江島「はい、授業を始めますから席についてください。」
草刈「机の上に出しているマンガをしまってください。」
岡崎「Twitterをやっている生徒もケータイを一度閉じてください。」
岩寺「はい、PSPと3DSも一度スリープモードにしなさい。」
いつもと違う雰囲気で始まった、今回のサカナLOCKS!。
本日は、いつもこの時間を担当している、山口一郎先生が「全国音楽教育方針取決委員会 冬のスキー合宿」に参加しているため欠席。その代わりにサカナクションの楽器隊……ドラムの江島啓一先生、ベースの草刈愛美先生、キーボードの岡崎英美先生、ギターの岩寺基晴先生が授業を受けもってくれます。よろしくお願いします！
江島「SCHOOL OF LOCK! の "音学室" からお届けしている、サカナLOCKS! 今夜は "副担任ズ" がお届けします。」
岡崎「ユニット名がついてる (笑)。」
草刈「副担任ズ (笑)。」
江島「OKAMOTO'S的なね。」
江島「そして岩寺先生は、初めてですね。」
岩寺「一応、僕も副担任ということなんですけど、なんせ、超非常勤講師なんで、滅多に生徒の前には出て来ない、かなりのレアキャラです。」
全員「 (笑)」
岩寺「主に、職員室で事務仕事をやっているので。」
江島「あ、仕事はしてるんですね (笑)。」
岩寺「はい、事務を中心に (笑)。」
江島「ゲームはしてないんですね。」
岩寺「ゲームはやってないですよ。ゲームは、家に帰ってからやってます。」
ということで今回は、サカナクション先生が顧問を務める部活動『バンド部』の活動をお届けしていきます。バンド部掲示板に書き込まれた質問メッセージに、この4人が答えていきます。
草刈「前回はベースとドラム中心だったからね。今回は、全パートのメンバーがいますからね。」
江島「そうですね。ギターとキーボードもいます。」
草刈「じゃあ、ドラムの江島先生から……」
江島「実はですね……、あんまり質問が届いていないようで。」
草刈「あはは！ (笑) ドラムの？」
岩寺「ドラマー率、低いですね〜。」
江島「前回授業やったんで、もうみんな理解したのかなって自分に言い聞かせてますけど……。」
草刈「そういうことにしておこう、と？」
岩寺「教え方がよかったから、みんなもう分かっちゃったかなってことか。」
江島「でも、一応きていますので、紹介しておこうかな。これは、「分かったフリのアーティスト用語」の方に届いていた、ドラムに関しての質問です。」
ドラムの「打ち込み」と「生音」の違いって何でしょうか？曲によって使い分けたりするんですか？
音楽雑誌を読んでいると、この言葉がよく出てくるので、教えて欲しいです！
あやケロッピ
女/16/北海道
江島「打ち込みと生音の違い……ぶっちゃけ、無いです！」
草刈「無いの？」
江島「うん。今はコンピュータが発達しすぎて、そんなに無いんですよ。昔は、打ち込みっていったらシンセサイザー的なものだったんだよね。」
岡崎「ドラムマシーンとか？」
江島「うん。"トゥーン" とか、"ポーン" とかの電子音を出してた。今は、生で叩いたスネアやシンバルの音を録音したものを、プログラムするで再生させたりできるので。」
草刈「"サンプリング" だ。」
江島「そうそう。だから、本当に人間が叩いたのか、機械が音を出しているのかの違いが全然無くなってる。あるとしたら正確さというか。」
岡崎「昔より、音の選択肢がいっぱい増えたっていうことかな。」
江島「僕は、打ち込みと生音を使い分けています。曲によって、イメージに近いと思う方を使っているので、「こうだから、こうする。」っていう、ルールみたいなのは無いですね。」
つづいては、キーボード担当、岡崎先生です。
■ ピアノ… (@_@)
ピアノを弾くとき右手と左手で違うリズムが弾けない！なんてお仲間さんはいらっしゃいますかね？ (笑) 何というか初歩的なんですけど…僕はまさしくこんな感じです (笑) ピアノは本格的にやるわけではないです！もし良かったら初心者でも両手で弾けるコツを教えてください！
サカモチ
男/14/長野県
江島「ほぉ〜、これ、僕も知りたいですよ、先生！」
岡崎「フフフ (笑)。コツ……無いですねぇ〜。」
岩寺「無いの？ (笑)」
岡崎「両手で弾くっていうことは、だいたい、右手でメロディーを弾いて、左手は伴奏っていうパターンが多いかなって思うんですけど、右手のメロディーが無意識に弾けるってくらい余裕があれば、左手のことを考えられるかな。そうすると、左手がちょっと難しくても別々で弾けるようになったりする。左手を弾きながらメロディーを歌うっていう方が簡単かもしれません。」
草刈「なるほど。まずはバラバラで練習するんだ。」
岡崎「そう。左手の練習をして、一定のリズムがしみ込んだところで、メロディーを歌いながらやると、別々の旋律がどこでクロスしているかとかも分かるから。」
草刈「コツじゃないですか〜！ (笑)」
岡崎「逆の (右手でメロディーを弾きながら、左手を歌う)方が難しいかも。」
草刈「難しそう……。」
岡崎「クラシックピアノだともっと難しいけど、まず単純にピアノを弾く感じとしては、両手を使うなら、こういう (右手でメロディー、左手で伴奏という)パターンが多いから、別々にやることで、それぞれのノリみたいなのが体に染み付いていきます。私も両手で弾いている時は、右手か左手、どちらかのことしか考えてないですよ。」
江島「片方は無意識なの？」
岡崎「うん。でも、もっと器用な人は両方とも考えられているのかもしれないけど……。私は、どっちかが無意識で、どっちかに意識がいっている感じ。そのくらい慣れたら、右手と左手が別々のリズムを弾くことができると思うんですが……。どうですかねぇ、サカモチさん。こんな先生で大丈夫でしょうか…… (笑)。」
草刈「歌うことがポイントなんですね。」
岡崎「歌うことも楽しいですし、メロディーを歌えるようになると楽しいんでね。ちょっとやってみてください。」
次は、ベースに関しての質問書き込みに、草刈先生が答えます。
■ ベースの
ストラップが落ちないようにする方法ってありますか？
ルーロック
男/14/茨城県
草刈「ありますねぇ。」
江島「まず、"ストラップ" って、何でしょう？」
草刈「ストラップは、ベースを肩から掛けるときに使う、紐みたいなもの……紐みたいなって (笑)。」
岩寺「ベルトみたいなものですね。」
江島「あれって、落ちるものなんですね。」
草刈「落ちるものなんですよ。実は、私、一回ベースを落っことしてまして……。「ルーキー」っていう曲で、私とモッチー (岩寺先生)、太鼓を叩くんですね。両手にエジー (江島先生)からもらったスティックを持って叩くんですけど、手放しでベースを肩から掛けている間に、ベースのストラップがとれちゃって、そのまま私の足の親指に墜落し、複雑骨折しております (笑)。」
江島「痛い！」
岡崎「痛い〜！」
草刈「そう、甘くしていると落ちちゃうんですよ〜。すごく危険なんですよ。ベースは重たいし……。ギターでも足に落ちたら骨折れるかな。」
岩寺「打ち所が悪ければねぇ。」
草刈「で、これはちゃんと売っています。プラスチック製のやつから、金属製の高いものまで。」
岩寺「なんて説明したらいいんだろうねぇ。」
草刈「ストラップ本体にも金具をつけて、ベースやギターの本体の方にも金具をつけて、それをガチャッとはめるようになっています。」
岩寺「簡易的なプラスチックのやつも売ってるし。丸いやつ。」
草刈「名前、分かんないや…… (笑)。」
江島「ストラップ売り場に置いてます？」
草刈「うん。100円とか200円とかで。」
江島「そんなに安いんだ！」
岩寺「そう。安いんです。」
江島「じゃあ、とりあえず楽器屋さんに行って、ストラップ売り場で「ストラップが外れないようにするやつください。」って言えばいいんだね。」
草刈「はい。これは、みなさん、是非やってください…… (笑)。」
江島「そうですね、危険ですね。」
草刈「安全にライブをやるためにも、お願いします。」
ちなみに、草刈先生と岩寺先生が教えてくれた、ストラップが外れないようにするアイテムは「ストラップロック」「ストラップラバー」などと呼ばれています。
さあそして最後は、初登場の "レアキャラ" こと、岩寺先生がギターについての質問書き込みを紹介します。
■ 運指＆リズム
小指が上手く動かなくてsus4とかオンコードの音がたまに変な風になってしまいます…本で小指の運指はちゃんとやった方がいいっていうのを見たので練習しようと思うんですがどうやって練習すればいいですか？あとギタボやってる時に足でリズムとろうとするんですけど途中で足が疲れてズレちゃいます…どうしたらいいですか？
みーゆ☆
女/17/愛知県
岩寺「そうですね……、本に、小指の運指 (指の動かし方)をちゃんとやった方がいい、って書かれているということなのですが、これは本によっても全然書いてあることが違うんですよ。」
江島「へぇ〜。教則本といわれるものですね。」
岩寺「そう。教科書みたいなものです。例えば、僕が持っている『脱力奏法の勧め』っていう本には、いかに力をいれずに弾くかということが書かれていて、体の力を抜いて、押さえる方の指にも力を入れないで弾くっていうことが書かれているんです。」
江島「そういう本、見るんですね！ (笑) 日々、勉強なさっているんですね。」
岩寺「勉強してますよ (笑)。」
草刈「……脱力？」
岩寺「そう。この本によると "小指は一切使わなくていい" と書かれています。」
江島「本当に？」
岩寺「うん。例が書いてあって、"このギタリストは、この曲において、小指を一切使っていない。ライブ映像を見ていただければお分かりいただけますが" ……とか、そういうことが書かれているんです。実際に小指を使わない有名なギタリストもいっぱいいるんですよ。小指を使わなくても、成立するっていう押さえ方があるんです。」
江島「押さえ方を変えるってこと？」
岩寺「そう。指のポジションを変えて、小指を使わなくても成立するっていうものもあったりするんですよ。Fで例えれば、制覇をしないで、まず、6弦の音を捨てます。」
草刈「捨てる？ (笑)」
江島「いいの？それ！」
岩寺「いいんです (笑)。ベースが出してくれるから、そこの音は。」
草刈「頑張ります (笑)。」
岩寺「その上で、1〜2弦の1フレッドを人差し指で押さえて、3弦、2フレッドを中指で、4弦、3フレッドを薬指でっていう風に押さえます。本当は、5弦の3フレッドも小指で押さえるっていうことになるんですけど、それも捨てます。」
江島「わ〜、捨てるんだ！」
全員「 (笑)」
江島「いいの？結構、捨ててるよ？6本中、2本捨てましたよね？」
岩寺「いいんです (笑)。それでも、気持ちよければいい。」
江島・草刈・岡崎「あぁ〜。」
岩寺「まぁ、あんまり、ちゃんとした答えになっていないかもしれないんですけど……。」
岩寺「あと、もうひとつの「足でリズムを取ろうとするけど、途中で疲れてズレちゃいます…」っていうことに関しては……休めばいいんじゃないですかね？」
江島「ひどい (笑)。ひどいです、岩寺先生 (笑)。」
岩寺「でも、この問題は難しくて、僕も苦手なんです。足でリズム取っていると、声が揺れちゃうんですよ。だから僕はコーラスを歌っている時はあまり足でリズムを取らないようにしているんです。足でリズムを取らなくても、のることはできるので、そういう場合は、腰でのってみたり、肩でのったり、頭だけでのってみるっていうのも、足でリズムを取るのと変わらず気持ち良く歌えると思うので、無理して足にこだわる必要は無いのではないでしょうか。」
草刈「なるほど〜。」
という訳で "副担任ズ" がお届けしてきた授業も、そろそろ終わりの時間です。
江島「どうですか、岩寺さん。今回が初登場でしたけど。」
岩寺「まあ、あんまり慣れていないので、難しいですね。」
草刈「フフフ (笑)。」
岡崎「しゃべり慣れてない？」
江島「そんな感じしなかったけどね〜。」
岩寺「本当？まあ、最近はこの4人でスタジオにいることも多いし、空気的には慣れているっていうのもあるけど、前にマイクがあるとすごい緊張する。」
江島「普段そのマイクの前で歌ってるじゃん (笑)。」
全員「 (笑)」
草刈「さて、来週の授業ですが、山口先生は、来週のこの時間に『全国音楽教育方針取決委員会 冬のスノボ合宿}
があるために、引き続き、この4人でお届けしたいと思います (笑)……すみません、笑っちゃって。」
江島「もう、遊びですね。」
岩寺「多分、温泉にも浸かりたいってことかな。」
草刈「これは、お土産買ってきてもらわないとねぇ。」
江島「そうだよ。どこに行ってるんですかね？北海道かな？」
岡崎「お、いいなぁ〜。」
草刈「お土産、楽しみに待ってま〜す。」
江島「というわけで、来週もこの4人で "音学" の授業をお届けします。しかも来週は、一郎先生のAmazonのアカウントを勝手に使った『一郎チャンス』もありますよ！お楽しみに！」
江島先生、草刈先生、岡崎先生、岩寺先生、ありがとうございました！
一郎チャンス……詳しくは来週の授業の中で!!!
