渡辺徹さんが『太陽にほえろ!』の思い出を語る(2021/09/25 放送)
Podcast
先週に引き続き、今週も渡辺徹さんをお迎えしました。
今日と明日の2日間、還暦とデビュー40周年を記念したイベント『徹まつり』を開催する渡辺さん。実は、今日9月25日でちょうどデビュー40周年なんだとか。
今日と明日の2日間、還暦とデビュー40周年を記念したイベント『徹まつり』を開催する渡辺さん。実は、今日9月25日でちょうどデビュー40周年なんだとか。
「俺、『太陽にほえろ!』でデビューしたんですけど、それの第1回目『ラガー刑事登場!』というのが、40年前(1981年)の9月25日(放送)だったんですよ」
1972年に始まった国民的刑事ドラマ『太陽にほえろ!』。渡辺さんがこの作品に出演することが決まったのは、劇団『文学座』の研究生だった頃で、ご本人曰く“青天の霹靂”だったそうです。
「文学座に入って1年間、授業をやって。で、上のクラスに残ったんです。残って最初の授業がジャズダンスかなんかで、スタジオに行ってたら劇団から電話がかかってきて。これから来いと」
「行ったら、会いたい人がいるって言われて。誰に、何のためなのかわからないんだけど、3人のオジサンがいて。で、免許持ってんだよね?とかいきなり質問が始まって。もう5分か10分ぐらいで。なんだったんだろうなぁ?と思って終わったんだけれども…」
「それから2ヶ月ぐらいしてかなぁ。劇団のほうから、ちょっと日本テレビ、テレビ局へ行くぞ!って。テレビ局初めてですから、ええっ!?と思って行ったら、そのオジサン方がいて。で、キミに決めたからよろしく!っていうのがきっかけっていうか」
実はそのオジサンたちは、その前に渡辺さんが出演した『文学座』の研究生の発表会を見に来てくれていたんだとか。
「『太陽にほえろ!』ってその当時、新人をこの年探そうってなると、まず『文学座』から見に来てたらしいんです。だから、先輩の(松田)優作さんとか、宮内(淳さん演じる)ぼんぼん刑事とか、山下真司スニーカー刑事とかってみんな文学座なんですけど」
「てか、俺はまぁピントが合わないですよね。だって、自分も大ファンで見てて、“太陽にほえろ!ごっこ”って小学校の時、茨城県でやってたんですから。それをお前がやれ!って言われて、ええっ?!って」
「で、ビックリするまま、これはすごいことが起きたと思って。当時、家賃1万のとこに住んでたんだけども、電話なんかないから小銭いっぱい用意して電話ボックスへ行って、まず実家に電話して。そしたら親父に、バカなこと言ってんじゃねえよぉ!とか言われて切られちゃうしね。で、友だちに言っても、なに言ってんだよ!ふざけんなよ!とか言って相手にしてもらえない、っていうところから入りましたから。誰も信じてくれない(笑)」
渡辺さんは『太陽にほえろ!』に出始めた頃のことをこう振り返ってくれました。
「言ってみれば、初めての仕事。で、初めてプロの皆さんと…劇団にいるって言ったって研究生同士でやってて、それが初めて会ったのが石原裕次郎さんですからね」
「とにかく緊張で、ずぅっとうすーく耳鳴りがしてたことを覚えてますね。緊張して対話してても上の空っていうか。目の前で石原裕次郎さんが俺の名前を呼んで話しかけてくれる…テレビで見てた、長さん、山さん、ゴリさんが肩組んで、おーい頑張ろう!って言ってくれている…なんか現実味がなかったっていうか」
渡辺さんが石原裕次郎さん(『太陽にほえろ!』の主人公・ボス役)と初めて会ったのは、事前にプロデューサーに連れられて、入院している裕次郎さんを訪ねた時だったとか。
「ボス一人じゃなくて、取り巻きのスタッフの皆さんがダァっとベッドの周りにいて、促されて挨拶したんだけれど、ボスが、ああ、どうも、って言って後はあまり関わってくれなかったんで、うわぁどうしよう…と思ってたら、ちょっとしたら、ちょっとみんな出てってくれ、って言うんで、俺も出てこうとしたら、いやキミは残れ、って言われて。気がついたら二人っきり」
「ったら、ベッドから立ち上がって俺の目の前に来て、両手で俺の右手をギュゥッと握りしめてくれて、よろしくな!と。で、今ちょっと俺、現場に迷惑かけちゃってるけど、その分よろしく頼むぞ、と。で、その代わり、いいか?現場復帰したら同じ役者同士ライバルだからな?負けねえぞ!って言ってギュッと抱きしめてくれて」
「で、その時ねぇ、なんていうんだろなぁ、もう俺、この人のためだったら死んでもいいんじゃないか、っていう。そういう気持ちにさせられる人だったかなぁ。ぜんぜん偉そうぶらないっていうか、気さくで何でも相談しろって」
渡辺さんは今日、還暦とデビュー40周年を記念したイベント『徹まつり』の第1弾『いまさらふたりで Part.2 朗読劇“家庭内文通”』を開催。こちらは奥様の榊原郁恵さん、さらには息子の渡辺裕太さんとも共演する朗読劇です。
そして、明日9月26日(日)には『徹まつり』の第2弾として、お笑いライブ『徹座6』を開催します。
「渡辺徹プロデュースお笑いライブということで、今年でもう6年目になるんですけども。極めて贅沢な話、これはもう普段から仲良くさせてもらって、仕事やなんかで一緒で、飯食いに行くとかやってるメンバーで、こんだけ仲いいんだったらなんかやろうか?って言ったら、やりましょう!やりましょう!ってことで立ち上がった企画なんですけど」
「徹座の座員って言ってくれてるのは、中川家とか、友近とか、サンドウィッチマンとか、和牛とかそういったメンバーで。んで、今年は俺、デビュー40周年っていうのを冠に付けてるんで、ものまねのコロッケさんが友情出演で出て頂けるという」
「俺はお笑いファンとして、自分がなんか芸があるわけじゃないので、好きな芸人さんのネタをたっぷり見させてもらおうっていうのが基本。で、合間とかテーマとか進行とかはいろいろ俺が企てて」
そんな『徹まつり』の会場は東京の草月ホールですが、配信でもご覧いただけます。詳細はこちら→渡辺徹 ㊗️還暦&デビュー40周年記念イベント【徹まつり】(Twitterへのリンクです)でご確認ください。
渡辺さんは城西国際大学メディア学部の特任教授も務めています。
「まぁ、特任教授ということで、ご縁を頂いてね。これとあと、芸大(東京藝術大学)の非常勤講師っていうのをやらせてもらってるんです」「人との出会いですけどね、全部がね、繋がりが」
そして、渡辺さんはこれまでに行ってきた様々なチャレンジについてこんなことをおっしゃっていました。
「自分から、よいしょ、ってチャレンジしようと思って始めたわけではなく、自然の流れ。ことに一番大きかったのは、今も言いましたけど人との出会いですね。ぜんぶ出会いから始まってるんで、真っ白なとこからあれやりたい!つって始めたっていうよりは、あの人と出会ったんでこれが始まった、っていうのが多いのかな。だから、結果それがチャレンジに繋がってんのかもしれないですね」
最後に、渡辺さんはご自身にとっての挑戦についてこう話してくれました。
「(挑戦とは)血液ですね。血ですね。なんか回りくどい言い方だけど、流れてなきゃいけないもんなんで。止まったら終わっちゃうっていう。だから、常に挑戦してるっていうことが、流しとかなきゃいけないし、また、流してることだから結果、挑戦になっているっていう。立ち止まらないっていうことなのかなと思いますね」
「マグロみたいな。止まったら死んじゃうっていうのをいつまで続けられるかっていう」
「ま、今の時代、コンプライアンスとかいろいろあるから、破天荒なことがそう許される時代ではないんだけど、なにも破天荒でなくたって。普通、比べる必要はないんですよね。特別なことをやることが挑戦なんじゃなくて、自分の中の針が振れることをやることが挑戦だと思うんで」
「(自分の中で針が振れてれば)そしたら挑戦だと思います。繰り返しでもいいと思うし」「新しいことを見つけてやろうと思ったら、もう先人がいっぱいやってますしね。で、それがないからって望みがないわけではないので。自分の人生ですからね」
番組では、そんな渡辺さんの挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました!こちらを1名様にプレゼントします。このホームページのメッセージフォームから「渡辺徹さんの色紙希望」と書いてご応募ください!