動画プロデューサー、明石ガクトさんが語る映像と動画の違い(2021/10/02 放送)
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今週は、動画プロデューサーの明石ガクトさんをお迎えしました。
スマホ向けの動画をプロデュースする一方、ラジオではTOKYO-FMの番組『News Sapiens』にレギュラー出演している明石さん。“動画”は「一 対 多」であるテレビとは違って「一対一」なので、ラジオと似ている空気なんだそうです。
「テレビの番組って、恵さんも『視聴者の皆さん』みたいに語りかけますよね。でも、ラジオって『リスナーのあなた』っていうふうな言い方をすると。これ、YouTubeで動画をやってるいわゆるYouTuberという人たちや、最近だとTikTokerって言われる人たちもみんなやっぱそう(ラジオと同じ)なんですよね」
「スマートフォンを持ってる時に、自分と画面の中の相手が一対一の関係で、そこで結びつきが生まれて、動画ってのは長い時間見られるようになってる、っていう世の中なんですよ」
IT企業での勤務を経て、2014年に動画の会社を始めた明石さんですが、動画の仕事を始めた頃はなかなか上手くいかなかったんだとか。
スマホ向けの動画をプロデュースする一方、ラジオではTOKYO-FMの番組『News Sapiens』にレギュラー出演している明石さん。“動画”は「一 対 多」であるテレビとは違って「一対一」なので、ラジオと似ている空気なんだそうです。
「テレビの番組って、恵さんも『視聴者の皆さん』みたいに語りかけますよね。でも、ラジオって『リスナーのあなた』っていうふうな言い方をすると。これ、YouTubeで動画をやってるいわゆるYouTuberという人たちや、最近だとTikTokerって言われる人たちもみんなやっぱそう(ラジオと同じ)なんですよね」
「スマートフォンを持ってる時に、自分と画面の中の相手が一対一の関係で、そこで結びつきが生まれて、動画ってのは長い時間見られるようになってる、っていう世の中なんですよ」
IT企業での勤務を経て、2014年に動画の会社を始めた明石さんですが、動画の仕事を始めた頃はなかなか上手くいかなかったんだとか。
「いや、ホントにねぇ、もう全然にっちもさっちもいかなかったんですよね。最初の頃」「自分としては正解だと思ってるんだけど、それが全然、社会の歯車に噛み合っていかないんですよね」
「よく若いやつが言うじゃないですか。俺は歯車になんかなりたくないんだ!って。いやいやいや、1回、歯車から外れてみ?と。めちゃめちゃ孤独だからって。世の中を動かす時に、自分が、新しい方向に世の中が動くための歯車を作んなきゃいけないんですよ。それが起業することだと思うんですけど、自分が“これ”だと思ってる“それ”が全然、社会に対して必要とされてない感覚というのは、もう虚しいしか言えないですね」
「ずっと、これ誰が求めてるのかわからないんだけど、だんだん、あなたたちのやってるこれはいいね、っていうふうに言ってくれる賛同者たちが現れて。そこに対してちゃんと報いたい、っていう気持ちで一個一個の仕事を丁寧にやってきて今があるって感じなんですよ。なんかすごい軽やかに成功したように見える人も…もしかして僕も含めてかもしれないですけど…みんな実は言わないだけで、すごい泥臭い血と汗を流しながらやってるんだと思うんですよ。僕に限らずですね」
動画プロデューサーの明石さんは、“動画”と“映像”の違いについてこう説明してくれました。
「基本的に動画は、私はコミュニケーションツールだっていうふうに思ってるんですよ。で、映像作品って、それを観て感動する、感動を求めるものですね。だから、ドラマを観て感動した、アクション映画を観て感動した、興奮した、みたいな」
「動画の世界って感動よりも行動」「動画の再生画面の下には、例えばコメント欄であったり、いいねボタンであったり、シェアする、拡散するボタンであったり、何かアクションするものが常に付いてるんですね」
「これ(動画)はやっぱりテレビみたいに1度に大勢に見せるものでもない。で、映画館のように、そこに1800円払って、みんながそこに集まって観るものでもない。動画っていうのは一人一人が自分の手のひらの中のスクリーンで見るものだから、そこでなんかアクションしてくれないと、その見たことが世の中にムーブメントとして伝わっていかないんですよね」
「故に、僕がウチのスタッフとか動画に携わる人に口を酸っぱく言ってるのは、映像は感動させることが目的だけど、動画は行動させることが目的だから、ちゃんとそれを見た後に、見た人が何か一個アクションすること。で、それを目指して作りましょう、これが一番の違いです、みたいなことを言ってますね。そこでなんかアクションがあって、動画の作り手・クリエイターたちもそういうアクションに対して答えていくわけですよね。そこにインタラクティヴさがあるんで、動画に夢中になる人は多いと」
明石ガクトさんは、1982年9月7日生まれの39歳。子供の頃からインターネットがあった世代ではありません。
「いやぁ、全然ですよ。インターネットは中学校の終わりか高校1年かそのぐらいかな」
静岡県出身で、高校卒業後は東京に出てきて、上智大学に進学したそうです。
「なんか見た目的にあんまり上智大学っぽくないって言われるんですけど(笑)」
元々は雑誌の編集者になりたくて受験勉強をしていたという明石さん。動画を作ろうと思ったきっかけは、受験勉強をしている時に聴いていた音楽だったようです。
「特に僕、MTVによく出てくるようなアーティストとかがすごい好きで、大学行ったらミュージックビデオとか作ってみたいなと」「で、大学進学した後に、もうすぐにそういう映像系のサークルに入ろう!というふうに決めて入ったわけです」
明石さんが大学に入った頃はちょうど、パソコンを使って手軽に映像を作れるようになってきた時代でした。
「いわゆるパソコンで音楽を作れるようになったことをDTM(デスクトップミュージック)っていうんですけど、これのビデオ版がちょうど…僕2002年に上京してきてるんですけど…その頃ですね、だんだんそれが普及してきた。で、これは面白いなと」
「で、いわゆる映画ではなく映像、実験映像的なものを撮ってたんですけど…これね、前に本にも書いたんですけど…ちょっとアグレッシヴな映像ばっかり撮っていて。上智大学の屋上に忍び込んで、熟したトマトを投げるスペインのトマト祭りみたいなのをやるんですけど、なぜか格好が裸で、股間にソックスだけ付けてる、みたいなね。これはもうホント怒られてね、守衛さんが飛んできて。そういうビデオをいっぱい撮ってたんですね(笑)」
そして、明石さんは大学卒業後に映像業界ではなく、まずはIT企業に就職したそうです。
「当時はITバブルだったんですね。堀江貴文さんとかが一番ブイブイなってた時。で、そん時にちょうどYouTubeが…ここでYouTubeなんですよ。僕それまで、そういう実験的な(笑)映像をいちいちDVDに焼いてそれを配っていたんです。で、ホール借りてそこにみんなに来てもらったりとか…」
「…っていうのが、これ何?(YouTubeだと)動画のデータをアップするとパソコンで見れんの?と。配んなくていいの?って。これすげえじゃん!これ世界変えるよ!っていうふうに思って。これはやっぱりインターネットの世界に1回行ったほうがいいんじゃないかってことで、映像ではなくインターネット業界に1回行ってみようと思ったんですね」
来週も引き続き、明石ガクトさんをお迎えします。