「今日は、授業を始める前に、みんなに聞きたいことがあります。先生、怒らないから、正直に言いなさい。……よし、じゃあ、目を閉じて。……知っている人がいたら、手を上げるんだぞ……」
　
「この中に、先生のAmazonのアカウントを使った人がいます！」
　
「……先生の元に、Amazonからメールが届きました。先生のアカウントを勝手に使用し、CDやら、ガムテープやら、知らない場所に発送されていました。これは一体どういうことだ。」
　

「……ん？ゆさ柚子、どうした？」
　

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■ 昨日の
一郎チャンスは面白かったです！んー、でもアカウントを勝手に使われた一郎センセイの心境や如何に………………。(困)
　
ゆさ柚子
女/18/宮城県

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「それから、tutomu、どうした？」
　

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■ 心配
今日も楽しい授業ありがとうございました!! いゃ〜副担任ｽﾞの先生方が心配だなぁー(汗)
　
tutomu
女/14/千葉県

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「……そうか、やっぱり "副担任ズ" の仕業か……。江島の野郎！やってくれやがった(笑)。……たしかに、先生は2週間程、全国音楽教育方針取決委員会に顔を出して、授業をお休みしていたので、しょうがないか。まあ、CDやガムテープくらい……ガムテープの生徒はかわいそうだけど(笑)、お土産代わりに、許しますよ。……江島には肩パンしときますけどね。」
　
※"副担任ズ" が授業を担当した先週の様子は→コチラ
　
　
「それでは今日の黒板を書きます！」
　

「sakanaction！英語の小文字で、sakanaction と書きました。3月13日に発売になる、サカナクション6枚目のアルバムのタイトルは、『sakanaction』に決まりました。なんか、アルバム名をセルフ・タイトルにすると、ややこしくなるね(笑)。今日は、そのアルバムから、1曲、ラジオ初オンエアします！……Aoi(あおい)！」
　
♪　Aoi ／ サカナクション
　
ということで今回は授業の冒頭で、いきなりの初オンエア！ニューアルバム『sakanaction』に収録される新曲、「Aoi」でした。
　
「今回のアルバムは、"セルフタイトル" で『sakanaction』となるだけあって、僕たちは、サカナクションのファースト・アルバムを作るような気持ちで作らせてもらいました。今回は、タイアップソングが4曲収録されるアルバムになります。ドラマの主題歌の2曲、CMソング、そして、聴いていただいた「Aoi」が、NHKのサッカーテーマソングとして、タイアップしています。つまり、今まで以上にサカナクションのアルバムを聴く人が増えるだろうということを予測してアルバムを制作していきました。サカナクションとして、どういう風にこのアルバムを聴いてもらいたいかをメンバー5人で一生懸命考えたわけです。」
　





　
「サカナクションというバンドを、昔から知っているコアなリスナーの皆さん(笑)は、サカナクションのアルバムにはインスト曲が常に入っていることや、暗くて落ち着いた曲も多いということを分かってくれていると思います。しかし、シングル曲しか聴いたことがない人や、YouTubeでしか見たことがないという人からすると、サカナクションは、「明るいバンドなのかな？」とか、「ノリノリでウキウキな曲が多いバンドなのかな？」と思われがちです。しかし僕たちには、表向きのサカナクションの裏側に、自分たちのやりたい音楽というのが存在しています。そして、それはライブに来ていただいたことで、全ての謎が解けるようなアルバムにしようじゃないかということを考えた上で、一生懸命作っていこうと思ったわけです。そして、今回のアルバムのテーマは……
　
　『表裏一体』
　

……タイアップをいっぱいやってきたサカナクションの「表」と、そうではなく、サカナクションが今やりたい「裏」の部分をうまくミックスしたアルバムにしようと思いました。そのために、今回は僕の自宅でレコーディングをしました。学校が終わった後の放課後のように、みんなで集まって、パソコンに向かって一生懸命作ったり、セッションしたり……。マンションの管理人さんや隣に住んでいる方が、とても協力的で、「いつも同じ曲が流れていて、練習しているのかしら？」っていう話になったりしながら、暖かく見守ってくれたそうで、マンションごと応援体制で作っていくことができました(笑)。」
　

「外に発信するということに慣れると、自分たちが本当に好きなものが何かということを見失っちゃったりするんです。この授業でも取り上げた "タイアップ" の場合、作る前にオーダーがあったり、コンセプトが決まっていたりする。本当に自分たちがやりたいことを100％発揮できるかというと、違ってきます。そういう風に作られたシングル曲と、自分たちが鳴らしたい音、歌がある曲、ない曲、サカナクションが好きな音楽を混ぜて行くっていうのが、僕らが今回のアルバム制作の第一歩だったのかなと思っています。」
　
「今回の制作を改めて振り返ると、やっぱり、僕らはただ音楽が好きな兄ちゃん、姉ちゃんだね (笑)。自分たちはミュージシャンだっていう気持ちはもちろんあるけど、僕も日々いろんな音楽を探したりしているし、メンバーも同じようにやっていました。お互い「こんな音楽が好きだったんだ」とか、いろんな発見もあったし、夜、制作が終わってからお酒を飲んで、ついさっきまで音楽を作っていたのに、「ちょっと休もう」って言って、また音楽を聞いたりしますからね。だから、音楽に削られて、音楽に癒される……そんな僕らが、どんな音楽が好きなのかっていうのは、このアルバムを聴いてもらえたら分かるかなと思いますね。」
　

「アルバムができて、それからはプロモーション期間っていうのがあるんですよ。雑誌でライターさんとお話をしたりして、アルバムの感想を聞いたりするんですけど、まあ……賛否両論かな(笑)。僕ら的にも攻めた部分もあるので、「もっと分かりやすいのを期待していました。」って言う人もいたり、「やってくれましたね！」って言う人もいたり。そういう意味でも、生徒たちがこのアルバムを聴いてくれた時、どんな感想を持つのか……。歌詞も大変だったしね。まあ、このアルバムについては、また違う機会にゆっくりとお話しできたらと思っています。」
　
ということで、今回の授業もそろそろ終わりの時間です。
　

「今日聴いてもらった「Aoi」っていう曲は、今回のアルバムでは、「表」の曲ですね。……あっ、生徒のみんなにも、どの曲が「表」で、どの曲が「裏」なのか、考えてくれたら嬉しいかも！先生にとっての「表」はこの曲とこの曲、っていうのがあるけど、生徒にとってはあの曲とあの曲、っていうのがあるかもしれない。そんな風に聴いてもらえると面白いと思うので、アルバムが発売されたら、そういう授業もやってみたいと思います。」
　
M　Aoi ／ サカナクション