(吹雪の雪山を、ゆっくりと進む足音が聞こえてきて……)
(教室のドアが開く音)
山口「はいー!雪山から下山してきました。……というか一時、下山?(笑) また歌詞という名の山を登らないといけないのよ。……授業を始めますから席に着いてください。マンガを読んでいる生徒はマンガなんてしまいなさいよ。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度ログアウトしなさい!Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい!!……ちょっと八つ当たりっぽくなってるぞ(苦笑)。授業が始まりますよ。」
「先週は一郎先生、冬山で修行をしていました。言葉という氷をピッケルで砕き、砕き……登り……砕き……、今また帰って来ました。授業をお休みしてすみませんでした。その代わり副担任'sの調子こいた二人が授業を担当してくれたということで……、ちょっと心配だったんだけど、授業やりたい!ってヒゲの方が言っていたから、じゃあやってもらえるんだったら……って。きっと大丈夫だったと思います。どうだったんですかね?」
「今回は先生が先週雪山に登っていた時に、生徒の皆さんがちゃんと授業に参加していたのか、書き込みを紹介していきたいと思います。早速紹介していきましょう。みんなちゃんと勉強していたのか見ていきますよ。」
★多分、風ツアー
ライブ最高でした!ライブハウスでやるライブ初めてだったんですけど、いいですね
男性/16/東京都
「ありがとねー。ライブハウスで初めて見たのね。現在、サカナクションは全国ツアーの真っ最中です。先週は、Zepp東京でライブがありましたよ。僕ら自身もライブハウスが久々だったので、距離感が近くてエネルギーをもらえますよ。……ちょっと調子こいちゃうね(笑)。なんか、見られているっていうことがより伝わるから調子こいちゃう(笑)。ふと横にいる(草刈)愛美ちゃんとか、モッチ(岩寺基晴先生)を見ると、二人もアリーナの時とは違う“"艶”感を出しているんですよ。そういう意味でもライブハウスでライブをするのは良いなって思いました。とーやま校長とあしざわ教頭も来てくれましたよ。関係者挨拶に残っていてくれましたね。「よかったっすー!」って言ってくれましたけど。……校長ね、最近あか抜けたよね。シルエットが大きな服を着て、オーバーサイズの感じを出していましたね。今回はツアーが始まって、これからアルバムも出たりしてツアーの内容が変わってきますからね。その辺も楽しみにしていてほしいと思いますね。」
★フタリテクノ
フタリテクノ鳥肌立ちました!!
贅沢な授業をありがとうございました!
またやってください!!
女性/19/沖縄県
「これは先週の副担任'sの授業だね。江島先生と岩寺先生がその場でパソコンを使わずに(機材だけで)テクノを演奏する「フタリテクノ」の授業をお届けしました。なかなか好評だったみたいでね。一郎先生も大満足です。副担任'sの二人には(LIVE後にバックステージで出演者を迎え入れるように)「おつかれさーん!」って言ってあげたい(笑)。ちゃんと授業、やれていましたか?授業のようす(音源)があるんですか?聴いてみますか。」
[2017年2月9日の授業]
<ふたりの授業のようすを聴いて>
「……うーん。こいつら、俺がいないからって調子に乗りすぎだな(笑)。まず、声のトーンがひとつ明るい!……二人でいるときはいつもこうなのかな……なるほどね。でも、音がどう構築されるのかを授業でやってほしいって言ったから、しっかりやってくれたと思いますけど。」
★環境音楽
最近、興味を持っている分野が、環境音楽です。聞かせるため、じゃなくて、そこにあることが自然な音を作りたいな、と思ってます。
こういう音がいい、とか、作り方にポイントってありますか?
男性/14/東京都
「おー!14歳で。そうねー。アンビエント・ミュージックとも言われていますけど、他にも、イージー・リスニングとか、ヒーリング・ミュージックとかね。いろんなジャンルで分けられたりしています。オイルマッサージのお店に行ったりすると流れていますね。ゆっくりしたやつで、リズムがない、ふわーっと広がるような……。それもアンビエント・ミュージックですね。例えば、YouTubeなどで、宇宙から見た地球の映像がずっと流れていて、その後ろで流れている音楽とかを想像してください……」
「いま、あなたの後ろに………誰かがいます……(笑)」
「その人の顔を……想像してください……」
「男性ですかぁ……女性ですかぁ……」
「年齢は……髪の長さは……服の色は……」
「そう……いま……その人が……本当に後ろにいます……!!!」
「ふははははは(笑)」
「わかんないけど、こういうセリフの雰囲気のときに流れてきたりするやつですよ。まあね、環境音楽を作ろうとしている14歳のこのムルティプラは、作る時に大事なのは、その空間をどうしたいかなんですよ。その音が流れる空間になぜその音が必要なのかを考えて作ること。例えば、マッサージ店でマッサージを受けている人に向けて作る音楽と、地球が回っている映像の後ろで流れている音楽は別でしょう?でも、同じアンビエント・ミュージックで、目的を持って作るわけですから。先生も実は環境音楽はいっぱいやっているんですね。ANREALAGE TOKYOっていうお店で流れている店舗音楽を先生は作っていて、春夏秋冬の季節ごとに音楽を作っていて、秋、冬をやって、次は春を作ったんですけど、それはね、焚き火のパチパチとした音がループしている中にピアノで僕が1時間、生演奏を弾き続けるとかね。お店で聞けるから是非行ってみてもらいたいんですけど。」
「つまり、空間を演出するっていうコンセプトで作っていくと、何を作ったら良いか分かりますよね。あと、自然の音の中にもグルーヴがあるわけだから。それを感じることが大事だよね。例えば、電車のゴトンゴトン……っていう音とかをずっとループさせて音を加えていくとか。それにエフェクト(音響効果)をつけるだけでも音楽になっていくし。自由なので、いろいろとやってみてください。もし出来上がったらサカナLOCKS!に送ってください。聴きますよ。」
★この現象って
質問です!
最初は「ん?」とあまりしっくりこなかった曲が、不意に聴きたくなって、何度も聴くうちにその曲を大好きになる現象の名前を教えてください!
男性/19/富山県
「あー……でもこれ、"スルメ曲"とかよく言うよね。噛めば噛むほどうまい曲みたいな。でもね、これ、知ってた?ちゃむし。これは刷り込みなんですよ。CMで何度も何度も聞くと、なんか好きになって耳に残っちゃう現象です。これは、ヒット曲を生み出す法則ですから。どんなものでも何度も聞くとなんか耳に残って気づいたらお風呂に入った時に口ずさんだりしているわけですよ。何度も聞くと耳に残っちゃうわけですね。そういう意味での呼び名と、本当にしっくりこなかったけど曲の良さが伝わってくるものでは言い方が違うかもね。刷り込み的なもので言ったら何て言えばいいのかなー……こういうのを授業で考えるみたいなの、今度やりましょうか。ちゃむし、ありがとう。」
ということで今回の授業も終了の時間になりました。
「ということで、皆さんがちゃんと僕が雪山にいる間にも授業に参加してくださっていたということで、安心して先生も雪山に……(どこからともなく、再び雪山の風の音が聴こえてきて)……帰っていけるかな……ストックをひと突き、ひと突き……踏みしめながら、言葉の雪山に……うぅ……寒い……ふふふ(笑)。本当に皆さん、書き込みありがとうございました。先生が授業を休むっていうことは、なくしていきたいんだけど、副担任'sが時々こうして授業をやってくれると刺激になって良いかなと思います。今ね、必死こいてアルバム作っていますから!サカナLOCKS!で断言しましたから頑張っています。1年に1枚アルバムを出して、1ツアーをやるっていうスタイルを保持します。なので、期待していてください。口だけじゃないぞ!やるぞ、先生は!」
「そして、ここでサカナクション先生からのお知らせです。2月18日(土)は恵比寿LIQUID ROOMで「NF 1R」を開催します。NFは着実にやっています。3月はちょっとお休みするんですけど、2月はまた「NF 1R」がありますよ。
あとね、朗報だ!NF、4月くらいから未成年も参加できるぞ!時間を深夜帯にするのをやめて、19時台とかにするぞ。みんな来られる!だから一緒に踊りましょうよ。今まで来られなかった……未成年だから行けなかった……っていう人も、遊びに来てもらえたらと思います。楽しみにしていてください。」
「そして、2月21日(火)には、au × HAKUTO MOON CHALLENGEのローバー命名式と、応援楽曲初披露式が開催されます。「moon」が進化した曲が、どんな曲になるのか。そしてローバーがどんな名前になるのか。ローバーの名前がそのままこの曲名になるわけですよ。生徒諸君がいっぱい応募してくれた中から選ばれましたから。それを曲名にして、頑張っているから雪山を登っているわけですからね、先生!(笑)楽しみにしていてください。ちゃんとショーとして良いものを披露したいと思っていますので。」
「そして来週のサカナLOCKS!ですが、まだまだがんばっている受験生を応援する授業を行います!『集中力がUPする音楽』特集です、お楽しみに!!」