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来ました来ました、毎年恒例川端文学をじっくり味わう日が!そして今年もまた想像を超えるスケールで私たちを圧倒!特に、小川さんも衝撃を受けた冒頭の“毛抜シーン”は、エロティックも、神々しさも、グロテスクも超えて、なんだか読者の方がもじもじしてしまう気まずさでした。あんな場面を純文学まで高められる川端、やっぱり只者じゃありませんね。主人公の菊治は女性に妙に冷めていて薄情そうだし、太田母子は掴みどころがなく実体がない。ちか子に至ってはもう悪意の塊のような人物で・・・。個性強すぎる登場人物たちですが、続編の『波千鳥』でもみんな元気に(太田夫人はあの世にいっても)くんずほぐれつやっています。気になる方はぜひご一読を!
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2021年04月11日
石井遊佳『百年泥』
2021年04月04日
『ワーズワス詩集』
2021年03月28日
ケストナー『ふたりのロッテ』
2021年03月21日
泉鏡花『春昼』

アーカイブ
私の心がとても甘美にため息をつくのを私は感じる/ウエルガス・アンサンブル
菊治は太田夫人が死んでからも夢に見て「甘美な陶酔があった。」とありますので、♪私の心がとても甘美にため息をつくのを私は感じる。それはあなたの愛のため、喜びでいっぱいの奥方よ♪と歌っている曲を選びました。地中海のキプロス島で中世の終わり頃に演奏されていた宮廷音楽です。
マスターピース/アトランティック・スター
「君は傑作なんだ、美術作品のようさ」という歌詞が出てきます。菊治が、志野の名品の水差しから文子の姿を思い浮かべる、あるいはその器の肌に太田夫人の肌を思い出す場面と重なります。
 
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