白石康次郎さんが世界で最も過酷なヨットレースを語る!(2017/05/20 放送)
先週に引き続き、今週も海洋冒険家の白石康次郎さんをお迎えしました。
白石さんは昨年、世界で最も過酷なヨットレースといわれる『ヴァンデ・グローブ』に初挑戦。これは単独無寄港無補給で世界一周するヨットレースで、名前はスタート及びゴールになっているフランスのヴァンデ県と地球を意味する言葉Globeから来ています。ちなみに、これまでの最短記録は74日間だそう。
「人類最小単位のたった一人でこのでっかい地球を一回りするレースなんて他にないんですよ。普通スポーツって2時間でしょ。僕らは2000時間ですからね(笑)。距離は世界一周だし。これ以上長いのなんかないし。最高に楽しいです」
白石さんは昨年、世界で最も過酷なヨットレースといわれる『ヴァンデ・グローブ』に初挑戦。これは単独無寄港無補給で世界一周するヨットレースで、名前はスタート及びゴールになっているフランスのヴァンデ県と地球を意味する言葉Globeから来ています。ちなみに、これまでの最短記録は74日間だそう。
「人類最小単位のたった一人でこのでっかい地球を一回りするレースなんて他にないんですよ。普通スポーツって2時間でしょ。僕らは2000時間ですからね(笑)。距離は世界一周だし。これ以上長いのなんかないし。最高に楽しいです」
そんなヴァンデ・グローブで使われるヨットは全長約18メートル、マストの高さは28メートル。実はこれ、通常は10人ぐらいでコントロールする大きさの船なんだそうで、新艇だと4億円もするんだとか。
「だから、僕らのヨットレースは2つ冒険があって、陸の冒険と海の冒険ですね。まず人間界で4億円集めないといけないわけでしょ。例えば4億円ください、これ5億円にして返しますから、って言うんだったらそれはビジネスでしょ。でも、4億円ください、死んだらゴメンねって言うんですよ(笑)。それで4億円集めるぐらいの人物になんなきゃダメなんですよ。それになるために30年かかったんです」
そして挑んだ夢のヴァンデ・グローブですが、結果はと言うと、残念ながら途中でリタイア…。
「今回3億5千万集めて結局リタイアして泣いて帰ってきましたから。謝ったって謝りきれないし、弁償なんかできない額ですよ。それを完走率50%にかけるんですよ。で、失敗して帰ってきたんですよ」と白石さん。でも、その言葉には力強さがありました。
「それ(陸のレース)がイヤな人はやらない方がいいし、それでくよくよしてるようだったらできないです。その失敗も成功も覚悟の上です。死ぬことだってあるんだから」「だから僕らはヨットだけやってもダメ。お金だけ合ってもダメ。自然界と人間界、両方勝ち抜いていかないとこのレースは成功しないんですね」「それで失敗するでしょ。信用も失うし、スポンサーも失うでしょ。それでもやるんですよ。それでもチャレンジするんです」
レースをリタリアせざるをえなくなった経緯について、白石さんはこう話してくれました。
「12番手まで追い上げて、これからいよいよ10番手以内だっていう時に、南アフリカの下ですね、そこで夜に突然、ボキッってマストが折れるんですよ。(原因は)経年劣化ですね。実は僕の船、中古でしょ。世界3周目なんですよ。で、マスト1本新しくするのに3000万円かかるんですよ。買えなかったんだね(笑)。中古マストで走ってたんだよね。だから、ちゃんと良いスポンサーを得なければそこで不利なんですよ。そこもレースです」
さらに白石さんはこんなこともおっしゃっていました。
「よく、あきらめちゃいけない、って言うんだけど、あれって悪い決断じゃないんですよ。あきらめるって明らかに見きわめるって意味なんですよ。何度もあきらめたことはあるわけ。ただ、投げ出したことはないんですよ。あの半分のマストで世界一周はもう無理です。それは無謀って言うんですよ。だから、明らかに見きわめて体制を立て直していくっていう決断は決して恥ずかしいことじゃないです。もう負けたんだから負けを認めるんですね」
「最善を尽くしきってもダメなものはダメなんです。相手は自然だから。その時はもう潔く負けるんです。ただし、負けることに負けちゃダメですよ。負けることから逃げたりね。僕は戦って負けたんだと。何も恥じることはないし、言い訳することはないんですよ」
そして「まだまだ僕の挑戦は続きます」とおっしゃっていた白石さん。ヴァンデ・グローブは4年に一度のレースなので、次回は東京オリンピックと同じ2020年。もちろん出場を目指すそうで、「今度はみなさんにフィニッシュを見せたい」と話してくれました。
最後に白石さんにとっての挑戦について伺うと、返ってきたのは「好奇心の爆発」という言葉でした。
「昔ね、JRかなんかのコピーに、“距離に負けるな好奇心”ってあったの。いい言葉でしょ。自分の心のコンパスに従ってそっちに鍵を切んのよ。どんな茨の道だろうが、どんな不可能と言われようが、とにかく自分の心の向いた方に行くんですよ」
また、白石さんにとっての冒険とは「家に帰ること」だとか。
「家族って軸足なんですよ。僕は仙人や世捨て人じゃなくて、家族が、軸足がしっかりしてるから遠くに飛ぶわけ。で、帰るところがあるから帰れんの。昔、山で“エゴで登って愛で下りる”っていう言葉があって。まさにそうだよね。エゴで出港して愛で母港に帰ってくるわけ」という名言を残してくれました。
番組ではそんな白石さんの挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました!こちらの色紙を1名様にプレゼントします。このホームページ右のメッセージフォームから「白石康次郎さんの色紙希望」と書いてご応募ください!