今回は、音楽にまつわる職業シリーズ "プロモーター" の授業です。
業界内では、「なんだかんだ結局オンエアする!」「一郎チョロい!!」そんな噂になっているとかなっていないとか……山口一郎先生、改め、山口一郎ディレクターの元に、レコード会社のプロモーターの皆さんが「秋のおすすめ新曲」を持って登場します。一郎先生に向けて実際にプロモーションをしてもらって、一郎先生が気に入ったら楽曲がオンエア!そんな授業です。
⬇ 過去の授業 ⬇
第1回:<前編> <後編>
第2回:<前編> <後編>
第3回:<前編> <後編>
山口「プロモーターっていう仕事、サカナLOCKS!の生徒なら知っているだろう。大抵、メーカーに配属された新人はプロモーターになるんだよ。プロモーター経験がない(レコード会社の)ディレクターはあんまりよくないというミュージシャン界隈の話はある。プロモーターやって、営業やって、販促やって、ディレクターになったら完璧だから。全部のことが分かるからね。全部のことが分かってディレクターをやると、これはプロデューサーの道が拓けてくるから。そういう風になるための登竜門としてのプロモーター。」
「(この授業は)過去に何回かお届けしてきましたが、山口ディレクターはちょろいというのが業界で噂になっちゃってるの。"ちょろ口かけ郎"って言われちゃってるんだから(笑)。今回こそね、本っっ当に、プロモーターの人生とか関係なく、かけるかかけないかは、プロモーター……あなたたちの話術次第!」
「設定はな、私、北海道小樽市出身なんだけども、エフエム小樽というローカル局の元ミュージシャンのラジオディレクターです。「お、○○ちゃん久しぶり!元サカナクションの山口だよ。サカナクションって知ってる?あ、聞いたことないよねー(笑)。名前だけは知ってるだろ? 何、今、誰の担当なの?……あ、知ってる知ってる!」みたいな(笑)。この厄介なディレクターに立ち向かうプロモーターっていう設定で行くからよろしく!」
ということで、ここからはレコード会社のプロモーターさんが登場します。曲者ラジオディレクター、山口一郎が仕事をしている中、プロモーターさんがタイミングをみて話しかけ、新曲を紹介=プロモーションしてもらいます。
山口「あー……忙しいねー。最近いい寿司屋ないからなー。あのミュージシャンが来た時にはあの寿司屋に連れて行ってあげるのがいいのかなー……秋の新曲も欲しいところだし……秋のオススメの新曲をオンエアしたいって思ってるんだけどなんかいい曲ないかなー……」
白石「一郎さん、お忙しいところすみません。ちょっとお時間……プロモーションよろしいでしょうか?」
山口「ちょっとだったら、話、聞くけど。」
白石「ありがとうございます。エイベックス・エンタテイメントの白石と申します。」
山口「白石さん、エイベックス?何、今日はどうしたの?」
白石「一郎さんが秋にぴったりの曲を探しているっていうのを小耳に挟みまして……」
山口「そうなのよ。今、季節も涼しくなってきたし、冬に向けて何か秋っぽい曲がないかなーと、エフエム小樽の山口ディレクターは思ってるのよね。」
白石「ぴったりの……できたてほやほやの楽曲がありますので聴いていただきたく、お持ちいただきました。」
山口「ほう。紙資料とCDを。」
白石「はい。ビッケブランカというアーティストなんですけど……」
山口「めっちゃ知ってるし、好きですよ。」
白石「ありがとうございます!結構バンドっぽい名前でまだまだ認知されていない部分はあるかと思うんですけど……」
山口「めっちゃいいですよ。めっちゃ好き。ライブ観てるからね、ビッケブランカ。」
白石「ありがとうございます!」
山口「フェスで観たときに、このバンドは?って聞いたら、ビッケブランカっていう人だよ、バンドじゃないんだよ、って話していたの。」
白石「はい、シンガーソングライターで。」
山口「ドラマの主題歌とかもやっているんじゃないの?」
白石「はい。今回がちょうど、10月10日から始まった『獣になれない私たち』というドラマの挿入歌になっておりまして。」
山口「うん、知ってる知ってる。」
白石「「まっしろ」という楽曲で、かなり秋にぴったりで。歌詞の世界観もちょっと切ないミディアムバラードなんですけど、生徒さんたちの心に……いろんなことを考えながら聴いている若者の心にすごく刺さる歌詞に仕上がっているんじゃないかと思います。」
山口「おー……でも、もうみんな知っているんじゃない?」
白石「そんなことはないです。」
山口「大丈夫、大丈夫!」
白石「やっぱりエフエム小樽の、山口さんの番組で是非!」
山口「そうねー……でも、大丈夫じゃないかな。」
白石「いや、ちょっと……声が聴こえる10秒、まず聴いていただきたいです。」
山口「まあ、味見的な?」
白石「はい。あの……まだこの楽曲はお聴きになっていないですもんね?」
山口「うん。まあ、味見くらいはしてみようかな。最初のちょっと何秒かくらいはね。」
■ ビッケブランカ / 『まっしろ』試聴トレーラー映像
山口「いいねー……秋のなんかこう……」
(♪歌い出しを一瞬だけ聴いて……)
山口「うん、ありがとう。やっぱりいいねー。」
白石「(苦笑)」
山口「いいもん。だってランクが違うもん、ビッケブランカ。ライブだって、札幌はペニーレーン24でやるんでしょ?福岡DRUM LOGOS、広島はセカンドクラッチ……1月からツアーが始まるわけね。ZEPP TOKYOでやるわけだから。」
白石「告知はがっつりしてもらえるんですね(笑)。」
山口「もうバッチリじゃない。もういいよ。」
白石「あのちょっとを聴いたら残りが気になりませんか?」
山口「もうちょっとな……これからっていうのを持ってこないと。みんな知ってるもん、ビッケブランカ。大丈夫だよ。売れる。売れるって!」
白石「(苦笑)」
山口「まあな……生まれ、どこ?」
白石「私ですか?……東京でございます。」
(♪なぜか「北の国から」が流れくる……)
山口「東京生まれ。大学からそのままエイベックスに入ったわけ?」
白石「中途採用で昨年……」
山口「もともとは何の仕事をしていたの?」
白石「印刷会社で働いていました。」
山口「お、印刷会社から音楽業界?どういう経緯なのそれは。」
白石「経緯は全くなくて、音楽が好きで。やっぱり……やっていた仕事の中で悶々としていて、そっちの世界で働いてみたいなと思いまして。採用試験を受けたという感じですね。」
山口「それは親御さん何て言ったの?音楽業界に行くって。」
白石「やりたいようにやりなさいと、応援はしてもらいました。」
山口「うーん、そっかー……」
山口「…………」
山口「あんまり感動しなかったな(笑)。」
白石「特にないんです……(苦笑)。」
山口「感動したらかけようかなって思ってたんだけどな。よくある感じだな(笑)。」
白石「ちょっと……」
山口「今回はごめん!ビッケブランカは大好きだけど、今回はマジでごめん。ラジオディレクターとしてのプライドもあるんですよね。初"かけない"だから。それは光栄だと思ってください。」
白石「逆に……はい。ありがとうございました。」
山口「ごめんな。」
白石「ちょっと鍛え直して参ります。」
山口「なんか、泣かせるエピソードをくれたらかけるから(笑)。エピソードに弱いタイプだからな。」
白石「はい(笑)。ぜひどこかで……。ありがとうございました!」
山口「ありがとうございました。」
ビッケブランカ
・配信シングル「まっしろ」:2018.10.17 ON SALE
※日本テレビ系 水曜ドラマ『獣になれない私たち』挿入歌
・メジャー2ndアルバム『wizard』:2018.11.21 ON SALE
山口「もうちょっと、エフエム小樽がどっと盛り上がるような若手が欲しいよねー……」
矢野「一郎さん、今お時間よろしいでしょうか?」
山口「うん、今大丈夫ですけど。」
矢野「ありがとうございます。失礼します。はじめまして、キングレコードの矢野と申します。」
山口「お、キング!矢野さん。」
矢野「よろしくお願いします。」
山口「よろしくお願いします。」
矢野「早速なんですけど……うちからデビューさせていただきましたアーティスト、内田雄馬になります。」
山口「内田雄馬さん。」
矢野「内田雄馬の紹介をまずさせていただければと思うんですが、声優をお仕事をやっておりまして、作品を挙げさせていただきますと、『マクロスΔ』でしたり、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』というものに出ておりまして、現在放送中の『BANANA FISH』という作品があるんですけど、そちらでは主演をつとめていたり……」
山口「じゃあもうトップの声優さんのランクですよね?」
矢野「はい。今、本当に注目の高い人気作に出演しているような声優になります。」
山口「ほー。」
矢野「今回うちから本格的にアーティストとしてデビューして活動を始めさせていただいている、期待の新人になります。で、今回ご紹介させていただくのは「Before Dawn」という楽曲なんですけど、先月……ちょうど秋ですね。9月19日に発売させていただいておりまして、"夜明け前"という意味になるんですけど、前作の「NEW WORLD」で新しい世界に踏み込んだ先の苦悩であったりとか、葛藤であったりですとか、そういうものは全部自分の力になるんだよ……といったところを歌ったメッセージになっております。」
山口「あー……なるほど。」
矢野「で、僕が今回推していきたい、番組のリスナーさんに是非聴いていただきたいのが、歌詞なんですけど。新しい挑戦の先にある苦労だったり、葛藤……10代に多い悩みだと思うんですけど、悩んでいる自分を肯定してくれる歌詞で。是非その……」
山口「なるほど。やっぱりね……応援メッセージだよ!今の世の中。」
矢野「ありがとうございます(笑)。」
山口「ちょっとイントロ聴いてみようかな。味見。どんな感じなのかな……」
■ 内田雄馬「Before Dawn」MUSIC VIDEO(Short ver.)
(♪歌い出しを一瞬だけ聴いて……)
山口「……あ、OK、OK。明るいねー。」
矢野「はい!持ち味の爽やかな歌声をいたんなく発揮できる……」
山口「爽やかだねー!今の時代は応援ソングと爽やかさだね。」
矢野「ありがとうございます。」
山口「でも、これうちでかけなくても大丈夫だよ。」
矢野「あれ?」
山口「大丈夫だって。さっきのビッケブランカとは違う理由でね。だって、本人と話したくなっちゃうからね。本人のコメントをくれるならね!(笑)」
矢野「いやー……(笑)。」
山口「曲紹介とかしてくれるならあれだけど……本人の爽やかなキャラクターがこういう風に歌っているんだっていうのが伝わる方がいいと思うな。」
矢野「いや、全部聴いていただければ!いま冒頭のところだけだったので……」
山口「うん、じゃあ冒頭をもう1回聴いてみようかな。」
(♪歌い出しを聴いて……)
山口「はいはいはい。うーん……分かった。」
矢野「あれ?」
山口「うちじゃなくても売れるわ。」
矢野「いやー……ここでかけていただきたい。」
山口「だって素材がいいもん。生まれ持ったものがある。僕みたいなね……ライチの皮みたいな……」
矢野「分かりづらい(笑)。」
山口「ライチの味さえ染みてない……みたいなね。」
矢野「いやいやいや……とんでもない。山口さんにぜひ聴いてもらいたいんですけど……」
山口「でも、今回はかけない!キングは好きだけど。今回は本当に厳しくいくから。ごめんな……がんばれよ!」
矢野「はい、ありがとうございます。内田雄馬、よろしくお願いします!」
山口「またこの企画あるから!」
矢野「また鍛錬して……内田雄馬を持ってきます。」
山口「ごめんな?本当ごめんな……!ありがとう。」
矢野「はい、ありがとうございました。」
内田雄馬
・2nd シングル「Before Dawn」 :2018.9.19 ON SALE
山口「……さあ、エフエム小樽にどかっと火がつくいい曲を持ってきてくれるプロモーターはいないかなー。」
月井「山口さん、すみません。今お時間よろしいでしょうか?」
山口「ちょっとなら大丈夫ですけど。」
月井「ありがとうございます!初めまして、ラストラムの月井と申します。」
山口「ラストラム!」
月井「はい!ご存知ですか?」
山口「もちろん!」
月井「ありがとうございます。今日はご紹介させていただきたいアーティストがおりまして、お伺いさせていただきました。」
山口「どんな人? (資料を受け取って……)あら、ジャケットなんかおもしろいね。紙資料もちゃんとしてるね!」
月井「ありがとうございます!ravenkneeという新しいアーティストなんですけど。」
山口「え?何?」
月井「ravenknee(レイヴェンニー)っていいます。」
山口「レイヴェンニー……どういう意味なの?」
月井「ボーカルがイギリスと日本のハーフで、お父さんのクリストファー・レイヴェンフォールのレイヴェンをいただいて、語呂がいいので膝を……"knee"を……」
山口「……語呂がいいから膝をつけたの?(笑)」
月井「らしいんです……(笑)。」
山口「お父さんの名前と膝を足したのね(笑)。」
月井「そうなんです……(笑)。」
山口「その辺は面白いね(笑)。まだ若いの?」
月井「若いですね。結成が昨年の12月で、まだ一年足らずです。」
山口「あら!まだ……こういうのを待ってたんだよね!!それで、それで?」
月井「ありがとうございます!このバンドなんですけど、5人組のバンドでして、サウンドは、もともとシューゲイザーとか、ポスト・ロック、EDM、エレクトロがすごい好きで、その辺を消化してJ-POPに落とし込むっていう形で。」
山口「違和感探しちゃってるねー。いいねー。そういうのを小樽に求めてたからね。いいよー。」
山口「ちょっと……味見してみたいよね。」
(♪ 少し聴いて……)
山口「お。ちょっとフレンチな感じありますね。はいはい……かけよう!すごい、いい!」
月井「ありがとうございます!!」
■ ravenknee - OVERDOSE(Official Music Video)
山口「いいね!」
月井「……私が正直そのルーツの音楽を聴いてこなくて、初めての出会いだったんですね。ravenkneeとの音楽で……」
山口「こういうジャンルに出会っちゃったわけ。」
月井「はい。こんなかっこいい音楽があるんだなーと思って。そこからルーツを知りたくなって……っていう感じで、音楽の幅が広がりました。」
山口「お!いちリスナーになったわけだ。」
月井「そうなんです。」
山口「23歳?ボーカル。」
月井「はい。」
山口「面白いね。結構こういう系統のジャンルレスというか……ミクスチャーは出てきてはいたけど、ちゃんとロックシーンの方に歩み寄っている感じはいいよね。」
月井「ありがとうございます。」
山口「いいと思います。ありがとう!」
月井「本当にありがとうございました!」
ravenknee
・4曲入りCD『PHASES』:2018.11.21 ON SALE
山口「いいね、なんか知れるのいいね、こういう風に。この授業、来週もう1回やろうよ!(笑)」
ということで、来週に続く…!? お楽しみに!