「新年、明けましておめでとうございます。2018年が幕を明けまして、早四日……サカナLOCKS!も2018年を満身創痍の思いで駆け抜けていきたいと思っております(笑)。スタッフ一同、これからも皆様方にご愛聴いただけるよう、頑張っていく所存です。」
「さあ、2018年最初の授業ということで、まずは黒板の代わりに書き初めをしたいと思います……つって(笑)。」
ということで、まずはSCHOOL OF LOCK! の新年恒例、今年の目標を書き初めしていきます。
「”回顧”。サカナLOCKS!はこれから6年目に入っていくということで、古き良きものも新しいものとして受け入れてもらえるように、知っていってもらおうという動きをやっていきたいなと思っております……つって(笑)。」
2018年は、”つって" を流行らせるつもりだという山口一郎先生。
新年最初の授業は、昨年末に生徒の皆さんに出した宿題『2018年ブレイクしそうなミュージシャンを答えよ!』に提出された回答を紹介していきます。
良い回答を送ってくれた生徒には、この放送後記の一番下に(こっそりと)載っている写真……山口一郎コレクションで構成された、サカナLOCKS! オリジナルの卓上カレンダーをプレゼントしていきます。このカレンダーは2018年バージョンですから、1月がスタートしたということで、早速プレゼントしていきます!
私は、BRADIOというバンドがブレイクすると思います。ブラックミュージックをJ-POP風にしたような曲だなと思って聴いています。私はこのファンクな感じのグルーヴが好きです。「どこか昔を思い出させるような感じがする」と母が言っており、老若男女誰でも自然と体が動いてしまうのではないのでしょうか。そして、日本にファンクロックがそろそろ流行ってもいいのではないでしょうか。
女性/18/北海道
「ファンクロックね……いますよね、鶴とか。札幌にもいたんですよ。MEN☆SOULっていう、結構ソウルフルなバンドが。BRADIOは、2017年にワーナーからメジャーデビュー。ととちゃんが、ファンクをJ-POP風にした曲調が好きで、日本にファンクバンドが流行ってもいいんじゃないかって言っていることも踏まえて聴いてみましょう。」
■ BRADIO-LA PA PARADISE(OFFICIAL VIDEO)
「なるほど。ルーツというか……ベースとなっているものが、ソウルとかファンクとかディスコとか……その辺ですね。日本のJ-POPの中で脈々と引き継がれてきているジャンル感ではありますけど、それをバンドっぽくやっている感じですね。僕は米米CLUBとかを感じる。鶴はもうちょっとロックだし、……I Don’t Like Mondays.はもうちょっとオシャレに海外っぽくやっているんだけど、洋楽的なアプローチじゃなくて、BRADIOはもうちょっとJ-POPをこういう感じでやっているっていうのは勇気があるなって感じですね。結構恥ずかしいんですよね、ファンクとかディスコとかをやるのは。山下達郎さんとか吉田美奈子さんとか、ああいう曲調じゃなく、J-POPでかっちりやっているのって……ホーン入っちゃった!みたいなのが、ロックからするとちょっと抵抗あるかな……。星野源さんもファンクとかそっちの方に行っている感じがするけどね。だから世の中的にはそういうムーブメントなのかなって。僕らの新曲「陽炎」も結構そういう曲調ですからね。」
「フレンチハウスとか、そっちの流れに近いのかな?Daft Punkがダンスミュージックにディスコを持ち込んでリバイバルしたことで一気にムーブメントがフレンチハウスやフレンチテクノで巻き起こって、今それがさらにオールドスタイルになっているっていう流れですからね。結構タイムリーじゃないかと思います。」
「じゃあ……えーっと……カレンダープレゼントー。」
「ふふふ(笑)。『タモリ倶楽部』的なやつね(笑)。(モノマネをしながら)……じゃあ、ととちゃん、カレンダープレゼント……カレンダー以外ないんだけどね(笑)。」
私が2018年にブレイクしそうだと思うのはCHAIです。
女子のネガティブな歌詞で女子受けすると思うからです。
カレンダー、ぜひお願いします!!!
女性/15歳/神奈川県
「CHAIね!先生も知ってる。じゃあちょっと聴いてみましょう。」
■ CHAI『N.E.O.』Official Music Video
「おー。なんか……CSSとか、2000年代にいた女の子ボーカルのヘタウマバンドの感じ。CSSとか、Phenomenal Handclap Bandとか、そういう要素があるね。僕らからすると、インディー感ね。僕らの世代からすると思いっきりインディーなバンドだね。すごくかっこいいし、この日本語のリズムが、日本のリズムなんですよ。なんというか……アニメとか、海外の人が感じる日本語のノリっていうのをすごくうまく使っているなって思います。あと歌詞が好きですね。これを聴いてドキッてする人はいるだろうなって思うし、アー写もすごいカルチャー感がありますね。でも、日本でこういうバンドがなかなか表に上がってこれないっていうのはつまんないなって思いますね。もっと評価されるべきだと思うし、たくさんの人に聴いてもらいたいバンドだなと先生も思うのでね……じゃあ……れなれなちゃん……カレンダーあげちゃう(笑)。」
ということで、新年1回目の授業も終了の時間になりました。
「ブレイクするかしないかで言ったら……CHAIはちょっとブレイクのレベルが違うかもしれないけど、美しいバンドだと思いますね。で、ととちゃんがブレイクするって言ったBRADIOも……ソウルやファンクっていうものが日本の中ではかつて評価され続けてきているんですよ。フィンガー5とか、モータウン(Motown:1960年に生まれたブラックミュージックのレーベル)とかね。ああいう跳ねるリズムって、盆踊りとか日本人のルーツにあるし、ウルフルズが「ガッツだぜ!!」でヒットしたのは、がっつりソウルフルなものを出してきたからじゃないかっていう分析もあるのでね。だから、売れそうな要素はあるし、歌詞もベタベタで良いなと思う。売れそうなのはBRADIOだけど、先生がプロデュースをしたり、何かで関わりたいと思うのは……一緒にライブをやったり、会ってみたいのはCHAIかな。多分BRADIOは僕らにあんまり興味が無いだろうね。CHAIも多分無いね。……僕らって何なんだろう(笑)。2018年どうなるんだろう(笑)。」
さて、この授業、宿題『2018年ブレイクしそうなミュージシャンを答えよ!』は来週に続きます!
生徒のあなたが思う、2018年ブレイクしそうなミュージシャンを紹介してください。ブレイクしそうな理由をしっかりと回答してくださいね。
紹介した生徒には、サカナLOCKS!オリジナルカレンダーをプレゼントしますので、[→コチラ]から提出するように!
「中堅のおじさんバンドのボーカリストにブレイクしそうだとかしそうじゃないとか言われるバンドもちょっとイラッとされるのかもしれないけど、生徒たちが考える2018年にブレイクしそうなミュージシャンを紹介してくれているっていうことだから、ブレイクするとかしないとかは関係なく、良い音楽をみんなが知っていて、それをサカナLOCKS!で紹介できることが宿題としてのテーマかなと思っているので、来週も楽しみにしていてください。」