山口「はい、授業を始めますから席について下さい。マンガを読んでいる生徒は……そのままで結構です。Twitterをやっている生徒!……そのままで結構です!」
「さあ、今夜の授業は、1年ぶりの自習です!」
「世間は、お盆休みな訳でしょ?先生だって、休ませて下さいよ!……普段は、ビクターに骨までしゃぶられているわけですから(笑)。SCHOOL OF LOCK!側と契約っていうのがあるので、教室までは来ましたが、先生は、この時間はTwitterの下書きをしようと思っています(笑)。
みんなは各自、好きな勉強をしておくように。生徒の諸君、先生は今から独り言を言うけど、気にせずに各自の勉強を進めておくように。」
ということで、今回の授業は自習です。
早速、山口先生の独り言が聴こえてきました。
「そう……先生ね、1年前の自習の時に言いましたけど、車を買ったんですよ。生徒諸君は分からないと思うんですけど、車検っていうものがあるんです。
新車で買うと、2年とか3年経ってから車検に出すものなんですけど、車は中古で買ったので、タイミング的に1年で出さなきゃいけなくなっちゃってね。生まれて初めての車検を経験したんですけど、車検って、車の健康診断なんだね(笑)。オイルを変えろとか、ブレーキパッドが減っているとか、シールドの何とかがどうだとか、ホイールがどうにかなってましたとか……。先生は車に全く興味がないくせに車を買ったから、詳しい事は全く分からなくて、「そうですか、じゃあ、お願いします!」って返事しちゃって、修理が終わってから届いた請求書の額が半端じゃなかったですね!(笑) ……先生、今月厳しいぞ。先生は、20万枚売って、8万人動員するツアーをやったけど、今月厳しいぞ!(笑) 車、ちょっと怖いな……。」
「先生は今、夏フェス・シーズンなんですよ。それなのにも関わらず、レコーディングもしています。これは毎年の事なんですけどね。だから先生は今日、レコーディングスタジオからここに来たぞ。今、メンバーは一生懸命レコーディングをしています。ただ、ライブをやりながら曲を作るのは難しいと思い始めてきましたね……。
なぜかって言うと、新しい曲を作っているのに、ライブでは過去の曲を演るわけです。そうすると、1回作ろうと思っていたものが途切れますね。逆に、こういう曲がライブであったら良いなって思いながら作り始めたりする事もあるけど、それは、シングルを作るっていうところとは結びつかないね。特に、タイアップ曲を作っていると、それは結びつかないものだと思い始めましたね……。」
「……っていうことを、今、先生はTwitterに下書きしているからね!まだ、色々と言いたい事はあるぞ。」
「今は制作中だから、引きこもっているんだけど、先生、ご飯食べたりするためだけに外に出ることもあるんですよ。すると、先生に気づいてくれた生徒が、最近いっぱいいるんです、嬉しい事に。そんな時に声をかけてくれて、嬉しいんだけど……、あのな……
「先生!」って声をかけるのはやめてもらっていいか?(笑)
先生は、ここでは先生だけど、ちょっと、ビックリしちゃうから。先生は私服が先生っぽくないから、周りには先生の事を知らない大人たちもいっぱいいるわけだし、ちょっと、恥ずかしいぞ(笑)。話しかける時は、せめて、「一郎先生!」とか、名前を付けてくれ、な。「先生!」って言われても、反応しにくいからさ。……ちょっと、お願いします。」
「ちょっと今、先生は考えている事があるぞ。先生は、今、クラブを作りたいと思っている。クラブって、ダンスミュージックが流れるところね。なんでかって言うと、みんな踊れる場所を作りたいと思うし、自分がそこで音楽を作って、そこでその曲を演奏したら、生まれたままの音で聴けるってことだろ?先生は、作った物をレコーディングして、みんなそれぞれのスピーカーなり、音楽環境で聴かれる事が当り前だけど、作った "そのものの音" を聴いてもらいたいって思います。だからレコーディングもできるクラブがあるといいなって思っているぞ。
若いミュージシャンたちにそこを貸して、レコーディングしてもらって、試聴会をしたりオープニングパーティーをしたりすると、作ったそのものの音を聴ける、すごい体験ができるんじゃないかなって思っている。それで、先生は苦手な電卓を使って、クラブを作る資産を企ててみたんだけど……、BUMP OF CHICKEN先生くらい売れないと無理だぞ(笑)。先生、もっと頑張らなきゃなって思ったぞ……。」
「先生が今、住んでいる部屋な、もうそろそろ引っ越そうかなと思っているんだけど、この部屋ではいろんな事があったなって思った。まず、先生の部屋でミュージックビデオを撮ったね。「ドキュメント」っていう曲の。あと、アーティスト写真も撮ったぞ。先生の部屋、普段住んでいる部屋だぞ?(笑) あと、そこに、篠山紀信とドアラが来た(笑)。あとは、Ustream放送もしているな……。」
「生徒諸君、先生はただ話しているだけなんだから、勉強の手を止めたらダメだぞ。独り言なんだから。……生徒諸君とか呼びかけておきながら(笑)。しっかり勉強を続けるように。」
「あとね、先生は最近、猫を飼いたいと思っているな。だけど、友達にそれを言ったら、「一郎君の年齢で猫飼ったら、多分、ずっと独身だね。」って言われたぞ(笑)。……そうだろうなって、もう、2年前くらいから腹は決めているけどな(笑)。」
「でも先生は、家に誰かがいるのに曲を作るのは無理だなぁ。それは、部屋で仕切られていても無理!同じ空間に誰かが居るのに、曲を作るなんて先生には無理だから、結婚は無理だなぁ。それか、二世帯住宅だな(笑)、結婚していながらも……。そういう気持ちも出てきているよ。先生の周りには、結婚している人が多いなぁ……当たり前だけど。やっぱり、結婚している友達と、していない友達では、老け具合が違うな。これは、一体なんなんだろう……。苦労するのかなって思ったりするね。
……あ!教頭、結婚したらしいじゃないですか!……お幸せに(笑)!あと、ミュージシャンの人たちは、子どもが生まれると、生まれてくる曲が変わるって言うね。……なんか、先生、悲しくなって来たぞ。先生が今、背負っている責任は、音楽しかないな……(笑)。先生の人生には、今、音楽しかない。……そうか!先生の音楽は、生徒たち諸君の未来と重なっているんだな!……そんな気持ちになって来たな。(※ここで、どこからともなくBGMでピアノのやさしい曲が流れてくる)……なんだよ、この曲は!(笑) 生徒諸君たちも、先生の元を離れ、サカナLOCKS!を卒業する日が来るだろうけど、それからもずっと、音楽を聴いていく……。つまり、生徒諸君が、音楽そのものなんだ。先生は、いつも音楽を作りながら、生徒諸君が、今の音楽シーンを作っているんだと思ってる。だから、このサカナLOCKS!の授業で、音楽の裏側も、色々と知った上で、好きな音楽を選んでもらえるようになると良いなって思って、頑張って行こうかな。」
「おい!生徒たち!手を止めるな!勉強の手を止めるんじゃないぞー!……先生は、レコーディング中で寝ていないから、テンションが変だな。よし、じゃあ、先生はTwitterの下書き保存も終わったので、そろそろ帰ります。みんな、ちゃんと自習はできましたか?まさか、先生の独り言が気になって勉強の手が止まっていたんじゃないだろうな?……じゃあ、先生は、メンバーが待っているレコーディングスタジオに戻ります。」
ということで、今回の授業は『自習』でした。
来週からは、いつもの厳しい授業をお届けします!