『サカナLOCKS!〜修行編』!!今回も [ SCHOOL OF LOCK!の公式アカウント ] を使いながら、一郎先生が生徒の話を直接聞いていきます。2021年11月〜12月の2ヶ月間、"修行編" ということでAuDeeで配信してきましたが、今回が最終回です。
(※こちらは、12月14日(火)24:00からSCHOOL OF LOCK!のYouTubeチャンネルで行った、深夜の公開授業の模様を編集したものです。)
山口「さあ、『サカナLOCKS!〜修行編〜』。今日の授業は、"今、君を悩ませてること"というテーマです。メッセージを紹介していこうと思います。」
"一郎先生こんばんは!愛媛県に住んでる高3男子のキコウデンです!
僕には今悩みがあります!
それは、カラオケの採点のランキングで何回歌ってもサカナクションの曲で1位を取れないということです!
何回挑戦しても3位か4位しか取れないんです!
そこで、もし良ければ歌い方のコツや、サカナクションの曲の中で一郎さんが比較的歌いやすいと思う曲を教えて頂けたら幸いです。
ちなみに十八番は白波です!" (ラジオネーム:キコウデン)
山口「歌いやすいのは、「新宝島」だと思うけどね。ループだし、音程もそんなに飛躍しないから歌いやすいと思う。」
職員(カヲル先生)「なるほどね。音程が飛躍しないっていうのがポイントなんだ。歌いやすい曲とか、高い特典が取れる選曲をすればいいってことだね。」
山口「そうそう。だから、「新宝島」を練習したら1位取れるんじゃないかなって思うけどな。」
職員「もしかしたらめっちゃ難しい曲で3〜4位かもしれないしね。」
職員「あ、ちょっとこのメッセージを読んでいいですか?1回目の時に話した、友達との距離感について悩んでいるって言っていた子がメッセージを送ってきてくれています。」
"一郎先生こんばんは、ご無沙汰しています!
この前電話したときに、物理的に重い友達がいて悩んでいる話をさせてもらって、いたたタイタニックのアドバイスをいただけて良かったです!
アドバイスをいただいてから3日後、『いったいよ〜!』で実践しました。
すると、『あ、ごめん。私の体重が重すぎたね』と申し訳なさそうな顔で謝られて、それからは一切話しかけられなくなり、その子は他の人をロックするようになりました。言い方のイントネーションは悪くなかったと思うのですが、それだけで話しかけられなくなるとは思わずびっくりしてます!
ですがそれをきっかけに僕は解放されました!が、今は他の人が悩まされる状況となっています。人付き合いとは難しいものですね。" (ラジオネーム:ラビンラビット)
山口「はー……でも、そういうのを繰り返して大人になっていくのかな。」
職員「うん。だろうなー。」
山口「みんなに好かれるっていうのも難しいしね。」
職員「うん。ラビンラビットの直接の悩みは解決したんだけど、人付き合いって難しいんだなっていうことがちょっとそこに残ったって感じですかね。」
山口「なるほどなー。」
山口「続々質問が届いておりますよ。」
"一郎さん!相談したいです!
人を愛したい、そして愛されたいけど、どうしたらいいのか?
2年以上付き合った人にひどい振られ方をして、それ以来人を愛することや愛されることがなくて寂しいです。最近、アイドルにガチ恋をしてしまい、余計に虚しくなってします。電話でお話ししたいです!!" (ラジオネーム:きなこ)
山口「電話してみましょうか。通話リクエストを送りましたので、かけてきてください。」
職員「はい。」
山口「アイドルに恋をするっていう感覚って……諏訪さん(※カヲル先生のことです)は結構アイドルの番組も担当しているじゃないですか。だからなんとなくその感覚ってわかると思うんですけど、僕はちょっと分からないんですよね。」
(♪ 着信音)
職員「あ、着信がきましたよ。繋ぎましょう。」
山口「こんばんは、聞こえますか?」
きなこ「こんばんは。」
山口「きなこさんは、2年間付き合っていた人にひどい振られ方をしたと。それによって恋愛をする、人を愛することができなくなったと。それで、アイドルにガチ恋をしていると。」
きなこ「ふふふ(笑)」
職員「ガチ恋をしてるの?」
きなこ「うーん……アイドルで、叶わないと分かっているんですけど、惹かれてしまうっていう。」
山口「リアルに人を愛することができなくなったっていうのは、気になるなっていう人もいないの?」
きなこ「ないです、ないです。」
山口「傷心の気持ちを、アイドルの方に向けていると。」
きなこ「そうなっちゃいますね。現実にも理想が高くなってしまうというか……」
職員「"彼氏を好き"っていう好きと、"アイドルを好き"っていう好き、きなこさんの中では同じようなものだと思ってるんですか?別の感情なんですかね?大きく愛情だとしても、何種類か愛情があるうちの違うものが出ているのか、全く同じものが出ているのかっていうので違うと思うんですけど。」
きなこ「あー……難しい……でも、割と同じ感覚というか……」
山口「へー。その、アイドルに対する恋の気持ちも、リアルな人に対する恋の気持ちもあまり変化がないって、僕は全然理解ができないのよ。そういう感情が分からないから。昔、中山美穂さん、ミポリンをすっごく好きだったことがあったのよ。小学校くらいの頃かな。あの感じは、学校の先生が好きっていうのと近かったのよ。そういうことかな?」
職員「あー……どうだろう?好きなアイドルの人って、年齢が近いとか、今まで付き合ってきた彼の世代と近くて、近しいところなんですかね?」
きなこ「はい。年齢は近いですし、前付き合っていた方と同じくらいの歳で。」
山口「あー。でも、実らないじゃん。0.1%でも、0.00001%でも実るかもしれないっていう思いはあるの?ばったり会って恋愛できるかもしれないっていう期待があって好きなの?それとも、絶対会うことはないっていうことがはっきり分かりきっていて、ガチで恋してるの?」
きなこ「いやー……難しいですね……でも、0.0001%くらいでもあるなら……」
職員「でも、そのくらいはあるよ。だって0ではないからね、絶対。」
山口「うん。でも、その0.0001%でもあるからこそガチで恋できるってこと?それがなかったらガチ恋にはならないの?アイドルに対して。」
きなこ「難しいんですけど、叶う確率っていうのはないに等しいとは分かっていながらも、自分的には現実で会える人と同じ感覚になってしまうっていうところがあって。」
山口「きなこさんは、新しい恋をしたいって思っているわけですよね?また人を愛することができるようになりたいなって思っているわけじゃないですか。それは、今のアイドルに対するガチ恋を維持したまま、他に好きな人を作れる感覚ではあるんですか?今までは、付き合っていた人と別れた寂しさをガチ恋で埋めていたわけじゃないですか。で、新しくリアルな恋を探そうとしたときに、そのガチ恋を脇に抱えたまま新しい恋をまた逆の手の脇に抱えるのか、一度そのガチ恋を脇から下ろして新しい恋を掴みに行くのか……気持ち的にはどっちなんですかね?」
きなこ「それでいうと、両脇に抱えたまま……」
職員「おー、いいね。100%の愛が2個あるんだね。」
山口「じゃあ、やっぱりガチ恋に慣れなきゃダメなんじゃないですか?ガチ恋っていうものの真髄を極めないと、リアルな恋と共存できないんじゃない?今は埋めているだけだけど、そうじゃなくて違うポジションの心の隙間の埋め方をガチ恋で見つければ、リアルな恋がまた見えてくるじゃないですか。」
きなこ「あー……!」
山口「例えば、ガチ恋を保険にして、リアル恋で失敗しても、アイドルへのガチ恋で自分を癒せるから多少無理してもリアル恋に踏み出せるとか。自分を押し出す道具としてアイドルのガチ恋を使うっていうのはどうかな?」
きなこ「おー!すごい腑に落ちました。」
山口「だから、自分がアイドルにガチ恋しているっていうことに対して理解を示してくれる人じゃないとだめだろうし。隠すのも何じゃないですか。」
職員「例えば、次付き合った彼氏が女性アイドルにガチ恋勢だったらどう?お互いガチ恋同士で、でも、お互いのことも好きっていう。でも、そういうカップルは結構いるんじゃないかな?」
山口「いると思う。それは許せるの?」
きなこ「ふふふ(笑) うーん……これはちょっと……自分はいいのに相手はっていうところになっちゃうんですけど(笑)。」
職員「全然それで良いと思いますよ。自分に優しくて良いと思います。」
山口「(笑)」
きなこ「ふふ(笑) 逆の立場になるとちょっと……」
山口「アイドルのガチ恋を知っている分ね。」
職員「あの気持ちでもう一人私と同じくらい好きな人いるんかいってなるんだね。」
山口「(笑)」
きなこ「そう思っちゃいますね、確かに(笑)。」
山口「それは、そういう人を見つけるしかないよね。」
職員「きなこさんが楽しいのであればね。それでめっちゃ苦しかったら話が変わってきちゃうけど。」
山口「でも、好きな人を見つけるために今アイドルにガチ恋しているんじゃないですか?無意識に。」
職員「結果そうなるんだったら、きっとそうだろうね。」
山口「傷心の気持ちをアイドルへのガチ恋で埋められたわけだから、次は、違う恋愛での感情を満たすために、リアルな恋を求めていくっていう風に……今、移行段階なんだと思うんですよ。次の恋に行くまでに半年かかるかもしれないし、1年かかるかもしれないけど、アイドルにガチ恋をしながら、自分の心を保っている状態で、人を好きになるということ……そこにはちゃんと着地するんじゃないかと思うんですけどね。焦らなくて良いと思うよ。」
職員「多分、人を好きになれないかもって書いていたじゃないですか。一郎先生も言っていたんですけど、人を好きになるっていうことを継続している状態だと思うので、そこは心配しなくても良いと思いますよ。本当に人に興味がない人もいるからね。」
山口「今は、逆にアイドルへのガチ恋ライフを楽しんでいればいいんじゃないかな。そこで、やっぱりリアルでしか満たされないものがあるなって気づく瞬間もあるだろうし、このままでもいいかもしれないって思うかもしれないし。大丈夫ですよ。」
きなこ「ありがとうございます。」
山口「頑張ってくださいね。それではまた!」
職員「推し活も頑張ってください。」
きなこ「はい。ありがとうございます。」
山口「おやすみなさい、さよならー。」
きなこ「おやすみなさい。」
山口「でも、正直に言うと、僕Instagram LiveとかTwitterをやっていて、応援してくれる人がいるじゃないですか。めっちゃみんな愛してますけどね。みんなのこと。だって僕はさ、独身だし、音楽しかないわけじゃない。音楽しかやっていないそれを好きって言ってくれるんだから……もう、みんな嫁だよね。」
職員「ははは(笑) でも、それはリップサービスとかじゃなくて、その感覚あるよね。」
山口「あるある!あと、嫁だなって思う時もあるし、友達だなって思う時もあるし、仲間だなって思う時もあるし、親戚だなって思う時もある(笑)。」
職員「あると思うよ。ちゃんとそこに愛情の行き来があるじゃないですか。」
山口「あるのよ。みんな誤解しているのは、ファンが推しに対してガチ恋するっていうことが前提になっているけど、こっち側も愛しちゃってるんだよね。それは特定の誰かじゃなくて。だから、双方両思いなんです。誰かをガチ恋してしまった時は、その時点で両思いなの。そういう感覚もある。」
職員「『サカナLOCKS!〜修行編〜』は、今回が最終回なので、もう1人いきましょう。」
山口「そうか。いきましょう。」
"一郎先生こんばんは。私の今の悩みは自分のアイデンティティについてです。私は日本生まれ日本育ちですが両親が外国人であるため外国籍を持っています。小さい頃は外国人であるということを隠すのに必死でした。今でも人と話すときには相手が自分のことを外国人であるということを意識しているのではないか、と思ってしまいます。将来日本国籍を取得することも考えていますがそれはそれで自分のアイデンティティを捨てる気がして怖いです。国籍というただの記号のようなものでもあるかもしれませんが自分はどうして日本人じゃないのだろうって何度も悩んできました。一郎先生、諏訪さんは外国人であるというアイデンティティについてどう考えていますか?" (ラジオネーム:サカナカサ)
山口「繋いでみましょうか。通話リクエストを送りますよ。」
山口「でも、それはどの時代にもその悩みを持っている人がいるよね。僕が好きなイサム・ノグチも、アメリカと日本人のミックスだから、アメリカではアメリカ人って言われず、日本では日本人と呼ばれないという……双方から自分のアイデンティティを否定されるという。その否定を芸術に転化していくっていう風に流れていくんだろうけど、自分の国籍、アイデンティティはどこにあるのかっていう悩みは当事者じゃないと分からない部分も多いですもんね。サカナカサは日本生まれ日本育ちで、両親が外国人ってだけでしょ?だから、心は日本人ってことだもんね。」
(♪ 着信音)
職員「あ、着信がきました。出ますね。」
山口「もしもし。聞こえますか?」
サカナカサ「はい。」
山口「サカナカサさんは、今おいくつですか?」
サカナカサ「18です。高校3年生です。」
山口「学校でもそういう話になるの?」
サカナカサ「そうですね。名前がそもそも違うので、そこから『何人なの?』みたいな感じで。」
山口「それを聞かれることって嫌だなって思ったりする?」
サカナカサ「その……祖国って言うんですか?それが、あんまり良い印象を持たれていないので、そこからあんまり……羞恥心っていうんですかね。言いたくなくて。でも、最近だと理解ある友達もいて、いいねって言ってくれる人もいるんですけど。やっぱりあんまり仲良くない人と話すと、相手は自分のことを外国人として見ているんじゃないかなって思っちゃって。」
山口「あー……サカナカサは、お父さんとお母さんとはそういう話するの?」
サカナカサ「あんまりしないです。たまに、学校でからかわれたとか、笑い話にはするんですけど。」
山口「それが原因で傷ついたこととかあるの?」
サカナカサ「小さい時は結構傷ついていましたけど、最近は気にしないのがいいのかなって感じで。あと、今はそんなに言ってくる人もいないので。」
山口「そっか。例えばだけどさ、今高校3年生ってことだけど、これから就職とか大学とか考えるわけでしょ?海外に行ってみたいとか、同じ境遇の人と会ってみたいとかはないのかな?」
サカナカサ「あー……でも、グローバルに生きたいなとは結構思っていて。」
山口「うん。日本にいるとすごく特殊に感じるかもしれないけど、海外に行くと結構そんなの当たり前のことに感じてもらえたりするんじゃないかなって気がするけどね。」
職員「あと、最近はあんまり言われなくなったって言っていたじゃないですか。それって周りの年齢が上がってきて、周りの人たちのリテラシーが身についてくると、そういう風に言われなくなるんだろうなと思ったんだよね。」
サカナカサ「はい。」
山口「でも、言われなくなってくると、陰で言われているのかなっていう妄想が出てきたりしちゃうよね。」
サカナカサ「そうなんですよ。」
職員「言われていたからね。」
山口「でも僕がサカナカサに言えるのは、お父さんとお母さんが外国人であって、自分が外国籍だとしても、日本で生まれて日本で育ったんだから、自分のことを日本人だって思っても良いし、自分の両親のアイデンティティにも誇りを持つべきだと思う。二つあるっていうことって特殊じゃないですか。嬉しいこと、喜ばしいことだと思うべきかなって僕は思うけどね。今現に、そういう風に見てこない良い友達に出会えたりしているわけでしょ?新しい環境に行くと、そういう人にまた出会えるだろうし、逆に、人を見れるじゃん。そういう風に見てくる人と近づかなくて良いわけだから。それを良いこととして捉えて、利用していくべきかなって思うけどね。」
サカナカサ「はい。」
山口「海外、行ってみたら?」
サカナカサ「行ったことあります。」
職員「お、どこ行ったの?」
サカナカサ「オーストラリアに1回、短期留学で。」
山口「どうだった?」
サカナカサ「すごい楽しかったです。」
山口「現地の人とコミュニケーション取ったんでしょ?自分のアイデンティティについての話はそこでもしたの?」
サカナカサ「しました。(書類に)国籍を書かなきゃいけなくて、その説明とかもしたんですけど、自分は日本に住んでいて、日本の友達と一緒に日本の学校の代表として行ったから、日本のアイデンティティも見せつつ、自分のアイデンティティも見せようって感じで。」
山口「向こうの人は、日本人と反応違った?」
サカナカサ「すぐ受け入れてくれて。そうなんだーって感じで。」
山口「サカナカサが感じている周りとは違う自分っていうものに対する劣等感や不安って、日本にはいろいろあると思うんですよね。僕もあるんだけど。僕はこの年齢で独身だから、そういう風に見られたりするんですよ。東京だと当たり前かもしれないけど、地方だとね。この年齢で独身だと何か問題があるんじゃないかって……言わないけど、思われているんだろうなって。だから、人と違うっていう部分が恥ずかしいとか、そういう風に思っちゃう要素が日本は特に強い傾向にあるとは思いますね。」
職員「そうだね。」
山口「これは、社会全体を変えていくっていうのは非常に難しいと思うけど、どんなこともだんだん馴染んでいくというか、当たり前になっていくだろうし、サカナカサのような状況の人たちが増えていくだろうしね。でも、僕は自信を持ったほうがいいと思うよ。2つ自分のアイデンティティがある、その2つあるっていうことが自分のアイデンティティなんだっていう風にポジティブに捉えないと、ネガティブに捉えるとそれが逆に付け入る隙を与えたり、自分を卑下していくものになっていくから。楽しんだほうがいいと思うけどね。ラッキーくらいの気持ちで。」
サカナカサ「はい。」
山口「僕は、サカナカサが2つアイデンティティがあるっていうそのアイデンティティは羨ましいって思うし、いろいろ話を聞きたくなる。どんな感覚なのか知りたいなって思うし。そうやって友達も増えてくるだろうし、嫌だなって思うことがあるっていうことも、普通は経験できないことなわけじゃん。こういう問題を考える機会になっているわけだから、その時点でプラスになっているって考えた方がいいんじゃないかなって思ったりするけど。」
サカナカサ「はい。」
山口「サカナカサは、サカナクション好きなの?」
サカナカサ「めっちゃ好きです。」
職員「サカナカサ、(サカナLOCKS!掲示板に)書き込みしてるよね?」
サカナカサ「めっちゃしてます。」
職員「そうだよね。サカナカサめっちゃ書き込みくれてるよね。」
山口「おー!いっぱい書いてくれ!サカナカサは、サカナクションの何の曲が好きなの?」
サカナカサ「え……「仮面の街」とか。」
山口「わはは!(笑) 今のテーマにぴったりの曲だね。次の進路は決まってるの?」
サカナカサ「今受験勉強中で。勉強しなきゃいけなくて……」
山口「頑張れよー!俺、また受験生のために絵馬を書いておくわ。」
サカナカサ「ありがとうございます。」
山口「僕、前も言ったんだけど、受験勉強って大人になった時の集中力の鍛錬だと思うんですよ。そう思ってやると頑張れるんじゃないかと思うけど……僕は全く受験勉強とかしたことないから偉そうなことは言えないんだけどね(笑)。」
職員「してないんだな(笑)。」
山口「せっかくだから、何か聞きたいことある?」
サカナカサ「緊張をほぐす方法が知りたいです。」
山口「緊張をほぐす方法……僕は、人と話すことで緊張する時は、もうこの人とは二度と会わないって思うようにしてる。僕、タモリさんと初めて話した時……『笑っていいとも!』だったんですけど、もう二度と呼ばれないし、二度と会えることはないだろうから、ここで失敗しようが成功しようが関係ないって思ってた。そういう風に思うと全然緊張しなかったですね。それでタメ口で話してたらTwitterで叩かれたけど(笑)。」
職員「ダメージは負ったんだね(笑)。緊張しない方法ってめっちゃ難しくて……なぜなら緊張しちゃうからなんだけど、『緊張するな……緊張するよな……緊張してきた……うわ、やっぱり緊張したわ!』って思うとちょっと楽になりますよ。もう緊張する前提で。ほらきた、私の予想通り完全に緊張していますっていう気持ちでそこにいると、何も考えないでいきなり緊張するよりはちょっと楽っていう方法もあるので。」
サカナカサ「はい。」
山口「あと、"自分をちょっと先の未来に飛ばす"っていう作戦もあるよね。」
職員「……これは急にちょっと分からないんですけど、どういうことですか?(笑)」
山口「ははは(笑) 今緊張しているけど、5分後は多分冷めてるとか、10分後は冷めてるとか。じゃあ、今緊張している自分はなんなのって客観的になる作戦はあるよね。」
職員「ある。」
山口「どんなに頑張っても、どんなに努力しても緊張はするから。」
職員「そうそう。これはもう全員。なんとびっくり、隣の人も緊張しているんです。これは間違いないから。」
山口「緊張していないやつなんかいないから。」
職員「緊張していないやつは、その場所を大事にしていないやつなんで。」
山口「みんな一緒だって思うと安心すると思うけどね。大丈夫よ。」
サカナカサ「はい。」
山口「努力すればするほど緊張するから。僕らもそうだもん。どんだけリハやってリハやって、完璧だって思うたびに緊張するから。テンパるもん、ちょっとしたトラブルとかで。」
職員「あ、そう。それは、こんだけ練習したんだからうまくいかなかったら嫌だなってバイアスがかかっちゃうってこと?」
山口「そう。それもあるし、やりすぎちゃって、いつもとちょっと違うことが起こると、あれ?ちょっと違う!って。対応力がなくなるっていうか、応用力がなくなるっていう感じですよね。」
職員「なるほどね。」
山口「どうやろ?受験勉強頑張れる?」
サカナカサ「頑張ります。」
山口「頑張ってな。応援しているからね!ほんじゃ、さいならっきょー!」
サカナカサ「ありがとうございます。さいならっきょー!」
職員「これ、一郎先生オフィシャルのあいさつになっちゃいましたね。」
山口「(笑)」
そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。
山口「修行編は、こうやって皆さんのお話を聞くことでやってきましたけど、なかなか本体のサカナLOCKS!では、こういう風に直接話を聞くことができなかったから、すごい勉強になるし、みんなの声を聞けるチャンスはいいなって思う。定期的にこういうのやれたらいいですよね。ということで、『サカナLOCKS!〜修行編〜』は今回でラストでございます。1月からは通常通り、毎週金曜日22:30から『サカナLOCKS!』が復活します。この修行の成果は果たして出るのか……(孫悟空で) オッス、オラ一郎!いっちょやってみっか!……ということで、今回の授業はここまで。音で学ぶ、音を学ぶ、音に学ぶ"音学"の授業、サカナクションの山口一郎でした。またお会いしましょう!さいならっきょー!」
『サカナLOCKS!〜修行編〜』は、これにて終了です!
深夜の配信に参加してくださった皆さん、ありがとうございました。次回は、2022年1月7日(金) 22:30〜のTOKYO FM / JFN 38局ネットのSCHOOL OF LOCK! FDRIDAY『サカナLOCKS!』でお会いしましょう!!