ゲスト講師 : 藤原ヒロシ先生 (1)

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山口「はい授業始めますから、席に着いてください。マンガを読んでいる生徒はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramも開いて人がいたらう一度閉じなさい。授業が始まりますよ。」

山口「今日……山口一郎はですね……非常に緊張しております。」

山口「では……黒板を書きたいと思います。」

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山口「さあ今夜は、ゲスト講師が来てくださいました。一郎先生の先生のような人……先生の憧れの人です。藤原ヒロシさんです。よろしくお願いします。」

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藤原「こちらこそ。」

山口「この度、サカナクション先生のレーベル:NF Recordsから、藤原ヒロシさんのアルバム『slumbers』が11月29日にリリースされるということで来ていただきました。」

山口「僕と藤原さんの最初の出会いについてですが。」

藤原「最初の出会いは、あるテレビ局の人の紹介ですよね。いっしょにご飯食べましょうって誘われてね。僕もその時、サカナクションがやっていることに興味があって、是非って。」

山口「僕、覚えてますけど、その時めちゃくちゃ緊張していて。脇汗がすごかったです(笑)。今も脇汗すごいんですけど(笑)。」

藤原「そうなの?(笑)」

山口「でもあの時に一度お会いして、そこから番組で何度かご一緒して、お食事もしていただいて。僕の高校生の頃のカルチャーというか……音楽もそうですけど、ファッションとかも、ものすごく影響受けてきた方なんですね、藤原ヒロシさんって。なので、実際お会いしてご飯食べた時もそうですけど、こうして僕たちのレーベルから藤原ヒロシさんのアルバムを出すことになったなんて、高校生の僕に話しても、何を言ってるんだ、夢見てるんじゃないかって言われると思うんですけど……。」

山口「……ちょっと、一回背伸びして良いですか?(笑)」

藤原「先生、伸びしちゃだめなんじゃないの(笑)。「授業中に背伸びをしない!」って言われちゃうよ。」

山口「本当にそうですよね(笑)。」

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山口「そこから僕らの「多分、風。」のシングルで「ルーキー」のリミックスをやっていただいて。いろいろと音楽的なこともご一緒して。」

藤原「そうですね。でも初めて会った時も、音楽の話もちょっとしたけど、ほとんど釣りの話だったね。」

山口「あと、僕の生い立ち(笑)。」



藤原「確かそうだった(笑)。でも、それに僕はすごい引き込まれて。一郎マニアにそこからなっていってしまったんじゃないかな。」

山口「ははは(笑)。ただ、僕らを応援してくださっている方にも藤原さんの存在を知ってもらいたかったし、藤原さんの作品を聴いてもらいたいっていうのがあったので、リリースしていただけるということで。」

藤原「光栄です。」

山口「実は、先日の放送で、『slumbers』に収録されている「WALKING MEN」をオンエアさせていただきました。早速、感想が届いています。」

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★藤原ヒロシさん
藤原ヒロシさん、イイね!
adultyさ、urban、シティーポップみたいな感じがしました。
AORと同じようなことかもしれませんが。
お洒落感が半端ないと感じました。
一郎先生、有難うございます。
あかいたぬきと、みだらなたぬき
男性/14/北海道




藤原「いやー、14歳の子と話したいですね。どんな感じなのか。」

山口「話したいですよね。実際に話をしながら聞いてみたいですよね。」

山口「藤原さん、14歳のころ何されてました?」

藤原「14歳は……もう時間があったら東京に出てきていたかな。ディスコ行ってましたね。ツバキハウスに行ってた。」

(ツバキハウス : 1975〜1985年に東京・新宿にあったディスコ。ディスコ・ミュージックだけでなくロックに特化した日があったり、当時にしては珍しいジャンル別のイベントも行われていた。)

山口「14歳でディスコに?あれ……藤原さんって三重県ですよね?」

藤原そうです。東京に来てましたね。」

山口「え、ちょっと待って。14歳ですよね?」

藤原「今って20歳じゃないと絶対には入れないですよね?昔はそういうのがなかったから。逆に「若いね」って可愛がられるぐらいな感じだったので。」

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山口「ファッションとかアートとかに興味持っていく最初ってファッションだったんですか?」

藤原同時ですね。でも……音楽かな、どちらかというと。姉の影響下にあったので、姉が聴いてる音楽を無理やり聴かされながら、自分も好きになっていった感じなので。」

山口「好きな服とかを見つけていたりするきっかけって何だったんですか?」

藤原「それも、姉か……中学の頃に、(音楽のジャンルとして)パンクロックが現れたのが大きかったんですよね。今までまったくないものが急に現れて、尚且つ、(表現方法が)反抗的じゃないですか。若い頃って反抗心が好きだから、そこにすごく憧れていた。」

山口「The Clashとか?」

藤原「クラッシュとか、Sex Pistolsとか。」

山口「自分で実際にその音楽活動を始めたのはいつだったんですか?」

藤原「それはDJですかね、正確には。バンドとかもやってたけど、中学の時とか。」

山口「DJでデビューしたのは?」

藤原「18歳。」

山口「実際にクラブで回していたんですか?」

藤原「そうです。」

山口「それから、楽曲制作とかも始めていくわけじゃないですか、実際に曲を書き始めたのって?」

藤原「それは90年代ですかね。」

山口「小泉今日子さんに楽曲提供をされた頃?」

藤原「そうですね、その辺の頃からです。」

山口「プロデュースでしたよね?」

藤原「プロデュースと作曲。それも、その時ちょうど屋敷豪太君がロンドンに住んでいて、豪太君と何かやりたくて、僕がロンドンに行って作リ出したんですけど。豪太君に、作曲のノウハウだったりとかプロデュースのノウハウみたいなものを教えてもらった感じですね。」

(屋敷豪太 : プロデューサー/アレンジャー/ドラマー。MELONなどのグループで活動後、渡英。ロンドンの音楽グループ、Soul II Soulのアルバムに参加。独自のグラウンド・ビートで世界的な注目を集める。その後、ロックバンド Simply Redの正式なメンバーとしても活動。『新堂本兄弟』堂本ブラザーズバンドのドラムでもある。)

山口「楽しかったですか?やっていて。」

藤原「楽しかったですね。あんまりやったことない事って楽しいでしょう?」

山口「僕ら当時みてた人間からすると、アイドルっていうジャンル……小泉今日子さんみたいなみたいな存在の人が、そのカルチャーをまとって外に出てきたというか。今までそうじゃない……シンボル的な、アイドルという枠の中でしか表現されてなかったものが、飛び出して出てきたみたいな印象があったんですよね。」

藤原「本人の好奇心もあったんだろうけど、彼女はそういうふうに、自由にやらせてくれる人だったから。」

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山口「僕、実は最近、女性ボーカルをプロデュースしてみたいと思っているんですよ。サカナクションが与えられる影響って、知れていると思っていて。」

藤原「そうなのかな。」

山口「それこそ、音楽に興味がない人に届けられないかなと思っているんですよね。音楽にさほど興味がない人たちにも届けたいんですよ。そう思った時に、影響力のある他のジャンルの人がいると思っているんですよね。そんな人たちに、自分たちが今まで培ってきたものをうまく駆使して影響を与えたいと思ってるんですよね。」

藤原「でも、今の時代だと、本当にアイドルがそういう一般に影響があるかどうかっていうところはあるよね。アイドルはアイドルでコアなマニアみたいなところがありそうですよね。それよりも山口君が今やっている、企業との仕事とかの方が影響力があるんじゃないかと思うけどね。」

山口「うーん。あれ……なんか、藤原さんのアルバムの話をするつもりだったのに、僕のお悩み相談みたいになってる(笑)。」

山口「アルバムの音源を送っていただいてから、何度も何度も聴かせていただいているんですけど、本当にめちゃくちゃ好きなんですよ。」

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藤原「本当?ありがとうございます。」

山口「Suchmosとか、最近AORやシティポップが流行り始めて、海外でも山下達郎さんとか吉田美奈子さんが再評価されたりして。レコードが動き始めたりしている中で、藤原さんのアルバムを聴いたときに、古き良きものと今の美しいものが絶妙に混ざっているなって思って。藤原さんが歌っているはずなのに、藤原さんじゃない人が歌っても新しく感じるだろうし、……僕も歌いたいって思ったんですよね。」

藤原「本当?ありがとうございます。今回はね、渡辺シュンスケ君っていう人にプロデュースを全部任せちゃったので、彼の音作り……彼の音になっているので、それはすごくよかったなって。全てバックトラックを作ってくれたり。作曲は僕がやったのを渡してやってもらったんですけど、そのデモの上にやったのもあったし、メロディだけ使われていたり。」

山口「打ち込みですか?」

藤原「打ち込みだと思います。」

山口「すごいかっこよかったです。歌詞も、藤原さん自身が書かれているものとそうじゃないものがありますけど、このYUKIさんって方……」

藤原「この人ですね。」

山口「え?YUKIさんってこのYUKIさん?

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【TOKYO FM マンスリータイムテーブル】

藤原「そう、このYUKIちゃん。」

山口「へー!」

藤原「前にご飯を食べた時に、歌詞書いてくれる?って聞いたら、「全然書くよ」って言っていたのでオファーしてみたら書いてくれました。YUKIちゃんって、ひねった恋愛ソングとかうまいじゃん。そういう、僕では絶対に書けない恋愛ソングがくるかなと思ったら手紙も添えられていて、「ヒロシさんお久しぶりです。ヒロシさん、ゾンビが好きだからゾンビの歌にしました。」って(笑)。」

山口「ははは(笑)。それで「WALKING MEN」?」

藤原「そうそう。ちょうどその頃(海外ドラマの)『The Walking Dead』にハマっていて(笑)。僕はそこを求めていなかったんだけど……心がキュンとくるような恋愛の歌がくるかなと思っていたら、ゾンビだったっていう。」

山口「でも、他の人が書かれた曲を歌うってどうでした?」

藤原「もう……めっちゃ面白かったです。絶対、"Hello ますますご機嫌さ” なんて書かないから(笑)。それはもう最高でした。」

山口「それはそうですね(笑)。だから僕は藤原さんが歌っていない感じがしたのかな。」

藤原「そうかもしれないですね。」

山口「たくさんの人にこのアルバムを聴いてもらいたいんです。」

藤原「「WALKING MEN」のトラックも、あんまり日本にはないような音でもあるじゃん。今はSuchmosとかそういう感じかもしれないけど。いわゆるみんなが耳にしている歌謡曲とは違うので、そこはいいかなって。」

山口「今はフェスで、分かりやすい……"浴びる"音楽の楽しみ方を求めるんです、10代の子たちって。僕たちの世代ってもう少しいろんなジャンルの音楽があって、その中でいろいろ選びながら自分の好きなものを見つけていっていたと思うんですけど。この藤原さんのアルバムで……」

藤原「そのきっかけになってくれたらありがたいですね。」

山口「ぜひ聴いていただきたいと思います。」

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今回の授業、終了の時間になりました。

山口「ひきつづき、次回のサカナLOCKS! も、藤原ヒロシ先生にご登場いただきます。次回は、10代の相談にいっしょに乗っていただきたいと思います。」

藤原「楽しみです!」

山口「そして、11月18日に僕たちがやっているイベント『NF』にトークゲストで出て下さることになりました。いつかライブの出演でも。」

藤原「ぜひ。次にでもお願いします。」

ということで、次回のサカナLOCKS! にも藤原ヒロシ先生が登場します。
お楽しみに!!

サカナLOCKS! 放送後記

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