★バンドマンにツイッターをフォローされます
バンドミュージックが好きな方ならよくあることかもしれませんができたてのバンドやバンドのメンバーのアカウントからフォローされることがあります。僕はとりあえずフォロー返してみるのですがもし一郎さんが高校生の時にツイッターがあってできたてのバンドにフォローされたらどうしますか?
男性/17/新潟県
山口これはきっとバンドマンなりのプロモーションのひとつなんでしょうね。でも僕がもし現代の高校生バンドマンだとしたら、そんなことしないよ。マイナスプロモーションだと思うね。多分、これは自分たちのバンドを知ってもらって、フォロー返しをしてもらうためにしていると思うんだけど、これは音楽の力を持って人を惹きつけるわけではなく、現代のツールを使って自分たちの名前を知ってもらおうとする行為に等しい。だから、これはちょっといただけないかなと思うね。……僕だったら、すごくたくさん動員のあるバンドに、いっぱいフォロー申請する(笑)。そして、そのバンドと自分が近いんだって思われるようにして、対バンさせてもらう。「前座でいいんです!15分でいいんで!やらせてください!!」って言って、バンドを食っていくね。そして動員を増やしていって、あのバンドいいよねっていう風にやっていくね。」
「あと、YouTubeを使って自分たちを広めていくという手法を現代的に面白く利用していくっていうのはあると思いますよ。そういうところから出てきた人もたくさんいますもんね。」
「でもね、音源とライブって違うからね……やっぱりライブがいいバンドが本当のロックバンドだと思いますよ。なので、現代のツールに溺れることなく、現代のバンドマンたちは音楽で勝負していってほしいと思います。あくまでもツールはツールなんでね。その辺は使い分けてほしいなと……サカナLOCKS!的には考えております。」
「(低い声でおどろおどろしく……)それでは黒板を書きたいと思います……」
「今夜は、夏ということで、怖ーい、怖ーーい話……しかも、音楽業界の怖ーい話をお届けしていきます……。ちなみに、幽霊とか心霊とかが怖い生徒……今日は全然大丈夫です、そういうジャンルの怖い話ではないです。でも……ある意味……
もっと怖ーいお話なんです(笑)。
……怖い瞬間、いろいろありますよ。皆さんもヒヤッとした瞬間、ありますよね。例えば、彼女にメールしているつもりが、全然違う友達に送っちゃっていて、2人だけの呼び方でメールしちゃった……みたいな。わー!やっちゃった!もう取り返しがつかない!……みたいなこともあるわけです。それに類したことが、音楽業界にはいろいろあるんです。それでは早速音楽業界にあった怖い話を紹介していきましょう。」
それは、とても暑い夏の夜でした。彼はとあるミュージシャンの公式Twitterの更新を担当していました。いつものように今後の番組出演情報をつぶやこうとしていたその時……ひとつ前のつぶやきにこんな言葉を見つけてしまったんです。「グラビアアイドル ハプニング」……プライベートな画像検索をしていたつもりが、なんと、公式アカウントでそのままつぶやいてしまっていたのでした。
「これは怖い……公式Twitterのいわゆる"誤爆"ってやつですね。たまにありますよ。ミュージシャンの公式アカウントってだいたい、レコード会社か事務所のスタッフがつぶやいているんですよ。だからたまにやらかすんですよね……これをやっちゃった際には、すぐミュージシャンから電話がかかってきますからね。「もしもし?なんか公式Twitterにヤバイ画像が上がっちゃってるんだけど、これどういうこと?誰?担当、誰?」って。すみません!すぐ調べます!っていうこと……ありますからね。これをやっちゃった人は大変な思いをするわけですよ。しかもその画像がグラビアアイドルだったりすると、バンドが清楚なイメージだったりすると大変ですよ。これは怖いね……音楽業界の方々、気をつけてくださいね。」
あるラジオディレクターの話。いつものように生放送の選曲をしていたディレクター。彼はとある洋楽のミュージシャンの新曲を放送でオンエアしました。……しかし、その曲はオンエア解禁前の新曲でした……勝手にマライア・キャリーの新曲が世界初解禁されてしまいました……。
「いわゆる、"解禁破り"という怖い話ですね。曲によっては、『新曲を何日の何時からオンエアできます』っていう決まりがあるんです。これは、固いかたいお約束なんですね。なぜかというと、今、音楽は世界で繋がっています。何日の何時からしかかけちゃいけませんっていうルールが決められているのに関わらず、それを破るということは……信用をなくすということになるし、海外のミュージシャンの新曲を日本で世界初解禁してしまったとなると、謝るまでに何人もの人を通って謝らないといけないわけですからね……しかも、マライア・キャリーですからね。これはやらかしましたね。」
「サカナクションも、例えば、『「多分、風。」を、サカナLOCKS!で初オンエア!その日の24時に一斉解禁!!』……ということがあるんですね。まず、サカナLOCKS!で初めてオンエアしてから他のところでかけてくださいよ、サカナLOCKS!が先なんですからね!って言っているにもかかわらず、他のところで先にかけちゃったとするとね……「多分、キレる。」(笑)」
「なぜそんなミスをしてしまうかというと、ラジオ局には、その曲の解禁前にCDのサンプル盤が配られているんですよ。そしてそこに、「◯月◯日◯◯時から解禁」っていう文字が書かれていたりするんですけど、意外とA4の紙資料に小さい文字で書かれていたりするんですよ。それに気がつかないと、マライア・キャリー勝手に世界初解禁みたいな事故が起こるわけです。これはね……ラジオディレクターならいつもいつも怯えている怖ーい話……世界初解禁を勝手にしちゃったらやばーいお話なんです……。これはいたる所である。だから、これから音楽業界に勤めて、発売前の曲を取り扱うことになる方たち、プロモーターの方たちとかね。気をつけてくださいよ。」
とあるレコード会社のプロモーターの話。紅白に出場したこともある大物歌手を、仙台のラジオ番組のゲストとしてブッキング。しかし、ラジオ局についてスタジオに入った時、彼は世にも恐ろしい言葉を聞いてしまったんです……「あれ?ゲスト、明日ですよね?」……なんと彼は1日スケジュールを間違えて仙台に大物歌手を連れてきてしまったのでした……。
「これちなみに、ビクターのプロモーターの話ですね。そのゲストは一泊して翌日ちゃんとゲストとしてその番組に出演したそうです。ふだんは東京にお住いの大物歌手を仙台に連れてきたわけですよ……新幹線に乗ってね。で、着いたらラジオが今日じゃないっていうことが分かったっていうことは……怖い話です。その夜、どんな接待が行われたのか(笑)。でも、この経験をしたことがあるミュージシャンは結構いると思いますよね。ラジオ局側のミスとかで準備ができていないとか、担当者がいないとか……何度かありましたからね。」
「他にもたくさんあるので、まとめてお伝えしていきましょう……音楽業界怖い話ダイジェスト!」
"MC中、対バン相手の大先輩ミュージシャンの名前が出てこなかった!"
"紅白歌合戦の本番中、返しのイヤモニの音にノイズが混ざって歌いづらかった!"
"特典映像の音声がずれていて、スタッフが謝ることになったが、ずっと甘がみだった!"
"とあるフェスのバックヤードで、とある武闘派ミュージシャンに「お前、なめてんのかよ!」と急にキレられた!"
"歌詞を書いていることで一夏ずっと外に出ないまま夏が終わった!"
「……ちなみに、これは全部サカナクションのエピソードです。うわー怖い。MC中、対バン相手の先輩ミュージシャンの名前が出てこなくて、来ているファンの人に教えてもらうっていうね……終わったらすぐ土下座しに行きました。紅白の時にイヤモニ(イヤフォン式のモニター)に大道具さんの「それどけろ!!」っていう怒鳴り声が本番中に聞こえるっていう……これも怖かったね、それで歌詞を間違えたっていう(苦笑)。あと、特典映像の音声がずれたっていう問題があって、ビクターの人がSCHOOL OF LOCK! の生放送教室に謝りに来たんですよ。そしたら、最後に「申し訳ありありま、ありませんでした。」って(笑)。笑いになったっていうね。あとね、フェスでミュージシャンの方にいきなりキレられたっていうのも怖かったですねー。それと、歌詞を書いていて、夏服をいっぱい買ったのに1回も着なかったっていうね……これは「新宝島」の時ですね。怖いですねー……こういうことがいっぱいあるわけですね。」
「さて、今日お話したのは音楽業界の怖い話なんですけど、最後の最後にちょっと違った怖い話をしたいと思います。」
「私がTwitterで上げた写真。ある楽屋の写真なんですけど……そこに、あるものがないの。普通の人ならある……あるものがないの。僕の鼻から上の顔と、ソファーに座っているドラムの江島啓一とギターの岩寺基晴が写っているんだけど、江島啓一の……左腕が消えちゃっているわけ。」
JWAVE LIVE終了。緊張した。 pic.twitter.com/fBmosgNRgk
— 山口 一郎 (@SAKANAICHIRO) 2017年7月21日
「カメラアングルって怖いね……。」
そして、サカナLOCKS! から新たな宿題が、ふたつ出ました!
その1『第1回 ミュージシャンしりとり大会』
"我こそはミュージシャンの名前を知っている!" という生徒同士が、ミュージシャンの名前だけで行う、しりとりバトル!この出場者を募集します。
その2『曲名俳句』
5・7・5の俳句の中に、曲名を入れたものを提出してください。
字余りしていても大丈夫です。
<例>
「夏が来た プールに飛び込む ウルトラソウル」
「大好きな 馬渕と食べる 真夏の果実」
参加希望、俳句は、どちらもサカナLOCKS! の [ メール ] に送るか、[サカナLOCKS! 掲示板 ] に書き込んでください。