スキマスイッチがサブスク時代にCDへの思いを語る(2021/11/13 放送)
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今週は、スキマスイッチの大橋卓弥さんと常田真太郎さんをお迎えしました。
この番組には2015年12月以来、およそ6年ぶりの出演となるスキマスイッチのボーカル、大橋さんと鍵盤の常田さん。11月24日(水)には2枚のニューアルバム『Hot Milk』と『Bitter Coffee』を同時リリースしますが、2枚組ではなく2枚同時リリースにした理由をこう話してくれました。
この番組には2015年12月以来、およそ6年ぶりの出演となるスキマスイッチのボーカル、大橋さんと鍵盤の常田さん。11月24日(水)には2枚のニューアルバム『Hot Milk』と『Bitter Coffee』を同時リリースしますが、2枚組ではなく2枚同時リリースにした理由をこう話してくれました。
大橋さん「2枚組でも良かったんですけども、CDというものにこだわってずっと活動してきて。CDをリリースされないアーティストさんも増えてきたと思うんですけど。でもやっぱりCDというものにこだわってやっていきたいなと思っていて…」
常田さん「(今はサブスクやダウンロードだけの人も)いますいます。そっちの方が手軽なんで。インディーズとかアマチュアのみなさんとかも今、手軽に出せちゃう」
大橋さん「確かにそう(その方がお金もかからない)ですよね。物を作る値段はかからないですからね。データですからね」
常田さん「僕らなんかインディーズの時あったらやってたかもしれないです」
そして、お二人はCDへのこだわりについてこんなこともおっしゃっていました。
大橋さん「もちろん配信もリリースしますけども、やっぱりCDというものを手に取ってもらいたい」「ホントそう(もはや挑戦の域)かもしれないですね。だってCDプレイヤーを持ってない若い人たちもたくさんいると思いますから」
常田さん「なんなら(CDプレイヤーを)同時に買ってほしいぐらいの…持ってなければ。いいですよっていう。所有する感覚っていう。自分たちも未だに、CDと両方あったら僕はCDを買うんで。やっぱりクレジットを見て、歌詞カードを見て…」
大橋さん「逆に、今CDの時代じゃないけれども、複数枚出すことによって僕たちなりの表現の仕方というか、面白いんじゃないかなという話は出てましたね」
そんな2枚のアルバム『Hot Milk』と『Bitter Coffee』はそれぞれ7曲入り。『Hot Milk』の方は「今求められているものに答えて作った楽曲が入ってます」とのことで、CMやテレビ番組のために作られた曲が中心となっています。
大橋さん「CMでちょっと聞いたことがあったり、ちょっとテレビのオープニングで聞いたことがあったりとか、そういうので手に取りやすいほうは『Hot Milk』なのかなって。ま、いわゆる、ざっくり言ってしまうとタイアップ盤みたいな。そっから入ってもらって、ちょっと面白いなと思ったら『Bitter Coffee』みたいな感じで。それで7曲、ちょっと手頃な曲数かなと思ってその曲数にしたんですけど」
ちなみに、『Hot Milk』の1曲目に収録されている「OverDriver」は、恵さんが「いやー、スキマスイッチですねぇ。安心できますね」と感想を語った1曲です。
大橋さん「楽器をちょっと歪ませたりするエフェクターっていうものにオーバードライブっていうのがありますけど。あと、車のオーバードライブとかも言うじゃないですか。なんかこう回転数を上げて加速する、みたいな。なので、今いる位置からもう一歩前に加速して進んでいこうぜ!みたいな。ま、応援歌になればいいなと思って。そういう意味では、『全力少年』って曲が僕らあるんですけども、今の歳になって書いた『全力少年2』みたいな、そんなような曲に仕上がったかなと思いますね」
また、お二人は『Hot Milk』と『Bitter Coffee』の違いについてこんなこともおっしゃっていました。
常田さん「チャレンジの要素を“Milk”の方が入れてもらったというか、用意してもらった感じはありますね。そこに僕らがチャレンジしていくっていう。『Bitter Coffee』の方が自分たちでチャレンジを作ったというか、これやってみない?っていう感じで自分たち発信という感じですかね」
大橋さん「2枚のアルバム同時発売っていうこともあって、統一感と裏表みたいな、2つの両面が見えるといいなと思って。ミルク盤とかコーヒー盤って呼んでもらったりとか。それこそビートルズの赤盤・青盤のベストアルバム2枚とか。もしそういう呼び方をしてくれたら嬉しいなと思いますけどね」
スキマスイッチの楽曲はすべて、作詞作曲もスキマスイッチ名義。実際は歌詞を一人だけが書いているといったこともないそうで、どの曲もお二人の共同作業で生み出されているようです。
常田さん「結果的に1人が手を加えずにっていうのはないですね。1人が書き切ってるけど、それに対してアドバイスだったり、テーマを渡してたりとかもしますし」
大橋さん「(そのルールは)一番最初に決めました。半分は、いろんなことで変なケンカをしたりとか、そんなことしたくないよねって。健康的に音楽をやっていきたいよね、っていう思いもデビュー当時ありましたけどね」
「2人の関係性も もちろん楽曲作ってたりするとぶつかったりもしますし、いろんなことありますけど。でも好きな音楽っていうところで、向いてる方向がやっぱ一緒なんですよね。その趣味がぜんぜん違う方向に行ったら、変わるかもしれないですね」
今回のアルバム『Bitter Coffee』の方のラストに収録されている「あけたら」は、コロナ禍で思うように音楽活動ができなくなった時に出来た曲なんだとか。
大橋さん「時間がいっぱいあるから、じゃあ何かしなきゃなと思って、曲を書こうと思ったんですけど、いざ書き始めようと思うとなんかやっぱ気が乗らなくて。起きてテレビつけるといつもやっぱり同じニュースが流れてて。今日は何人だったとか。それを聞いてて僕も最初はちゃんと自分のままでいなきゃなって思ってたんですけど、曲を書こうとするとやっぱり何かそこに向かっていけない自分がいて」
「しばらく曲書けなかったんですけど、やっぱりアーティストとして、音楽家として、こうやって活動させてもらってるんだったら、その時の自分を記録しておきたいなと思って、それで1曲だけホント絞り出して書いたんですよね」
「しかも、今こういう状況だから僕は音楽で何かみなさんに勇気を与えたいとかそんな気持ちもまったくなく、もう自分のために書いたような曲で」
そうやって大橋さんが書いた曲に常田さんがアドバイスをしたことで、「あけたら」は2人の共作になったそうです。
大橋さん「この曲はすごく僕の個人的な感情を書き綴っちゃったので、まとまりきってないその文章を、真太くんが、じゃ、こんな感じでまとめたらどう?っていう提案をくれて。で、じゃぁそれはいいかもしれないなと思って、そこだけ僕もまた書き直してブラッシュアップしていったんですけど」
「だから、その『あけたら』って曲だけはちょっと特殊で、大橋卓弥を常田真太郎がプロデュースした、みたいな。なんかそんな楽曲になりましたね」
「でも、この『明けたら』を書いてみたら、すごく気持ちが楽になったんですよ。自分の中に溜まってた感情を吐き出せたような気がして。そこで僕すごい気づいたのは、不安だとかつらいとか、そういう感情が自分の中に溜まってたのかなと思ってたんですけど、たぶん一番大きかったのは“怒り”みたいなものだったと思うんですね。でもこれはどこにぶつける怒りでもなく…ま、コロナにぶつけてたんですけど。でも正体のないものっていうか、言えるわけもなく。なんかそういう憤りみたいなものを吐き出せたのが一つすごく僕の中では大きかったかなと思いますね」
来週も引き続き、スキマスイッチのお二人をお迎えします。