辛いという言葉では片付けられない強制収容所での出来事。そして解放後の時間。「きっと何事もなかったかのように過ごすほうが楽なはずなのに、著者は私たちに伝えるために“思い出す”という苦しいことをやってくれているんです」と小川さん。確かにこの1冊を書くためにどれほどの痛みを伴ったことでしょう。その痛みを恐れず、私たちに伝えてくれた作者の勇気に感服するばかりです。ところでこの番組ではこの時期ホロコースト関連の本を読むのが恒例になっていて、正直「ああ、また読むのが辛いなぁ」と毎回暗い気分になるのですが、この辛い気分を味わうのが大切なのだと最近感じています。戦争でも、原爆でも、震災でもなにか1つテーマを持って、記念日近くに手に取るという読書法、小川さんに教えていただいた大切なことの一つです。
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