昭和の初めのベストセラー『放浪記』。どこまでも続く貧乏生活、果てのない金策、言いよる男にはときめかず、好きになるのはダメ男ばかり…そんな毎日の愚痴が溢れているこの作品は、当時の世の中のほとんどだった貧しい人々にとって「自分たちの仲間からこんな文才ある人が現れて、良くぞ我々の生活の苦しさを代弁してくれた!」と嬉しく、それがヒットに繋がったのかもしれませんね。辛酸を舐めるような毎日で読んでいる私たちも辛くなりますが、ここまでくるとユーモラスにも見えてくるのが不思議なところ。今ならblogやSNSで発信したら相当数のフォロアーがつきそう!…炎上も度々しそうですが。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!)
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