岩崎恭子さんが語る金メダル後の苦労(2016/07/30 放送)
先週に引き続き、今週も岩崎恭子さんをお迎えしました。
92年のバルセロナ五輪、14才にして女子200m平泳ぎで競泳史上最年少の金メダリストになった岩崎さん。一躍、時の人となったために周囲はかなり騒がしくなったようです。
92年のバルセロナ五輪、14才にして女子200m平泳ぎで競泳史上最年少の金メダリストになった岩崎さん。一躍、時の人となったために周囲はかなり騒がしくなったようです。
「正直、ホントに大変で。よく講演会で言うんですけど、“静岡県 岩崎恭子様”で郵便物が届くんですよ」「ホントに注目されすぎてしまって…」。学生生活については「(彼氏も)いましたよちゃんと(笑)」なんておっしゃっていましたが、水泳に関しては順調に行かなかったようで、94年の広島アジア大会と世界選手権には出場できなかったそうです。
「中3高1って全然自分の中でスイッチが入らなかったんですよね。人から見られることが凄くイヤだったりとか。昔、泳ぐのが楽しい!記録を伸ばすのが楽しい!試合ってなんかワクワクする!とかって思ってたのが全然なくなってしまって。とにかく目立ちたくなかったんですよね。速くなくても、負けたって記事に出たりとか。あ、負けても記事にされちゃうんだ、って」
そんな中、岩崎さんはアメリカへの遠征で以前行ったのと同じ場所で泳ぎ、そこで心境の変化があったんだとか。
「私、3年前に中1でここに来た時、今みたいな気持ちで水泳やってなかった。それこそ伸び盛りでなんでも楽しかったんですよね。そういうのをふと思い出して、私、今なんか違うなって。なんでも人のせいとか物のせいとか、それこそオリンピックのせいにしてるなって思った時に、いや、これは違うだろうと」
「いろんな人からいろんなことを言われて、ないこと、ないこと、ないことばかりを言われて凄く傷ついたんですよね。でも、別にいいやって。わかってくれる人はわかってくれるから、とにかく次アトランタに行こう!ってその時に決めたんです。そしたら、今なんかモヤモヤしてるオリンピックとかメダルってなんだろう?っていうのがアトランタに行けばわかるんじゃないかって」
それまでは日本選手権での優勝がなかったという岩崎さんですが、高2の時に初めて優勝。「今も日本選手権って歴代優勝者の名前が書いてあるんですね。で、そのプログラムを見た時に、私優勝してないからずっと名前残したいなって思っていて、そしたらその次の年には優勝できて。今でもホントにそれは凄く嬉しいんですけど(笑)」
そして、高校3年生の時に出場したアトランタ・オリンピックでは10位、予選落ちという結果でした。
「苦しかったですね。やっぱりオリンピックに出るということに集中しすぎてしまったのかな、っていうのは思うんですけど。とにかく泳いでいて壁が遠くなっていった気がしたぐらいきつかったんですけど、タッチした瞬間、ふうって楽になれたんですよね。なので競技者としては負けだったんですけど、自分の中でよくやれたな、って思えたんですよね」
「ちょうどアトランタで有森裕子さんが『自分で自分をほめてあげたい』っておっしゃったんですけど、帰国してから有森さんのインタビューを見て、私もこういう気持ちだったなぁって。でも、有森さんは2大会メダル獲ってるから全然次元が違うって思いながら(笑)…」
岩崎さんはアトランタ五輪の2年後、20才の時に現役を引退。コーチとしての道を進むため、2002年にはアメリカに留学します。
「アメリカってホントに数多くのオリンピック選手がいて。小さい頃どうしたらこういう選手たちが生まれるのかなって思った時に、ちょうどそこのスイミング・スクールもオリンピック選手を何人も出しているところでしたので。オリンピック選手のプログラムじゃなくって、子どもたちってどうやって練習してるのかなって興味があって。私は子供の指導のものを学びたいなと思って、アメリカに1年間行かせてもらいました」
2010年には第1回ユース・オリンピック競泳の代表コーチも経験。現在は日本水泳連盟の委員でもある岩崎さんは、次々と新たな才能が登場する現在の日本競泳界についてこんなふうに話してくれました。
「やっぱり小さい頃からのプログラムがしっかりしているっていうのはありますね。世界と比べても小さい頃のタイムも速いですし。あと、やっぱり北島康介選手の存在っていうのは凄く大きくて。メディアで取り上げてもらえる回数も多くなったので、たくさんの人に知ってもらえたっていうのも大きかったんじゃないかなって思いますね」
岩崎さんに今後の挑戦について伺うとこんな答えが返ってきました。
「2020年(の東京オリンピック)だけじゃないんですけど、スポーツ文化っていうのを日本に定着させるのが必要だなと思っていますね。それって地道にやっていかなければいけなくて。アメリカで過ごしていた時に、ホントにメダリストとかっていうことを讃えて凄く喜んでくれたんですよね。で、そういうことを日本でもちゃんとしていかないと。そのためにも選手自身もそれだけの人にならないといけないな、っていうのも思います」
番組ではそんな岩崎さんの挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました!「挑戦とは生き続けること!!」こちらの色紙を1名様にプレゼントします。このホームページ右のメッセージフォームから「岩崎恭子さんの色紙希望」と書いてご応募ください!