「愛、大事ですね」薬学部出身の大宮エリーさんがコピーライターになったわけ(2015/07/25 放送)
今週は、映画監督、脚本家、作家、演出家、CMプランナーなど、多方面で活躍されている大宮エリーさんをお迎えしました。
子供の頃から植物が大好きだったという大宮さん。今でも、しんどくなると公園の木に抱きついて癒されたりすることがあるんだとか。そこで、植物園がある大学ということで、理系科目が苦手ながらも浪人して東大に入学。しかし、お父さんが倒れた時に何もできなかったという経験を経て、植物学ではなく、薬学部に進むことにしたそうです。「救急車が来るまで背中をさすってたんだけど、何にもできなかったの。ちょっと遅れてたら亡くなってたって言われて…」
ところが、研究用のマウスに注射を打てなかったりしたことで、薬学部には向いてないことがわかったという大宮さん。そして、薬剤師の国家試験をサボるために、なんとブラジルのリオのカーニバルに行ってしまったんだとか。
「休んでも気が滅入るじゃないですか。後ろめたさがないようにどうしたらいいかな、って思った時に、友達がたまたま、その日ってリオのカーニバルの日なんだって、って言ってたんですよ。運命だ!と思って。同じ日にリオでカーニバルがあるんだ!行っちゃおう!みたいな感じで。そこに乗っかる力みたいな。挑戦ですよね。学校では相当問題になってたみたいですけど。欠席って後にも先にもない、みたいな。ズル休みですからね」
「そこから挑戦が始まるんですけど…就職しなきゃ、っていう。だって研究者になれないから。それで文系の友達に就職活動の話を聞いて、いろいろ説明会行ったりするんですけど、もう落ちまくるんですよ。だって、薬学部でなんでうちなんですか?って。製薬会社行った方がいいですよ、って言われて。33社落ちて。心はポキポキですよ。っていうか、粉々?テストで落ちるならいいんですよ。でも、自己PRして落ちるって、どういうこと?って。私は世の中にいらないんだ、って思っちゃうんですよ」
そんな経験を経て、ようやく広告代理店に受かった時には泣き崩れたという大宮さん。「元々、小っちゃい頃ね、文章の仕事に就きたいなっていうのはふっと思ってたの。でも、そんなの食っていけないでしょ。才能ある人がやるんだと思ってたから、文章で食うなんて…と思ってたの。そしたら、コピーライターという仕事があって、ちゃんと経済の中で回っていく、文章の仕事だけど。こんな良い仕事ないなと思って」と、コピーライターという職について経緯について話してくれました。
「私は文系脳・文系の頭だけど、理系を通ってきてるから、理系のノウハウがついてたんですよね。研究者のなり損ないですけど、研究者って仮説を立てて、考察して、実験していくわけですよ。それが実は広告代理店でも生きたっていうか。何でもいいわけじゃないんですよ。企業の商品を売る。だって、何億のプロジェクトだったりするわけじゃないですか。何を言うかって大事。失敗できないからいっぱい分析する。それが、あれ?これなんか研究に似てるな?みたいな」
「いろんなクリエイターの方いますよ。これ面白いでしょ?最高!みたいな。で、なんでですか?って聞くと、面白いから、ってだけの人もいるけど、私はA案、B案、C案…E案まで考えていって、これはこういう筋道で考えたからこうなります。これはこうだからこうなりますって、クリエイティブじゃない人にもわかるようにしてたんですよ」
また、大宮さんはご自身についてこんなこともおっしゃっていました。「私はたぶん思いやり能力があったんじゃないかなと思います。相手を思う力っていうか。だから、この案ぽーんって出されてどう思うだろうって。いいかどうか絶対ジャッジできないじゃないか、それ可哀想じゃないかと。だから、わかるようにどうやって書けばいいのかな、って考えていくとか。そういうアイデアの出し方なんですよ」
「愛、大事ですね。恥ずかしいけど、愛しかないんですよね。知識とか全然ないから。ほら、薬学部出身で結局、演出学科でもないしね。美術大学でもないし、そういう門外漢のコンプレックスがあるわけですよ」
来週も引き続き、大宮エリーさんをお迎えします。お楽しみに!
子供の頃から植物が大好きだったという大宮さん。今でも、しんどくなると公園の木に抱きついて癒されたりすることがあるんだとか。そこで、植物園がある大学ということで、理系科目が苦手ながらも浪人して東大に入学。しかし、お父さんが倒れた時に何もできなかったという経験を経て、植物学ではなく、薬学部に進むことにしたそうです。「救急車が来るまで背中をさすってたんだけど、何にもできなかったの。ちょっと遅れてたら亡くなってたって言われて…」
ところが、研究用のマウスに注射を打てなかったりしたことで、薬学部には向いてないことがわかったという大宮さん。そして、薬剤師の国家試験をサボるために、なんとブラジルのリオのカーニバルに行ってしまったんだとか。
「休んでも気が滅入るじゃないですか。後ろめたさがないようにどうしたらいいかな、って思った時に、友達がたまたま、その日ってリオのカーニバルの日なんだって、って言ってたんですよ。運命だ!と思って。同じ日にリオでカーニバルがあるんだ!行っちゃおう!みたいな感じで。そこに乗っかる力みたいな。挑戦ですよね。学校では相当問題になってたみたいですけど。欠席って後にも先にもない、みたいな。ズル休みですからね」
「そこから挑戦が始まるんですけど…就職しなきゃ、っていう。だって研究者になれないから。それで文系の友達に就職活動の話を聞いて、いろいろ説明会行ったりするんですけど、もう落ちまくるんですよ。だって、薬学部でなんでうちなんですか?って。製薬会社行った方がいいですよ、って言われて。33社落ちて。心はポキポキですよ。っていうか、粉々?テストで落ちるならいいんですよ。でも、自己PRして落ちるって、どういうこと?って。私は世の中にいらないんだ、って思っちゃうんですよ」
そんな経験を経て、ようやく広告代理店に受かった時には泣き崩れたという大宮さん。「元々、小っちゃい頃ね、文章の仕事に就きたいなっていうのはふっと思ってたの。でも、そんなの食っていけないでしょ。才能ある人がやるんだと思ってたから、文章で食うなんて…と思ってたの。そしたら、コピーライターという仕事があって、ちゃんと経済の中で回っていく、文章の仕事だけど。こんな良い仕事ないなと思って」と、コピーライターという職について経緯について話してくれました。
「私は文系脳・文系の頭だけど、理系を通ってきてるから、理系のノウハウがついてたんですよね。研究者のなり損ないですけど、研究者って仮説を立てて、考察して、実験していくわけですよ。それが実は広告代理店でも生きたっていうか。何でもいいわけじゃないんですよ。企業の商品を売る。だって、何億のプロジェクトだったりするわけじゃないですか。何を言うかって大事。失敗できないからいっぱい分析する。それが、あれ?これなんか研究に似てるな?みたいな」
「いろんなクリエイターの方いますよ。これ面白いでしょ?最高!みたいな。で、なんでですか?って聞くと、面白いから、ってだけの人もいるけど、私はA案、B案、C案…E案まで考えていって、これはこういう筋道で考えたからこうなります。これはこうだからこうなりますって、クリエイティブじゃない人にもわかるようにしてたんですよ」
また、大宮さんはご自身についてこんなこともおっしゃっていました。「私はたぶん思いやり能力があったんじゃないかなと思います。相手を思う力っていうか。だから、この案ぽーんって出されてどう思うだろうって。いいかどうか絶対ジャッジできないじゃないか、それ可哀想じゃないかと。だから、わかるようにどうやって書けばいいのかな、って考えていくとか。そういうアイデアの出し方なんですよ」
「愛、大事ですね。恥ずかしいけど、愛しかないんですよね。知識とか全然ないから。ほら、薬学部出身で結局、演出学科でもないしね。美術大学でもないし、そういう門外漢のコンプレックスがあるわけですよ」
来週も引き続き、大宮エリーさんをお迎えします。お楽しみに!