TOKYO FM SUNDAY SPECIALEARTH×HEART LIVE 2012 -pre special vol.1-2012.2.26. (Sun) ONAIR

フィッシュマンズ茂木欣一×サカナクション山口一郎

山口_僕は今まで自分の為に音楽を作る事ってしたことなくて、音楽を作る動機って何だろうと最近よく考えてたんです。だけど2012年になって音楽を自分の為に作ろうって気持ちが出てきたんですよ。何でかと言うと、自分の悩みを解消する為に音楽を作るという気持ちが新しく出てきて、この気持ちって大事だなと思ったんです。

茂木_うん。めちゃめちゃ大事だよね。

山口_だって僕の悩みが自分の歌で解決出来たら、同じ悩み、不安を持っているリスナーの人達の気持ちを解決するって事じゃないですか?」

茂木_うん。そっちの方がリアルだよね。

山口_それって音楽の力が具体的になった例だと思っていて、音楽で勇気をとか、愛をとかって今まで簡単に口に出来たけど作り手からすると、それは投げっぱなしに思えた。でも、自分の悩みや不安を解決する為に曲を作って、それを人に届けたいんだという気持ちを愛だとするなら、それは全部引き受けても良いかなという気持ちに2012年なれたんです。そしてこのタイミングでフィッシュマンズと共演出来るというのは大きなきっかけになれる気がしています。

茂木_僕自身、震災以降、言葉の聞こえ方も変わってきたし、テレビで指揮者の佐渡 裕さんが被災地を訪れて公演をしてらしたのを拝見したんですけど「ふるさと」をみんなで歌っていたんですよ。その時に "ふと口ずさめる歌" "ふと口をついて出る言葉やメロディ"が心を支えるんだと気付いたんですよね。
だから、山口君の作ったメロディを口ずさみながら明日も頑張ろう、と思える人もあちこちにいるわけだよ。この先のサカナクションの新曲が今話してくれた山口君の心境から出てくるかと思うと、すごい楽しみ。自分の本当の悩みや不安の先から出てきた言葉の方が、愛とか勇気とかに深く繋がりそうな気がする。


アルクアラウンド
サカナクション
(from Album『 kikUUiki 』)


鹿野_話を元に戻しますが、一郎がさっき話してくれた "自分の為に音楽を作る" という気持ちは2011年3月11日以降、色んな人達が世の中にいて、色んな人達が同じような悩みや考えを持ってる部分があるんだという事を感じて、そういう考え方になったの?

山口_それもありますね。だけど、人間って同じじゃないじゃないですか。皆、絶対に同じじゃない。ただ、ある種の倫理観みたいなもので繋がり合っていて、そこを犯すと否定をしたり、対処法を探したりすると思うんですけど、その倫理観みたいなものは自分にもあって。 2011年は大きな災害もあったから、みんなが倫理観を一線超えてきたので、不安をクリアする為にアクションを起こしていくことが出来たけど、2012年はもっとパーソナルな事に触れて、倫理を超えて来たものを音楽として作る気持ちが出来てきたと思います。教訓ではないですけど、経験した事で一つ見えた手法がありますね。



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