「宿題『サントラがすごいアニメーションを答えよ!』- 後編」

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山口「全国ツアー中のサカナクションですが、明日からEX THEATER ROPPONGIという大都会の中にあるライブハウスで4日間にわたってLIVEが行われます。4日間、開催なんですけど、その間の12月2日には、久しぶりに『NF』という僕たちが主催しているイベントを開催しようと思っております。今、ホールツアーを回っているんですけど、ホールツアーとは少し趣向を変えてお届けすることになっています。その名も『VISUAL LIVE SESSION』っていうタイトルで、僕らのミュージックビデオを担当してくださった監督さんたち3名がライブを演出する。ライブチームの演出と合体させて、コラボレーションしていこうという新しい試みになっております。出てくださる監督は、田中裕介監督(「新宝島」、「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」のMV監督)、山田智和監督(「years」、「SORATO」のMV監督 / ライブの映像監督)、山口保幸監督(「僕と花」、「ドキュメント」、「ユリイカ」のMV監督)。3つのブロックに分かれて映像で演出していく。チームサカナクションとのコラボレーションがどういったものになるのか、それも非常に楽しみにしております。僕たち、"チームサカナクション"って、ライブチームの方だけを皆さんに知ってもらっていたんですけど、ビジュアルのチームサカナクションの力もあっての今のサカナクションだと僕らは思っているので。その2つが混ざることってなかなかなかったんですが、今回それを開催することにしました。」

サカナクション Official Web Site [→コチラ]

「あと、間にある『NF』は、実は今回バンドを入れることになりました。DJももちろんあるんですけど。今、福岡の若手でおもしろいなって思っているバンド、Attractionsと、NF Recordsからリリースしてくださっている藤原ヒロシさんがバンドで。そして、D.A.N.。その3バンドが出演して、間にDJがあるという。バンドとDJがミックスされるイベントになっているので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。」

NF Official Web Site [→コチラ]

「それでは、黒板を書きたいと思います。」

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今回も、皆さんに出していた宿題『サントラがすごいアニメーションを答えよ!』に提出された、生徒おすすめのサウンドトラックを紹介していきます。

前回の授業の様子[→2018年11月22日の授業]

「この授業を経て、みんなもアニメーションの中のサントラを気にしてもらえると嬉しいです。では、生徒から届いたサントラがすごいアニメーションを紹介していきたいと思います。」


坂道のアポロン
とにかくジャズです!青春とジャズ!
合わなそうに思えるけどめっちゃ合う!
そんなサントラ達です。

ばりーさん
女性/1v5/東京都


「おー。『坂道のアポロン』というアニメーションなんですね。時代設定は1966年の長崎県。東京からの転校生がクラスの不良と出会い、ジャズに出会うという……音楽は菅野よう子さん。『攻殻機動隊』とかやられていますね。僕、大好きです。ヒロインとの恋愛模様も描いた青春もの……おもしろそうですね。ちょっと聴いてみようか。」

♪ TVアニメ「坂道のアポロン」オリジナル・サウンドトラックより「KIDS ON THE SLOPE」

「おー。」

(一郎先生、サントラを聞きながらイメージで即興を始める……)

『よーし、今日は転校初日だ。今までの学校の友達とはもう連絡を取らなくなったけど、この学校で新しい仲間を作って、青春を謳歌するぞー。』

『随分、広いグランドだなー。体育館もなんだか広くて静か。さあ、新しい教室はどんなのかな……緊張するなー。』

『ガラガラガラガラ!よろしくお願いします!転校してきたものです!』
『おー、お前が転校生か。早速クラスの生徒に紹介するぞー。私は担任だ。担任の……塚本だ。』
『よろしくお願いします、塚本先生。』
『よし、早速紹介するぞ。クラスの不良だ。』
『おー、俺が不良だ。お前が転校生か。』
『はい、僕が今日転校してきたものです。』
『よし、JAZZやるぞ。』

(即興終了)

「そんな単純じゃないよね(笑)。でもなんかオープニングっぽい音楽だよね。じゃあ、次は真ん中あたりを聴いてみようか。」

♪ TVアニメ「坂道のアポロン」オリジナル・サウンドトラックより「Equinox」

「ほー……」

『どうして上達できないんだ……こんなに練習してるのに、どうして俺は上手くならないんだ!』
『おい、不良の世界じゃな……外に敵があると思うからよー、おめーはいつも上達しねーんだよ。敵は自分の中にいると思え、こんちくしょう!』

「……みたいなね(笑)。これはもう悩んでいるところのシーンって感じがするもんね。じゃあ、最後のほうのやつ聴いてみようか。」

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♪ TVアニメ「坂道のアポロン」オリジナル・サウンドトラックより「Four」

『(盛り上がって)フー!!!』
『おめー、うめーな、上達したな!』
『君も上手くなったじゃないか!君のおかげだよ、敵は自分だって教えてくれた君のおかげで僕はこんなに上達したんだ!』
『いや、おめーは自分という壁をぶち破ってだな、こんなに上達したんだからお前の実力だよ。俺ができたことは、お前の前にちょっとしたレールを敷いてやっただけじゃねーか……!』

「……浮かぶねー。やっぱ菅野よう子さんすごいなー。……ちょっと見てみたくなったね。じゃあ次。」


私がおススメしたいものは『文豪ストレイドッグス』です!!
その名の通り“文豪”を擬人化した作品です。
劇中に流れる音楽がとにかくめちゃくちゃカッコいいんです☆彡
中でも「Good for Nothing」が一番のお気に入りで、現代音楽とラップが邂逅したような感じです。
普段偏った曲しか聴かない私にとっては、「何だこれ?ごちゃごちゃしてるな」というものだったのですが、何回も聴くうちに面白いな〜と。
音楽にはジャンルというものが存在するけど、その型にハマるのではなくて、シーンに合わせるために、いや、シーンを創り上げるものの一部となるために、様々な色が組み合わさっていて、音楽って自分が思ってた以上に幅広くて自由なものなんだと思えるようになりました。

まーにー
女性/18/千葉県


「……どういうことや?『文豪ストレイドッグス』……朝霧カフカさんという方の作品ですね。太宰治、芥川龍之介、中島敦といった文豪がキャラクター化され、それぞれの文豪の作品の能力にちなんだ能力を用いて戦う……なんだこれ……太宰治が戦うの?そんな人じゃないけどな……多分な(笑)。音楽は岩崎琢さん。『るろうに剣心』とか、ドラマやアニメ、ゲーム音楽も担当していると。ちょっと聴いてみようか。」

♪ TVアニメ『文豪ストレイドッグス』オリジナルサウンドトラック01より「Good For Nothing」

「おー……!」

『私は太宰治である。多少なよなよしい人間ではあるが、この能力を使って君たちと戦ってみせよう。んーー!『晩年』ビーーーーム!!!』

「みたいなことやろ、多分……そういうことですよね?……あ!曲名もなんかあれなんやな。ちょっと人間失格的な(文豪の作品にちなんだ)タイトルありますね、「失格」って。聴いてみよう。」

♪ TVアニメ『文豪ストレイドッグス』オリジナルサウンドトラック01より「失格」

「ほー。」

『私は芥川龍之介だ。私の後ろにそびえ立つ、この羅生門……この羅生門のエネルギーをもって君たちに降りかかるこの光線を、果たしてかわすことができるかなー。あー……『羅生門』ビーーーム!!シュワシュワシュワー!!』

「……こういうことかな?違うかな?(笑) 作者が戦うわけだからね。おもしろいね、結構イメージが。文学とこういう音楽っていうのはなかなかないもんね。次。」

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僕が劇中で流れる音楽が素晴らしいと思うアニメは『七つの大罪』です。
漫画でも人気の七つの大罪のアニメ版の音楽がなぜ素晴らしいかというと、ポップでキャッチーな音楽や、臨場感溢れるワクワクゾクゾクする音楽など、音楽の雰囲気の幅が広いところがいいと思います。
特に『Perfect Time』という曲は、アニメ版の七つの大罪には必要不可欠な曲だと思います。また、映画化した時の音楽もとても良かったです。

時をかけるホワイトタイガー
男性/15/長野県


「へー。『七つの大罪』っていうアニメ。設定は架空の国で中世ヨーロッパの要素が強いと。横行が続く国と、七つの大罪人から組織された伝説の騎士団の戦い。キリスト教などの用語を用いていると。『進撃の巨人』と同じ作曲家の澤野弘之さん。澤野さんは本当にいろいろやられているんですね。聴いてみましょうか。」

♪ 七つの大罪 オリジナル・サウンドトラックより「Perfect Time」

「おー!」

『はっはっはっは!私は七つの大罪のひとつ、"物欲"である!!はははー!欲しい欲しい欲しい……あそこの棚からあそこの棚までぜーんぶ欲しい!』

『お、あそこに見えるのは七つの大罪のひとつである、"怒り"ではないのか?』

『そうである!私は"怒り"だー!目に見えるものすべてに怒りを覚える!!なんだあそこに見える電車は!扉が閉まるのが早いではないかー!私を待つのだー!!』

「……なるほどね。七つの大罪のひとつひとつがキャラクターになって、7人いる……みたいなお話なのね。他のも聴いてみようか。」

♪ 七つの大罪 オリジナル・サウンドトラックより「駄メ男rIs」

『へっへっへっへ……私は七つの大罪の一つ、"妬み"である。ほほほ……うほほほ……あれ……あれ……あの、テレビに出ているのは事務所の後輩じゃないか……なんで事務所の後輩のバンドがテレビに出てるんだ……悔しいー!悔しいー!妬むーーー!!妬みすぎるーーーうふーー!!』

「……みたいなね(笑)。」

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そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。

「いやー……サントラの授業を今回2週に渡ってやってきましたけど、サントラがすごいっていうことを表現したかっただけなの。もう……連れていかれちゃったんだから先生は、サントラに。先生は内容を知らないでやっているからね。でもこう……音楽から連想されるね。こういう感じなのかなって浮かんできて、音楽から見るアニメーションを決めるっていうのはいいかもしれないね。やっぱり音楽が与える影響力っていうのはすごいなって思う。例えば、写真とかもそうだし、漫画もそう。映画もそうだけど。目に見えるものと見えないものが与える影響力……音楽は目に見えないじゃないですか。それが混ざり合った時のひとつの変化みたいな……裏切り合いとか、逆に、寄り添い合ったり。そこのバランス感覚をどんどん詰めていくアニメーションの世界はこれからどんどん進化していくんじゃないかと、先生は深く思う。テクノロジーが進化していって、もっとアニメーションの動きが滑らかになったり、アニメーションで静止画になるとただのイラストになるけど、実写映画だと静止画でも静止してないじゃないですか。そういった表現が出てきた時に、音はどうするのかとか……そういった部分が進化していくと新しい世界が広がるんじゃないかな。あと、シュールなものとかも生まれてくるんじゃないかっていう気はしてる。なので、先生も注目しながらいつかチャンスが来たらアニメーションのサントラに挑戦してみたいと思います。」

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