聴取期限 2022年3月16日(水)PM 10:00 まで
〈ドアが開く音 ガラガラ〉
すず「………緊張しすぎて、もう水(ペットボトル)一本飲みきったでなぁ……!……あっ、挨拶しときましょうね!GIRLS LOCKS! 1週目担当、山之内すずです…!ひやぁああ来てくださるんかなぁ……!いま向かってる、とのことですが………」
(女子クラスの窓に人影が…)
すず「あぁぁ見えた〜〜〜!中に入ってきてください〜〜」
〈ドアが開く音 ガラガラ〉
ぺえ「"見えた"って、妖怪みたいに言うわね、人のこと!全然目が合わないわね、山之内すず!笑」
すず「ごめんなさい!笑」
ぺえ「なんだかすごい緊張してる、って話を聞いて。」
すず「心臓バックバクです、いま。」
ぺえ「なんでよ!なんでそんな震えてんのよ、あんた!笑」
すず「めちゃくちゃ緊張して!笑」
ぺえ「緊張するような相手じゃないわよ??笑」
すず「ぺえ教頭」
ぺえ「なぁに?」
すず「おひさしぶりです!!!」
ぺえ「……そうなんですよねー。笑」
すず「ほんとに、今日は来てくださってありがとうございます!笑」
ぺえ「こちらこそありがとね!笑」
すず「なぜお呼びしたのか疑問に思ってる生徒もいると思うのであらためて説明すると……ぺえ教頭がSCHOOL OF LOCK!の教頭先生に就任するときに、私が"お会いしたことがない"と話してしまったんですが、本当は以前、お会いしたことがあったんですよね!笑」
ぺえ「実はね!笑」
すず「ここに写真も用意させていただいてます!笑」
ぺえ「一緒に写ってる写真がね!笑」
すず「YouTubeとかもずっと観させていただいてるんですけど。」
ぺえ「ほんと??」
すず「私、ぺえさんのYouTubeを観ながら寝る、っていう…。笑」
ぺえ「最近?……どんな気持ちでそれ眠れるの??悪夢とかみない?笑」
すず「いや、めちゃくちゃ寝やすいですよ!笑 …覚えていただいててありがとうございます。」
ぺえ「ごめんね、たくさん強くあたっちゃって。そんなたいしたことでもないのにさ。」
すず「いやいや。笑」
ぺえ「20歳の女の子に”あたしのこと覚えてないのかしら”なんて、たくさん強く当たってちゃって、すずちゃんのことビビらせちゃってるわね、と思いながらも、ごめんなさい、って思ってたわよ。笑」
すず「いやいや、ありがとうございます!笑 またお会いできてすごくうれしいです!そして今月をもって卒業することになりました。」
ぺえ「なんでよ。笑 なにがあったの?笑」
すず「いや、なんかね、何もないんですけど!笑 卒業する前に直接お会いしたかったので、これで心置きなく卒業できます!」
ぺえ「なるほどね、この気持ちを伝えられたから?」
すず「はい、正面からごめんなさいができて。」
ぺえ「でも、SCHOOL OF LOCK!をちょっと離れたとしても、この戦いは終わらないわよ?」
すず「あれ〜〜???笑」
ぺえ「まだ楽しませてもらうわよ、私は。笑」
すず「終わらないんだ、これ。笑」
ぺえ「そうよ、いつ会ってもあの戦いをやらせてもらいますよ。笑」
すず「うわー、まじかー。笑」
ぺえ「でもね、私も本当にムカついて…とか、怒ってあんなこと言ってたわけじゃなくて、すずちゃんだったら明るく返してくれるだろうと思ったし、すずちゃんだからこその、突き抜けた明るさとポジティブさと根性と、そういうのを信じて私はいじり続けたというか。あなただったら私のこのいじりというか、当たりなのか、わかんないけど。笑 それをすごく面白く輝かせてくれるだろうと思って、私は信じ続けました。あなたのことを。」
すず「ありがとうございます!」
ぺえ「なので、全然、怒ってないからね?笑」
すず「やさしい。笑 愛のあるいじりをしていただいてると思ってました!」
ぺえ「本当に大好きだからね。」
すず「ありがとうございます…!せっかく機会をいただいたので、お話がしたいなと思いまして!」
ぺえ「本音でしゃべってよ?ちゃんと。」
すず「はい!いや、でも本当にお話ししてみたかったんですよ。ずっと。」
ぺえ「ほんとに?」
すず「ぺえさんって、繊細というか、いろんなことに気づかれる方じゃないですか。」
ぺえ「ありがとう。」
すず「こないだ、書き初めをしたときに、山之内のイメージがちょっと変わった、みたいなことをおっしゃってくださってたんですけど。」
ぺえ「そう!」
すず「どういうふうに変わった…というか、もともとわたしをどういう風な子だと思ってました?」
ぺえ「なんか、元々人間味があんまり見えない子だな、って思ってたの。でもそれって悪い意味では全くなくて、すごく明るいだったり、ポジティブだったり、いい部分をすごく前面に出してくれるから。でもその分、山之内すずの内面的な闇に近い深い部分っていうのを、私は見たことがなかったから。なんていうのかな、言葉を選ばなかったら、つまらないなって思ってたの。人間味が私にはどうも見出せなくて。
だったんだけど、あの書き初めのときに"前向きじゃない自分だったり、そういうものを受け入れつつ今年を頑張っていきたい"みたいなことを言ってたから、あのときに、明るさとポジティブで乗り切ろうとしてこれまでのすずちゃんと、なにか変わったのかなぁ、っていう。言ったら、なにかあった?みたいな。笑」
すず「なるほど!笑」
ぺえ「何かしら、自分の限界だったり、きっかけ、ターニングポイントになるものがここ最近あったから、ああいう言葉が出てきたのかなぁ、って思って。だから、私この10月からSCHOOL OF LOCK!をやらせてもらって、すずちゃんのGIRLS LOCKS!もずっと聴かせてもらってて、初めてそういう山之内すずの人間的な深いところを見れた気がして、すごく嬉しかったの。
でも、20歳でそれに気づくって、ものすごいはやいことだと思って。私はもうすぐ三十路になるんだけど。笑 ようやくここに来て、そういう景色だったりに気づけてきたから、すごい早いなぁって思ったんだけど…なにかあったの?」
すず「正直でも、私芸能初めてまだ3年なんですけど、上京してからもまだ丸3年くらいで。たしかにぺえ教頭のおっしゃる通り、たぶん自分のネガな部分というか、奥の部分をあまり人に見せるっていうのが、正直なかったんです。18歳くらいまでは。でも、いろいろ人との出会いやったりとか、いろんな気づきがあってからは、自分の弱みをめちゃくちゃ見せるようになったんです。でも見せるようになったらなったで、それもメリット・デメリットがあるなぁ、って感じだし。だから、ちゃんと(弱みを)見せる人、見せない人を見極める力も持たないといけないなぁ、って思ったし。
守りたいものっていうのが自分の中で少しずつ出てきて。なりたくない自分がたくさんあって。なりたい自分は見つけられなくても、なりたくない自分がたくさんあるから、まずそこだけはちゃんと守ろう、って。自分のことを一番に考えるっていうのが苦手な性格ではあるんですけど。だけど、自分のことをまず大事にするってなったときに、何が大事なんだろうってなったら、"自分のことをこれ以上嫌いになりたくないな"っていうのがあって。だから、それ以上嫌いになる材料を少しずつ減らしていきたいなっていうのがあります。めちゃくちゃしょうもないことですけど。」
ぺえ「いやいや、うれしいよ。いまの話をきけて。いますずちゃんは、デビューして3年?環境が大きくかわって、なんだか普通の人が背負えないものもたくさん背負ってる状況じゃない?きっとね。だからこそ、うれしいこともあるだろうけど、ものすごく誰にも言えない悩みがたくさんあるんだろうな、抱えてるんだろうな、って。だから、そんな気持ちを押し殺すために、たまに無理して笑ってるときもあるのかな、なんて思ったりして。正直ないまの悩みみたいなものをきいてみたかったから、素直な言葉できけてすごくうれしかった。
いま20歳になったばかりだけど、これからの人生、期待と不安だったらどちらが大きいですか?」
すず「いまめちゃくちゃ"期待"です!きっと自分、幸せになれるな、って自分が信じられるようになりました。」
ぺえ「ほう!ここに来て!」
すず「頑張ってりゃなんとかなる、生きてりゃなんとかなる、って言葉がずっと嫌いやったんで。それは、生きててなんとかなった人の言葉であって、きっと死ぬまで生きてて何ともならんかった人もおるし、死ぬ直前まで"あぁ、幸せになれんかった"って思う人もきっといるから、すずはそっち側の人間やったんや、ってずっと思ってたんです。
でも、この19〜20歳になって少しの間で、自分って結局自分のことが大好きやねんな、っていうのも自分が受け入れてあげられるようになったし。ってなったら、"いや、すず幸せになれるんちゃう?なれないことはないわ"って思えるようになったし。急に考え方が変わったというか。」
ぺえ「羽ばたこうとし始めてるわけね、いまここに来て。」
すず「そうですね。ずっと下を見るか、現状維持にいっぱいいっぱいやったのが、いまの自分が好きやなって思えた瞬間に、これまでの過去の辛いこともこれでよかったんや、って思えて、めっちゃ楽になりました。」
ぺえ「いまは幸せを感じてるというか、幸せだと思えてる?」
すず「いまは幸せだし、これから先もっと幸せになれるって思えてます!」
ぺえ「なるほどね。いいね。最初でもさ、右も左も分からない状態で、居場所を与えられたときにどんな気持ちだった?」
すず「それこそ、私芸能をもともと目指していたわけでもなくて、ただInstagramからスカウトしていただいて、たまたまTikTokが伸びて、たまたま恋愛リアリティーショーに出させていただいて、上京してすぐにテレビにも出させていただくようになって…っていう目まぐるしい日々のなか、私は何も考えず流れに身を任せてたら、いまこの場にいるだけで、ずっといま私がいる立ち位置を目指して何年も努力してる子もたくさんいるやろうし。そんな中で、(もともとは)強い思いを持ってたわけではないのに、ここに居てしまってる自分をすごく責めてしまっていた、というか。申し訳ない…って。そう思ってたからこそ、責任持って頑張らなきゃ、とは思ってましたけど。」
ぺえ「なんか、すごい冷静な視野を持ってるんだね。現実的な視野を。私もっと、非現実的な世界の思考が強いのかなって思ってた。ちょっとふわふわした感覚が強いのかなって思ってたから、そんな的確な、明確な答えが来て、すごいわかってるし、冷静にやっているんだなって思った。」
すず「考えるのが癖なんですよね!」
ぺえ「考え込みすぎて夜とか泣くことあるの?笑」
すず「最近なくなりました!笑」
ぺえ「最近?笑」
すず「1年前くらいまではたぶんずっとだったと思います。」
ぺえ「それは理由がある涙?それとも、理由もなく涙が出てくるような感覚?」
すず「理由がないのがほぼずっと、でしたね。でもそれはもう、1年半くらい前になくなりましたけど。」
ぺえ「でもいまみたいな、すごく人間的な山之内すずのお話、私はもっとききたい。」
すず「私も、見せたいな、とは思うんですよ。でも見せ方がわかんなくて。楽しい自分は楽しくしてたら見せられるけど。」
ぺえ「素直になっていいんじゃない?もう少し。結構いま本当の自分を見つけてるって感覚でいるかもしれないけど、心の奥にある闇の部分みたいな素をもっと認めてあげてもいいかもね。だとしたら、どうやって伝えたらいいんだろう、っていう感覚もなく気づいたら伝える体になってるから。笑」
すず「学び……!」
ぺえ「いやいや、そんな。笑 20歳の子に話すような話じゃない。笑 (職員から「そろそろ…」というメモが入って)そろそろだってよ。」
すず「はや!びっくり!!」
ぺえ「ようやくこんなに距離が縮まって、本音でこうやってお話しできたのに。なのにもう、女子クラスを卒業するのね。」
すず「そうなんですよ〜〜…!!!」
ぺえ「もう少し早く来ればよかったなー…!」
すず「でも、ありがとうございます!」
ぺえ「とにかく、卒業にはなるけど、生徒には変わりないから、告知とか言い訳なんでもつけていいから、遊びに来てよ。生放送教室にね。」
すず「遊びに行かせてください!」
ぺえ「帰るわよ。」
すず「ありがとうございました!このあとも生放送授業頑張ってください!こもり校長にもよろしくお伝えください。」
ぺえ「頑張りすぎないでよ、あんたも。」
すず「ありがとうございます。」
ぺえ「じゃあね!」
〈ドアが開く音 ガラガラ〉
すず「さー、今日はぺえ教頭といっしょに授業をしましたが、本当に素敵な人ですね。たくさんのことが見えてらっしゃる方で、愛情深い方だな、と改めて感じました。それでは、私とはまたこの教室でお会いしましょう!そして、明日が最後の登校です!ぜひ、授業に参加してもらえたらうれしいです。山之内すずでした!」
聴取期限 2022年3月16日(水)PM 10:00 まで