宮本浩次さんが50代でソロ活動を始めた理由とは(2020/11/07 放送)
先週に引き続き、今週も宮本浩次(ひろじ)さんにリモートでお話を伺いました。
エレファントカシマシのメンバーとして1988年にデビューした宮本さん。昨年2019年には53歳にしてソロ活動を始めましたが、このタイミングでのソロ活動には、自分の夢をもう1回リスタートさせたいという思いがあったそうです。
「もう大人なんですね。私も54で…」
「老人になっていくわけですから、もはやね。その中でまだ老人の初期段階ですので、最後の青春で…」
エレファントカシマシのメンバーとして1988年にデビューした宮本さん。昨年2019年には53歳にしてソロ活動を始めましたが、このタイミングでのソロ活動には、自分の夢をもう1回リスタートさせたいという思いがあったそうです。
「もう大人なんですね。私も54で…」
「老人になっていくわけですから、もはやね。その中でまだ老人の初期段階ですので、最後の青春で…」
「私、いつまでこうやって歌えるんだろう?って思う。そうすると、自分が元気に歌えるうちに凄くいいスタートを、ソロっていうのを今のタイミングで できてるのは私ホント幸せっていう。ま、幸せっていうか、戦わなきゃいけない、受け入れなきゃいけない部分と、その抗っていく部分と両方感じながらね」
そして、今年3月に初のソロアルバム『宮本、独歩。』をリリースした宮本さん。これまでは“アナログな部分で勝負”してきたそうですが、ソロ活動を機にインスタグラムも始めました。
「東京スカパラダイスオーケストラの谷中(やなか)さんっていう方が、会うとけっこう写真を撮って、宮本くんインスタに上げるよ!って言ってて。それは4年ぐらい前なんですけど、インスタの意味がその時はわからなかったんですね。インスタってなんですか?って言ったら、彼がこういうのがあるんだよ、つって。ま、彼は同い年なんですけど。66年生まれで。凄いカッコいいんですけど」
「で、ソロを機会に何かそういう自分から発信するものをやりたいなと思って。3月にソロアルバムを出すタイミングでインスタグラムをやるようにしたんですね」
また、宮本さんは今年、弾き語り生配信にも挑戦。ご自身の作業場で歌ったものをそのままファンに届けられて、すぐに反響が返ってくるのは凄く新鮮で楽しかったとおっしゃっていました。
さらに、宮本さんは今月11月18日に初のカバーアルバム『ROMANCE』をリリース。「女性の味方なんじゃないか?って、わたし錯覚を起こすぐらい、女性の歌を歌えて良かったって。だから、みんな絶対に喜んでくれている、っていうふうに思ってます」とおっしゃっていたように、今回のアルバムでは女性シンガーの曲をカバーしています。
「このあいだ人に言われたのは、自分の“女性性”みたいな。男でも女でも女でも男でも、自分の中に異性を感ずる部分っていうのはあるのかもしれないじゃないですか。例えば、母親の影響とか彼女の影響とかって、私やっぱ凄く強いんじゃないかって」
「例えば、母親が歌が好きで、合唱団に入ったらそのままそれを職業にするっていうのかなぁ。浮世絵なんかも凄く好きで…そういうのもハタチぐらいの時に彼女が絵とか詳しかったりするじゃないですか。その影響でそのまま浮世絵好きになっちゃったこともあったり」
「自分の中の女性性みたいなものを開放したんだ、君は!みたいなことを言われて。あ、そういう面もあるのかもしれないな、っていうところもありますし」
今回のアルバムのタイトルにもなっている岩崎宏美さんの「ロマンス」について、宮本さんはこう語ってくれました。
「ま、それは阿久悠さんの歌詞ですけれども、もしもとべるならとんでついていく たとえ嵐でも たとえ遠くでも…私は貴方に飛んでついていくのよっていう。そういう女性の気持ちが…ま、実際飛んでこられると困っちゃうところもあるのかもしれないですけど…でも、その気持ちっていうのはやっぱ凄いピュアで泣ける部分があったりとか」
また、梓(あずさ)みちよ さんの「二人でお酒を」についてはこうおっしゃっていました。
「その女の人がうらみっこなしで別れて。でも、淋しくなったら二人でお酒を飲みましょう、って言ってる。弱いのか強いのかわからない、その複雑な…別れたらもう別れなさい!ビシッ!じゃなくて、淋しくなったらお酒を飲みましょうよ、って言ってる。別れ際にそれを言う女心の優しさなのか、複雑さなのか。ホントに自分で言っててグッときちゃうぐらいの女心っていうのかな…。流行歌って素敵だなぁって思いました」
そんな「ロマンス」や「二人でお酒を」のほか、松田聖子さんの「赤いスイートピー」と「白いパラソル」、松任谷由実さんの「恋人がサンタクロース」、中島みゆき さんの「化粧」など、宮本さんが今回のカバーアルバム『ROMANCE』で歌っているのは、ほとんどが70年代と80年代の曲です。
「時代もさることながら、やっぱ専門の作詞家やプロの歌手の、その相まった総合力っていうのかな。岩崎宏美さんがそれ(ロマンス)を歌ってるんですけれども…若い、10代の岩崎宏美さんが、そういう大人の男性の書いた歌詞を歌い、でもそれが充分な説得力を持ってこっちに迫ってくる」
「で、けっこう我々の中にはそういう純粋なものっていうのが流れていて、それを目覚めさせられる感覚がやっぱあるんですよ。こういう素敵な歌を歌ってると。聖子さんの歌もそうだし、岩崎宏美さんの歌もそうだし、ユーミンの歌も」
「中島みゆきさんの、バカだね バカだね バカだね あたし 愛してもらえるって思ってたなんて…って、まぁなんか俺もう号泣しちゃって。俺、不勉強で中島みゆきさんの『化粧』っていう歌を知らなかったんですけれども、今回聞いてホントぶっ飛びましたね。中島みゆきさんの歌の表現力、歌詞の素晴らしさ…女心のね。理屈じゃないじゃないですか。どれだけの女性が、心がピュアに浄化される…。だから、歌ってホントに素晴らしいなって思いました」
今年3月から予定されていたソロツアーが新型コロナの影響で中止になってしまった宮本さん。ご自身にとっての挑戦について尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「なんだろうなぁ、うーん…。やっぱでも、いいコンサートを、次やる時に、万全な気持ちと体調でね、みんなの前で歌を歌うってことですかね。ま、1日でも長く歌いたいんだけど、ソロのコンサートをまだちゃんとやってないので、最高のカタチでソロのコンサートをやりたいな、っていうふうに思います。エレファントカシマシとも違う、自分の色を出したソロのコンサート、しっかりやりたいですね」
「(挑戦は)やっぱ苦しいですけどね。元気でいないと挑戦する気になれないし、いろんなバランスだとは思うんですけれども、やっぱり挑戦する気持ちを持っていられるっていうのはホントに素晴らしいことだって思いますよね」
番組では、そんな宮本さんの挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました!こちらを1名様にプレゼントします。このホームページのメッセージフォームから「宮本浩次さんの色紙希望」と書いてご応募ください!