江島「はい、授業を始めますから、席について下さい。」

草刈「マンガを読んでいる生徒は机にしまいなさい。」

江島「Twitterを開いている人は、閉じなさい。……ということで、こんばんは。サカナクションの江島啓一です。」

草刈「同じく、サカナクションの草刈愛美です。」





今日は久しぶりに、江島先生と草刈先生の「副担任's」
による授業です。山口一郎先生は、"全国音楽教育方針取決委員会 秋のぶどう狩り大会" に出張中なのでお休みです。

江島「ぶどう狩りですか〜。そんな季節だ。」

草刈「もう、秋だからね〜。美味しいもんね!」

江島「副担任'sということで、結構久しぶりですね、この二人は。」

草刈「そうですね〜。」

江島「僕、ちょっと前に出て、一郎先生と一緒に "EQ" の授業をやっていたんですけど、今日はのびのびやろうと思います(笑)。」

草刈「ふふふ(笑)。」



江島「最近のサカナクションは、何してるんですか?」

草刈「曲作りですね〜。曲を作ってますよ。」

江島「いつ出せるんですかね〜、あれは。」

草刈「ツアーが年明けにあるから、それまでには届けたいですね。」

江島「楽しみに待っていてもらえればと思います。」





今回の授業は、SCHOOL OF LOCK! の部活動の中にある、『 バンド部 』の掲示板に書き込まれている悩み相談に、サカナクションのドラムである江島先生と、ベースの草刈先生が答えていきます。サカナクション先生は『 バンド部 』の顧問であります。それでは早速、書き込みを見ていきましょう。

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■教えて下さい♪
ベースをやってます。 久しぶりに弾いてみたら、スライドがうまくいかないんです。 あと、指の間隔が開かなくて!押さえずらい(^-^; コツとかあったら教えて下さいm(__)m

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江島「なるほど、女の子だよね。ベースって、ちょっとギターより大きいんだよね。」

草刈「そう。ギターより弦も太いし、長い。端まで届くのに、精一杯手を伸ばさないといけない楽器なんですよ。その状態で弦をしっかり握らないといけないから、女の子にとっては結構辛いし、大変。」

江島「そうなんだ〜。草刈先生も、そんなに背が大きい方ではないですよね。」

草刈「そうなんです。手も短いですし、指も短いです。」

江島「でも、体が小さいとか、手が小さいからダメっていうわけじゃなく、練習すれば弾けるんだよね?」

草刈「そうなんですよね。段々慣れてくると、力を入れなくても弾けるようになってくるくらい、最終的には力がいらない楽器です。」

江島「最初は無駄な力が入るってこと?」

草刈「そうですね。無駄な力が入るし、力を加える向きとか、そういうのを覚えていかないとならない。」

江島「それはもうひたすら練習ですか?」

草刈「そう。ひたすら練習!押さえづらいっていうのも、普段、体の向こうからこっちに向かって押すことなんて無いですよね。」

江島「無いですね〜。何だろう、ダンベル持つときとか?」

草刈「あぁ〜(笑)、男の子は、筋トレで使う事もあるかもしれないけどね。まあ、もともとはその筋肉はついていないことが当たり前なんですよね。だから、できるだけベースに触って、力を抜いても、しっかり押さえられる向きがあるから、そこを探っていくこと。「音が出るから楽しい〜♪」ってやるのはもちろんだけど、自分の指の形とかを、鏡見たり、音をひとつひとつ出しながら研究すると良いと思いますよ。」

江島「なるほどね〜。」

草刈「はい。練習してみてください。」

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■アドバイスを、、、
私は部活で吹奏楽をやっているのですが、ドラムがメトロノームに合いません(´・ω・`) 顧問に「ドラムがバンドの足を引っ張ってる」
と言われてしまいました｡ﾟ(ﾟ´Д`ﾟ)ﾟ｡ ドラムがメトに合うようになるコツとか、練習法とかあったら教えてくださいm(_ _)m

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草刈「うわぁ〜、かわいそう〜!」

江島「悲しいなぁ……。ちょっと、顧問の先生、厳しいですよ、これ!」

草刈「厳しいね〜(笑)。」

江島「そんな、「ドラムがバンドの足を引っ張ってる!」だなんて……かわいそうじゃないですか。」

草刈「あれ……江島先生、言われてませんでした?昔……(笑)。」

江島「言われてましたよ!山口一郎先生に!……これ、結構、精神的に音楽が楽しくない時間帯が増えてしまうので、是非やめていただきたい!(笑) オブラートに包んでいただきたいね〜。お願いします、顧問の先生。」

草刈「ふふふ(笑)」



江島「これね、ドラムがメトロノームに合わないっていうのは、ドラムが悪いっていう感じがするじゃないですか。でも、ドラムからしてみれば、全員がリズム楽器なので、みんな合ってないとダメなんですよ。」

草刈「あ〜、メトロノームを聴かずに演奏しているパートね。つまり、ドラムをメトロノームとしている他の楽器ね。」

江島「うん。みんなでメトロノームを聴くのもいいし、ドラムだけがメトロノームを聴いて、みんながドラムに合わせているとしたら、ドラムに合っていないみんなも悪いですよ!」

草刈「ふふふ!(笑)さっきの話で言う、山口先生も悪いってことね(笑)。」

江島「そうです(笑)!アンサンブルにおいて、誰か一人だけが悪いってことは無いんですよ!全体的にダメだったら、みんなが悪い。」

草刈「なるほど、そうですね。エジーもライブ中にずっとメトロノームを聴いているんですよね。」

江島「そう。2時間くらいずーっと聴き続けてるね。」

草刈「コツってあるんですか?」

江島「まあ、最初は僕もメトロノーム嫌いだったんですよ。それを僕のドラムの先生に相談したら、「メトロノームをバンドのメンバーだと思いなさい。融通の利かない、全然こっちに合わせてくれないカウベル(打楽器)担当のメンバーだと思いなさい。」って言われたの。」

草刈「あ〜!(笑)」

江島「「しょうがない。じゃあ、俺が合わせてやるよ。」ってね。」

草刈「あぁ〜……!でっかい心で、メトロノームを受け入れて上げなさい、と。」

江島「そうなんですよ〜。それくらい大きな心で接してあげれば、メトロノームが嫌いだっていう感覚は薄れるんじゃないかな。」

草刈「まず、好きになってみようってね。なるほど〜。」

江島「そう。メンバーですから、仲良くなってください。」

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■教えてください!
明後日スタジオ行って個人練習しようと思います!!(ちなみにドラムです。) そこで、予約の電話をする際またはスタジオに入るときに気をつけるべき事があれば教えてください!!!

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草刈「うわぁ〜、懐かしいよ〜!こういうことってね。」

江島「懐かしいね〜(笑)。」

草刈「私たちも、自分で電話をしてスタジオを予約して、みんなで集まってましたよね。」

江島「したした〜。最初、アマチュア時代は、スタジオを予約する係をメンバーでやりくりしてたんですよね。」

草刈「した! 最終的には、(岡崎)英美ちゃんがやってくれてた。」

江島「やってた。バイトとかやってたから、みんなのスケジュールを聞いて、スタジオを予約するってね。……でも、最初はやっぱり緊張するよね〜。」

草刈「電話する時、緊張するね〜。17才の時に"予約する"って言ったらさ、美容室とか、歯医者さん……くらい?そんな機会って少ないですもんね。」

江島「ないですね〜。なんか、注意点とかあります?」

草刈「ふふふ(笑)。 注意点かぁ〜……。」

江島「まずね、個人練習をするっていうのは良い心がけだと思うんですけど、スタジオを予約したら、絶対に遅刻しないで下さい!」

草刈「うん、遅刻しない事。」

江島「これは、自分のためにも良くないですし、スタジオにも迷惑をかけてしまうのでね。」

草刈「あはは(笑)。あとは、ドラムだったら、何があるかを聞いておくといいかもね。」

江島「あぁ〜!」

草刈「ドラムって機材が大きいし、多いから、スタジオにあるものを使う事が多いじゃない?」

江島「そうだね。たとえ全部持っていたとしても、全部持っていくのは難しいからね。」

草刈「だから、どういうのがあるのか聞いてね。スティックは自分で持っていくのかな?」

江島「うん。基本的に、スティックは自分のを持っていった方が良いね。時々、スタジオに売っている事もあるんですけど、自分に合った、自分の好きなスティックを持っていった方が良いかな。あとは、スネアだったり、ペダルだったり、置いてあるものより自分のやつの方が使いやすいなって思ったら、ちょっとずつ持ち込んでいくと良いですね。」

草刈「うん。そういうところかな〜。」

江島「後は……電話を切る時に「じゃあ、失礼します。」って言うくらいですかね(笑)。頑張って練習して下さい。」

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■質問
あなたの好きなベーシストは誰ですか?

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草刈「わーい! 私は、フリー(Flea)好きです!」

江島「おぉ〜! Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ。略して"レッチリ"。)のベース、フリーね!」

草刈「高校生くらいの頃からかな〜、すごく好きだった。北海道に住んでいて、大学になってからは、武道館に見に行った。あと、幕張にも行った。」

江島「え? 武道館? わざわざ札幌から?」

草刈「そうだよ〜。2回も行ってる。」

江島「それ、結構好きじゃん!(笑)」

草刈「そう、結構好き(笑)。」

江島「いや、まあ、カッコイイよね〜。」

草刈「カッコイイよね〜。」

江島「プレイもそうだし、弾き方とか、上半身裸だったりする感じ。」

草刈「男の人だからね(笑)。そこもいいのかな(笑)。」

江島「レッチリ＝神君も、レッチリが好きなんだろうね。」

草刈「仲間だね〜。」

江島「この間、彼は校長と教頭と、レッチリの話で盛り上がったんですよね。」

草刈「そうか〜!」

江島「ちなみに、レッチリの曲で一番好きなのは?」

草刈「私、一番最初に聴いたのが、先輩がコピーして演奏していた、『 One Hot Minite 』に入ってる、「Aeroplane」っていう曲なんですけど……ベースソロがあるのよ〜。」

江島「あ、なるほどね〜。カッコイイよね。」

草刈「抜き差しのある、ベースソロがあるのよ〜。めちゃくちゃカッコイイのよ。」

江島「俺も知ってる。ミュージックビデオがすごいサイケデリックなやつだよね(笑)。ブランコに乗ったりするやつ。」

草刈「そうそう、あれもカッコイイんだよね〜。」

江島「激しいだけじゃない感じもあるじゃん。」

草刈「そう、そうなの! フリーは、そこ! 肉弾戦のようなバッキバキの時もあれば、すごいメロディアスで繊細だったりするときもあって……そこがたまりませんよ。」

江島「ね! レッチリ＝神君! フリー最高。」

草刈「フリー最高〜。」



ちなみに、草刈先生が一番好きだと言っていた曲は→こちら!

草刈「江島先生は、好きなドラマー、いるんですか?」

江島「ドラマーですか? 僕はもう、スティーブ・ガッド(Steve Gadd)ですよ!」

草刈「もう、ニッコニコ(でしゃべってる)!(笑)」

江島「こないだね、来ていたんですよ、東京に! ……って、一緒に見に行ったんだよね(笑)。」

草刈「一緒に行きましたね〜。いや〜……カッコイイって言っているのがすごい分かった。」

江島「あんなおじいちゃんになりたいもん。カッコイイんですよ、本当に。有名なところで言うと、エリック・クラプトン(Eric Clapton)とかと一緒にやっているの。」

草刈「大物〜。」

江島「今回は自分のバンドで来ていたんだけど、大体、人のバックで叩いているから、あんまり名前が出ないかな。でも、みんなも、そういうバンドのメンバーじゃない演奏者にも注目すると、面白いかもしれない。」

草刈「うん。あの、エジー(※江島先生のことですよ)がガッド好きだっていうのが分かった事がひとつあるよ。」

江島「うん。」

草刈「スティーブ・ガッドさんは、すごく周りの音を聴いている。バックでやってきた人っていうのもあるのかもしれないけど、周りの演奏者の事をすごく聴いているし、自分でも引っぱれているし、そこがエジーと通じるところだったよ。」

江島「あ、本当? まあ、影響は受けているかもしれないね。」

草刈「なかなか、上もの楽器(リズム隊のドラムやベース以外の、メロディを担う楽器)まで聴くドラマーっていないと思うんだけど、エジーはいているもんね。」

江島「そうそう。歌が大好きなんだよね。」

草刈「そういう感じするわ〜。」

江島「基本的に、僕はライブの時、シングアロングしているんです。一緒に歌ってるの。」

草刈「あ、歌ってるわ〜!」

江島「でも、マイクが無いので、聴こえてないだけで……(笑)。」

草刈「あ! 今度立ててもらおうよ〜!」

江島「うわ、言わなきゃ良かった。言わなきゃ良かったよ、これ〜。」

草刈「みんな、聴きたいよね〜(笑)。」


まだまだ2人のお話を聞いていたいところですが、そろそろ副担任'sの授業、終わりの時間になってしまいました。



江島「あっという間ですね〜。もっといろいろしゃべりたいんで、来週もやりたいな〜。来週は岩寺先生と岡崎先生に来てもらおうかと思ってね!」

草刈「あら! このコンビ、初めてかもしれない……! 大丈夫かしら(笑)?」

江島「僕は聴いてみたいですよ。あの2人のトーク。普段も、あの2人が2人きりでしゃべっているのをあまり見た事が無いんですよ(笑)。」

草刈「うん、うん。」

江島「ちょっと、怖いもの見たさみたいな感じで、ちょっと聞いてみたい(笑)。」

草刈「そうね(笑)。」

江島「ちゃんと山口先生が帰って来たら、山口先生の授業がありますので。……ということで、今回の授業はここまで。」


ということで、来週は、副担任'sから、岩寺先生&岡崎先生コンビが登場します! どんな授業になるのか!?