聴取期限 2022年11月4日(金)PM 10:00まで
音を学ぶ、音学(おんがく)の授業、サカナLOCKS!。
今回は、音楽のことでも音楽以外のこと何でもOK、生徒から届いた質問にNGなしで答えていく "一問一郎" の授業です。一郎先生への質問は、ひきつづき募集中です。 [ 宿題 ] から送ってください。
まずは一郎先生とSOL職員の雑談オープニング、先日行われたプロ野球のドラフト会議について。
山口「僕、言わずもがな野球大好き人間なんですよ。超ドラゴンズファンで、LiSA先生ともドラゴンズトークを繰り広げたいなと思っているんですけど。」
職員(カヲル先生)「あー、そうだね。なんか今年も試合見に行ったって言ってましたよ。」
山口「コアなドラゴンズファンとしてはね、LiSA先生の存在ってドラゴンズにとって大きいんですよ、非常に。あのLiSAがドラゴンズを好きでいてくれている。ビシエドが好きって言ってくれてるっていう。」
職員「ビッシー好きですね、確かに。」
山口「LiSA先生とドラゴンズの話をしていかなきゃいけないんですけど。10月20日に、ドラフト会議っていうのが行われたんですよ。知ってます?」
職員「知ってますよ。」
山口「毎年ドラフト楽しみにいろいろ見ているんですけど、自分が指名されたら……って思いながら見てるんですよ、いつも。」
職員「どういうこと?(笑) 山口一郎がドラフトで選択されたらってことですか?」
山口「そう。『第一順選択希望選手……中日ドラゴンズ……山口一郎、サカナクション!』みたいな(笑)。呼ばれたらどうしようっていうドキドキを……名前出るギリギリまで自分が呼ばれるかもっていう気持ちで見ているんですよ。」
職員「……はい(笑)。」
山口「で、ドラゴンズファンの僕が、例えばですよ……千葉ロッテマリーンズとかに指名されたら、そこに行かなきゃだめなわけじゃないですか。」
職員「もちろん断るっていう選択肢はあるけど、断らないよね。」
山口「断らないですよ。アマチュアの選手……高校生とか大学生もそうですけど、独立リーグだったり社会人の選手とかも、プロ志望届っていうのを出すんですよ、事前に。出している時点で、どの球団が来ても……断ることはできるかもしれないですけど、ほぼその選択はないですよ。」
職員「プロ希望を出している以上、そうなんだ。」
山口「今年は異例のドラフトで、結構たくさんの球団が1位指名を公言したんですよ。"うちはこの選手を1位で指名しますよ" って。それは結構異例で、まだ心の準備ができるじゃないですか。わー、俺ソフトバンク……!みたいな。くるーっていう準備期間があるけど。準備期間がなく、めっちゃドラゴンズファンの選手が……頼む、ドラゴンズ指名してくれ!って思っていて、違う球団に指名されてそのチームに入ってそこから這い上がっていくって結構残酷だなって思っちゃって。もちろん、どこでもいいってモチベーションの選手もたくさんいると思うんですけど。」
職員「憧れの球団、ここでプレーしたいとかあるよね。」
山口「あるじゃないですか。夢見るじゃないですか。例えば、巨人ファンだったら坂本選手と二遊間組みたいとか、ヤクルトファンだったら村上選手の次5番打ちたいとか。ドラマがあるじゃないですか。それを……クジで。今の時代に、人をクジで引くんですよ?」
職員「でも、クジであるっていうのは、資金力のある球団が一方的に強くなっちゃうっていうのを防ぐ、公平化を保つためにやってるってことなんでしょ、きっと。」
山口「なんですけど、今回公言したじゃないですか。たくさんの球団が。じゃあ、ここ1位でいくのね、じゃあうちはこの選手を1位でいきますって読み合いがあったんですよ。」
職員「あ、『私巨人ですけど、この人を指名します。よろしいですか?』っていうの?」
山口「そう。」
職員「うわー……何それ。」
山口「だったら、毎回それやればよくね?って思っちゃったんですよ。おたくの球団何行きます?うちこれ行きます。被っちゃいましたね……クジ引きます?いやー、被ってるんだったらちょっと待ってもらっていいですか?考えてきます……とか。うちは絶対この選手は譲りませんとか。裏で1回揉んでもらって、公表すればいいんじゃないかなみたいな。故に、クジになっちゃってるんだったら、4球団でクジにしますよって選手に伝えてあげている方が優しいんじゃないかなって思って。」
職員「あー、事前にね。当日のサプライズよりかは。」
山口「そうそう。その瞬間、クジとかで、え?俺ここ?!って決まるの?って思っちゃったりするんですけど……でも、面白いんですよドラフトってそれがまた。今回も、原監督(巨人)がクジで当てたんですよ、浅野選手っていう野手を。阪神と被ったんです。巨人は浅野を公言していたんですけど、阪神がいったんですよ。原監督、ここ何年クジ運が全然なかったんですよ。でも、今年当てたんです。」
職員「おー。」
山口「インタビューで、いつもと違う道を通って、新しい靴を履いて、新しい気持ちで(クジを)引いたらしいんですよ。分かるなーって思って(笑)。」
職員「ふふふ(笑)。野球好きな人、こういうエピソード好きだよね(笑)。」
山口「そうそう(笑)。面白いなーって。だから、選手をクジで引くっていう……そういうのも含めてドラフトめっちゃ面白いんですけど。今回公言していったっていうのを見ちゃうと、別にクジじゃなくても、裏で話し合いでいけちゃうかもしれないなみたいなものが垣間見れちゃったのは、ちょっと今回のドラフトでは寂しいなって。」
職員「なるほどね。」
山口「これ、バンドでもやったらどうかなって思ったんですよ。」
職員「例えば、ビクターがどのバンドを希望するかってこと?」
山口「そうそう!」
職員「架空の話としてはめちゃ面白いね。」
山口「だから、サカナLOCKS!で架空のドラフトバンド会議をやりたいなって思っているんですけど、どうですか。5メジャーレーベルのプロモーターを呼んできて、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPSとかのバンドを並べて、1回全員フリーになっている体で……」
職員「ごめん、もうそれはトレードじゃないかな、話が(笑)。」
山口「ははは(笑)。で、クジ引いて。」
職員「でも、夢のある話。」
山口「そう、夢のある話をやりましょうよ。来週やりましょうよ。」
職員「来週か(笑)。やりたいね。」
山口「旬なうちに。」
山口「はい、それでは授業を始めますから席に着いてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いてる人は、サカナLOCKS!のインスタアカウント(@sakanalocks_official)をフォローしなさい。だんだん元気になってきている、サカナクションの山口一郎です。」
「さあ今夜は、音楽のこと、音楽以外のこと何でもOK。質問に何でも答えるタブーなしの "一問一郎" をお届けしたいと思います。これ結構ね、ネットニュースになりがちなやつだからね(笑)。いま療養中で、一時期いろいろお騒がせが多かったサカナクションですけども、今このタイミングで一問一郎をやるっていうことは、質問の内容次第では結構ネットニュースになっちゃうくらいの感じなんでね。でも、タブーなしで全部答えていきたいなと思っております。」
「今回は、リモート収録ということで、目の前にカードがないので、その代わりに僕が数字の1〜6までを言っていきます。あらかじめ用意されていた質問がオンライン会議アプリの画面共有を通じて現れるという……リモート一問一郎カッコ療養中、をお届けしたいと思います。」
「やっていきましょう。まずは……一郎の、"1"!」
Q:音楽や芸術などの作品は、作り手がどのような人であるか、どのような過程で生まれたのかという背景によって周りの評価は変わるべきだと思いますか?
大阪府/20/女性
「それはね……変わると思う、自然に。なんでかっていうと、例えばだけど……目の前にくちゃくちゃに丸められた紙が置いてあったとして、それをただゴミとして置いてあるのか、なぜこの紙が丸めてそこに置いてあるのかっていう理由やコンセプト、コンテクストみたいなものがあるかないかによって、そのものの質が変わってしまうっていうことと一緒で、環境であったり、理由や背景っていうものが、その作品の質量を担うっていう風に僕は思っているので。そこは、必然的に変わるんじゃないかと思います。多分、人の感情に触れる作品っていうものは、例えばその背景を知らずとも、それに対して触れた瞬間に、その質量を無意識に感じるはずなんですよね。だから、いいなって思ったものを掘り下げていった時に、環境だったり過程、背景みたいなものにさらに惹かれていくんじゃないかと思います。だから、順序が……作品が先っていうことは変わらないんですけど、そこは絶対比例したり内包されるんじゃないかなと思います。評価が変わるべきかどうかっていうことを言われると、そこは断定はできないけど、必然的に変わるのではないかなと思っています。……どうだろう?」
「……え?こんな真面目な感じなの?これはちょっとバズらないな……今、バズりに飢えているから、僕。バズらせようよ!」
「じゃあ、次。イチロックの、"6"!」
Q:一郎先生の、今の心の支えは何ですか?
長野県/18/女性
「音楽だね。音楽っていうか、ミュージシャンでいるっていうこと。自分がミュージシャンでなくなるっていう恐怖は常に死ぬ恐怖と同じくらいあるから。今こうやってサカナLOCKS!で、みんなの前でミュージシャンとしてしゃべっていられたり、SNSで自分が何かを発信したり、曲を作ってライブでステージの上でみんなの前で歌ったりすることができるっていうことが心の支えになっているかな。……それ以外何もないかも、むしろ(笑)。」
「ちょっとありきたりな答えになっちゃって申し訳ないんだけども。こんなんでいいかな?……ちょっと、もうちょっと何かないのかな?なんかすごい真面目な……そういう感じ?今日。」
「次行ってみようか。一郎さんの"3"!」
Q:一郎先生は何の楽器の音が好きですか?ちなみに私は、スチールドラムの音が好きです。
茨城県/18/男性
「好きな楽器の音、いっぱいあるけどなー……でも、僕はやっぱりバグパイプの音が好きだね。バグパイプだったり、日本で言ったら笙とか。和音がある種、塊としてハーモニーになっているものに僕は惹かれるかな。あと、フィドルも好きだね。自然に楽しい……無条件に人の感情を楽しくさせるじゃない、あのフィドルっていうのは。だからすごい好きだよ。でも、やっぱりシンセサイザーの音も好きだし、ギターのアコースティックな音も好きだし、エレキの……自分の好きなリッケンバッカーの330の音も好きだし。いろんな音が好きだけど、パーソナルな感想で言うと、バグパイプとか笙とかが好きかな。」
「…………。」
「……これ面白くなくないかな?(笑) これ面白い?いいのかなー……なんか、サカナLOCKS!をひとりでやり始めて、まだ調子が出ていないだけかな?大丈夫かな?もうちょっとボケた方がいいのかな……大丈夫かな?」
「次。一郎二郎の、二郎……"2"!……はい(笑)。」
Q:一郎先生が靴にハマったきっかけって何ですか?
愛知県/20/男性
「靴にハマったきっかけはね、僕は、スプリングコートっていうスニーカーなんですよ。……知ってるかな?イギリスのテニスシューズなのかな。スプリングコートっていうスニーカーがあって、ジョン・レノンが履いていたっていうので、真似して履いていたんですよ。当時全然お金がなかったから、ボッロボロになるまでスニーカーを履き潰していたんですけど。スプリングコートのスニーカーを4年くらい履いて、かかともすり減っちゃって、ボロボロのスニーカーを履いて、北海道から東京にやってきたんですね。正確には東京ではなくて、神奈川県だったんですけど。神奈川県の登戸っていうところに住み始めて、北海道にはない商店街とかが登戸近辺にあって、よくひとりで探索していたんですよ。ある時、商店街を歩いている時に、すれ違った女性に、あ!って言われたんですよ。当時、セカンドアルバムをリリースして『シンシロ』をリリースしていない頃なんで、全然人に知られていない状況だったのにも関わらず、『サカナクションの山口さんですよね?』って言われて。すごいびっくりしちゃって。そういうのが初めての経験ですよ、札幌以外で。で、その人から、『素敵なスニーカー履いてますね』って言われたんですよ。そのスプリングコートのボロボロのスニーカーを見て、素敵なスニーカーですねって。その時に、僕は早く新しいスニーカーが欲しいって思っていたけど、北海道で自分の苦労を共に重ねてきたスニーカーを、神奈川に来て初めて褒められた時……なんかね……報われた気がして。そこからね、靴を好きになったっていうか、自分の身につけるものの歴史みたいなものを気にし始めたかなっていうのがありますね。」
「……これ、面白い?(笑) ……なんかちょっと……あれじゃない?もうちょっとエキセントリックな感じじゃないのかな……いいのかな……」
「これくらいかな?もう1個いく?じゃあ……"5"!(笑)」
Q:SNSから離れてよかったこと、よくなかったことを教えてください。
東京都/16/女性
「あー……SNSから離れて、よかったなって思うのは、自分とだけ向き合えるから、他のことに対して自分ってどうなのかっていうことよりも、自分というものは一体何なのかっていうことに対してゆっくり考えられる時間があったっていうのはよかったなって。ありきたりだと思うんですけど。忙しくて自分の頭の中の交通整理が出来ていなかったなっていうのは思っていて。それをゆっくりと交通整理をしていって、何のためにSNSをやっていたのかとか、何のために音楽をやっていたのかとか、当たり前のことを当たり前に指差し確認していけたっていうのは、SNSのスピード感から離れて良かったなと思っています。焦りがないというか。良くなかったことっていうのは、今話したことと矛盾するんですけど、焦りが出るというか……僕が休んでいる間に、みんなは動いているんだっていうのが、見えない分感じるというか。そこに恐ろしさを感じたりはしましたけど、それはね、そんなにデメリットはなかったかなとは思っています。だから、そんなにSNSと離れてデメリットはなかったかな。復帰する前提だったんで。今なお療養中ではあるんですけど、大事な時間の流れだったかなと。大事な半年間になるっていう確信はしています。それは、音楽で証明していけたらいいなと思っています。」
「せっかくだから4もいっちゃう?1個だけやってないっていうのも何だしね。……幸せの、"4"!……ふふふ(笑)。」
Q:一郎先生的に、今年のドラゴンズの不調の原因は何だと思いますか?
愛知県/17歳/男性
「これはね……非常にある!俺は……分からないけども、コンディションだと思う。怪我人が多かったのと、フィジカルが……選手の体が大きくなるのが他の球団よりちょっと遅い気がする。それが原因なんじゃないかなってちょっと思ってる。実力はあるけど、メンタルだったりって……テストステロンがすごい重要じゃない。ふふふ(笑)。筋トレをすれば自信が出てくるんじゃないかなと思うから。打つ、守るっていうだけじゃなくて、基本的な基礎トレーニングみたいなところがもうちょっとあってもよかったんじゃないかなって……すごく調子に乗った、穿った意見をいうとするとそうかな。あと、バッティングマシンの性能を上げた方がいいんじゃないかなと思う。他球団のバッティングマシンってすごいらしいんですよね。僕がネットとかで練習しているシーンを見る限りのバッティングマシンは、最新じゃないもんね。だからね、直球に押し込まれているんじゃないかなと思ってる。……これは読みね。スポーツ選手なんて特にメンタルが大事だと思うんで。そういったトレーニングとかも、スポーツ選手がどういうことをやっているのかなっていうのもちょっと勉強していきたいなと思っています。」
今回の授業は以上です。こんな感じで、一郎先生に聞いてみたい質問がある生徒は、[ 宿題 ]から提出してもらうか、[ サカナLOCKS!掲示板 ] に書き込んでください。
「……(今日の授業を振り返って)最後のドラゴンズの不調の原因くらいのところがネットニュースになったらいいなと思っています(笑)。」
聴取期限 2022年11月4日(金)PM 10:00 まで