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明治という身分や価値観が目まぐるしく変化した激動の時代、その変化について行けない不器用な大人たちのとばっちりを食ってしまった、賢く健気で負けず嫌いな少年の物語です。とにかく主人公・吾一の周りには、ダメな大人が多すぎ! その筆頭・吾一の父は「生まれる時代が遅すぎた」ということを差し引いてもダメすぎるダメ男。能書きばかりで全く役に立たず、家族を1ミクロンも顧みないくせに、妻が亡くなった時には「恋女房に先立たれて哀れな俺」に酔いしれたり、吾一のピンチに現れないどころか消息を絶ち、労働という負の遺産だけ残して蒸発…いやはやとてつもないダメ親父でした。今回番組で読んだテキストではラスト、吾一には明るい未来が待っていそうでしたが、父がふらりと帰ってこないよう祈るばかりです。(帰ってきそうだなぁ!)
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2020年01月05日
沢村貞子『私の浅草』
2019年12月29日
マイ・ベストブック2019
2019年12月22日
松本清張『熱い空気』
2019年12月15日
ボーモン夫人『美女と野獣』

アーカイブ
Hard Times, Come Again No More/矢野顕子
吾一やおっかさんの様子を読んでこの曲を選びました。アメリカの作曲家、フォスターによる「つらい時はもうごめんだ」という曲です。
Hard Times(No One Knows Better Than I)/レイ・チャールズ
呉服屋に奉公に出ているとき吾一は母を亡くし、ますます辛い日々を送ることになりました。♪僕の母さんが息を引き取る前にこう言ったんだ、「よくお聞き、私が神様に召されたら、忘れずにお祈りするのよ、もっともっとつらい日々が待っているんだからね」♪レイ・チャールズの自伝的ナンバー。
心に太陽/かりゆし58
山本有三といえば「心に太陽をもて」も有名です。「吾一の心はいつも太陽のようにマグマのかたまりを抱えていました」と小川さん。
 
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