シカゴには行ったことがありませんが、本の中の風景が鮮やかに脳裏に浮かんでくる、濃厚な表現の数々。さすが、翻訳の柴田元幸さんが「いままで自分が訳したなかで最高の一冊」というのも納得です。ところで語り手の“僕”の祖父であるジャ=ジャ、実際に身内にいたら厄介そうですが、遠くから眺めている分には最高に面白いおじいさんでしたね。スペリング・テストの勉強をしている孫に「どあほう」の綴りを書けと言ったり、そうかと思うとショパンに関するうんちくを事細かに知っていたり…(どこまで本当かわかりませんが)。彼の人生色々と大変なこともあったと思いますがとにかく明るい。こういうおじいさんと濃密な時間を過ごした“僕”の未来も、きっとユーモアに縁取られ、明るいものとなっていくことでしょう。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!)
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