山口「はい、授業を始めますから席に着いて下さい。マンガを読んでいる生徒は、マンガをしまいなさい。Twitterを開いている生徒はTwitterを閉じなさい。授業が始まりますよ。……あれ、何だっけな。ニュースでみたんですけど、女子高生がスマートフォンを持っている平均時間、1日7時間。1日のうち、7時間スマートフォンを見ていると。すごいねー。生徒諸君、7時間もスマートフォン見てるのか。……先生は、20時間くらいパソコンの前にいるぞ(笑)。生徒諸君、たまにはケータイを使わないという日ももった方がいいぞ。……では、黒板書きます。生徒諸君、今日の企画は良い企画だぞ。」
今回は、生徒の皆さんに出していた、宿題『1万円あったら音楽にどう使いますか?』に提出された意見を紹介していきます。この宿題は、1万円を音楽のために使うとしたら?……例えば、「CDを買う」「ダウンロードする」「LIVEに行く」「グッズを買う」。消費税や送料、交通費なども含めた合計金額で答えてもらいました。しかもなんと最優秀アイデアの生徒には……
「生徒諸君、アルバイトしているか?時給いくらだ?1万円稼ぐのに何時間だ?……10時間以上働かなきゃいけなかったりするじゃないか。その1万円を、今日はなんと、いちばん良い1万円の使い方だと思った生徒に、本当に苦しいビクターが!(笑) それを実際に実行してもらうために1万円をプレゼントするぞ!消費税とか、交通費とか、きっちり込みで1万円だからね。オーバーしたらダメだよ(笑)。オーバーしても払わないんでビクターは。そういうところはケチだから(笑)」
それでは、たくさんの宿題が提出されましたので紹介していきましょう。
電気屋で見かけた一番高いイヤホンを買います。確か税抜き7960円だったので、8500円くらいで買えると思います。私はお小遣いをあまり使えないので、100円均一ショップで買ったイヤホンしか使った事がありません。すぐに聞こえなくなるし、最近では「ザザザ!!」というノイズ音まで聞こえてくる始末です。なので、もし1万円を手に入れたら、SONYの最高音質とやらを体感してみたいです。
女/18/富山県
「ははは(笑)、ちょっと待てよ。電気屋で見かけた一番高いイヤホンが7960円って、安くないか?多分、近所の電気屋だろうね。これね、100円均一のイヤホンから7960円のイヤホンに変えたら、世界が変わるよ!メーカーはSONYなのね。あー……これビクターはお金、出さないかも(笑)。イヤホン……音楽を聴くための道具を買うっていうのはすごく良いですね。トーエに新しい世界を見せてあげたい気もする。ちょっと、保留!」
Base Ball Bear『日比谷ノンフィクションIV』 のチケット代が、送料、振込手数料込みで5400円。
長野から東京までの高速バスで片道3000円で、往復6000円です。
これでもう、1万円オーバーなんですよ(笑)。
東京に住んでいる人は、交通費が高くても1000円くらいですむと思うのですが、地方に住んでいる人は、チケットより交通費がかかる。それが現実です(泣)。全国ツアーとかやってくれても、もちろんその県に来てくれるとは限らないし、やはりアーティストの先生の音楽の最先端を生で聴きたいという事があるので、お金と行きたい気持ちの葛藤があるのが現状です。
女/18/長野県
「えー……長野から、往復6000円もかかるの?あー……なるほどね。チケット代よりも交通費の方が高くなるって人がいるんですよね。これは、ミュージシャンの人もちゃんと知っておいた方が良いですよね。自分たちのライブに来るまでに、一生懸命アルバイトしてお金を貯めて来てくれたりしているわけですからね。そういうのを忘れがちになっちゃうんですよ。大きいステージに立っていくとね。……これ、メンバーにも見せてあげたい(笑)。でも、これ1万円オーバーしちゃってるぞ。ビクターはケチだから、『オーバー分は出しません。』みたいな感じになると思いますけど(笑)。」
1万円あったら……
Amazonで、オーディオテクニカのモニターヘッドフォン 5378円と、ピック 718円。(※代引き手数料324円)
あとは通販サイトでキュウソネコカミのTシャツ 2500円買います!
その通販サイトは送料756円、手数料324円で計3580円。
合計で1万円です!どうしても1万円ピッタリにしたかったので半日かけて考えました!!!!一郎先生!ビクターさん!!よろしくお願いします!!!
女/20/北海道
「ふふ(笑)。細かい。ははは!(笑) 1万円ピッタリ。……ハタチ。ハタチなら、1万円くらい稼げるんじゃないのか?……だけど、ピッタシ賞じゃないですか。ヘッドフォン買ってアウトプットをゲット。ピック718円で実際自分も演奏するぞ、と。あと、キュウソネコカミのTシャツ。よーし、これでTシャツ着て気合入れるぞと。……で、ピッタリ1万円。いろんな音楽の楽しみ方を凝縮して1万円にしたと。これもまあ、よい使い方かもしれないですね。」
1万円あったら、5月3日のVIVA LA ROCKに行きます。応援しているバンドがついにフェスに出るんです。フェスに出たら絶対行こうくらいに思っていたけど、フェスって高い。たくさんのアーティストが見られるけど、ちょっとずつだし、見たいのが全部見られるわけじゃない。だから、今の私は行こうってならなかった。でも、1万円もらえたら行く(笑)。
女/18/茨城県
「おー、フェスに使うと。ずっと応援していたバンドがやっとフェスに出るっていうストーリーは面白いですね。これ、見たいだろうねー。VIVA LA ROCKっていくらなのかな……1万円……鹿野さん、1万円とる。1DAY(TICKET)が1万円で、3DAYSだと2万4千円。……2万4千円……すごいですね。フェスって本当にすごいですね。……先生たち、今年初めてなんですよ。フェスに出ないの。サカナクションとしてフェスに出ない年なので、先生もフェスに行ってみようかなって思って。……(サカナLOCKS! 職員に向かって)一緒に行きません?どこか行きます?あれ、やりましょうよ。サカナLOCKS!のフェスロケ!やりましょうね!……さて、ぱるふぁむはフェスに行くと。このストーリーが良いなー。応援していたバンドがやっとフェスに出るから見たいって。1万円もらえたら行きますって。先生心を打たれたぞ。ちなみにどのバンドなんだろうね。」
今、私に90年代ブームが到来しています!! なので、Flipper 's Guiterの『カメラ・トーク』と、小沢健二さんの『刹那』、『球体の奏でる音楽』のCDが欲しいです!!あと、「渋谷系」という本も欲しいです。音源だけではなく、読んで90年代の事を学び、音楽の時代の流れ、今の音楽とどのように繋がりを持っているのかを知りたいです。計算したら良い感じの約1万円でした!
女/16/栃木県
「おー!今、ファッションも90 'sきてますよね。先生も分かる。生徒諸君、“渋谷系”とか知らないだろ。これ、Amazonでの現在価格をサカナLOCKS! の職員が調べてくれました。Flipper 's Guiterの『カメラ・トーク』は4916円。小沢健二さんの『刹那』は2465円。『球体の奏でる音楽』は2162円。計9543円。残り457円で「渋谷系」の本を探す、と(笑)。ははは(笑)。あるかも。古本であるかもしれない。……すごいねー。16歳で渋谷系のことを根本的に勉強したいと思っている生徒はすごいね。良いなと思います。先生も90年代ブームみたいなのを端から見ていた人でしたけど……高校生とかかな。やっぱり、現実的にあの時代で活躍していた人たちとかにお会いしたりすると、今でもちょっとドキドキしますもんね。スチャダラパーさんとかね。リキッドルームとかに普通にいますけど(笑)。あと、先生方のリミックスをしてくれた、Cornelius先生ね……小山田圭吾さん。小山田さんもまさにFlipper 's Guiterのメンバーですからね。ドキドキしますよ、お会いすると。……なるほど。90年代を勉強したいと。これも良い1万円の使い方だと思うな。音楽の歴史を知りたいと。」
ということで、今回紹介した生徒の中から、最優秀アイデアを決定しましょう!その生徒には実際に1万円が進呈されます。ちなみに今回の1万円の使い方について、一郎先生がひとつ決めたルールがありました。
「じゃあ、ビクターと先生が話し合って、誰にするか決めようかな。先生的には、今回まず排除したのは、レンタル。『レンタルに使います』っていうのは排除しました。せっかくならさ、借りるんじゃなくて、1万円で手に入れて欲しいじゃん。配信でダウンロードとかはありだけどね。……先生的には、16才で音楽に興味を持って、音楽の事を研究してみたいっていう、栃木県のミトコンドリアとまぬけ。この子に投資したい。16才でありながら、90年代ブームのことを研究したいというこの生徒に投資して、将来、ライターになるとか音楽を作りたいと思ったりとか、そっちの方に進んでくれる、音楽の世界に進んでくれるっていうことを期待しつつ、投資したいなと思うんですけど。でも、お金を出すのは僕じゃないんでね。本当にこれでOKかどうか聞いてみましょうか。ビクター犬(※ビクターのサカナクション担当のスタッフ)、これで良いでしょうか?
ビクター犬「ワンワン!」
……じゃあ、ビクター犬もこれでOKということで、ミトコンドリアとまぬけに、ピン札で(笑)、ビクター1万円をプレゼントしたいなと思います。おめでとうございまーす!」
栃木県のミトコンドリアとまぬけ、1万円ゲットです!届くのを楽しみに待っていてください。そして使ったらサカナLOCKS! に報告するように!
「こういう企画、いいですね。1万円をどういう風に使うかっていうの。そして、実際に1万円をプレゼントするっていうのね。本当にたくさんの宿題の提出があったんですけど。……先生が1万円あったら音楽にどう使うかって言ったらね、今はもう、レコードだね。先生は今レコードを買い漁っているので、レコードを買っちゃうかな。今、テクニーク(TECHNIQUE)っていうレコードショップがあるんですよ。オンラインでも買えるんですけど。生徒諸君に是非見て欲しい。視聴も出来るし。結構長めに試聴できるから。コメントとかも、本当にそっちの世界に居る人たちが真剣に書いているレビューだから、読んでいて面白いと思いますよ。ルーマニアン・テクノとかね、生徒諸君知らなかったでしょ?……先生も知らなかったけど(笑)。そういうのを試聴してみると面白いと思うし。1枚1800円とかで、プレーヤーを持っている人はなかなかいないと思うけど、盤も大きいしさ。それを持っているのも良いと思うよ。先生方もアナログ盤出しますから。過去の作品、6タイトルをアナログでリリースしますのでね。……是非皆さん、1万円を実際に親戚のおじちゃんとかにもらったら、その使い方を今回のを参考にして使ってみてください。ということで、今回の授業はここまで。」
サカナクション先生のアナログ盤に関する情報は[⇒コチラ]。
「……ところで、とーやま校長、あしざわ教頭。これ、おふたりに1万円ずつ投資してもらえたら、合計2万円なのでね。次、2万円をどう使うかってことが出来るんですけど、その辺、ちょっと、ご用意していただけますでしょうか?」