作詞家40周年!森雪之丞さんが語る名前の由来とは?(2016/06/11 放送)
今週は作詞家の森雪之丞さんをお迎えしました。
今年3月で作詞家デビュー40周年を迎えた雪之丞さん。それを記念して、2400曲を超える作品群から選ばれた9枚組のCDボックス『森雪之丞原色大百科』が発売されました。収録曲は厳選された173曲。「真面目に聞くと12時間弱かかる」という大ボリュームです!
今年3月で作詞家デビュー40周年を迎えた雪之丞さん。それを記念して、2400曲を超える作品群から選ばれた9枚組のCDボックス『森雪之丞原色大百科』が発売されました。収録曲は厳選された173曲。「真面目に聞くと12時間弱かかる」という大ボリュームです!
雪之丞さんの作詞家デビュー曲は、ザ・ドリフターズの「ドリフのバイのバイのバイ」。『8時だョ!全員集合』でもよく歌っていたというこの曲は、志村けんさんがドリフのメンバーになってから1曲目の歌なんだとか。この曲を書いたのは、雪之丞さんが21才の頃だったそうで、完成するまで1年ぐらい渡辺プロに通って渡辺晋社長から直接アドバイスをもらったそうです。
「フィラデルフィア・ソウル・サウンドなんで今聞いてもちょっといい感じですよね。ドリフのみなさんはやっぱり音楽大好きだったんです。だから、僕はど新人だったんで、音楽的なクレームとかはありました。いかりやさんなんかは言葉の一つ一つにもちゃんと注文つけてくださって凄い勉強になりました」
ロックの中でもグラム・ロックとプログレッシブ・ロックの両方から影響を受けたという雪之丞さん。今年亡くなったデイヴィッド・ボウイが初来日したのが大学2年生の時で、ボウイが漢字で“出火吐暴威”とデザインされた山本寛斎さん作の衣装を着て歌舞伎の演出を取り入れたステージを観たそう。そして、“森雪之丞”という名前はその時の体験からつけた名前なんだとか。
「僕はアメリカとかイギリスのアーティストに凄いコンプレックス持ってたのに、その新しいロンドンのアーティストがちゃんと歌舞伎というものを自分のショーに取り入れて、しかも楽しそうにそれを遊んでいるという姿に物凄く感動を受けて、“いや、先輩たちは横文字を名前に入れたりしてたんだけど、これからは歌舞伎、日本の名前を入れたりするのがロックじゃないか”と思ったんです」
「ロックにもケレン味があったし、デヴィッド・ボウイはそれを体現してたし、それによって、変な話ですけど、一ロック少年が新しい何かに目覚めたのかなと思います」
雪之丞さんが手掛けた作品の中には、榊原郁恵さんの「アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた」や、シブがき隊の「100%…SOかもね!」「ZOKKON命(ラブ)」といった斬新なタイトルがたくさんありますが、それにはこんな思いがあったそうです。
「先輩に素晴らしい作詞家の方がいっぱいいらっしゃったので、自分が何ちょっと面白いことできるかな、っていつも考えてたんですよね。だから、タイトルにしても今までにないようなタイトル、そして表記もちょっと新鮮な表記っていうふうにホントに考えていたんで…」
そして、雪之丞さんはご自身の作詞法、言葉の選び方についてこんなことを教えてくれました。
「僕らの時代はもう先にメロディーがあってそれに詞をはめるのがほとんどなんですけれども、そうするとリズム自体はもちろんロックのリズムじゃないですか。それに日本語をはめる不自由さがあったんですけど、日本語の中でも“ぞっこん”とか“そう”とか、英語に近いような言葉を探すと、ホントに自然にビートに乗ったんです。(シブがき隊の)♪NAI-NAI〜もそうなんですよね。Nightと一緒ですから。そういう言葉を探せば日本語も向こうのグルーヴと融合していけるのかなというふうに思ったんです」
また、作詞以外の挑戦としては、1985年にマイティ・オペラというバンドを結成。雪之丞さんはこのバンドのことをこう振り返ってくれました。
「11人編成のバンドを作ったんです。1つのショーができる、メッセージもあるんだけどショーができるというバンドっていうんで、ラッキィ池田とか今振付を頑張ってる香瑠鼓というアーティストとか、みんな若かったんですけど、4人でフロントやって、よしゃいいのに自分で歌って自分でダンスのレッスンに週一で通って(笑)。それで結局は2年ぐらいで結局はなくなったんですけども、その頃ホントにいろんなことが自分でも挑戦できたので、それは僕の大切な宝物になってます」
さらに、94年にはポエトリー・リーディングにも挑戦。これについてはこんなことを話してくれました。
「詞の朗読とかも始めたことがあるんですけど、それも自分で何か音楽がない言葉を探した時に新しい何かが生まれるんじゃないかなっていう。託している言葉と、自分が自分の言葉を発するっていうことの言葉の重さも感じますし、あと、また違った醍醐味があるなというふうに凄く思います。ポエトリー・リーディングの場合、もちろん音楽なしで読む場合もあるんですけれども、逆に音楽とのセッション、歌じゃないんだけれども、読む詞に音楽をセッションしてもらうっていうことで布袋(寅泰)君にアルバム1枚一緒に作ってもらったりして」
その中には、雪之丞さんと布袋さん、秋吉久美子さんが「天使」→「天真爛漫」→「万華鏡」という感じで、2文字ずつしりとりのようにポエトリー・リーディングを繋いでいく曲「悪魔にされた天使」もありました。
そんな曲も収録された森雪之丞さんのCDボックス『森雪之丞原色大百科』のリリースを記念して、6月13日(月)19時からタワーレコード渋谷店にてミニトークショー&サイン会が行われます。これはタワーレコード渋谷店で『森雪之丞原色大百科』を購入した方が対象です。