森雪之丞さんが布袋さんと氷室さんを語る!(2016/06/18 放送)
先週に引き続き、今週も作詞家の森雪之丞さんをお迎えしました。
今年で作詞家デビュー40周年。それを記念して2,400曲を超える作品群から選び抜いた173曲を収めた9枚組のCDボックス『森雪之丞原色大百科』がリリースされた雪之丞さん。実は、恵さんとはお子さんが同じ学校に通っているという関係で、運動会で一緒に「赤組頑張れ!」と応援したこともあるんだとか。
布袋寅泰さんに数多くの歌詞を提供してきた雪之丞さん。そもそもの始まりは、布袋さんが中学生の頃、雪之丞さんが作詞家になってすぐにご自身で歌ったレコード「雪之丞見参」を買ってくれていたそうです。「ま、ファンかどうかはわかんないですけど、怖いもの見たさだったんだと思いますけれども(笑)」。そして、布袋さんが91年のアルバム『GUITARHYTHM II』で日本語の曲を歌うという時に雪之丞さんにアプローチしてくれたんだとか。
「僕はいわゆる職業作詞家としてデビューしてますから、やっぱりロックのアーティストが僕をどう見てくれているかっていうのがとっても難しいことで。彼も凄い言葉が巧みな人なので、“言葉でセッション”みたいな…ま、単に酔っ払ってくだ巻いたってことなんですけど(笑)、そういうところからスタートしてます」と雪之丞さん。布袋さんとは一緒に旅行に行くなど、プライベートでもお付き合いがあるそうです。
「詞を書くってことが人生だって思えた時に、アーティストとの付き合い方も仕事の域を超えられたっていうか。一緒に人生を重ねるし、一緒に1つの作品を作っていくっていうふうになれたのが、布袋くんにしてもヒムロック(氷室京介さん)にしても、亡くなりましたけどhideにしても、そういう彼らとの日々っていうのが今の僕を作ってくれてるんだと思います」
ともに元BOOWYの氷室京介さんと布袋寅泰さん。お二人の関係については気になるところですが、氷室さんからは90年代の終わりごろに「雪之丞さんが布袋さんに書いた詞が素晴らしいから俺にも書いてくれ」というオファーが来たんだとか。
「僕はヒムロックからオファーが来た時に布袋くんにちゃんと相談はしたんです。“絶対に素晴らしいヴォーカリストだから僕は書きたい。で、もちろんその時に布袋くんとは絶対に違う世界を書くし”って話した時に、布袋くんは“わかった”と。“俺と向い合ってくれているように氷室にも向かい合ってくれ”って言ってくれたんです」
そんなロックの歌詞も手掛ける一方で、『おそ松くん』『キン肉マン』『ドラゴンボールZ』から最近では『魔法つかいプリキュア!』まで、アニメ・ソングの歌詞もたくさん書いてきた雪之丞さん。アニソンについてはこんなことをおっしゃっていました。
「作詞家として言えば、やっぱりポップなヒットを出している方が評価されるわけで。ただ、アニメは自由だったんですよ。逆に。結構いろんなアイデアがそのまま通ったし、やんちゃできたんです。挑戦できたってことです」「僕も自分の子供の頃の歌って凄い覚えてますし、それがこうやって今、逆に書く立場になった時にそのワクワクする気持ちっていうのは自分の中にあるんです。だから、アニメの曲を書けるんだと思います」
また、『ペテン師と詐欺師』や『シカゴ』といったブロードウェイ・ミュージカルの訳詞も手がけている雪之丞さん。2003年に鴻上尚史さん作のミュージカル『天使は瞳を閉じて』の音楽と歌詞を担当したのが楽しくてミュージカルの魅力に目覚め、その後すぐにブロードウェイに行っていろんな作品を観たそう。
「今までミュージカルなんてちょっと馬鹿にしてたりしたんですよ。ロックから出てるんで。そしたらその面白さが体中に蔓延して爆発したんですね(笑)。それで、書きたいと。ブロードウェイの作品を訳すとやっぱり自分もそこに参加できるので、凄い勉強になるんです」という雪之丞さん。今後の挑戦としては、日本で支持されて世界にも発信できるようなオリジナルのミュージカル作品を作りたいとおっしゃっていました。
この夏は、雪之丞さんが訳詞を手がけたブロードウェイ・ミュージカル『キンキーブーツ』の日本版が登場。7月21日から8月6日までは東京の新国立劇場中劇場、8月13日から21日まで大阪のオリックス劇場で上演され、8月28日から9月4日までは東急シアターオーブにて東京凱旋公演も行われます。主演は小池徹平さんと三浦春馬さん。シンディ・ローパーが音楽を手がけたという話題作です。
最後に、雪之丞さんのとっての挑戦とはなんですか?と尋ねると、「やっぱり生きることじゃないかなと思いますけど。で、ちょっと色っぽい詩人として言えば、挑戦こそが快楽かもしれない…というのはいかがでしょうか?」という答えてくれました。
番組では、そんな森雪之丞さんに挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました!こちらの色紙を1名様にプレゼントします。このホームページ右のメッセージフォームから「森雪之丞さんの色紙希望」と書いてご応募ください!