■twitter見てました。
新曲できたみたいですね!いつになったら聴けるんだろう……とそわそわしながら過ごしたいと思います(^ ^)
女/15/秋田県
山口「ついにですね、新曲、完成致しました。その名も「蓮の花」。この曲は、タイアップですね。映画の主題歌として制作をしたわけですけども、『近キョリ恋愛』っていう少女マンガですね、それの実写版。主演が山Pこと、山下智久さん。ヒロイン役に今、話題の小松菜々さん。それ以外にも、「僕と花」の時にタイアップしていたドラマに出ていらっしゃった、水川あさみさんとかが出ている映画ですね。これの主題歌を作ったわけでございます。映画の内容に沿ったかっていうとそんなに沿ってないんですけど、でもきっと、映画を見終わった後とか、映画中にこの曲を聴いていただくと、何かひっかかるものがあるんじゃないかと思いますので、是非楽しみにしていただきたいと思っております。……では黒板書きます。」
「(黒板を書きながら) ……山Pはね、先生たちのライブに来てくれたことがあって。もう、むちゃくちゃ良い人だったんですよ。礼儀正しくてね。」
ということで今回は、映像ディレクター:山口保幸監督との『対談』の授業、後編です。山口監督は、7月30日にリリースになる、LIVE Blu-ray & DVD 『SAKANATRIBE 2014 -LIVE at TOKYO DOME CITY HALL』の監督も務めています。
山口一郎(以下、一)「よろしくお願いします。」
山口保幸(以下、保)「山口です。よろしくお願いします。」
一「今回のLIVE Blu-ray & DVDは、実際にライブスタッフの手元だったり、アート的なものがライブ映像に入ってくるっていう画と、実際にライブだけの画っていうのが2つあるんですよね。」
保「そうですね。だから今回はフィーチャリング・チームサカナクション・バージョンと、スタンダード・バージョンの2つを作らせていただいて。まあ、2つ作るってことは、チームサカナクション側は、よりそっち側に偏った方が良いだろうっていうのもあって。2本同時にっていうことが決まって、よりチームサカナクション側のスタッフワークをいっぱい出していったりとか、コントラストをつけようかなって感じで。」
一「どっちも良いっすよね。僕はライブだけの映像を見ても、監督を感じるんですよね。」
保「あー、ありがとうございます。」
一「だから、できればBlu-rayでどっちも見て欲しいですよね。見比べて欲しい。」
保「是非是非。本当ですよ。」
一「DVDだと、フィーチャリング・チームサカナクションのバージョンと、ライブだけのバージョンが別々の販売になるんですけど。できればBlu-rayの良い画質で見比べてもらいたいですね。」
保「うん。」
一「それ以外にも実は、映像特典がありまして。今回はいろいろ特典を入れようと思ってやったんですよ。まず、僕以外のメンバー4人がそれぞれ担当する楽器機材を実際にスタジオで演奏して、どのようにサカナクションのライブアンサンブルができあがっているかを自ら解説する『教則ビデオ』みたいな(笑)。よく楽器をやっている人とかって、ドラム教則ビデオとかギター教則ビデオを見ながら練習したりするんですけど、それに忠実に寄せた、教則映像。サカナクションが演奏する上でのっていうのをちょっと作ったんですよね。」
保「いや、面白いですねー。」
一「もうひとつは、「流線」のオフステージ・バージョン。「流線」で、ライブアートの演出のひとつである、オイルアートを使っていて、楽器演奏とオイルアートのパフォーマンスを並列で見せる映像を。」
保「これ、でもね、すごいですよね。現場でこのパフォーマンスもさ、極まってますよね。」
一「ははは(笑)。助さん(助川貞義さん/サカナクションのLIVEでオイルアートの演出を手掛ける方)。オイルアートって普通は24時間とかじっくり使って作品を作っていくものなんですって。実際の気候とか温度で、オイルが動いている様子を長い時間見せるのを、ライブでやると2〜3曲だから、10分とかで終わっちゃうわけじゃないですか。それを表現するのって全然違うものらしくって、気合の入り方がすごいっすもんね。」
保「うん、違いますよね。」
一「結構とがってるんですよ、助さん。いっつも。「集中!」みたいな。「マーブルがもっと、きゅっとこっちなんだよ!」みたいな(笑)。」
保「そうなの?(笑)」
一「アシスタントの男の子がいた時があって、その子とかに「それ貸せー!」みたいな(笑)。結構、ステージの方まで聞こえてくるんじゃないかって、周りが心配するくらい。」
保「激しいんだ(笑)。」
一「激しい(笑)。激しいみたいですね。まあ、そのライブ映像と助さんの映像を並列で見せるものです。」
保「是非、見て欲しいですね。すごいです。」
一「更に、このサカナLOCKS!の中で『緊急学級会』を開いて、特典にどんなのが欲しいかっていうのを生徒諸君に聞いたんですが、生徒諸君からの要望で、未成年が行けないTAICOCLUBっていう野外パーティ、そこの映像が見たいということで、実際にドラムセットの後ろにGoPro (小型カメラ)を上から置いて、斜俯瞰で、後ろから客席を撮った映像。1カメなんですけど。それを特典としてつけることにしました。お客さん、みんな酔っぱらってて(笑)、ノリが他のフェスとはちょっと違いましたね。」
保「ははは(笑)。おかしいですねー。」
一「そういう特典もつけてみました!」
一「で、今後なんですけど、またちょっと作品を作りたいと思っていて、ミュージックビデオの。」
保「はいはい。」
一「どんな内容にするかとか、そういったものはお互いに話し合ってディスカッションして作っていくわけですけど、生徒と絡んでミュージックビデオを作れないかなって思っているんです。なんかないですかね、アイディア。」
保「おー。……すごいね、それ。」
一「SCHOOL OF LOCK! の生徒諸君は、サカナクションのファンだけじゃないし、サカナクションの音楽だけを聴いている人たちじゃないんですよ。だけど、実際にミュージックビデオができていく過程とか、自分たちがそれに作るのに関われたってことって結構、思い出になると思うし経験になると思う気がするんですね。なので、上手くエキストラとかじゃなくて、制作する段階で一緒に絡める方法って何かないかなーって思っているんですけどね。」
保「なるほど。……ちょっと考えますね。これ、ちょっと面白いね。」
一「例えば、番組内のTwitterで募集したり、意見を聞いたりっていうのは全然んできるんですけど、そこで次の作品かその次の作品かでいろいろやれたらなって思うので。」
保「でも、これはまた、新しいよね、きっとね。」
一「いやー、新しいと思いますよ。」
保「なんかありそうだね。」
一「で、こないだまで僕はずっと曲を作っていたんですけど、タイアップの。その曲も結構山口監督向きな曲なんですよね。」
保「向きってどういうことなの(笑)。」
一「変態が好みそうな(笑)。」
保「ははは(笑)。是非是非。お願いします。」
一「だからそれはちょっと何か、生徒諸君と一緒にやるっていうこと以外でも、映像のアイディアは相談に乗って欲しいところはあるので。ちょっとその辺もお話しする機会をもらえたらなって思っております。」
保「はい。」
一「さて、音学室からお届けしてきたサカナLOCKS!はそろそろお別れの時間になってきてしまったのですが、この番組は、10代の生徒が非常に多い番組なんですね。ミュージックビデオをはじめとする映像監督に憧れている生徒も多いと思います。そんな生徒に何かメッセージって、監督から頂けますか?」
保「メッセージですね(笑)。」
一「なんか、若いうちにこういうことしとけ、とか……。」
保「僕なんかは、結構長く作っているんですけれど、自分が作る上で栄養になっているものって、やっぱりほぼ10代〜20代中盤くらいまでで吸収したものがすごく大きいんですよね。」
一「いやー、わかる。そうっすよね。」
保「うん。で、やっぱ、その辺の栄養を使ってやってるところはあるんで、とにかく10代〜20代は、貪欲にいろんなものを見たり聴いたりして吸収して欲しいです。絶対、それは後々役に立つんで。」
一「本当に、20代中盤くらいから一気に吸収できなくなりますもんね。あれ何なんですかね。」
保「そうなんだよね。でも、そっからは結構放出していく側になっちゃうけどね。アウトプットに変わっていく気がするけどね。」
一「あの、前に監督と話した時……寺山修司さんにお茶を仕立てたらしいじゃないですか(笑)。」
保「そう(笑)。寺山修司にお茶を出した男だから(笑)。」
一「それって、いくつくらいの時ですか?」
保「僕が……23〜24の時くらいかな……。」
一「それは、劇団でですか?」
保「えっとね、渋谷にちょっとしたアートギャラリーがあって、そこのアルバイトをしていて。その主催が萩原朔実さんっていう、天井桟敷(寺山修司さん主催の劇団)にいた方で。その寺山さんの『奴婢訓』っていう、遺作になった演劇公演を是非撮りたいということで、その打合わせに寺山さんがやってくるんですけど。ちょうどそのビルの階段を降りていたら、寺山修司さんがスリーピースのスーツに、伝説のジーンズにぽっくりを履いて、階段を昇ってきたんですよ。うわー……寺山修司だ……!って。」
一「うわー、すごいっすね。」
保「うん。ちょっと感動しましたね。」
一「でも、やっぱりこう……いろんなところに自分が入り込んでいって、若いうちにいろんな経験をすると、若いうちにいろんな人に出会えたり……」
保「そうですね。その頃の出会いとかもやっぱり本当に大事だと思います。」
一「大事ですよね。とりあえずもう、専門学校行って映像の勉強したりするよりも、現場に出た瞬間からですもんね。」
保「まあ、学校で学ぶのも本当に大事だと思いますけど。」
一「いっぱい経験して、遊んで、現場に出てそれを磨くってことですよね。」
保「うん、うん。そうですね。」
一「分かりました。ありがとうございました。」
保「ありがとうございます。」
一「また、遊びにきてください。」
保「是非、是非。」
一「先程話した、サカナLOCKS!の生徒と一緒に何かを作るのも。」
保「そうですよね。それ面白そうですよね。何か考えてみます。」
一「誰もやったことがないことを一緒にやりましょう。」
保「うん。また新しい、ね(笑)。」
一「よろしくお願いします。山口保幸監督でした。ありがとうございました。」
保「ありがとうございました。」