「夏休み明けの『宿題』大量投下!」

SCHOOL OF LOCK!




深く潜って
受験生です。
長期休暇、自分と向き合い勉強の日々です。
夜寝る前、1日を振り返って、ああなんて自分は物足りないんだとかこの辛さをわかってくれる人は誰もいないんだとか、毎日気持ちが沈んで音楽に逃げ込みます。そんな時、いままでエンターテイメントとして聴いていたサカナクションの曲たちが、僕の孤独感に答えは出してくれる訳ではないけど、すごく寄り添ってくれて、心の支えになりました。深く潜ってはじめてその良さがわかりました。
この感想が少しでもアルバム制作の手助けになれば、と思います。
こんたくとれんず
男性/18歳/東京都




山口「こんたくとれんず、ありがとな。先々週……インタビューを受けるっていう回(2018年8月30日の授業)で、『音楽を嫌いな人はいるのか、いるとしたらどんな理由なのか?』っていう質問に対して先生は、「嫌いっちゃ嫌いだ」って答えたの。その真意はいろいろあるんだけど、あとで振り返ったときに、まだ好きか嫌いか評するところまで来ていないって思いましたね。リスナーとして音楽が好きだった時代と、ミュージシャンとして音楽が好きな時代では種類が違うんだけど、嫌いになる種類も違うなっていうふうに思う。音楽を聴かなくなるっていうことはないけど、音楽を聴かない自分を受け入れられない時もあるし、聴かないっていうことを認める自分もいるというか。だから、音楽を作るのが忙しくて音楽が聴けないことが嫌になったりもするし。それはリスナーの時にはないわけだから。まだ好きか嫌いかを評するところまで辿り着いてなくて、多分……音楽をやめて釣堀を始めたりしたときに初めて、音楽が好きか嫌いかもう1回評することができるようになるのかもしれない。みんなが求めているような応援歌であったり、君は一人じゃないよとか、そういうことを歌うことは先生には出来ないけど、こんたくとれんずみたいに、何かと向き合って、自分と向き合って孤独になっている人たちに対して、ちょっとでも支えてあげられるような、共感してもらえるような音楽を……マイノリティでいいんだけど……音楽を好きなまま、作っていきたいと思う。」

「それでは黒板を書きます。」

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「新学期も始まりましたので、今回は生徒の皆さんにサカナLOCKS!から宿題をたっぷり出したいと思います!いいか、いつまでも夏休み気分でいたらな……Perfume LOCKS!とかセカオワLOCKS!に置いていかれるぞ!(笑)」

ということで、今回の授業は、新たな『宿題』を大量に出していきます!サカナLOCKS!の生徒は全員マストで提出して下さい。今回は4つあります。


その1:『サントラがすごいアニメーションを答えよ!』

主題歌だけではなく、劇中で流れる音楽が素晴らしいと思うアニメーションを答えよ。映画でも可。なぜ素晴らしいと思うのか、その理由も合わせて答えなさい。

「先生、最近な、すっごいアニメに興味があるんだよ。内容とかストーリーとかあらすじとかが好きっていうのではなくて、アニメっていうものの概念と、それに伴う音楽の関わり方がおもしろいなって思うんですね。先生は『バクマン。』っていう映画音楽をやったことがあるんだけど、実写映画の音楽とアニメーション映画の音楽は作り方が違うと思うんだよ。例えばな、ドアをガチャンと閉める音とか、それにも音階(キー)があったりするわけだな。それも自分たちで作れた上で、その上に乗っている音楽とその音が一致したり、音楽の一部になったりとか……声優さんの声のキーと曲のトーンが合ったりするとか。ものすごく自分たちの性格に合うような音楽がアニメの音楽ならできるんじゃないかと思っているんだ。『攻殻機動隊 (STAND ALONE COMPLEX)』っていうアニメの菅野よう子さんとか、素晴らしいなと思うので。そういう観点でみんなが思うアニメ映画の音楽とか、アニメーションの音楽で、これは素晴らしいって思う理由とタイトルを教えてもらえると、先生がすごく学べる。……学ばせろ!(笑)」

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その2『フェスがなくなる日』
音楽フェスティバルが衰退するとしたらどんな理由か考えなさい。

「フェス・ブームが起きている日本では、全国で数々のフェスが開催され、開催期間が伸びたり、動員が毎年増えているような大型フェスもあります。そんな中、もし音楽フェスがなくなるとしたら、どんな理由が想像できるか。先生はフェスに出る側の人間なので、フェスに出る側の人間としての見方はいろいろあるけど、フェスに来る側のみんながどう思っているかっていうのが先生は知りたい。……学ばせろ!



その3『曲名俳句〈秋〉』
5・7・5の俳句の中に、曲名を入れたものを提出してください。
字余りしていても大丈夫です。

<例>
「夏が来た プールに飛び込む ウルトラソウル」


参考:[2017年8月10日の授業]


「ふふふ(笑)。このような、季語が入り、曲の名前も入った俳句を考えて提出していただきたいと思う。……学ばせろ!

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その4『音楽の気温が何度か答えよ!』
あなたが好きな曲の気温が何度かを答えなさい。
イメージや楽曲の中で歌われている事などをもとに、どうしてその温度なのか、理由も考えなさい。


<例>
米津玄師 「打上花火」 …… 日中は30℃超え、そこから気温がだいぶ下がってきた27〜28度ぐらいの夜になっていく感じ。

湘南乃風 「睡蓮花」…… 37℃!!



(♪湘南乃風「睡蓮花」が流れて……)


「例えば、湘南乃風先生の音楽は気温が高いな。お!……(タオルを振り回す仕草をしながら)回せ回せ回せ!(笑) YO!これは暑いぜー!37℃は超えてる。」


(♪米津玄師「打上花火」が流れて……)


「逆に、米津玄師先生の曲とかは、声の音色的にはそんなに気温は高くない。でも、夏ってキーワードと音階……これは、日中は30℃超えなんだけど、夕方気温が下がってきた27℃28℃の温度感があるな。「あー……夜になっていくな……暗くなってきて、みんな打ち上げ花火観に行くか……」みたいな。」

「いろいろある。サカナクション先生の曲でいうと、マイナスにいっている曲もあれば、30℃くらいかと思いきや、意外と28℃くらいだったっていう曲もあったりするわけだ(笑)。君たちが好きな曲を気温化することによって、あなたたちの好きな音楽はだいたい何度らへんのものなのかっていうのを検証できると思うし、自分のことがよくわかると思う。なので、あなたが好きな曲は何度なのか、その理由も含めて答えてください。」

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日本で一番気温が高い曲を見つけた人には、プレゼントするぞ……サカナLOCKS!カレンダー(笑)。もう2018年が終わるけど。あと3ヶ月はあるからな。サカナLOCKS!カレンダーをプレゼントするから……学ばせろ!

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ということで、今回の授業も終了の時間です。

「先生な、最近よくサカナLOCKS!聴いてます!って言われるんだよ。それは、生徒諸君のような10代の生徒だけじゃない。前にも話したけど、タクシーの運転手さんだったり、飲食店に勤めている人とか。夜、仕事が終わって帰っている時間帯とかにサカナLOCKS!を聴いてます!って言われるんだけど……恥ずかしくなるな(笑)。その時は、先生は「どうも、聞いていただいてありがとうございます。」って、いつもの感じの山口一郎なわけだけど、授業の(いつもの山口一郎よりもかなり高い)テンションをみんなが聴いていると思うと……恥ずかしくなる(笑)。もうちょっと落ち着いたテンションでやりたいって最近思いつつある……38歳だし。だけど、これからもサカナLOCKS!ではいろんな取り組みをしていきたいと思っているから、ぜひ宿題を提出してもらいたいと思う。」

「サカナクションは今、レコーディング中だから、デモ制作みたいなのをいっぱいやっているんだよ。だから、デモの段階から完成までの流れみたいなものを、出来上がってから振り返るんじゃなくて、途中経過を聴いていくっていうのも……よさげじゃない? 後で振り返るんじゃなくて、「今はこうです」って状況報告をしていく。アルバムを出さない出さないって、サボっているんじゃないかって思われているのを払拭するためにも、サカナLOCKS!の授業を使っていこうと思う(笑)。」

ということで、皆さんからの宿題の提出、待ってます。
[ コチラ ] から提出してください!

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