先週に引き続き、今週も大宮エリーさんをお迎えしました。

薬学部を卒業して広告代理店に入った大宮さんですが、会社は7年で“ドロップアウト”したそうです。「それなりに頑張ったんですけど、ふと、私ホワイトボードに行き先書くのけっこうイヤだった、って思ったり。あと、出張するのに、みんな知ってんのに、出張申請書みたいなの書かなくちゃいけないんですよ。会社の命令で行くのになんで申請するの？おかしいじゃない？って。それ書き込むのが大変なわけですよ。で、書いて総務課に激怒されるっていう。あなたまた不備があるわよ！って…」

「事務が出来なかった。なんで人と一緒のことができないの？みんなができてることをなんでみんなはできないの？って。で、サラリーマン向いてないんじゃない？って言われたんですよ。そん時に、あ、ホントだ！と思って。これ以上いられない。申し訳ないと思って、辞めます、みたいな」

会社を辞めてハローワークにも行ったという大宮さんですが、ここでスピッツのアルバムのCMの仕事が来たんだとか。「2枚同時発売のアルバムだったんで、15秒じゃあれだし、ショートフィルムにしようかなと思って。それも凄くチャレンジだったんですよ。だって、広告の予算でしかも期間も短いですからね。でも、若い人にぜひ聞いて欲しいっていうプロジェクトだったんで、宮崎あおいさんにお願いして。あと、西島秀俊さんとか、菊地凛子さんとか、もうみんな凄い人になっちゃったけど、2日間で撮って…」

そんなショートフィルム、最初はウェブで公開されたそうですが、最終的には映画館でも上映されたんだとか。そして、大宮さんはこんなことをおっしゃっていました。「ある人に、エリーちゃんは営業する必要ないよ、って言われたんです。ちゃんと仕事してれば誰かが見てる。小っちゃい仕事でも誰かが見てて、次の仕事に繋がるんだ、仕事が営業してくれるって言ってくれたんですよ」

2012年には、コミュニケーションがテーマの個展『思いを伝えるということ』を開催した大宮さん。これも「個展をしましょう！」とお話を頂いて始まった企画なんだそうで、1万5千もの人が来てくれたんだとか。「体験型の個展なんですよ。お客さんが主人公になるんですよ、その個展って。舞台装置をいっぱい作っておくわけ」

「例えば、“立ちはだかるドア”っていうのがあって、私の文章と一緒に展示したの。人生にはこのドアが立ちはだかると。開けなければならないドアなのですと。でも、生まれた時に人は必ず鍵を持っている。大人になるとそのありかを忘れちゃうだけで必ずあるって書いてあるわけ。それでいろんな鍵が落ちてるんですよ、ぶわーって。で、大っきな巨大なドアが３つあるわけ。真っ暗な中、スポットライトがその鍵穴に当たってるわけです」

最近では、MISIAさんの曲のジャケットのイラストを描いたり、絵画展を開いたり、画集を出したりしているという大宮さん。「これもね、個展の流れから、凄いデカいギャラリーがあって、そこで何かやって、みたいなこと言われて。で、予算はない、って言われて。予算がないと装置が作れないんですよ。そうすると、じゃ、自分でできることって絵しかないな、みたいに思って…」とおっしゃっていました。

なんと、2年前までは絵を描いたことがなかったという大宮さんですが、『思いを伝えるということ』展からの成り行きで、パーティーで絵を描くことになってしまい、それが好評だったので絵の依頼も来るようになったんだとか。「パーティーに安藤忠雄さんとか世界の巨匠がいるわけですよ。その前でライブペインティングをする。やったことないのに。当然、針のむしろみたいな感じ。でっかいキャンバス張って、ワインをガブガブ飲みながら書いたんですよ。描き終わったら最後バーって拍手が起こって、あれ？みたいな」

また、今年の春には、初めての短編小説集『猫のマルモ』が発表した大宮さん。これは、5年前に水嶋ヒロさんが責任編集を務める雑誌用に書いて欲しいと依頼されたことがきっかけだったそうです。

番組では、そんな大宮エリーさんの挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました！こちらの色紙を1名様にプレゼントします。このホームページ右のメッセージフォームから「大宮エリーさんの色紙希望」と書いてご応募ください！