池井戸潤さん原作のドラマ『下町ロケット』、後半の展開は?(2015/11/21 放送)
先週に引き続き、今週も小説家の池井戸潤さんをお迎えしました。
池井戸さんの原作で、現在、テレビドラマが話題沸騰中の『下町ロケット』。明日放送される6話からは11月5日に小学館から出版された『下町ロケット2 ガウディ計画』の物語が展開されます。ドラマの前半はタイトル通り、ロケットのバルブがメインのお話でしたが、後半の原作となる『ガウディ計画』は、心臓の病気に使われる人工弁が物語に関わってきます。
実は、テレビドラマの後半用のお話がないということで、急遽書き上げたのが今回の『下町ロケット2 ガウディ計画』なんだとか。2カ所に取材をして書き始めたのが7月12日、そして書き終えたのが8月1日という急ピッチだったそうです。
「元々、書いてくれっていうのはあったんですけど、この時期に出したのは、TBSが6話から10話ないんですけど…って(笑)。エピソードないんですけど…と言っていて。で、冗談だと思ってたんですね。どうせ1冊でやるんじゃないのかなって話半分で聞いてたらどうも本当に困ってるみたいで…」
池井戸さんは先週、書き終わったものを一度プリントアウトしてから書き直すとおっしゃっていましたが、『下町ロケット2 ガウディ計画』に登場する女性キャラ、加納は当初、男性だったとか。池井戸さんは「僕が変えました。書き終わってから冷静に考えてみたら、なんか女の子の方がいいような気がして…」と話してくれました。
『下町ロケット』以外にもたくさんの作品がドラマ化されている池井戸さん。原作者としてどの程度ドラマに関わっているのか気になるところですが、こんなことをおっしゃっていました。
「(ドラマのことは)あんまり聞かないですね。聞いてもわかんないですから。で、じゃあこの人になりましたって言われてそれはやめてくれとは言えないし。いや、言う人もいるかもしれないですけど。だって、視聴率に責任持ってるのは局の人なんで。視聴率が良くても悪くても作家は関係ないじゃないですか。読者は今、別物だと分かって読んでるので。ただ、ドラマの出来がいいと本に戻ってきてくれる、視聴者から読者になる方も多いので、上手に作ってくれるといいなぁとは思ってます」
「本とドラマってストーリーの進め方が違うんですよ。なんでかって言うと、小説って基本的に内面描写で進むじゃないですか。だけど、内面描写を写せないので、テレビは映るものでしか進められないんですよ。あと、台詞と。そうすると同じ構造を持った同じ進め方でドラマを作るとたぶん上手く行かないと思うんですよ」
「(ドラマを見ていてやりすぎだと思うことも)ありますね。まぁだけど、このくらいやらないと伝わらないのかなと。僕は読者のことはある程度わかってるつもりですけど、視聴者のことはわからないですからね。物語をドラマ化するときに根本的なことについてはちょっと指摘したりすることもありますけど」
ちなみに、恵さんが演じた神谷弁護士について、池井戸さんはこうおっしゃっていました。「神谷弁護士凄い良かったですよ。評判も良かったし、実際。ホントです。良かったと思います」
池井戸さんの原作で、現在、テレビドラマが話題沸騰中の『下町ロケット』。明日放送される6話からは11月5日に小学館から出版された『下町ロケット2 ガウディ計画』の物語が展開されます。ドラマの前半はタイトル通り、ロケットのバルブがメインのお話でしたが、後半の原作となる『ガウディ計画』は、心臓の病気に使われる人工弁が物語に関わってきます。
実は、テレビドラマの後半用のお話がないということで、急遽書き上げたのが今回の『下町ロケット2 ガウディ計画』なんだとか。2カ所に取材をして書き始めたのが7月12日、そして書き終えたのが8月1日という急ピッチだったそうです。
「元々、書いてくれっていうのはあったんですけど、この時期に出したのは、TBSが6話から10話ないんですけど…って(笑)。エピソードないんですけど…と言っていて。で、冗談だと思ってたんですね。どうせ1冊でやるんじゃないのかなって話半分で聞いてたらどうも本当に困ってるみたいで…」
池井戸さんは先週、書き終わったものを一度プリントアウトしてから書き直すとおっしゃっていましたが、『下町ロケット2 ガウディ計画』に登場する女性キャラ、加納は当初、男性だったとか。池井戸さんは「僕が変えました。書き終わってから冷静に考えてみたら、なんか女の子の方がいいような気がして…」と話してくれました。
『下町ロケット』以外にもたくさんの作品がドラマ化されている池井戸さん。原作者としてどの程度ドラマに関わっているのか気になるところですが、こんなことをおっしゃっていました。
「(ドラマのことは)あんまり聞かないですね。聞いてもわかんないですから。で、じゃあこの人になりましたって言われてそれはやめてくれとは言えないし。いや、言う人もいるかもしれないですけど。だって、視聴率に責任持ってるのは局の人なんで。視聴率が良くても悪くても作家は関係ないじゃないですか。読者は今、別物だと分かって読んでるので。ただ、ドラマの出来がいいと本に戻ってきてくれる、視聴者から読者になる方も多いので、上手に作ってくれるといいなぁとは思ってます」
「本とドラマってストーリーの進め方が違うんですよ。なんでかって言うと、小説って基本的に内面描写で進むじゃないですか。だけど、内面描写を写せないので、テレビは映るものでしか進められないんですよ。あと、台詞と。そうすると同じ構造を持った同じ進め方でドラマを作るとたぶん上手く行かないと思うんですよ」
「(ドラマを見ていてやりすぎだと思うことも)ありますね。まぁだけど、このくらいやらないと伝わらないのかなと。僕は読者のことはある程度わかってるつもりですけど、視聴者のことはわからないですからね。物語をドラマ化するときに根本的なことについてはちょっと指摘したりすることもありますけど」
ちなみに、恵さんが演じた神谷弁護士について、池井戸さんはこうおっしゃっていました。「神谷弁護士凄い良かったですよ。評判も良かったし、実際。ホントです。良かったと思います」
直木賞に輝いた『下町ロケット』ですが、『下町ロケット2 ガウディ計画』には“直木賞作品の続編”というプレッシャーはまったくなかったそうです。「全然意識しませんね。それよりか自分が面白いと思えるかどうかが一番大事なんですよね。そこが難しいですよね」
「あんまり賞のために書いたりとかしない方がいいですよね。絶対そうだと思いますよ。で、読者が何を読みたいかとかそういうこともあんまり考えない方がいいですね。なんでかって言うと、野球で言う“合わせにいっちゃう”感じになっちゃう。本とかは、これが求められてるからこれを書こうっていう性質のものじゃないですよ。本は、僕はこれが面白いと思うけどどう?っていう提案型ですから。だから、常に自分が面白いと思うものを、それを優先するしかないですね」
「何かちょっと売れたりするとそれを真似したりする人結構いるじゃないですか。それは一番良くなくて、みんなクリエイターなんで、そういうのはおいといて、自分が面白いと思うものをやるべきで、それでチャレンジするべきでしょうね」
「『下町ロケット』みたいな、中小企業で何かやろうっていう話ってよく出てくるんですよね。ところが次に問題になるのは、誰がやんの?って話なんですよね。大体、もの凄くやりたい!って手挙げてるヤツがいて、その彼に渡せばいいんだけど、そういう熱心なヤツがやらないと絶対に上手くいかないですよね。片手間でしかやってくんないとか、やるヤツがいないとか…ビジネスでもね、そうすると絶対に失敗すると思いますよね」
「圧倒的な熱量で挑戦していく人間が凄い力になるんですよね。周りをまず引きつけるし、アイツがあんだけ一生懸命やるんだったらちょっと協力してやるか…とかってなるじゃないですか。そこに熱がない冷めた仕事ぶりっていうのは何も生まれてこないですよね」
そんな池井戸さんに今後の挑戦について伺うとこんな答えが帰ってきました。「いつもだいたい挑戦ですよね。本を書くことが。ま、本売れないので。いかに読んでもらうかっていう。似たような話書いてるとかいろいろ言われますけどね。あ、気付かれたか…とか思いながらもやっぱり…」
↓こちらが『下町ロケット2 ガウディ計画』の単行本