中嶋朋子さんが語る三島由紀夫原作の“不思議な”映画『美しい星』(2017/05/27 放送)
今週は、女優の中嶋朋子さんをお迎えしました。
昨日から公開中の映画『美しい星』に出演している中嶋さん。この作品は、普通の家族がある日突然、宇宙からのメッセージを受け取って「自分たちは宇宙人だと覚醒するお話」なんだとか。原作は1962年に刊行された三島由紀夫の小説で、彼にとっては異色のSF作品。中嶋さんは映画が決まる前から好きな作品だったそうです。
監督は『桐島、部活やめるってよ』などで知られる吉田大八さん。リリー・フランキーさんが気象予報士で、中嶋さんは彼の妻役。橋本愛さんが大学生の娘、亀梨和也さんがフリーターの息子を演じます。夫と子供たちが火星人、水星人、金星人として目覚める中、映画では妻が家族で唯一の“地球人”なんだとか。
「私は地球人です。はははは(笑)。でも、水の商売にハマっていっちゃう。なんですかねぇ。だから、どこか心の中に足りないものを感じながら生きているっていうのは全員そうなんですよね」「スキマがあって、そこにいっぺんにみんなの中で何かが埋まっちゃうんですよね。それが、それぞれ火星人だ!水星人だ!っていう覚醒で、妻である私は水のビジネスってものに没頭していくっていう」
そして「どうして宇宙人になったっていうことを受け入れるのかっていうのは、三島の原作でも深く書かれていないんです。いきなりバンと宇宙人だっていう自分たちの使命に邁進していく家族で始まってるんですよ。もうそれは全部とっぱらってあるんです」と中嶋さん。続けてこんなことをおっしゃっていました。
「でも、そういうことってもしかしたらあるかなって。宇宙人っていうふうになると難しいけれども、なんかわかんないけど腑に落ちちゃったっていう瞬間が人生にはたぶんある。それを宇宙人というものになぞらえることでいろんなフィルターがとれていって、原作ではすごく深遠なものがどんどん自分たちの中にも見えてくるようになるんですけど。だから正解はないし、明確な形に収めないっていうことをとにかくやりつくした映画でもあると思うんですよね」
中嶋さんが監督の吉田大八さんに「これはどういう意味ですか?これはどういうつもりですか?」と聞いても、吉田さんは「さぁ、まぁそんなこともあるんじゃないですか。…かもしれませんね」などと、はぐらかし続けたんだとか。
「それで気がついたんです。あ、そこを追ってはいけないんだ。直感的に、あるいは感じたまんま、わからないものを内包したまんま、この役は演るべきだって」
中嶋さんにとって今回の役は新たなチャレンジだったようです。
昨日から公開中の映画『美しい星』に出演している中嶋さん。この作品は、普通の家族がある日突然、宇宙からのメッセージを受け取って「自分たちは宇宙人だと覚醒するお話」なんだとか。原作は1962年に刊行された三島由紀夫の小説で、彼にとっては異色のSF作品。中嶋さんは映画が決まる前から好きな作品だったそうです。
監督は『桐島、部活やめるってよ』などで知られる吉田大八さん。リリー・フランキーさんが気象予報士で、中嶋さんは彼の妻役。橋本愛さんが大学生の娘、亀梨和也さんがフリーターの息子を演じます。夫と子供たちが火星人、水星人、金星人として目覚める中、映画では妻が家族で唯一の“地球人”なんだとか。
「私は地球人です。はははは(笑)。でも、水の商売にハマっていっちゃう。なんですかねぇ。だから、どこか心の中に足りないものを感じながら生きているっていうのは全員そうなんですよね」「スキマがあって、そこにいっぺんにみんなの中で何かが埋まっちゃうんですよね。それが、それぞれ火星人だ!水星人だ!っていう覚醒で、妻である私は水のビジネスってものに没頭していくっていう」
そして「どうして宇宙人になったっていうことを受け入れるのかっていうのは、三島の原作でも深く書かれていないんです。いきなりバンと宇宙人だっていう自分たちの使命に邁進していく家族で始まってるんですよ。もうそれは全部とっぱらってあるんです」と中嶋さん。続けてこんなことをおっしゃっていました。
「でも、そういうことってもしかしたらあるかなって。宇宙人っていうふうになると難しいけれども、なんかわかんないけど腑に落ちちゃったっていう瞬間が人生にはたぶんある。それを宇宙人というものになぞらえることでいろんなフィルターがとれていって、原作ではすごく深遠なものがどんどん自分たちの中にも見えてくるようになるんですけど。だから正解はないし、明確な形に収めないっていうことをとにかくやりつくした映画でもあると思うんですよね」
中嶋さんが監督の吉田大八さんに「これはどういう意味ですか?これはどういうつもりですか?」と聞いても、吉田さんは「さぁ、まぁそんなこともあるんじゃないですか。…かもしれませんね」などと、はぐらかし続けたんだとか。
「それで気がついたんです。あ、そこを追ってはいけないんだ。直感的に、あるいは感じたまんま、わからないものを内包したまんま、この役は演るべきだって」
中嶋さんにとって今回の役は新たなチャレンジだったようです。
「凄く新しいものをもらったんですよね。役柄っていうものは、いろんな履歴とかを掘り下げて細かく作り上げるんですけど、もうちょっとジャンプしてもいいんだなって。自分の知らない部分、自分にもあるじゃないですか。え、こんな自分があったのか、みたいな。そういったものを表現する時って全部お膳立てすると決して表れてはくれないんですよね。手放して飛び込むっていうことをすると、自分にも脚本の中にもないような彼女独特のものがパッと生まれたりする、っていうチャンスをもらった感じでした」
この作品がいかに「不思議な映画」かということを熱く語る恵さんに答えて、中嶋さんはこうおっしゃっていました。
「UFOが出てくるとか、宇宙人だっていうことに決着がつかないじゃないですか。そして、そのこともたいして掘り下げないというか。SFだったら、宇宙人が攻めてきた!それに対して地球を防衛しよう!とか、そういうのもないじゃないですか。だから、たぶんそういういい感じのフラストレーションっていうのがあちこちに勃発するんですよね」
撮影中は、出演者もどういう映画になるのか想像がつかず、キャストみんなで「どうなるんだろうね?」なんて話していたとか。そして、家族一緒のシーンで会った時にそれぞれ個人のシーンのことを報告して「へえー!」と言い合っていたそうです。
吉田大八監督の映画は好きだったという中嶋さんですが、出演するのは今回が初めてだったそうで、監督について「凄いですよ。何考えてるんだろうっていう(笑)。すごい頭の中ですよ」と話してくれました。
ちなみに、恵さんがオススメするこの映画の楽しみ方はこんな感じです。
「この映画はできれば2,3人で行って、別々の席に座って1人で観ていただいて。で、終わった後に居酒屋でも取っていただいて(笑)。ぜひそこで、どこが気になったとか、何が変だとか、どういう意味なんだとか、そういうことを語る時間までが映画だと思うんですよ。家に帰るまでが遠足、的なことですよ」
そんな映画『美しい星』は現在公開中です!
ちなみに、恵さんがオススメするこの映画の楽しみ方はこんな感じです。
「この映画はできれば2,3人で行って、別々の席に座って1人で観ていただいて。で、終わった後に居酒屋でも取っていただいて(笑)。ぜひそこで、どこが気になったとか、何が変だとか、どういう意味なんだとか、そういうことを語る時間までが映画だと思うんですよ。家に帰るまでが遠足、的なことですよ」
そんな映画『美しい星』は現在公開中です!