山口「はい、授業を始めますから席に着いてください。マンガを読んでいる生徒はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている生徒は今すぐ #サカナLOCKS でつぶやきなさい。Instagramを開いている人は、今すぐ #サカナLOCKS で何かしら目の前にあるものを写真に撮って上げなさい。……ふふふ(笑)。授業が始まりますよ。」
「サカナクションは4月から全国アリーナツアーを開催することが決まりましたが、その全公演……全会場……サラウンド公演にすることに決まりました!!ドンドンドン!パフパフ!」
「…………やばい(笑)。マジでやばいぞ。前回ね、幕張メッセと大阪城ホールだけサラウンド公演にしたんですけど、これが大興奮の大好評!マジョリティの中のマイノリティ的なフィーバーをしました。なので、今回調子に乗ってしまいましたが……全会場でサラウンドやっちゃおうぜーいって。幕張だけじゃなく、広島、仙台、名古屋、北海道もやっちゃうよ!だけど、チケットの値段が上がっちゃったのよ、ちょっと。……これはね、本当に申し訳ないと思う。だってね、高校生にとって7000円とか本当に大金だと思う。二人で来て、家族で来たらもう14000円でしょ?それは本当に大変だと思うし、申し訳ない気持ちなんだけど……ただ、そのお金を出してくれた人には、みんなが「あれすごいよね!」って言っている以上の音楽体験を提供したいと思う。そこは本当に肝に銘じておりますので……チームサカナクション一同。だから、ぜひ遊びに来て欲しいと思います。詳しいことは、サカナクションのウェブサイトを見ていただけたらと思います。」
■ サカナクション Official Web Site
「サラウンドシステムがどういうことかというと、みんなフェスとかに行ったら、ステージがあるじゃない?ステージの横にスピーカーがあるじゃない?あれで2チャンネルなのよ。LとRで、ヘッドホン(イヤホン)の右と左といっしょ。普段はそこからだけで聴いているんだけど、僕たちのサラウンドは、前に1と2。横に3と4。後ろに5と6。そして、6.1chの".1"っていうのは、低音だけだけ出るスピーカー……ウーファーだよ。あの……ヤンキーとかが乗っている車から聞こえてくる「ウー、ウー、ウー」っていう音あるでしょ?あれが低音だけのウーファーなのよ。そのウーファーが前に並ぶ。6.1chサラウンドで音に囲まれるコンサートなのね。だから、みんなが体験している音楽体験とは違う体験になるので、来ていただきたいと思う。アリーナツアーが丸ごとサラウンドなのは本当に初なんですよ。なので、ぜひ遊びに来ていただきたい。僕ら必死に頑張っていくので、よろしくお願いします。」
「では、黒板を書きたいと思います。」
今回の授業は、皆さんに出していた宿題『音楽の気温が何度か答えよ!』に提出された回答を紹介していきます。この宿題は、皆さんが好きな楽曲の「気温が何度なのか」、イメージや楽曲の中で歌われていることなどをもとに考えてもらいました。
銀杏BOYZ 「夢で逢えたら」 24.5℃
片思いしている僕、ちょうど夏休み明けにその子に彼氏いることを知ってしまった。
その時、本当に夏の終わりに恋心がさらわれて行ってしまった感じがした。
でもその子を忘れられない温度と恋から覚めかけた温度の混ざってる気持ちを肌寒い秋風がどこかへ運んで行く。
その風の温度がそのぐらいだと思いました。
男性/17歳/香川県
「それでは実際に、銀杏BOYZの「夢で逢えたら」を聴いてみましょう。」
「音楽を作るときにすごく重要な部分っていうのは、当事者意識。聞き手も理解できて感情移入できる……それを意識して書くことがすごく書き手にとって重要だったりするんだけど。さばさばなまずは、好きな人に彼氏がいることが分かって、その時の恋の終わり……夏の終わり……恋心がさらわれていってしまった感じがこの曲とマッチしたと。僕らくらいの年齢になると、こういった世界観の歌詞や楽曲もそうだし、銀杏BOYZの存在自体がリアルタイムだったから、なんていうか……懐かしい。郷愁っていうか……「あの子好きだったな」とか、「こんなことあったな」っていう感じ。その思い出すという行為も、24.5度と言われれば24.5度のような気はする。」
「だから、そういう意味で、彼が言っている銀杏BOY先生の「夢で逢えたらは24.5度」というのは、非常に……音楽気象予報士……」
「ふふふ(笑)……」
「"音楽気象予報士" の僕からすると、いいところいってるんじゃないかと思いますけどね。」
「それでは、スタジオにお返ししますー。」
(※突然、謎の音楽気象予報士が爆誕しました。)
★音楽の気温が何度か答えよ!
BUMP OF CHICKENの太陽っていう曲です。
気温は……!!!
8度くらい!
女性/14/兵庫県
「それでは、実際にBUMP OF CHICKENの「太陽」を聴いてみましょう。」
♪「太陽」BUMP OF CHICKEN
「そうね……この曲を考察すると、この曲を聴いたのは初めてですけど、子供が……少年が、嘘をつき始めるような歳になる一歩手前というか……同世代の人を好きになり始めた頃の感情……それを、高校生や大学生になってもその気持ちが続くっていう期待みたいなものを僕はこの曲から感じたけど。それが8度というならば、冬の始めだよね……地域にもよるけど。北海道でいったら8度は秋だからね。」
「そうだな……音楽気象予報士の観点からいうと……」
『朝方は霜が降りるでしょう。昼頃日差しが強くなり、霜は溶け、夜にはまた水たまりに氷が張るでしょう。その水たまりにあなたの姿は映っているでしょうか……ふふふ(笑)。8度、OK!BUMP OF CHICKEN先生の「太陽」は、8度。認定!それではスタジオにお返ししまーす。』
米津玄師「恋と病熱」
……13℃
「病熱を孕ませ夢を見ていた
盲いた目にみえた落ちていく陽」
という歌詞から、とても長い夢をみていて起きたらもう1日が終わっていた、という印象を受けたからです。13℃は、夕方の気温のイメージです。
女性/15/石川県
「それでは、実際に聴いてみましょう。」
米津玄師 MV『恋と病熱』
「先生はこの曲を初めて聴いたけども、13度で夕方ということは……結構、秋。まさに今という感じですよね。音楽気象予報士の山口一郎がこの曲を聴いて思ったのは……米津くんが今みたいに世に出る前の頃の曲で、一人で自分でアルバムを作っていた頃の曲らしいんですけど、それがにじみ出ている感じがするね。自分の殻に閉じこもっていて、自分のテーブルの上で全部を考えている……僕はそういう時代のミュージシャンの曲が好きなんですけど、まさにそういったものを感じる。それが13度と言われたら……米津玄師くんの恋愛観や自己愛感は……13度かな……音楽気象予報士としては……」
『朝にかけて、非常に寒くなるでしょう。本日は暖かいダウンを着てお過ごし下さい。昼頃には少し日は差してきますが、夕方頃には雨になり、夜には雪に変わるでしょう。音楽気象予報士としては……マイナス2度とする!それではスタジオにお返ししまーす。』
スタジオにお返しといいますか、そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。
「音楽気象予報士の山口気象予報士は、やはり独特の見解を持っていましたけど。音楽っていうものの温度っていうのはやっぱりいろいろあると思うんですよ。特に作られる地域。沖縄で作られた音楽と、北海道で作られた音楽っていうのは、やっぱり、育つ気温や気候によって変わると思うんですよね。そういった点もあるけども、受け取り手の気分とマッチしたり、その季節にマッチしたりしている曲に気温を当てはめていくというこの企画は面白いかなと思う。でも、サカナクションの曲は全体的に20度下回っている気がするんですよね。20度を超える曲っていうのは何曲かあるかな……人によってはあるのかもしれないなと思う。でも、音楽気象予報士は非常に資格を取るのは難しい試験をクリアしなきゃいけないので……興味がある方は、試験の案内状を送りますので(笑)。」
この宿題は引き続き、行っていきますので、
[ こちら ] から提出してください。