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俗念なく戦争に打ち込む張り切り武将・直江兼続を愛情あふれる言葉で紹介したこの作品。予想したようなドラマチック時代小説でなく、最初はちょっと出鼻をくじかれましたが、坂口安吾の底しれぬ歴史知識と分析力、想像力が結集したような文章には、素直に「すごいなぁ」と感動させられました。さて5年かけて読んできたこの『時代小説傑作選』も今回で読破!小川さんと「感慨深いですねぇ」「また何年もかけて他の傑作選を読みたいですねぇ」なんて話していたのですが、実はよくよく見るとこの本には6位以下のランキングも掲載されています。選評も含めて相当面白いので、収録されていない6位以下も番組でいつか取り上げるかも?!まだまだ終わらない、終われない、時代小説傑作選なのでした。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2020年11月01日
テリー・ケイ『白い犬とワルツを』
2020年10月25日
西村京太郎『寝台特急殺人事件』
2020年10月18日
キャサリン・マンスフィールド『見知らぬ者』
2020年10月11日
『八木重吉詩画集』

アーカイブ
英雄牧歌劇『ナイス』より「リゴドン」/レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル、マルコ・ミンコフスキ(指揮)
坂口安吾は、モーツアルトとバッハに、フランスの作曲家・ラモーを加えて、これが最上の音楽、とエッセイ「現代仏蘭西音楽の話」に書いています。さらに、愛犬の名前もラモーでした!
天国の英雄的な門への前奏曲/高橋悠治(ピアノ)
サティ作曲。同じエッセイで、サティについても絶賛している安吾です。「兼続は身分はただの家老でしたが、もっとも当たり前のことを当たり前にできる天分を持っていた、一種の真の英雄だったのかも」と小川さん。
ハイ・ヌーン(映画「真昼の決闘」主題歌)/フランキー・レイン
妻、坂口三千代さんの「安吾追想」に、坂口安吾は、『真昼の決闘』が気に入って十数回見に行ったと書いています。「安吾は、兼続について「策戦マニヤだが、戦争マニヤではなかった」と書いています。決闘よりもそこに至る過程が大事だったのかもしれません。」と小川さん。
 
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