YouTubeを見ている人はYouTubeを閉じなさい。講義が始まりますよ。先生ね、UNIVERSITYになって、大人だから、ユニフォームを黒シャツからタートルネックに変化させたのだが……夏に近づくにつれ、タートルネックは暑い(笑)。だから、いつものCOMME des GARCONS HOMME PLUSのいつもの黒いシャツに戻しました。……「なぜタートルネックなのか」って誰もTwitterに一言も書かなかったこともあり(笑)。触れられなかったので、これからもこれをユニフォームとしてよろしくお願いします。」
「あー……悩んでいることね……いろいろあるのだが。先生はもう38歳になるんですよ。で、多分もう独身だろうなと。今は良いが、80歳くらいで独身っていうのは一体どうなんだろうっていうのはちょっと悩んでる(笑)。それはどうなのかなーっていうのはちょっと不安ではある。……まだまだ悩みはいろいろあるが、令和になってからまた新しい悩みが出てきたらここで話していきたいと思う。こういうもうちょっと突っ込んだ質問とかきてもいいぞ。今までは音楽についてのことしかこなかったけど、こういうのもあっていい。「初恋はいつですか?」とか。初恋は……先生は、幼稚園の頃の……名前忘れちゃったな……あ、"まり先生"!(笑)」
「それでは本日の講義内容を黒板に書きたいと思います。」
「改めて紹介すると、木曜日にサカナLOCKS!をやっていたときに、当時小学6年生だったドロップくんがサカナクションの『新宝島』のMVをレゴで再現した動画をYouTubeにアップしてくれて、それを番組で紹介しました。」
■LEGO-サカナクション 新宝島〜レゴでサカナクションの新宝島を再現してみた!SAKANACTION(cover)コマ撮り
「ドロップくんにもその時直接電話で話をしたのですが、ドロップくんはYouTubeの音源も自分で打ち込んで再現していて、とても小学6年生とは思えない出来栄えだったわけです。しかも、GarageBandっていうiPadに標準インストールされている音楽ソフトを使って音源を作り、動画も自分で撮影して……全部自分でやっているという。これはもう先生感動して。その後ドロップくんは民放のテレビ番組でインタビューに答えるまで飛躍していった……スターダムを駆け上っている最中のドロップくんですね。その時、もう1曲レゴでMVを再現してほしいとお願いしてできたのが「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」のMVをレゴで再現したものでした。」
■LEGO-サカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(cover) コマ撮り
「これも先生は敢えてTwitterとかで拡散せずに寝かせたんですけど、これも素晴らしい出来でしたね。そんなドロップくんの新作がまた届きまして。今回再現してくれたのは、私が出演している、サカナクションの「忘れられないの」という曲が流れているソフトバンクのCMです。」
■LEGO SoftBank TVCM「速度制限マン」サカナクション〜忘れられないの〜再現
「あの「速度制限マン」篇を見事にレゴで再現してくれました。これね……このCMを作った田中裕介監督と、CMプランナーの澤本嘉光さんの双方と見ました。澤本さんにはメールで「これ知ってます?」って送ったら、「知ってますよ!!すごいですよね!」って返信がきて。田中監督から、「これ見た?」って逆にドロップくんの作品を見せてもらって、「これこのままCMで流したら面白いよね」って言ってましたね。それくらいお気に入りになっているということで。」
「今日もドロップくんと電話をしていきたいと思います。」
山口「もしもし!ドロップくん?」
ドロップ「もしもし。ドロップくんです。」
山口「4月から中学生になったんですね。どう?中学生活は。」
ドロップ「うーん……慣れないですね。まだちょっと……あんまり自分から話かけるタイプじゃないので、友達ができないっていうか……」
山口「小学校から一緒の人はいないの?」
ドロップ「結構いるんですけど、知り合いと同じクラスになれなくて。」
山口「そっかー。先輩とか怖い?」
ドロップ「ちょっと怖いですね。」
山口「ははは(笑)。中学校に来ると妙に先輩感あるもんね。」
ドロップ「はい。ちょっと心配です。」
山口「心配?そっかー。」
山口「今回新作の動画をアップしてくれましたよね。CMの。ありがとうございます。見ましたよ。最高でしたね。最高!」
ドロップ「ありがとうございます。」
山口「これ、歌詞は耳コピしたってこと?」
ドロップ「そうですね。耳コピしました。」
山口「歌詞も合ってる!ばっちり。これはどうやって音源作ったの?」
ドロップ「今回は、CMの曲をいつも通り聴きまくって、GarageBandで同じように耳コピで作りました。」
山口「シンセサイザーの音とかも聴いて自分で音色を作ってやったってことだよね。」
ドロップ「はい。」
山口「すごいねー。これは結構な完成度だと先生は思っているんですけど。今回一番苦労したのはどこですか?」
ドロップ「そうですね……うーん。速度制限マンの体のでかさを再現するところですかね。」
山口「あの肩幅の大きいジャケットだよね。レゴの人形ってサイズあるの?子供サイズとか大人サイズとか。」
ドロップ「一応足が短いのはあるんですけど、上半身が小さいとか大きいとかはないので難しかったです。」
山口「ドロップくんがMVを再現していくには、オリジナルのドロップくんモデルのレゴがそろそろ必要になってくるかもしれないね。」
ドロップ「そうですね。いずれかは。」
山口「今回ドロップくんにお話をしたいと思っていることがあって。ドロップくんに提案したいことがサカナクション側からいくつかあるんですが。前回ドロップくんにMVを新曲で作ってみませんかって話をしたじゃないですか。それをこちら側でいろいろ考えていって、「新宝島」とバッハ、そして今回のこのCMも作ってくれた田中監督ともいろいろ相談をしながら考えたことがあるんです。今ね、この「忘れられないの」っていう曲のMVを田中裕介監督が制作することが決まっているんですね。それがアルバムリリースのタイミング……6月19日くらいに公開になると思います。で、僕らからドロップくんに提案したいのは、「忘れられないの」で田中監督が作ったMVをドロップくんがレゴで作る。またコピーする。それを、同時に配信すると。」
ドロップ「おー……」
山口「NF Recordsでオフィシャルに同じタイミングでリリースするんだけど、音源はドロップくんが「忘れられないの」をコピーする。今まで通り。コピーした音源のデータを僕らがもらって、僕らがそれを化粧直しして、サカナクション「忘れられないの (ドロップくんver.)」を制作するのはどうかな。」
ドロップ「いいですね!けど、「忘れられないの」のMVが全部レゴで再現できるかはどうなんだろうっていう……」
山口「多分いろいろと問題があったり、懸念事項もあったりすると思うので、田中裕介監督にレゴで作るMVの制作ディレクションやアドバイザーとして入ってもらう。で、ドロップくんが音源をコピーする上でのディレクションをサカナクションが入る。」
ドロップ「すごい……!」
山口「だから、ドロップくんデビュー作戦!っていうのを考えようと思って。」
ドロップ「(笑)」
山口「どれくらい制作でかかるかな?今回の「忘れられないの」のCMは何日くらいでできたの?」
ドロップ「えっと……1週間くらいかなと思います。」
山口「曲が5分だから……「新宝島」はどのくらいかかったの?」
ドロップ「1ヶ月くらいです。」
山口「1ヶ月か。じゃあ、6月19日にリリースするとしたら、5月19日くらいには映像がなきゃだめだってことだよね。今週末ってことになるわけですね。」
ドロップ「そうですね。」
山口「じゃあ……多分間に合わないね(笑)。映像は本当に時間がギリギリになるかもしれないから、田中監督の方が先に出ちゃって、その後にドロップくんのがリリースっていうことになるかもしれないね。田中監督にも頑張ってもらうけど、出来次第送るってことにしようかな。」
ドロップ「はい、わかりました。」
山口「だが、これにはひとつ条件がある。」
ドロップ「はい。」
山口「声変わりしたら終了!っていう。」
ドロップ「あー。」
山口「あなたは天使のような本当に素晴らしい歌声をしていると思うんですね。でも、この声質が変わったら僕は急に興味をなくすと思うの(笑)。だから、ドロップくんが声変わりをする前に、できる限り作品を作りたいし、ドロップくんはやっぱり仕事が速い!」
ドロップ「そうですかね?」
山口「速いよ!だって僕が1曲作るのに6ヶ月とかかかるわけだからね(笑)。それをここ何ヶ月で3曲分コピーして撮影までやってっていうわけだから。」
ドロップ「ふふふ(笑)。」
山口「まず受験が始まると無理だから、中学1年生の勉強もしなきゃいけないし。受験に本腰を入れる前に、ぎゅっとやりたいなと思うんだけど……どうかな?」
ドロップ「いいと思います!」
山口「一応お父さまお母さまにもこちらから正式にこういった形で考えていますという提案と、ドロップくんの生活に支障がないように配慮しながらやらせていただきたいと思うんですけど。」
ドロップ「ありがとうございます。」
山口「音源として配信できたりするといいよね。」
ドロップ「わー、それは……!」
山口「「新宝島」とバッハと「忘れられないの」。3曲は、もうあるわけだから。3曲マキシシングル!」
ドロップ「(笑)」
山口「「忘れられないの」のMVが出来たら、ドロップくんに先にお見せして、これをレゴで作れるかっていう話を1回相談して、こういう技術が足りないとかこれはできないってなった時に、田中監督が入って、これはこんな風にやったらいいんじゃないかなとか。人と一緒にやるっていうのをやってみて、それが本当に楽しければ、オリジナルの曲をドロップくんがレゴでMVを制作するっていう。それを中学1年生の中で出来たらなと思っているんです。どうかな?やってみたい?」
ドロップ「やってみたいです!めっちゃ!」
山口「やってみようよ。」
ドロップ「はい。」
山口「じゃあ、また改めて連絡するので。ありがとうね。」
ドロップ「はーい。」
山口「……やっぱ、ドロップくんってめっちゃいい子だよね。育ちがいい。だって、僕が小学校6年生の頃、こんな風に話せなかったもんね。でもドロップくんが声変わりをするのっていつなんだろうな……そろそろですよね。だからなるべく急いで。ドロップくんの人生の中で、この機会がいい思い出になったり、何か新しいことを始める時の勇気になったりする一番いい形をやれたらいいと思うので。変にちやほやじゃないけど……芸能が取り上げてちょっとすれる……みたいな、そうならないように僕らは気をつけてやらなきゃいけないなって気はしていますね。その辺は、ご意見があれば「こういった形でやった方がいいですよ」とか、「これはやめたほうがいいです」とか、送っていただければと思います。」