実は活字向きだった?ふかわりょうさんが最新エッセイ集を語る(2020/11/28 放送)
今週は、ふかわりょうさんにリモートでお話を伺いました。
恵さんと出会って26年になるという ふかわさん。今月11月17日に発売となった書き下ろしの最新エッセイ集『世の中と足並みがそろわない』が好評です。
エッセイ自体の面白さもさることながら、その中に登場する“アイデアの陣痛”、“ラジオは道の駅”、“DJはスタイリスト”といった独特の表現が「心に刺さった」というのは恵さん。ふかわさんはそれを受けてこう話してくれました。
「恵さん、今褒めて頂いたと捉えてるんですが、今、自分で気づいたことがあります」
「そういった言葉を今までずっと放ってきたんですけど、活字でなく、対面したバラエティ番組とかそういう場で放つと、“イラッとする”で片付けられていたんですね。それは、私の表現、声のトーンとか表情や間がそうさせていたと思うんですけど、活字向きだったということなんでしょうかね」
恵さんと出会って26年になるという ふかわさん。今月11月17日に発売となった書き下ろしの最新エッセイ集『世の中と足並みがそろわない』が好評です。
エッセイ自体の面白さもさることながら、その中に登場する“アイデアの陣痛”、“ラジオは道の駅”、“DJはスタイリスト”といった独特の表現が「心に刺さった」というのは恵さん。ふかわさんはそれを受けてこう話してくれました。
「恵さん、今褒めて頂いたと捉えてるんですが、今、自分で気づいたことがあります」
「そういった言葉を今までずっと放ってきたんですけど、活字でなく、対面したバラエティ番組とかそういう場で放つと、“イラッとする”で片付けられていたんですね。それは、私の表現、声のトーンとか表情や間がそうさせていたと思うんですけど、活字向きだったということなんでしょうかね」
今回のエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』は、ふかわさんにとって、“とにかく自分自身をさらけだそう、というある種のチャレンジ”だったとか。
「ハタチでこの世界に入り、ずっとコンプレックスだったのが、完全にさらけ出せてないな、っていうのがあったんですね。なので、私の文章表現は非常にクセがあり、決してボキャブラリー豊富ではないんですが、とにかく心の中に溜まっている“淀み”みたいなものを全部さらけ出してみよう、っていうことで始まったんですよね」
「1月末にですね、今回の新潮社さんのある男性の方から、興味があるのでちょっと書いてみませんか?と、ホント軽い感じで言われて。つまり、軽いというのは、別に書籍化を約束するわけではない、という船出だったんですね」
「で、私も書くのは嫌いではなかったんですけど、さらけ出すって何をさらけ出したらいいんだ?ってなった時に、やっぱり自分の中でなんかモヤモヤすることをちょっとずつ出していってみようかなと。今まではどうでもいいと一蹴されていたものを、この文章だったら聞く耳を持ってもらえるかな?と思って書き始めたのが、今回のスタートラインでしたね」
『世の中と足並みがそろわない』には、ふかわさんが“浮力の神様”と表現するタモリさんについてのエッセイも収録されています。
「今回、一番最初に書いたエッセイなんですね」
「全編を通してなんですけど、ホントに日記を綴る気持ちで。特にタモリさんに関しては、テクニックとかそういうことではなく、ありのまま感じるままを書かせてもらったので。で、これを誰にも押し付けるわけでなく、私が見た風景をどうにか伝えたい、っていうだけだったので」
「『笑っていいとも』の後に、お蕎麦屋さんとかラーメン屋さんとかにもくっついていって。全然変わらないんですよね。自然なんですよね。アルタのステージに上がる時と、お蕎麦屋さんの暖簾をくぐる時と、ゴルフの打ちっぱなしに行く時と、そこに気持ちの切り替えが一切見えない」
「ましてや、その延長で私の一人暮らしの部屋にやってきて、ベッドで仮眠を取るという(笑)。いやぁもう、ちょっと夢の世界のような、不思議な。でも、ホントに貴重な経験です。私一人しかいないのに、“誰でも弾けるチック・コリア”やるんですよ? いやもう、どういう感覚で生活されてるのかなぁ、っていう感じなんですけど。はたまたその一方で、タモリさんの経営するお店に伺えば、誰よりも声出してホールで動いてるという」
高校2年生の時に芸人を志し、大学2年生だったハタチの時にデビューしたというふかわさん。芸能界でのイメージとは少し違って、学生時代は陸上部で足が速く、人気者だったそうで、本を読んでそのことを知る人にとっては「かなり意外だと思いますね」とご自身でもおっしゃっていました。
「私はどちらかと言うと学生時代の方が日の当たる場所だったというか(笑)」
ちなみに、ふかわさんは、1974年生まれの現在46歳。ミュージシャンやクラブDJとしても活動していますが、子供の頃からピアノを習っていたそうです。
「ずっと嫌だったんですけど、兄が2人いて、みんな順番に習わされて」
「今でこそ、男性がピアノを弾く、男の子がピアノを習うのはそんな違和感ないのかもしれないですけど、当時はぜったい誰にもバレちゃいけないと。ホントに忍者のようにピアノ教室まで通ってました」「でも、嫌々ながらも始めたのが、私の人生において凄く大事なものとなって親には感謝してますね」
そんなふかわさんが芸能界を目指した理由はテレビだったとか。
「とにかくテレビの中に入りたかったんですよね。この面白い世界になんとしても入りたい、っていうその一心ですね。テレビっていうものをもの凄く愛してしまって、このテレビという大きなテーマパークのいちキャストになりたいな、っていう。そういう思いが強かったですね」
また、ふかわさんは慶応大学の経済学部出身ですが、そのことについてはこうおっしゃっていました。
「テレビの世界に入るにはどうしたらいいんだろう?って思って。今でこそいろんな四大卒の方も多いですけど、当時はあまり見当たらなかった大学卒の芸人さんだったら少し入りやすくなるかな?って。そういう下心が…」
「ただ、決して、学ぶこと自体は私は嫌いではないので、それが自分の個性というか。いわゆる志村さんのようなことができるわけでもない。モノマネができるわけでもない。芸というものが自分の中ではないので、一つの武器というか、何か個性を、っていうことでそういう道を選びました」
ふかわさんは今回のエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』に関連して、こんなこともおっしゃっていました。
「もしかすると、これも活字の力かもしれないですけど、今までは私が関心を持つことを何か発すると、いや別にそれどうでもいいんだよ!と。割と拒否されていたんですよね。だから、そういった関心を持つ部分がなんかみんなと違うな、みんなはどうでもいいと思うけど、いや僕はあんまりどうでもいいと思わないんだけどな…っていうことがずっとあって。そういう意味でも“足並みがそろわない”っていう気持ちになるんですが…」
「(恵さんに)褒めて頂いてホントに光栄なんですけど、文才自体はホントにないと思ってます。ただ、みんなを信用してさらけ出すっていう気持ちに素直になれたな、っていうことだけはこの本で感じました」
来週も引き続き、ふかわりょう さんをお迎えします!