「宿題『2019年ブレイクしそうなミュージシャンを答えよ!』(2)」

SCHOOL OF LOCK!


今回も、宿題『2019年ブレイクしそうなミュージシャンを答えよ!』に提出された、生徒の皆さんがおすすめする今年ブレイクしそうなミュージシャンをチェックしていきます。メッセージが紹介された生徒には、サカナLOCKS!の放送後記に載っている"例の写真"だけで作られた『サカナLOCKS!特性卓上カレンダー』2019年版をプレゼントしていきます。

(前回の授業の様子[→2019年1月3日の授業])

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「それでは、早速いきましょう。」


僕がブレイクすると思うのは、ずばり「kukatachii」です!
東京で活動している様々なジャンルに影響を受けたバンドで、独特な雰囲気とハイトーンボイスが病みつきになります!
僕が一番好きなのは、「MFEO」です。大人な感じと少し怪しいかんじがとても好きです。本当にブレイクしていないのが不思議なくらいなので、山口先生、絶対、ずぇぇったい、聞いてみてください!

レコーダー
男性/13歳/北海道


「北海道の13歳…恵庭市(の生徒からのメール)!ほうほう。聴いてみましょう。」



kukatachii (クカタチ)。2013年結成。80年代のポップス、R&B、ファンク等、主にブラックミュージックに影響を受け多様なジャンルを取り入れる。(※オフィシャルプロフィールより) 2017年 JAPAN EXPO (@フランス・パリ) に出演。

「なんかね……このkukatachiiのサウンドを聴いてびっくりしたのが……まず、13歳の男の子が、しかも北海道の恵庭市の男の子が、「kukatachiiが最高で、ブレイクしそうです!」って言っていることにすごく未来を感じましたね(笑)。こういう系の音楽を13歳が好きっていうのはすごくいいなって思いますね。あんまり日本にいなかったタイプというか……いたけど、あんまり日の目を浴びてこなかったジャンルですよね。僕らの時代でいうと、こういうサウンドはBONNIE PINKさんとかのポジションなのかなって感じですね。あと、ちょっとダンスの傾向が出てきているんですね、こういうジャンルの中にもね。」

「でも、こういうジャンルでセンスを出していくのって結構難しいんですよね。元ビクターのAPOGEEとかって、こういうジャンルというか……プレーヤーとしてもプロデューサーとしても優れた人たちが集まった中でも、ある種カルチャー感を伴っていたバンドだと思うんですけど、このkukatachiiがどうカルチャー感や大衆性を入れ込んでいけるかっていうのが、多分、彼らのひとつのポイントになるんじゃないかなって気はするね。そこが出てくるともっと広がってくるんじゃないかなっていう気がする。偉そうなことを言って申し訳ないんですけど。ただ、13歳の北海道恵庭市の男の子がkukatachiiが好きだから一郎先生聴いてみてくれっていうこの未来……血を濃くしてきた甲斐があったな、サカナLOCKS!頑張ってきてよかったなって感じがしますね。」

「じゃあ、次。」


私がブレイクすると思うミュージシャンは「ネクライトーキー」です。
最近1stアルバムを出したホヤホヤのバンドです!
めちゃめちゃ可愛いハム太郎似の声。
その声からは発せられないようなブラックな歌詞。
バンド名の通り根暗です!
それとは相反するポップな曲調がたまらないです!
とくに「こんがらがった!」は最高です!
少し根暗な一郎先生にもピッタリだと思います。笑

みとりとり
男性/15歳/大阪府


「聴いてみましょう。」

ネクライトーキーMV「こんがらがった!」



2017年結成の大阪のバンド。2018年、初の全国流通盤フルアルバムをリリース。ギターの朝日廉さんは、ボーカロイドの楽曲を作るボカロPとしても活動。

「ははー……結構好きかも。なんかね……1個わかってきたな。ある種、ギターロックっていうフォーマットが完成形を迎えているんだよね。サビでキーが上がって、四つ打ちになって、ハットが裏に入って。そこまでをどう変化をつけるかっていう。ボカロとかアニソンの手法が、ギターロックっていうフォーマットの中でどう混ぜ合わせるかみたいなのが、結構出てきているのかなって感じがする。」

「で、僕がひとつ好感が持てるところが、ボーカルがカラオケずれしていないっていうところ。それは多分アニソンとかなんだよね、きっと。歌い方のかわいいとか綺麗っていう種類が。カラオケで上手く歌うっていうところから違うところへいくっていうのがカルチャー感になっているっていうのがいいね。あと、楽しんでやってるよね。大阪の感じあるしね。言葉の使い方の意味はともかく、リズムとしてメロディを捉えている感じとかが懐かしい感じがある。相当、勉強しているんじゃないですかね。いろんな音楽を聴いている感じがします。チャットモンチーもこういう要素があったんですよね、初期の頃。結構好き。アルバムちゃんと聴いてみようかなと思います。ありがとう、教えてくれて。」

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「次。」


HYUKOH(ヒョゴ)
韓国を中心にワールドワイドで活躍する4ピースバンドです。

日本での知名度はまだ高くはありませんが、これから感度の高い都市部の若者を中心にブレイクするのではないかと踏んでいます。
とにかく楽曲のセンスが良いのと、浮ついていない世界観、情緒揺さぶる切ない歌声が今の日本の若者バンドにはない魅力だと思います。
キャッチ―な楽曲が多く、CMソングなどに起用されれば一発でブレイクするはずです。

ろーちゃん
女性/31歳/神奈川県


「聴いてみましょう。」

[MV] hyukoh(혁오) _ Comes And Goes(와리가리)



韓国4 ピースバンド。2014年のデビュー1 年で音楽配信8 週連続5 位圏内を記録。ソウルでのワンマンライブは4000 キャパを即完売。2016 年11 月、トイズファクトリーより「20」「22」のライセンス盤をリリース。第15 回韓国大衆音楽賞2018 では、”最優秀モダンロックアルバム(「23」)”、”今年の歌(TOMBOY)“、”最優秀モダンロック曲(TOMBOY)”の計3部門を受賞。ワールドツアーも開催。

「僕ね、このバンド知ってますよ。やっと出てきたって感じですよね。僕はもうずっと前から思っていたけど、韓国の韓流バンドが出てきたら、日本の脅威になるよって。これ日本語で歌ってぱっと出てきたら結構くると思いますけどね。うまいしね……。おしゃれだね。」

「日本のバンドって、どこか日本の歌謡曲感みたいな歴史のコンテクストの中でひとつ成立しているけど、K-POPとかも韓国の音楽って……なんていうか、ノーデザインっていうか。自国の中のデザインが日本とは違うんですよね。混ぜ合せないそのまんまの感じっていうかね。感度が高いから、ビジュアルだったりブランディングはすごく長けていて、一聴すると洋楽だよね。でも、日本も今そういう時代になってきているんだよね。D.A.N.とか……まあ、D.A.N.は独特なセンチメンタルだけど、yahyelとか。あの辺のカルチャーが2年前くらいから出てきていて。でも、そこと比べてもすごく成熟していますよね。これはくると思いますよ。2019年と言わずとも、もうきているんじゃないかなと思うけどね。HYUKOHは僕すごく好きです。教えてくれてありがとう。」

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今回の授業も終了の時間になりました。

「今回の授業は、僕ら、先生世代の音楽の聴き方と、2019年ブレイクしそうって言ってくれた若者たちが聴いている音楽の感覚はずれているというか、違うものだっていうのがはっきり分かったのと、SNSだったりインターネットでの聴かれ方だったり、広がり方っていうのに対しても独特なものが生まれつつあるなと。だって、ちょっと前まで韓国語で歌っているバンドの曲をいいなって思ったりするようなことってなかったもんね。でも聴いてそれがいいって思えるっていうのは、日本だけではなく海外でもクリエイティブの自由化というか……古き良きものを現代に取り入れるっていうことが進んで行っていて。日本はそれに対して遅れをとっているっていう感じがありますね。リデザインすることが得意な日本国民だったはずが、そのリデザインの手法がよりビジネスよりになっていって、うまく機能しなくなっていっているというか。それが日本のアイデンティティになっていってるのかもしれないけど、そういう危機感も感じながら、楽しみな部分もたくさん感じ取れたかなと。でも、HYUKOHが日本でどう受け入れられていくかっていうのがひとつ日本の音楽シーンでの指針になるんじゃないかなと思いました。あと、ネクライトーキーはもう完全に日本。日本の今っていう感じだよね。彼らみたいなミュージシャンがどういう立ち位置になっていくのかっていうのも2019年楽しみだなと思いました。」

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放送後記

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