心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
1945年1月27日、ナチス・ドイツによる強制収容所「アウシュヴィッツ」が解放されました。しかしその前の年、当時16歳だったある少女がこの場所に連れて来られたのです。名前は、マグダ・オランデール=ラフォン。ハンガリー系ユダヤ人だったため、母親と妹と一緒に「アウシュヴィッツ」に収容され、到着後すぐに母と妹はガス室に送られてしまいます。家族でただひとり生き延びた彼女は、長い沈黙ののちその経験を綴り、さらに自分の記憶を何万人もの若者に語る活動をはじめます。それをまとめた本が「四つの小さなパン切れ」。勇気を持って語られた言葉を読むと、過酷な状況を生き延びた女性がいかに人生を取り戻していったのかが伝わってきます。
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