■新曲!!
東進ハイスクールに楽曲提供! 少ししか聴けていないけどかっこいい。歌詞もすごくきになります。一郎先生、早くフル聴きたいです。夜の踊り子のときのようにぎりぎりまで待てないです。フルオンエアお願いします!!
女/17/東京都
山口「サカナクションの新曲が、WEBで流れています。東進ハイスクールの特設ページや、YouTubeチャンネルで、30秒バージョンと15秒バージョンを聴く事ができます。フルオンエア、いつになるのでしょうか……。サカナLOCKS!や、SCHOOL OF LOCK! の中で解禁になると思うんですけど、いつでしょうね〜。……こればっかりは、悪徳企業のビクターの戦略次第というところになります(笑)。先生は、何も言えないなぁ〜。」
今夜、このサカナLOCKS! から、新しい委員会が発足します!
皆さんは、友達や、彼氏彼女と、ひとつのイヤフォンを片方ずつ使って音楽を聴いた事はありますか?山口先生にも、そんな若かりし日の思い出があるようです……
山口「(回想……)ねえ、あの新曲、聴いた?」
山口「え?聴いてない。」
山口「私のプレーヤーに入ってるよ!」
山口「マジで?聴かせて、聴かせて〜!」
山口「じゃあ、一緒に聴こっか〜♪」
……これです……。
妙に距離が近づく、この行動!
これを防止すべく、今夜、委員会を発足しました。
その名も……
青春の象徴! 片耳イヤフォン防止委員会!!
……さあ今日の授業は「音学の講師」
山口一郎、改め『 片耳イヤフォン防止委員会 』会長の、山口会長です! そして、今回は、この方と一緒にお届けしていきます!」
江島「音楽好きなら、絶対やめよう!片耳イヤフォン……(照)。サカナクションドラムで、この授業の副担任である江島啓一改め、片耳イヤフォン防止委員会副会長の、江島です。」
山口「……照れるなら台詞挟み込んだりするのやめろよ!(笑)」
江島「いやいや(笑)。ちなみに、一郎先生、青春の片耳イヤフォン、やったことあるんですね?」
山口「ありますよ〜。お前もあるだろ?」
江島「いや〜、記憶に無いですね〜。」
山口「いやいや、絶対あるだろ!」
江島「あははは(笑) まあ、片耳イヤフォン、やったことあるよ。」
山口「うん、あるでしょ〜。今日はこの2人で、青春の象徴である、片耳イヤフォンがどうしてダメなのかということを説明していきたいと思います!」
山口「そもそも、なぜダメなのか!!!!」
山口「どうして僕はこんなにテンション高く言っているのかというと……まずは、イチャイチャすんな! ってところだね(笑)。」
江島「わ、そこだ! そこがほとんどなんでしょ!(笑)」
山口「いや、ほとんどじゃない。そこは、全体の2割くらい。そこもあるんですけど、イヤフォンがふたつに分かれていて、LとRが決まっていて、Lは左耳で、Rは右耳で聴かなきゃいけないっていうのは、なんとなくみんな分かっている事だと思うんです。スピーカーも同じ。つまり、右のスピーカーと、左のスピーカーからは、別々の音が出ていて、それぞれの役割があるんです!そのことを、委員会会長として、しっかりと伝えたい!!」
山口「みなさん、ステレオとモノラルの違い、わかりますかね?」
江島「ステレオは、右(Rチャンネル)と左(Lチャンネル)のスピーカー、もしくはイヤフォンからは、別々の音が出ているんですけど、モノラルは、全く同じ音が出ているんです。」
最近は、ひとつのスピーカーでありながらステレオの音を出すものもありますが、多くの場合、例えば学校で黒板の上にあるひとつだけのスピーカーはモノラル。病院などで使われる片側(ひとつ)のイヤフォンもモノラルです。
音楽においては、このステレオという構造を利用して、曲作りが行なわれています。今回は生徒の皆さんに、片耳イヤフォンで音楽を聴いた場合……つまり、右側だけで鳴っている音と左側だけで鳴っている、別々の音の違いを聴き比べてもらいたいと思います。
山口「まずは、そのまま、両方のスピーカー(ステレオ)で音楽を聴いてもらいましょう。サカナクションの楽曲だったら「三日月サンセット」
が分かりやすいと思う。あれ、LとRで音を振ってるじゃん。」
江島「うん、振ってる。」
山口「イントロで流れている音が、右と左に行ったり来たりしているので、その部分を聴いてみましょう。」
♪「三日月サンセット」
イントロ部分
山口「右と左に音が移動しているの、分かる?イヤフォンをしていたら分かりやすいんじゃないかな。」
江島「分かります!」
山口「これが、サカナクションの「三日月サンセット」
のイントロ部分なんです。これを、モノラルで聴いたら、左右どちらのスピーカーやイヤフォンからも、全ての音が同じように聞こえてきます。今は、ステレオ再生で聴いているから、音が右と左で順番に聴こえてくるんですね。」
江島「なるほど〜。」
山口「それでは、左耳だけで聴いたらどんな風に聴こえるのか、聴いてみましょう。友達に左側のイヤフォンだけ渡されて、音を聴いていると思って下さい。」
♪「三日月サンセット」
イントロ (Lチャンネルで流れている音のみ)
江島「あ、なんか、さっきと違うよ。」
山口「さっきは、連続してグルーヴィーな音だったのに、パパパパ、パパパパ、って、途切れてるでしょ。」
江島「聴こえる音数が減ったね。」
山口「そう! これが、シミュレーション上の山田君が聴いている音ね。」
山口「じゃあ、反対側を聴いてみましょう。今度は、右側ね!」
江島「さっきと逆ね。」
♪「三日月サンセット」
イントロ (Rチャンネルで流れている音のみ)
江島「うわ、全然違う! さっき聴いた左側の音とも違うし、両耳の音とも違う。」
山口「違うでしょ〜。つまり、片耳でイヤフォンを渡すとこんな現象が起きるってことですね。そして、改めてステレオで聴きます。友達に両方イヤフォンを渡してあげるとどうなるのか、聴いてみましょう。」
M 三日月サンセット / サカナクション
山口「どう、これが両耳! これが正解。両方の音が混ざり合ってくるんですよ。違うんですね〜。」
江島「本来の「三日月サンセット」
だね。これは結構、違いが分かるね。」
山口「結構、変わりますからね。つまり僕たちは音楽を作る時に、ギターは左に振ろうとか、シンセは右に振ろう、とか「三日月サンセット」
のイントロみたいに、左右に音を分けようとか、いろんな事を考えながら、まんべんなく配置して曲を作っているんです。音はLチャンネルとRチャンネルで分かれていて、その音を分散して配置していく作業の事を、MIXっていうんですね。だから、僕たちは録音する時に、ひとつひとつの楽器の音を単品で録音する事が多いです。そして、左右に配置していきます。今日はLとRの話なんだけど、もっと細かくいうといろいろあるんだけどね。……そうやって、振り分けていったものを友達に片耳だけ渡して、その曲を聴いた気になってもらっては、困る!」
江島「こっちの意図していない音を聴いてもらっちゃう事になるしね。」
山口「そうだよ。それに、自分が好きな物を人に薦めるっていうことだから。例えば、料理で例えてみよう。「ねえ、餃子食べる?美味しいよ!」
って言って、皮だけ渡すの。」
江島「……もう、それワンタンじゃん!(笑)」
山口「ははは!(笑) そうなんだよ。餃子を薦めたつもりなのに、実際にあげているのはワンタンなんだよ!餃子じゃないの。片耳イヤフォンは、音楽において、そういうことになっているわけですよ。半分でもなく、違う物になってるの。」
江島「あ、なるほどね、そういう例えだったわけだ。」
山口「だからね、自分が、この餃子食べてすごく美味しかったなっていう感動を伝える事にはならないんです。」
江島「そうだね、もっとちゃんと伝えて欲しいね。」
山口「そうだよ。だから、本当の優しさ、一緒に音楽を共有しようっていう時の一番いい方法を提案します。片耳イヤフォン防止委員会の会長としてね。イヤフォンで相手に一番愛情を伝えられる方法は、こちらです。」
(山口先生が状況を再現……)
A「おい、サカナクションの「三日月サンセット」
って知ってる?」
B「知らない。」
A「じゃあ、これ、両耳で聴いてみろよ!(と言って、イヤホンを両方渡す!)」
B (曲を聴きながらリズムに合わせて体を動かし始める……)
B (自分は曲を聴いていないけど、山田の体の動きに合わせて一緒に体を動かす。) ←重要
江島「うわ〜!! 優しい〜!! 青春〜!!」
山口「そう、これが青春。そして、山田がイヤフォンで聴きながら、しゃべる声が大きくなっちゃっても、それを指摘しない事。」
江島「あ〜! イヤフォンしてるとそうなっちゃうよね(笑)。」
山口「そうなんだよね(笑)。これが、片耳イヤフォン防止委員会会長の山口一郎としての、音楽をシェアするオススメの方法だね。」
ということで『 片耳イヤフォン帽子委員会 』の授業、そろそろ終わりの時間です。
山口「今回、この委員会を発足したということは、サカナLOCKS!の生徒たちは、強制的にこの委員会に所属してもらうことになりますよ。好きな曲を片耳で聴いてみたり、スピーカーがある人は、後ろの配線を抜いてみたりして、分解して音楽を聴くと、曲の中でどの楽器がなっているのか、ドラムがどの音なのか、ベースがどの音なのか、ギターがどの音なのかを聞き分ける練習になるかもしれないね。そのために片耳で聴くのは良いけど、共有するために片耳で聴くのはあまりよろしくない!」
江島「そうだね〜。あんまり、耳にも良くないんだよね。」
山口「一郎先生はさ、突発性難聴で、片耳が聴こえないんですよ。片耳が聴こえない人間だからこそ、これは強く言いたいわけです。両耳で聴こえてるんだから、ちゃんと両耳で音楽を楽しもうよって。そんな当たり前の幸せはないぞと、先生は言いたいですね。生徒諸君、感想があれば、掲示板に書いて下さい。会長としてチェックします。」
ということで、今回の授業はここまで。
山口一郎会長、江島啓一副会長、ありがとうございました!
ちなみに現在、出ている宿題は、4つ!
「山口一郎に10分間プロデュースして欲しいバンド募集!」
「集まれ!サカナキッズ(10歳以下限定)」
「目指せ音楽ライター!『 アルクアラウンド 』のレビュー募集!」
「歌詞が好きな曲と好きな歌詞を教えて!」
[ コチラ ]から、提出よろしくお願いします!