山口「はい、講義を始めますから席についてください。Twitterを開いている人はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。YouTubeを見ている人はYouTubeを閉じなさい。講義が始まりますよ。早速ですけど、今日の講義内容を黒板に書きたいと思います。」
「今回は、6月19日にリリースになるサカナクションのニューアルバム『834.194』の全貌をお知らせしたいと思います。ついに完成いたしました!リリース日が1度延期になりましたが、タイトルだけは発表になっていました。「新宝島」が入るよとか、「多分、風。」が入るよとか、新曲に「忘れられないの」という曲があるよとか、札幌時代に作った曲が入るよとか、2枚組になるよとか……サカナLOCKS!の会話の中で、断片的にフライングでいろいろお話ししてきましたけど(笑)。本当はこの場で全部いっぺんに発表する予定だったんだけど、リリースが延期になったことで、いろいろ情報を小出しにして誤魔化していかなきゃいけないという(笑)。そういうフライング的なお話はしてきましたけど、ようやくその全貌をね……このサカナLOCKS!でお伝えすることができるということで。本当にありがとうございます。」
「今日はね……ギンビスの"たべっ子水族館"が!前回の放送でお話ししたことで大量に送られてきています。サカナクションは一緒にグッズを開発させていただきまして。食べながら今日はアルバムの全貌をお送りしたいと思います。いっぺんに話していくとあれやから……ちょっとずつ話していこうか。」
「まず、今回のアルバムですが、サカナLOCKS!で予感させていた通り、2枚組になります。9曲、9曲の全18曲入りとなります。どんな収録曲か……聞いたことがないタイトルは新曲だと思ってね。なんせ僕らは6年間アルバムを出していないわけですから……シングル曲がたんす預金みたく貯まっているから(笑)。シングルがたくさん入ってる。では、いくよ!」
DISC-1
1. 忘れられないの
2. マッチとピーナッツ
3. 陽炎
4. 多分、風。
5. 新宝島
6. モス
7. 「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」
8. ユリイカ (shotaro Aoyama Remix)
9. セプテンバー -東京 version-
DISC-2
1. グッドバイ
2. 蓮の花
3. ユリイカ
4. ナイロンの糸
5. 茶柱
6. ワンダーランド
7. さよならはエモーション
8. 834.194
9. セプテンバー -札幌 version-
「この2枚合わせて『834.194』というアルバムになっています。」
【助教授チームによる補足】
「ユリイカ (shotaro Aoyama Remix)」の青山翔太郎さんとは、サカナクションのプロジェクト"NF"のメンバー。SAKANAQUARIUM 2019 "834.194" 6.1ch Sound Around Arena Sessionでは、「ユリイカ」の映像制作なども担当されている方です。そして、DISC2に収録されている 「834.194」は、サカナクションと同郷のミュージシャン、Kuniyuki Takahashi との共同制作とのことです。
山口「さらに、Blu-rayかDVDが付いている完全生産限定版には、2017年に行われましたサカナクションデビュー10周年記念イベントの様子が収録されています。これも収録曲が発表になっています。」
(Blu-ray/DVD)
サカナクション デビュー10周年記念イベント“2007.05.09-2017.05.09”
-LIVE AT STUDIO COAST 2017.05.09-
1. 涙ディライト
2. ネプトゥーヌス
3. YES NO
4. アムスフィッシュ
5. ドキュメント
6. フクロウ
7. スプーンと汗
8. enough
9. エンドレス
10. 三日月サンセット
11. ナイトフィッシングイズグッド
12. 白波トップウォーター
13. 目が明く藍色
14. 「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」
15. グッドバイ
「というね。……すごいね、『魚図鑑』の区分で言う、"深海"的な曲がいっぱい入っていますので、ぜひLIVEの映像を見てもらいたいと思う。そして、Blu-rayの方には、「グッドバイ」「ユリイカ」「蓮の花」「多分、風。」「新宝島」のMVも収録されています。これはYouTubeで見ればいいんだけど、Blu-rayで見るとやっぱり画質が良いのよ。良い画質でMVをテレビとかで見ると、意外とはっとしたりするのよね。だからこれもぜひ見てもらいたいと思う。」
「今回のアルバムテーマっていうのは『834.194』っていうアルバムタイトルに込められていて、ツアーが終わってアルバムがリリースされてから徐々に語っていきたいと思うので、今日ここでは深くは触れないでおこうと思う。取材とかで歌詞についてこの部分はどう思いますかとか、どういう意味があったんですかって聴かれることとかがよくあるんですけど、そういうのも今回あまり語らないようにしようかなと……実は思っています。音楽専門誌とかの取材を今回控えていて、自分たちのメディアで自分たちのことをしっかり話すっていう風にした方が深く話せるかなと。他のメディアで話すと、やっぱり話せないことも出てくるし、マニアックなことになってきたりもするから。だから、関係性の深いところとだけ話して、あとは自分たちのメディアで発表していこうかなと思っています。なので、リリース後に今回のアルバムのことを話して、6年間なぜアルバムが出なかったのかっていうこととかも深く話をしていったり、Instagram Liveとか、そういったところで直接みんなからの意見を聞きながら答えたりすることをやっていきたいと思っています。」
「あと、「セプテンバー」の"-東京 version-"と"-札幌 version-"があるのは……深くアルバムのことは話せないんだけど、この6年間っていうのは本当にこう……何ていうのかな。ちょっとサカナLOCKS!でも話をしたかもしれないが、当時、6年前の僕らっていうのはイケイケだったんですよ。今でいう……えっとー、あいみょんみたいな(笑)。そんな感じだったかな?(笑) もう、イケイケだったんです。紅白に出る、フェスに出たらヘッドライナーだし……状況や規模はそんなに今と変わってないんだが。そうなった直後だったんですね。だからなんか……そもそも僕らは北海道から東京に来た時に、テレビに出たり、有名になりたいって思って出てきたわけじゃなかったんですよ。だけど、プロジェクトだったり、仲間、関わる人たちが増えてきた中で、人に評価されることを自分たちが出来ないと、本当に自分たちが好きなことを作ったってことに将来的にはならないんじゃないかって。そういった壁にぶつかったわけですね。これより上に行くにはどうすれば良いかって考えた時に、もっと理解されやすいわかりやすい曲を作ったり、テレビに出たり、それこそ政治的なこと……政治って言っても、社会的な政治じゃなくて、音楽業界的な政治。そこにもっと入っていかないと、これ以上の結果を残せないなと思ったし、それを1回やると膨れ上がりはするけど、あとは縮小していくしかないなって思ったんですね。だから「グッドバイ」っていう曲を作って、そういうところから決別しようって思ったのが6年前。」
「札幌時代っていうのは、300人キャパシティで、CDもリリースしていないし、そこの300人に向けて作るっていうよりも、自分たちがどんな曲を作りたいのか、何を感じているのかっていうことだけを純粋に伝えている、生々しい、作為性のないものを作っていたんですよ。それが東京に出てきて、作為性みたいなものを手に入れて、無作為をどう作為的に作るかっていう……技術ですよね。技術の研究をしてきた結果、今の自分たちの立ち位置があると思う。だから、その作為性を無作為に作るっていう技術を持っている今の自分たちと、作為性がないものを作ってきた純粋な自分たちの差みたいなものがこのアルバムで表現できたらなと思って。これから作る、このアルバム以降サカナクションが向かっていく先っていうのは、その無作為性。作為性を持たずに無作為に作るっていうことに対してどうしたらいいのかっていうのを考えていく時間になると思うので、ピュアな気持ちを持っていくためにも、この「セプテンバー」っていう無作為に作られた曲を、今のアレンジと昔のアレンジに近いアレンジで2曲入れるのが大事だったんですね。」
「6年ぶりのアルバムなので……シングルがたくさん入っているし、新しい曲も半分くらい入っていて。出来上がって思ったのは……やっぱり次のアルバムだね。次のアルバムをどういうものにするかっていうのがすごい重要なんだなっていう気がしています。とりあえず今は6年間を消費したっていうのがこのアルバムだから。……大変だなって(笑)。いや……よく、「好きなことを仕事にするな」って言ったりするじゃないですか。僕は、あれは嘘だと思うね。好きなことを仕事にして苦しむ方が、好きじゃないことを仕事にして苦しむよりも良いと思うよ。苦しみ甲斐があると思うよ。まあ、いろんな考え方があると思うんですが。」
「僕らは今回このアルバムを引っさげてツアーを回る予定でしたが、引っさげれずアルバムをリリースすることになりまして。で、来年くらいかな、ホールツアーとかやれたらいいなと思っています。是非この『834.194』をお願いしたいと思う中で……今日はね!せっかくなので、このサカナLOCKS! ユニバースティ(UNIVERSITY)で、初オンエアしたいと思うんですけど。……この日をどれだけ待ってきたか!」
「サカナクション、ニューアルバム『834.194』……"闇夜、行くよ"と略してください……から、フルコーラスでかけるのは、もちろん初解禁です。サビも聴いていないんちゃうか。」
「それでは、聴いてください。サカナクションで、「忘れられないの」。」
♪ 忘れられないの / サカナクション
「……これ、どうですかね?ふふふ(笑)。いや……6年ぶりだからね。なんかこう……軽い気持ちで初オンエアしちゃったけど、初めて聴く人もいっぱいいるわけですよね?CMでAメロしか聴いてなかったわけですよね?だから、サビを聴くのが初めてという人がいっぱいいるということで……どう?……どうでしたかね?(笑)」
「でも、ユニバースティな感じの曲かなと。派手さはないが、今はピンとこなくても、5年後とかに……次のアルバムが出る頃には(笑)。いい曲だなと思ってくれているんじゃないかなと思いますけど。でもね、DISC-1が結構アッパーというか、盛り上げる曲が多いんでね。で、DISC-2が結構沼化してる。『魚図鑑』的に言うと、"浅瀬"と"深海"な感じなのでね。これ、深海の方もどっぷりはまって欲しいので、サカナLOCKS!でも徐々に何曲かかけていきたいと思います。」
「ようやくアルバムから新曲をかけるという……ミュージシャンらしいラジオを、ようやく送ることが出来て、もう、[Alexandros]もビックリ(笑)。「サカナクション、出るんですか?アルバム!」って(笑)。近々このアルバムのことをざっくばらんに語る、"サカナLOCKS!外伝"みたいなものを……動画で!サカナLOCKS! を動画でやりたいと思っています。これは、ラジオのオフトークみたいなこと。どこかで……Instagram Liveとかなのか、わかんないんだけど、何かで配信したいと思っていますので、楽しみにしていただけたらと思っています。僕やサカナクションの公式アカウントなどでお知らせしますね。あと、サカナLOCKS! のInstagramのアカウントとかあった方がいいかな?放送後記で写真がちょこちょこ上がるじゃない。あれをまとめて見られたりすると、僕的にもテンション上がりながら写真が撮れるんじゃないかと思いますけどね。アルバムができたしね。もう、どんどん詰めるところ全部詰めていって!(笑) これからもよろしくお願いします。」
■サカナクション New Album『834.194』Special Site