短いお話で読みやすい文章ではあるものの、行間を想像すると膨大な思いが寄せてくる物語。特にラストシーン、青年の亡霊(?)はどういう気持で花の香りをかいだのか・・・考えると胸が痛くなります。ありきたりですが戦争は何も生み出しませんね。さて物語の中で重要な役目を果たしている将棋。小川さんは『猫を抱いて象と泳ぐ』を執筆されたとき将棋について色々調べたそうで、その起源はインドだと教えてくれました。シルクロードを通って他の国にも伝わり、今では様々に形を変えたボードゲームが世界各地で楽しまれているのだそう。日本で国を熱狂させる若き棋士を生み出し、そして文学遺産の中にも登場する将棋。インドは偉大なゲームを生み出してくれました。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!)
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