宿題『架空の音楽フェスを考えよ』

SCHOOL OF LOCK!


今回は生徒の皆さんに出していた、宿題『架空の音楽フェスを考えよ』に提出されたメッセージを紹介していきます。

この宿題は、以下の条件で架空の音楽フェスティバルのプランを考えるというものでした。

・場所:瀬戸内海の島
・時期:「瀬戸内国際芸術祭」の夏の開催時期と重なっている
・出演:全8組
・邦楽・洋楽は問わない
・開催時間:10:00〜20:00
・イベント参加のチケット代金:30,000円


山口「チケット代、3万円は高い。それに対して出演アーティストの数は意外と少ないね。開催される時間帯は、暗くなってきたかなーというくらいで終わる。最後のトリが出演する時間帯くらいに暗くなる。瀬戸内国際芸術祭というのが瀬戸内海で行われているんですね。年に3回くらい開催されているんだけど、その夏の時期に行われている瀬戸芸でフェスをやっちゃおうよっていうコンセプトで募集していました。なので、「音楽から音楽以外を知ることができるフェス」として出していた宿題です。」

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では、まずは、絵が采花〜ayaka〜 (女/15/北海道)が考えたプランから見ていきましょう!



10:00〜10:05 校長、教頭による紹介
10:10〜11:10 PENTATONIX
11:20〜12:20 藤原さくら
12:30〜13:30 KANA-BOON
13:40〜14:40 OWL CITY
14:50〜15:50 Perfume
16:00〜17:00 サカナクション
17:10〜18:10 SEKAI NO OWARI
18:20〜19:20 [Alexandros]
19:35〜19:45 出演者全員で
終わり




「これはね……、絵が采花、まず、チケットが3万円っていうところをあまり加味していないな。よくありそうな……ないことはないフェスのラインナップだぞ。それに瀬戸内でやる意味がないかな。瀬戸内国際芸術祭でやるフェスということは、瀬戸芸に行こうかなって思っている人に、このフェスも行こうって取り込まなきゃいけない。その要素があまりないかな……30点。」


つづいて、システムnight (男/18/愛知県) の考えたプラン!



出演順に
椎名林檎
ぼくのりりっくのぼうよみ
クリープハイプ
サカナクション
Suchmos
SEKAINOOWARI
星野源
Mr.Children

の8組です。

コンセプトが「音楽以外にも触れられる」なので、それぞれのアーティストがやりたい演出を自由にやってもらいます!また、星野源さんやぼくりりさん、クリープハイプの尾崎世界観さんなど文学界で活躍されている方が多いので、客席後方に書き下ろしのエッセイや短編小説が読めるブースを作りたいです。
また、それぞれのアーティストの楽曲の世界が視覚的または感覚的に体験できるようなブースもアーティスト監修で作りたいです。



「これも……(チケット代は)3万円しないな。それに、瀬戸芸あんまり関係ないな。Mr.Children先生はアート系のイベントを小林武史さんとやったりしていますけど。小林武史さんは瀬戸芸のサウンドプロデュースをやっていらっしゃいますから、ちょっと関係していますけど……椎名林檎先生もアーティスティックなイメージもありますけど、この並びの中に入っちゃうと……。それに、これは東京でやれるな。」

「でも、『演出でお金をかける』ってことね。そして、書き下ろしのエッセイや短編小説が読めるブースを作りたいと。なるほどねー……。でもこれは音楽メイン……もちろん音楽がメインなんだけど、クリープハイプ先生や星野源先生が好きな人が喜ぶ感じになっちゃってる。もっと空間全体の演出を考えた方がいい気がするし、そういう意味でのラインナップでないと、サカナLOCKS!的プレゼンテーションは通らないと思います。……40点。」

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なかなか厳しい採点ですが、続いては、カミチン (女/17/静岡県) が提出してくれたプランです。



瀬戸内海にRADWIMPS,UNISON SQUARE GARDEN,THE ORAL CIGARETTS,BUMP OF CHICKEN,BLUE ENCOUNT,back number,米津玄師,ONE OK ROCK(私得)のそれぞれ島が8つあってその日1日、どこでも行ってよい。アーティストと自由にキャンプファイヤーみたいに楽しく過ごせる。



「ははは(笑)。これはマネージメントの許可が必要だな。アーティストにライブをさせて、しかも1日拘束させるってことは……これはねー……これはプロデューサーやマネージメントが黙ってないね。3万円じゃきかないな。何かトラブルがあったときに大変なことになるから。そして、島が8つあるっていう部分に瀬戸芸の要素はあるけど、あまり瀬戸内国際芸術祭っていう要素が入ってきていない気がする。これはそれぞれこのミュージシャンが大好きな人たちしか集まらない。その人たちはアートを見に他の島を回ったりするかな?あまりしない感じがするよね。もう少しこの瀬戸内国際芸術祭っていう場所を活かしたラインナップと演出を考えてみてほしいと思います。……40点。」

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以上、今回の宿題に提出されたプランを見てきましたが、一郎先生は他の生徒からの提出プランも含めて、思うところがあるようです。

「……ということで、生徒からの宿題を見てきましたが、送られてきた宿題はなんか普通だな。フェスに対する憧れみたいな部分が固定化しているのかなって気がするね。このミュージシャンが出て、っていう "夢" 感が。もう少し、フェスの楽しみ方みたいな部分を掘り下げようっていう意味でこの宿題を出したのですが、自分が行きたいミュージシャンを並べている人たちばかりだなっていう感じがしましたね。そうじゃなくて、以前の授業で架空のフェスを考えたとき[ 2013年8月29日の授業 ]、(山口先生の模範解答は) 北島三郎さんが出てきて、祭りだ祭りだってやった後に電気グルーヴとか……これは電気グルーヴやサブちゃんを知らない人でも多分その空間として面白いじゃない。良い違和感があるわけでしょう。そういうような違和感みたいなものを作り出していってくれないと、この宿題は意味がないなーって……皆さんの回答を見て、先生は、ちょっと悲しい。……かなすぃ(笑)。こちら側の宿題の出し方も悪かったのかもしれないな……十代の諸君にはまだ瀬戸内国際芸術祭が何なのか分からなかった部分もあるかもしれないから、その辺は不備でもあったかもしれない。」


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「ただ、このサカナLOCKS!ではフェスについて深く掘り下げようと思っているので、次の宿題は、こうする……

『フェスの良い思い出、悪い思い出』

……皆さん、音楽フェスには行ったことがありますか?その良かったことや悪かったことをいろいろ教えて欲しい。今いろんな話があるでしょう?痴漢が発生したとか、雷が鳴っても開催したとか。良かったことは、そこで出会った人と結婚したとか。いろんな思い出があると思うけど、みんなの良かったことや悪かったことを聞くことで、フェスが今どういうものなのかということを客観的に考えてみようっていう授業をやってみたいと思う。あとは、みんながどんな風にフェスを見ているかっていうのも、実際にフェスに行ったことがない人に対して知ってもらいたいと思う。」

「サカナクションは、フェスでヘッドライナー(一番最後に出演する)としてたくさん出ているんですよ。だから、ミュージシャンとして良いフェスと悪いフェスっていうのもあるのよ。まず、悪いフェス……まだヘッドライナーがライブに出ているのに、戻ってきたら食べ物とか全部片付けておくのやめて(笑)。終わったー!飯食おう!って思ったら、ケータリングが全部ない……片付け始めちゃってるって……寂すぃ(笑)。良かったことは、自分がライブで演奏していて、ぱっと舞台袖を見たときに、同じフェスに出演している面識ないバンドが踊っているとかね。嬉すぃ。……あんまり面白く無くなってきたからやめる。そういうのとかもいろいろ話をしていきたいと思います。」

ということで、音楽フェスティバルに関する授業は、引き続きやっていきます。
皆さんの宿題の提出、待ってます。提出は[→コチラ!]

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